お寺さんぽ Ver.03

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半兵衛、三木城を攻める「竹中半兵衛重治」5

2006年08月03日 | 歴史
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は秀吉の出世を影から大いに助けたといわれる異色の戦国武将、軍師「竹中半兵衛重治」についてです。
ここがいちばん面白いところ(だと思う)ので、ちょっと長いですが、どうぞ。

竹中半兵衛と黒田官兵衛―秀吉に天下を取らせた二人の軍師

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※こうして二人を題材にした本もあるのです。


三木の干(ひ)殺し、鳥取の渇(かつえ)殺し、矢も鉄砲もいらず…

天正六年(1578)
中国地方へ進出した秀吉は、一時は臣従を誓った播磨の名門「別所長治」の反乱によって、これと対峙することとなりました。
(※ちなみに別所家は村上源氏の流れを汲む守護大名、四職家のひとつ、赤松氏の庶流です)

この別所氏の本拠「三木城」は天険の要塞として知られていました。
そこで、攻める秀吉は周囲の支城を陥落させ、三木城を孤立させています。
また、あらかじめ時価の数倍という金額で付近一帯の米を買い占めておき、後に城を取り囲んで兵糧攻めにするという、”城攻めの達人”秀吉お得意の戦術をとるのです。
(※なにしろ、こっそり三木城内の備蓄米さえも売ってしまう始末だった)
その包囲は完璧で、”鼠さえも抜け出れぬ”というほどだったようです。
…この作戦の指揮をとったのが、竹中半兵衛重治だと伝えられています。
そして、これはもともと病弱であった彼の最後の作戦となるのです。

また、それに呼応するかのように、織田家家臣にて摂津国を与えられていた知勇の士「荒木村重」も突如叛旗を翻すという事件が起こりました。
これには黒田孝高の本来の主人「小寺政職」も加わっており、同時に御着城に立て籠もってしまうのです。
(※この時の孝高はまだ小寺家家老で、まだ秀吉配下ではありません)

驚いた黒田孝高は自らの主人と共に、旧知の仲であった村重の元へも考えを改めるよう赴きますが、なんとその場で捕らえられてしまうのです。
ここで殺されなかったのは、村重の恩情なのでしょう。

↑この黒田孝高という人は自らの才に大いに自信を持っていたようで、頭の回転が早すぎるためかうっかりな失敗も多いのです。本能寺の変でも同じ失敗してます。
才に溺れる、というやつですね。


偶然にも秀吉の配下として巡り会った重治と孝高ですが、同じ知恵者であるにもかかわらず、穏やかで柔和で控えめな半兵衛重治に対し、自信家で野心横溢でアクティブな勘兵衛孝高と、両者の性格が似ても似つかないという点は実に面白いものですね。

この両者を評して”秀吉の良・平”と呼ばれますが、これは漢王朝を築いた劉邦を助けた軍師、張良(ちょうりょう)と陳平(ちんぺい)になぞらえているんですが、張良と重治は同じように病弱だったなど、共通点も多いんです。


さて、有岡城へ入った孝高が戻らない、という報を受けた織田陣中では、「黒田孝高も続いて謀反!」という受け取り方をしてしまいます。
それを知った織田信長が秀吉に下した命令は「人質の処刑」でした。
孝高は小寺家の臣従を申し入れた際、織田家には主君の代わりに自らの息子「松寿丸(※後の黒田長政)」を差し出していたのです。

信長の命令は絶対です。
ただ、黒田孝高を知る者にとって、彼の性格や情勢分析などを踏まえ、荒木一派に加わったとは到底思えなかったのです。
ここで、信長に処刑を命ぜられた秀吉がどういう判断を下したのか、歴史は詳細に語っておりません。

一つ、「命令通りに殺害を指示した」

先に書いたように、孝高は秀吉の直接の家臣ではありません。
また、孝高自身も自らではなく、”小寺家の人質”として息子を送っているのです。
当時の主人、小寺政職が背いたのは事実ですから、ここで殺されても文句は言えません。…事実、説得工作は失敗しているのでしたから。


二つ、「命令を果たさず、匿った」

比叡山の焼き討ちでも、秀吉が担当した方面は比較的被害は少なかったとされています。
息子秀頼を守るため、あらゆる手を尽くした晩年はともかく、この頃の彼は”人殺しをできかぎり避ける”ような行動を常としていました。
秀吉の性格を考えると、これもありえる話だと思われます。

…さて、歴史が語る事実はどちらなんでしょう?
(※まぁ、知っている人も多いでしょうけどね)



[関連記事]
⇒ 竹中半兵衛重治 (1)(2)(3)(4)


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