「けんかか」・・・珍しい言葉だ・・・って、そんなのあるかよーっ
電車に乗ったら、「てめぇ、いい加減にしろよっ」って、多分若いであろうにーちゃんが言ってた。(メガネをかけてなかったので、イマイチ不明)
身体の大きなおじちゃんが、そのにーちゃんのことを引っ張って電車から降りれないようにしてた。で、電車は発車してしまった。
次の駅に着くまでの間、結構怖かった。見知らぬ背の高いおじちゃんが仲裁に入ろうとしてたけど、あんまり効き目がなかった感じ。
身体の大きなおじちゃんは、背の高いおじちゃんになだめられるとにっこりしてた。でも、そのくせ背の高いおじちゃんの後ろに半分隠れ気味の若いにーちゃんの方へ悠々と回り込むと、「ばしっ」って頭を叩いてた。可愛い叩き方じゃない。
それが何度もあった。若いにーちゃんは、ドアにくっついてた。もう、へばりそうだった。
身体の大きなおじちゃんは、だんだん「キレた感じ」になってきて、若いにーちゃんに近づこうと、間に入ってる背の高いおじちゃんに身体ごと向かってた。
電車が次の駅へ着いて、3人がだるま状にくっついて降りた。身体の大きなおじちゃんは、若いにーちゃんに向かって行った。すぐそこにあったベンチに若いにーちゃんを押し倒し、上から乗っかるようにしてぼこぼこ殴ってた。背の高いおじちゃんが止めに入っても、振り切ってまた殴ってた。自分のやってること、解ってるのか?って感じだった。
異常だった。少しして向こうからおばちゃんが来て、若いにーちゃんの側へ来て、かばうようにしてた。背の高いおじちゃんが、身体の大きなおじちゃんを若いにーちゃんから引き離し、押さえてた。
多分きっと、身体の大きなおじちゃんとおばちゃんは夫婦かな。若いにーちゃんはその息子かな。おばちゃんは、多分別の車両に逃げてたのかな。
身体の大きなおじちゃんは、普通じゃない、マトモじゃないって感じた。笑い方がそうだった。背の高いおじちゃんに向いてはニタニタ笑いつつ、でも急に表情変えて、若いにーちゃんを殴ってた。メガネかけてなかったからハッキリ表情は見えなかったけど、でもそういう感じだった。
身体の大きなおじちゃん、狂ってる感じだった。自分を見失ってる状態だと思った。マトモな自分がこの時の自分を知ったら、どんな気持ちなんだろう。
若いにーちゃんは必死に電車から降りようとしてたのに、身体ごと抵抗してたのに、その若いにーちゃんもそれなりに体格良かったのに、身体の大きなおじちゃんは、簡単に若い兄ちゃんを引き戻してた。殴り方も普通じゃなかった。
ちゃんと自分を見失ってなくての、お互いがお互いにやるぞってやってるケンカなら全然構わない。でも、こんなふうに理不尽な感じで人を殴るのは、とても堪らない。若いにーちゃんの泣きたい気持ちがあるようで、私はじーっと様子を見てた。でも、狂ってる男の人なんかには絶対敵わないから、ただ見てただけだった。
あんなふうに相手を抵抗出来なくして痛めつけるのは、最低の行為だと思う。
でも、最初っから見てた訳じゃないし、事情も知らないし、ほんとに親子ならばその日々の状況も解らないから何か言えた立場では無いけど、でも、相手の人間としての尊厳とか、そういうものを踏みにじるような行為は、絶対許せない。自分の権力や地位をかざしたり、権力や地位のある人間を笠に着て、相手を人とも思わないような行為をするやつは、最低だ。そういうやつらこそ、虫けらだし、踏み潰されて当然だし、そんなやつ、踏み潰してやる。自分の子供にそういうことをする親は、一番最低だ。そういう親は、絶対に許さない。
怖い気持ちよりも、今日はただじーっと見てる自分がたくさんだった。ジーっと見て、整理がまだ出来ないままに持ち帰ってきた。
整理、出来たかな。