髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

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天使の吐息 #18

2009-08-04 20:41:36 | 天使の吐息(詩)
近所の神社のお祭りで浴衣を着ている小学生の女の子がいました。

着付けを母親にやってもらいその出来に満足げ

学校の友達と待ち合わせしました。

メンバーは男女3人ずつです。
ちなみに男の子の中には意中の男子はいません。

「浴衣もカワイイけど帯も凝ってない?」

「そう?でも、私のもいいけど」

女の子はお互いを誉めあっていました。
男子は浴衣についてはノーコメント。出店の方が気になるのでしょう。
こういう時に一言でも言えれば印象が違うのですが・・・

「じゃぁいこうぜ!」

神社の鳥居をくぐり、屋台を回っていきます。

くじを引いてみたり、射的をやってみたり、楽しみます。

「おじさん。お好み焼き1つ~」

「あいよ」

ちょっとお腹が減ったのでお好み焼きを買って、ベンチで食べようと思ったときでした。

ドン!

人が多いので大人にぶつかりました。

普段、履かない下駄を履いていたので、バランスを崩してしまいました。転倒は免れましたがお好み焼きが落ちてしまいました。

サッ

「落ちたのは1秒ぐらいだちょっとだけだ!大丈夫!」

男の子の一人がお好み焼きを素早く、取っていました。

運よく、コンクリートの所に落ちたので砂もついていませんでした。

ですが、女の子の様子がおかしいです。

「どうしたんだよ。食えるって!大丈夫!大丈夫!」

男の子は女の子は落としたお好み焼きの事を気にしていると思ったのですがどうやら違うようです。

「あ・・・」

浴衣にべっとりとソースが付いていました。

「すぐに洗えば大丈夫!大丈夫!」

男の子に連れられて神社そばの公園の水道で洗ってみましたが染みは薄くなったのですが広がってしまいました。

「・・・」

自分で選んだお気に入りの浴衣が汚れてしまい、今にも泣きそうです。

「ま、まぁ・・・良かったじゃないか?」

「!?」

この状況で理解できない言動でした。

ヒュウ・・・

「浴衣は汚れちまったけど、お好み焼きでお前は火傷しなかったんだろ?焼きたてって熱いからな」

「・・・」

シャリシャリシャリ!!

「ってぇ~」

男の子は突如、持っていたかき氷を掻き込み、頭痛がしているようです。

「ゾンビ~」

舌を見せるとブルーハワイを食べていたようで真っ青でした。

「ハハッ」

女の子の沈んだ気持ちがちょっとだけ和みました。


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