髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

自転車旅行日記 ~房総半島一周編 2日目昼間~

2014-08-19 21:00:43 | 自転車旅行日記
夜は熟睡出来たと言う訳でもなかった。
不安からか何かはわからないが1時間おきに目が覚めてしまった。
一応、起床予定時間を腕時計の目覚ましをセットしていた物の、必要なかった。
(タイヤの件を気にしていたのかもしれない。今だバーストしたままのタイヤに新チューブを入れているだけだから)

4時頃に起き出して5時に出られるように準備をした。
準備と言っても、ただ出した衣類や荷物をバッグに詰めるぐらいな物である。
早朝の天気予報を見て、今日は曇りだと言う。昨日も曇りだったので運が良いと思った。体力の消耗も控えられる。

部屋を確認する。忘れ物がないか何度か…5時に部屋を出た。キーをどうするかとちょっと迷った。
前日に宿の主人に

髭人「5時に出ます。でも起きられないかもしれないので起きなかったら6時に起こして貰えますか?」

と頼んだのだ。だから6時には確実に起きていると思って(勝手だろう。当時の俺)
5時に起きているかはちょっと怪しい気がした。フロントには誰もいなかった。(当然)

キーだけを置いて、出て行くのは避けるべきかなと思うが、そうなると宿の人起こす羽目になる…
それは折角寝ているのだろうから避けたいかなと考えていると

奥さん「起きられたんだ?」

と、丁度よく起きていたのでキーを渡す事が出来た。

奥さん「眠れた?」
髭人「1時間置きに目が覚めました」
奥さん「まぁ…大丈夫?」

と聞かれるが、筋肉痛や疲れなどは感じられなかった。

髭人「大丈夫です」

ありがとうございました。と挨拶をして俺は出発した。(急に宿泊したのだからもっと丁寧にお礼を言うべきだったと思う)
近くのコンビニで弁当を買い食べて、そろそろ地図を買い換えようと思った。
その時もっている地図はこれから行く先の縮尺が大きいのでわかりにくい。
だが、そこにある地図は高い物か、今持っている地図より縮尺が大きいかどちらかである。
しょうがないので買うのをやめて、朝食を取って、出発した。

昨日の木更津に向かう8~9kmルートによって山道ルートBから海沿いルートになってしまった。
余計な遠回りという所だが、宿探しのためだから仕方ないと言えるだろう。すぐにかなり大きな山に入った。
海沿いと言っても海が見えるような近い所を走るわけではない。ただ海が近いと言うだけで海は見えない。
坂道を歩いて越えて下り坂をダダ!と下る。
暫く走っているとそこは国道にも拘わらず自転車が走る道幅は減少し、車道の脇を通らなければならなかった。
極めて危険な状態である。ダンプや大型トラックが脇を通る時はヒヤヒヤものである。
とは言っても他に道などないのだから車に気をつけてもらうしかないと思いつつ走った。
その後、トンネル登場…
自転車が走る退避道など用意されてなかった…しかもそのトンネル。ライトがなかったのだ。
中は真っ暗!!それでいて、1車線ずつしかなくトンネルも小さい。
一応、自転車にはライトをつけていたけども、トンネルでの事故ってのは多いって聞いていたことがあったから少し不安だった。
だから車が来ないのを見計らって立ち漕ぎで

髭人「うおおおおお!」

と、ダッシュで駆け抜けた。必要以上の体力を使うのは避けたかったのだが、しょうがなかった。
事故ったら疲労などと言ってられないのだから…
(まぁ、今から考えればビビり過ぎって気がしたからな)

トンネルの殆どは小さい物ばかりなのですぐに出られた。代わりにトンネルの数は異常だった。数えてなどいられなかった。
時たま、車が通る主トンネルの脇に退避道はあったのが、中には退避道などと言えるような道ではないのもあった。
石が転がり、木の枝が散乱し非常に走りにくい。

で、その退避道のトンネルだから当然真っ暗でライトもない。
相棒のライトが無ければ危険極まりなかっただろう。勿論それでも路面が散らかっていて危ないだろうと思ったので歩いた。
その上、そのトンネル。横穴があって、しかも木々の柵があるのだ。入れないように。それで俺は思った。

「戦時中の防空壕じゃないか?」
「何かやべぇ…」

と思いながらそのトンネルを抜けた。殆ど人も利用しないトンネルだから管理もほとんどされていないのだろう。
幾つ物トンネルを抜けて4~5km置きにあるコンビニで休憩を取る。安い地図を見つけてその地図を購入して今どこか確認する。
目的地まではまだまだ遠い。
だが気落ちして止まっていても進まないので休憩は5分程度でまた走り出す。
と、また小さい山越えで坂を上っていると土質が変わった事に気付く。砂という感じなのだ。

髭人「近くに海があるな」

と思って、ちょっと高い所から海が見えるかなと道からそれて歩いてみたが見えなかった。

おじさん「どうしたんだい?」

と俺におじさんが出てきた。近くの工場の人だろう。

髭人「海が見えるのかと思いましてね…」
おじさん「ここからは見えないよ…」
髭人「そうなんですか~」

と、少し話していると

髭人「自転車で行くんだって?気を付けなよ。そこで、二人乗りして引っ掛けられた高校生が死んだから…」
おじさん「そうですか…」

と、普通に受け答えるがとても動揺していた。つまりは注意をしろという事なんだろうけど、俺としては

髭人『おいおい…死ぬなんて縁起でもない事を…』

という所だった。(まぁ、歩道もない道を二人乗りなどという自殺行為をするアホが悪いのだがな)
その後、後ろから走ってくる車に振り返りながら走りつづけた。(意識しすぎ)
と、ちょっとした休憩場所で事故があった。大した事ではないんだけど…
そこにあった灰皿を引っくり返したのである。灰皿つっても外にあるものなのでデカイ…

髭人「やべぇ…」

しかも水が入っていて長時間そのままだったのか臭い…
一難去ってまた一難ばかりである。しかしこのまま放置して逃げる訳には行かないので近くにあった空き缶に挟んで灰皿に戻そうと奮闘しそうになった時、近くの店から

店員「自分やりますからいいっすよ…」
髭人「そう言う訳にも行かないですよ」
店員「いいっすよ…汚れちゃいますから…」

と、俺はどうするのか迷う…無視して走り出すべきなのか、このまま見ているべきなのか…
手伝うべきなのかとも思ったけどその店員さんは箒や塵取りを持って効率よく散らかったタバコを処理している。
と、結局俺は

髭人「この分なら俺はいるだけ邪魔だな…」

とすいませんと思いつつ走り出した。(何か買ってやれ)
その罰が当たったのかすぐに相棒が不調…そう…パンクである。

髭人「駄目だこりゃ…」

と、下り道を降りると目の前は結構大きな町、不幸中の幸いと言うべきか…
山道は越えたという事である。ここならタイヤをどうにか出来る手段があるかもしれないと思った。
これが山のど真ん中だったらどうしたんだろうと思う。恐らく相棒に無理をさせ続けただろう。
近くの釣具屋に聞いた。

髭人「ここら辺に自転車用品店ってありますかね?」
店員「自転車用品店~…すぐ近くに自転車屋があるけどねぇ…後は街の中に行かないとないよ」
髭人「ありがとうございます」

と返して、一応、自転車屋に聞いたほうがいいかなと思ってそこまで歩いていく。
勿論相棒を引いて…すぐに自転車屋に着いて、そこにいたおじさんに

髭人「ここら辺に自転車用品店ってありますかねぇ?」
おじさん「ずっと先に行かないとないねぇ~」

と同じ事を言われて進む事にした。
歩いていると太陽が雲から顔を出してきたので日焼け止めを体に塗った。
1kmぐらい歩いて、近くに車屋が見えてきたのでそこでまた、自転車用品店の場所を聞こうと入っていった。
自転車整備工場の作業員のおじさんがいたので

髭人「この近くに自転車用品店ってありますかね?」
作業員「どうしたんだい?」
髭人「自転車のタイヤにガタが来まして…タイヤを買いたいんですよね…」

すると、やはり自転車と車は車という字があるからか何かしらの繋がりがあるんだろうと当時は思った。
そのおじさんは良くしてくれた。タイヤやチューブの状態を見て

作業員「こりゃもう駄目だねぇ…タイヤは穴が開いているし、チューブはその穴によって傷だらけ…」

一応チューブの修復技術を持っている俺でもこれではすぐに穴が開くだろうという事でタイヤとチューブを買いに行ってくれるとの事で無知な俺はそれに甘える事にした。
やはりこう止まっていたりすると

おじさん「どこから来たんだ?」「どこに行くのか?」

という質問は定番になってくる。別に答えるのに面倒になったりせずにちゃんと答えた。(トーーーゼン!!)
そして1時間弱してタイヤとチューブを車で買ってきてくれて、修理をする。
車の修理に手慣れているその人でも自転車はした事ないようだから手伝ってようやく修理完了…そして料金の方は…

「5000円と消費税」

高いと思った…
1日目の素泊まりよりも高い…かと言って「払えない」とか「まけて下さい」言う訳にもいかないのでちゃんと払いました。
自転車用品店ならタイヤ&チューブは2500円で、買えるだろう。
因みに前輪はこの旅行の三日前に交換したのでその価格は知っていた。なら後輪も行く前に交換しておくべきだった…ケチな俺のバカ~。
そして再出発、絶好調。って5000円も払ったんだから絶好調でないと困る。

(何たる無礼なヤツ!「チャリ屋に買いに行く手間、」&「購入費、」&「修理代」を考えれば安い!
10000円ぐらい請求されても不思議ではない!!当時の俺のバカ!アホ!マヌケ!ウンコタレ!!)

その後、コンビニで昼食を取る。そこは館山という所で、千葉最南端の海という目的地までは後、目と鼻の先である。
走り出してちょい迷ったがすぐに修正し、後はその道をまっすぐ行っていれば目的地である。
と、その道を直進すると、山、後一息という所でもやっぱり降りた。その日、目的地に付けばそれで終わりという訳ではない。
まだ帰りなどがある。気は抜いてる場合ではない。
しかしその道はコンビニなど一切ない田舎道、流石に舗装はされているけど…

髭人「ここら辺に住む人、コンビニって言葉、知っているのかな?」

と失礼な言葉を思いつき、(どんだけ孤立した土地だと思ってんえん)
山を越えるとやっと標識に「ここは目的地」という看板に見えて

髭人「よっしゃぁ!後少しだ!!」

と一人テンションが上がっていた。上った坂を降りる。降りている最中、先に海が見える。やっと着くとかって満足感などなかった。
道路を渡って

髭人「この先、行けば海に着く!」

と、行っていたらバランスを崩しそうになった。危ない危ない。ここでコケたら大馬鹿である。
その時そんなに速度は出してなかったが、舗装された道路で、しかも夏の時期で腕などは露出している。コケれば無傷で済まないだろう。
いてーいてー言いながらの帰り道はツライ。その後、ちゃんと気をつけながら走る。
すぐに海が目の前に広がってきた。
到着…白浜…


感想…
今振り返れば失礼極まりない奴。
灰皿ひっくり返してちょっと謝ってからは逃げるよう立ち去る。
タイヤ&チューブを善意で交換してくれた方々に「高い」などという心境。
当時の髭人を見つけたら首根っこ捕まえてケツキックだ!

ウリャァァァ!!


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