髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

自転車旅行日記 ~房総半島一周編 3日目昼間~

2014-09-01 21:00:35 | 自転車旅行日記
前回のあらすじ
房総半島最南端、白浜に着いた髭人。
それから一周すべくそのまま進み、鴨川へとやってくる。
案内所で宿を紹介してもらい行くと
高い癖に、ドアが安っぽい、テレビ故障、部屋内の風呂使用不可という酷い部屋に入れられ
夕食を取れる場所を主人に聞くと休みという始末。
内心怒りが溜まるなか髭人は寝ました…



2時間おきに目が覚めた。0時、2時…そして4時に起きた。
一応テレビをつけてみる。映りが悪いので声を聞くぐらいしか出来ない。お茶を飲んで体を温める。
荷物を入れて、5時ちょい前に出る事した。
それで俺は思った。

髭人「あ、もしかしてあの主人、俺の言った事忘れて、手動にしてなかったらどうしよ」

と…
前日、早めに部屋を出たいから自動ドアを開けといてくれと頼んだのだ。
今回のクソ対応があって、俺は主人の事を全く信じてなかった。

髭人「まぁ…開いてなかったら叩き起こせばいいか?」

とかと、酷い事を思いついていた。(別に酷い事じゃない。正当である)
だが、客が言った事を忘れたら、相当問題がある事になるだろう。

フロントにキーを置く。そして自動ドアに手を掛ける。

「開くか?」

と力を入れるとズズズと開いた。

髭人「開いた。って開いて当然何だがな…」

出てから勿論、閉めて相棒の下へ…タイヤの空気は減少していない。(当たり前、心配しすぎ)
サドルに跨る。臀部と足が微かに痛い。

髭人「気合だ!」

と、ペダルを踏み込んだ。
近くのコンビニでコンビニ弁当を食べる。食べてから北上する。
道は広い。流石、「鴨川シーワールド」があるだけある。(それぐらいしか鴨川について知らない)
と、5時にその脇を通過した。
そこからもやはり山道である。上り、降り、上り、降りの繰り返しである。
しかも日が差してきて、日焼け止めを腕と首、顔にしっかりと塗りこんだ。
それにしても日焼け止めを塗って汗をかくと、毛穴の点々に浮き出てくるんだよね。
それをまた塗って、走る。鴨川では道は大きかったが、それから次第に道が狭まってきた。
その上、やはりトンネルである。行きの時のように狭い。暗い。危ない。
一番勘弁して欲しかったのは坂道にトンネルである。行きの時は平らな道にトンネルだったのでまだ良かった。
コンビニがある毎に休み、痛みを堪えて走る。
疲れは明らかに蓄積されていてそれが痛みとなって現れていた。
サドルという小さい部分に長時間に腰を掛けペダルを漕ぐという行為を続けるというのはかなり消耗するものだ。
しかも夏の暑い時期だからな。疲労するのは当然と言える。

痛みが酷くなってきたと感じたら、コンビニのトイレを借りて、ズボンを脱いだ状態でコールドスプレーを吹きかける。路上とかでパンツ姿はマズイからね…(意外に気にします)
そうそう。ペットボトルに飲み残したジュースを入れる訳なんだけど、だいたいお茶系だと残す。
甘いジュースは体にす~っと吸収されちゃうんだよね…
紅茶も飲んじゃうし。良くお酒は体に吸い込まれていくっていうけどそれと同じ感覚なんだろうか?
(甘い系を残すと後で飲むのがしんどい)

走り出して、既に時間は9時ぐらいになった。と、その場所は一昨年来た町。

髭人「ここからは知っている道か…」

と、前来た事を懐かしんだ。

髭人「そろそろ力を入れるか?」

と、コンビニに寄って、おにぎりを買う。(一昨年を)
駐車場でそのおにぎりを頬張っていると

男「どこから来たんすか?」

と若い男性が声を掛けて来た。
若いといっても俺から見て年上である。他人が俺とその人を比べたら過半数の人が俺の方が年上というだろうが…別に変わったことは無く受け答える。

髭人「今日は鴨川から」
男「鴨川?今日そこから来たんすか?ここから70kmぐらいありますよ」


髭人『珍しい人だって目で見ているのか?』なんて思っていたりすると

男「俺も高校生の時に伊豆半島を一周したんですよ」
髭人「伊豆?何日間でですか?」
男「5日ぐらいかな?最終日なんて帰るんだぁ!って200kmは走りましたよ」

つまりこの人は俺を見て、同類意識を感じたんだろう。あの時の自分もこんな感じだったと…(そりゃそうだろう)

髭人『1日200km…俺よりレベル高いな…』

と何となく敗北感のような物を感じた。別にその人と争っている訳ではないんだけどね…
敗北感?上には上がいるって所かねぇ?(つまらない対抗意識)
少しばかり同類同士で話して、その人とわかれて、また出発した。
一応、地図は見るものの、前来た道なのでそれほど気にせず走っている。
だいたい標識を気にするんだけど、だが、何か看板が置いてあるんだよね…
一応、自分の行くべき町があるので気にせず進む。
だが、渡った事のない陸橋がある。

髭人「ここはどこだぁ?」

と、地図を見るが見当もつかない。
しかも道が書いてある筈の案内標識がない。こりゃ、あんまり進むべきじゃないな。と、ちょっと戻ってコンビニの店員にでも聞こうと思ったら。そこに子供連れの主婦がいて、

髭人「ここはどこですか?」
主婦「え?ここはどこか?えっとねぇ…」

と、地図を覗き込んで今の場所を見つけようとしてくれるのだが。すぐには見つからない…

髭人『地元の人間なら今の場所ぐらい早めに見つけて欲しい物だけどねぇ…やっぱ店員に聞くべきか?』

と思うが、見守っている。折角、俺の為に調べてくれているのに、

髭人「もういいです」

などとは言えない。それに女性は一般的には地図に弱いと聞いた事があるから、待つ事にした。

主婦「ここがあそこだから…えっとここは…」
子供「ママぁ…」
主婦「ちょっと待っててね」

と良いお母さんって印象を受けた。(子供ちゃん、なんかごめん)

主婦「この道路、最近出来たからね~」

と、どうやらその地図には載ってない道路らしい。そりゃ探すのに手間取ってしまうのは仕方ないだろう。
で、

主婦「ここの辺りなんだけどねぇ~」

と、だいたいの場所が特定できた。

髭人「じゃぁこっちの方向に行けばこの国道に着きますね」
主婦「あ、そうね!それで、あなた何処から来たの?」
髭人「○○って所から、房総を周って…」
主婦「ええ?房総を?凄い…」

あまり無理をしている訳ではないが、その主婦にとってはすごいのだろうと思った。
それで深くお礼を言って、再出発
それから裏道に入るがだいたいの方向さえあっていれば大きい道に辿り付ける。それを確信していると見た事がある道に出た。「ここは!一昨年野宿しようかと迷った場所じゃないか…」と、その後、野宿場所などに行ってみてあまりの変わりなさに何だか面白かった。
国道に入ってずっと北上である。迷ったりして、もう昼頃になったので昼食を取る事にした。
場所は吉野家。そこでけんちん定食を食べた。
始めにけんちん汁を飲むのだが、これが旨すぎる…思わず風呂上りにビールを飲む人の如く

髭人「くぅ…」

とかって風に唸りそうになった。
俺は、今まで生きてきた旅行の中で、一番旨い物だと思った。
490円を支払う。たった490円で得られた至福の時、実に安上がりで庶民的な幸せである。(ただ一昨年感じた涙が出そうになるほどの旨さはなかった)

昼食も取って、再び出発、そう言えば追い風だったので進むのが楽で助かった。
房総半島もだいたい周ったので、千葉を横断するように進み始める。
するとすぐに山が現れる。この山が結構大きい物で、上るのも一苦労だった。
山を上がってからも辛い事は多かった。段差が多いのである。
段差と言っても階段があったりすると言う訳ではない。民家から車が出られるように、歩道がへっこんでいるのである。
他の場所でもそういうのは当然ある。(補修が行き届いていないというわけだ。まぁ歩行者もそんなにいない場所だしな)
だが、そこほど顕著に段差があるところは無かった。恐らく、相当昔に道路が作られてそのままなのだろう。
なら、車道の端を走れば良いという意見もあるのかもしれないが車道は狭い。その上トラックも通る。
これなら下手に歩道を作ってない行きの道のほうが遥かにいいと思った。
その時、今日の朝から臀部はかなり痛かったからその時の痛みは更に高まっていた。
段差は走る上でとても重要な要素だった。
どうにかこうにか山道を越えて、コンビニで休んだ。
すると歩行者に…


つづく


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