ぺんぺん草

うたごころ*こども・・・語りつむぐことなど

いとしご

2011-06-28 12:42:56 | 随想
6月28日晴れ


ダリアの種を播きました。仏壇を整えたので、毎日のお供え用に庭で花を育てようと思っています。
このダリアは(いとしご)という名前がついています。長野県で見た花で、愛しい我が子・・・なんて名を付けたのはどんな方だろうかとその人柄を想像したものです。

普通は球根で店頭に並ぶのですが、種から育てられるのなら、いとし子のように精一杯育ててみたいと思ったのです。今は双葉がのぞき、7枚くらい葉がそろったら苗箱から地に植え替える予定です。

子どもの頃、夏は故郷の庭にたくさんダリアが咲きました。野菜もたくさんありました。他の花も小さな私の背よりも高く育って、花や野菜の隙間を抜けて走りまわって遊んだものでした。

畑友達から、昨日、かがりび草を頂きました。薪能の時のかがり火のような姿をしています。赤い色の他にも紫や紅色もあります。硝子の花瓶に挿して飾りました。「珍しいねぇ」という父母の声が聞こえてきそうでした。

極小の黒い一粒の種から、鮮やかな花が開くのは、まだまだ先になることでしょう。その「待っている」時間が何よりも楽しみで、種を落とすことが、「マイブーム」になってしまいそうです。

去年紛失したカメラが戻ってきたので、瀬戸の海をお見せします。しまなみ海道を歩いた記念の一枚です。






夏野菜が順調です。

2011-06-22 12:02:26 | 随想
6月22日曇り


今日は夏至、長い昼を充分に利用しようと畑で一仕事してきました。遅ればせながら植えた野菜たちは、元気に成長しています。
茄子や胡瓜は花が咲きだしました。西瓜は子蔓ができて、花が初めてついています。
唐辛子、オクラ、ゴーヤもしっかりと土になじんで伸びはじめました。

じゃがいもの収穫期ですが、うちのじゃがいもはまだ花も咲いていて、今年はどんなものが採れるのでしょうか。

台所で芽を出していたサトイモを埋めてみたら、今日は6本ほど薄緑の芽がつんと覗いていました。評判のいいサトイモだったので、冬にたくさん小芋が収穫できるかもしれません。

いつでも採れるコマツナを播きましたが、かたまりになって芽を吹き出し、間引きしておきました。これから虫に襲われるので、無事に育つかどうか・・・。ひとり生えの青紫蘇がぐんぐん勢いよく茂りはじめています。紫蘇は虫には強いので、数本育てて、毎年実を佃煮にします。葉も食卓を飾ってくれます。

父はトマト作りがとても上手でした。孫のためにたくさん植えてくれていました。私の畑でも、意外とトマトがよくできます。今年も3本だけ植えました。支柱も立てて、わき芽も摘んで、父の真似をしながら見守っています。今は小さな実がついています。
父や母から受け継いだものが、今のわたしを支えていてくれます。亡くなっても、見守られているという思いがあります。

先日の詩吟の競吟大会では、父と母の形見を身につけて臨みました。県連合の大会で今年は初めて入賞することができました。和服で吟じたのですが、身体がシャンとして気持ちよく声が出ました。雅号も「苑泉」をいただき、それなりの吟詠が身につくように願っています。

写真は、母の晩年の手作り作品です。側について、糸を通したり、マチ針を打つ手伝いをした日のことが偲ばれます。大切に使わせてもらっています。

6月の短歌です。

 習わざるままに母逝きめぐる初夏
 実山椒など炊いてみたくて

 香をたててふつふつ山椒炊かれをり
 みどり寂しくうすれてゆきぬ

 故郷の山椒の木まなうらに
 炊きあげし実を小壜につめる

母には習うことがなかったけれど、実山椒の佃煮を作りました。店頭の緑の実を見ていたら俄に炊いて見たくなったのです。故郷の庭の山椒の木の記憶が浮かんでくる中、お鍋の中では、実山椒の緑色が少しづつ薄れていきました。なぜかさびしく薄れていくのでした。

振り向きつつも、前をみつめて進む気力を与えてくれるのは、畑で私を待っている野菜たちの持つ自然のちからだと思うのです。