へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

赤松先生、ちょ~元気

2010-03-31 21:37:17 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

いつも通り部活を終えて、タコ壺の前を通りかかると、中に担任の赤松がいた。片山教授と楽しげに会話している。
あいつが明るい顔をしているなんて。
「よ」
ぼくに気がついて、手まで降ってきた。
「うっ」
ぼくはひいてしまった。
「そんなかたまるなよ」
軽い冗談まで…。
ど~したんだ?
「どうやら、来年はおまえの担任じゃないらしいぞ」
と、片山教授がコーヒーをずすりとのみながら教えてくれた。
「なんだ、そういうことか、それならぼくもありがたい」
と、つい本音を口にしてしまったけど、赤松は気にせず、
「おまえも元気でなあ」
と、あ・かるく答えて高笑いをした。
なんだ、この野郎。と、ムカついたけど、あとから片山教授が、
「ありゃ治らんな」
とつぶやくのを聞き、やっぱり元から変なやつなんだと実感したんだな。
2年は平和だ、きっと。
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休刊

2010-03-30 22:12:17 | 休刊案内
食事会のため休刊

タイガース勝利
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梅は咲いたか桜はまだかいな

2010-03-29 22:52:15 | へちま細太郎
「花見だ花見」
と、副住職先生が言った。
「寒くね」
「寒いから、酒がうまい」
「どこで咲いているっていうんだ」
「棒斐浄寺」
「バカ言え」
「何であんなところで酒飲みしなきゃいけないんだ」
「オッサン、ヤキが回ったな」
「何だとてめぇ」
オッサンたちの大騒ぎの宴会計画を、ぼくとおばあちゃんはため息。おじいちゃんは他人のふり。慶子おねえちゃんは菜々子を寝かしつけに2階に行き、リカは酒飲みの言葉に反応して、オッサンたちのそばに座っている。この犬、いつの間にか酒好きになってしまった。金本先生~
「桜はまだだが、梅は満開だ」
「だ~か~ら~」
何で副住職さんがうちにきて酒飲み計画を立てているのかわからないが、やっぱり立場上そういうのはよくないんじゃないの?
呆れてものが言えない、へちま細太郎でした。
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ぼくの誕生日

2010-03-28 23:21:12 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

昨日、部活のあと、りょうこちゃんに会いに行った。 春休みはりょうこちゃんといつもテニスをしていた。 おとうさんにばれたらすっご~くうるさいから、もちろん内緒だ。
去年から比べるとりょうこちゃんのテニスはだいぶ上達していて、もうぼくじゃ相手ができないくらいだ。
「うまいなあ」
スマッシュを決められて、ぼくはその場に尻餅をついた。
「もう相手できないよ~」
ぼくは座ったまんま拍手。
「ほんとに上達した?」
りょうこちゃんは嬉しそうだ。
ぼくはドキッ
りょうこちゃんはぼくに近寄ると、手を差し延べた。ぼくはその手をつかんで立ち上がった。ごく自然な行為だったけど、初めて触れたりょうこちゃんの手の温もりだった。
そのまま、握ったままずっとりょうこちゃんを見ていたけど、ほんとはほんの数秒間だったけど、長い長い時間だったような気がした。
ちょっとてれくさいぞ。
でも、13歳の誕生日、最高に嬉しいできごとだった。
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おやすみ

2010-03-27 22:49:17 | 休刊案内
ドラクエⅥしてます

すいません
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さむくて思考回路が働かんぜよ

2010-03-26 23:16:28 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

部活が始まる前に、
「さみ~」
と騒いでいたら、
「寒かったら走れ」
非常なのぶちゃん先生の怒鳴り声。体育館のギャラリーを走ろうとしたら、
「バカ野郎、外だ」
「ひええ」
卒業しても高校に進む先輩も、
「高校入ったらバスケ辞めよかなあ」
と、つぶやいて先生に蹴飛ばされた。
「ちきしょ~、うどの大木野郎」
怒ったってあったまんない。
全く、なんだって冬に逆戻りしたんだよ~。早くうちに帰ってこたつの中に潜り込みたい。
…と、ぼやいたら、
「今日の練習1日に変更」
と、またまた非常な声。
くそ~っ
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藤川家の分家?

2010-03-25 23:28:39 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

今日の部活は大学の卒業式なのでおやすみ。先生たちが、みんな出席のためなんだって。
今日はあまりの寒さにこたつの中に潜り込んで、おばあちゃんと一緒にテレビを見ていた。 もうすぐ3歳になる菜々子はリカのそばでお人形遊びをし、リカも菜々子を娘のように思っているらしく、おとなしく寄り添っていた。
おばあちゃんは、
「全くBSは通販か韓流ばっかりだ」
とぶつぶつ。
「おばあちゃん、珍しく嫌いだもんね、よんさま」
「どこがいいんだかわからん」
「わしもわからん」
と、いきなり鎧甲のおじさんが登場した。
「おや、お久しぶり」おばあちゃんがおきあがって、
「お茶のむ?」
と聞いた。
「熱いほうじ茶を頼む」
「はいはい」
おばあちゃんが極上の一保堂のほうじ茶を用意すると、
「茶は、まだまだ貴重品ゆえの」
と、鎌倉時代にはなかなか飲めなかったお茶をおいしそうに飲む。
「わしは“イ・サン”が好きじゃの、名君の話はよい」
「もしかして、“龍馬伝”見てるでしょ」
「見てるぞ、いいのぉ、岩崎弥太郎」
「ああ、やっぱり?」
おばあちゃんと鎧甲のおじさんが盛り上がっている。
おじさん、相変わらず楽しそうだな。
「今度また芝居をやるゆえ、見に来て欲しい」
と、チケットを何枚か置いた。
「1枚いくら?」
おばあちゃんが聞くと、
「心配はいらん、今回は藤川家の分家がスポンサーになっておる」
と、手を振った。
「藤川家の分家?」
いやな予感…。
「まさか、お坊さん姉弟?」
「一番上の姉の方な。分家の当主も物好きでな、尼殿の話を聞いて資金を出してくれた」
「まだ兄弟がいたの?」
と、あの須庭寺の副住職の顔を思い出した。
「尼殿の姉上が婿をとったらしい、これがまた筋金入りの変人だ」
ぼくはおばあちゃんと顔を見合わせた。
変人…、そりゃそうだろな、と納得したような気がした。
今度、会いに行ってみようっと。
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開幕戦の開幕戦

2010-03-24 22:57:53 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

雨が降っていた今日、中島教授は怒っていた。
「明日は大学の卒業式だ」
だから、それが何で怒る理由になるんだ~。
「明日も雨だからだ」
(-.-;)
何、考えてんだ、この人。
「しかも、冷えて腰が痛い」
タコ壺保健室は、書類まとめの大掃除中で、通りかかったぼくらは手伝わされていた。
「おまえらも難儀だな」
だから、何だってんだよ~、ハロゲンヒーターの前であったまってんなよ~。
「やかましいな、このくそオヤジ」
匿名希望の東山先生が、作業の手を止めて中島教授を睨んだ。意にかえさない中島教授は、
「そうそう、阪神の岩田が戦線離脱だそうだな、今季絶望だな」
と、パソコンのニュースを読みながら意地悪く笑った。
匿名希望の東山先生の顔が引き攣った。
「逃げた方がよくね?」
先輩が囁くと、ぼくたちも顔を見合わせて頷いた。そして、匿名希望の東山先生の右手が、応援バットをつかもうと動いたとき、ぼくらは一目散に保健室を飛び出した。途端に中から、関西弁と江戸前の言葉が、今日の雨のように降りかかってきた。
「ここ、保健室だよなあ」
「逆に病気になっちゃうよ」
懲りない人たちだなあ。
というわけで、セ・リーグの開幕まであと少し。伝統の阪神・巨人戦は、田舎の学校の保健室でその前哨戦がきっておとされたのだ。
ほんと、しゃあねえなあ
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須庭寺のお宝

2010-03-23 22:55:53 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

須庭寺の須弥壇の重要文化財の阿弥陀如来は、このお寺が出来た平安時代から鎮座しているんだって。だったら国宝でもいいじゃん、と思ったんだけど、金箔が剥がれた上に光背が紛失しているだからとか。
そりゃそうだろ、埃だらけだったし…
国宝の千手観音は、厨子の中に入っていてふだんは見られない。いつの殿様かわからないけど、天皇のお使いをご馳走したらご褒美にもらったといわれている。
これも大切にしまってあるんだけど、磨いてやった。
あ、何でこういう仏像をしまってあるかというと、以前本堂に泊まった広之お兄ちゃんが他の仏像蹴り飛ばして壊してしまったからなんだ。
そんな事情も知らないお宝泥棒は忍び込んで、ヤンキー2人と暴力教師2人にぶちのめされたわけだ。気の毒としかいいようがないよね。
だけどさ~、本尊がダミーで中が空洞で、そこから本堂が見渡せます、なんて信じられないよね。
絶対、仏罰があたるな。
し~らないっと。

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お彼岸のお客様

2010-03-22 22:01:26 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

お彼岸といえば、あの人たちの登場だ。
先日、鳥羽・伏見のおじさんのとんでもない告白に一同声も出なかったほど驚いた。 案外、やるもんだ、近藤家の面々も。ならば、おとうさんが未婚の父になったというのもわかる。
まさか、ぼくは10代でできちゃった婚するとか…んなことないよな。 考えたくもないや
で、鎧甲のおじさんは相変わらず役者魂に燃えていて、劇団で稽古の真っ最中。
関ヶ原のおじさんは、鳥羽・伏見のおじさんと須庭寺に、藤川家のお参りに行った。
「そういえば、須庭寺に泥棒が入ったんだって?」
泊まりに来ていたしんいち、たかのり、たかひろ、みきおはテレビのニュースをみて騒いでいた。
「若殿と義理の兄二人と親戚の副住職が撃退したって」
「泥棒は軽傷だって」
「軽傷?嘘だろ」
と、みんな日ごろの先生たちの行いを知っているから、うたぐり深い。
「なるほどのぉ、仏像を盗みにのぉ」
と、ぼくらの話しを聞いていた近衛少将さんが、扇の影で笑っている。
「どれ、陣中見舞いにでも行ってやるでおじゃるかの」
と、疑わしい発言を残してすぱっと消えてしまった。
「陣中見舞いって…」
ぼくらは家を飛び出して、須庭寺に駆け付けた。
案の定…
「このひな人形めがっ」
「田舎じじいも懲りないでおじゃるの」
やっぱり…。
美都田吾作と近衛少将さんが、口喧嘩?をしているところだった。
全く…。
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