首相就任後は再び容認に転じた。背景には「財源は政権獲得後にどうとでもなる」(党首脳)という見通しの甘さがあるが、政権奪取後は軌道修正に踏み切らざるを得なくなった。
ただ、国債を大量に発行すれば「民主党は大うそつきになる」(大阪府の橋下徹知事)という批判は避けられず、ジレンマに苦しんでいる。(酒井充)
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◆最重要課題?
平成22年度予算の概算要求を締め切った15日。鳩山首相は記者団にこう語った。
「マニフェスト(政権公約)は国民との契約で極めて重い。ただ、国民がマニフェスト実現よりも、国債をこれ以上発行してはいけないというなら、そういう方向もある」
鳩山首相はこれまで、麻生前政権時代の8月末に各省が示した概算要求の撤回を指示し、21年度当初予算の歳出総額約88兆5千億円を下回ることを最重要課題に掲げてきた。
だが、予算編成の骨格作りを担う菅直人副総理・国家戦略担当相は13日の記者会見で、財政規律について「いま急いで新たな目標を立てることは考えていない」と明言した。
減額どころか「子ども手当」などの重点政策を実施するため、90兆円台突破は確実な情勢だ。
◆責任転嫁も
「税収の落ち込みは、前政権から引き継いでいる部分だから…」
鳩山首相は14日、こう赤字国債発行を容認してみせた。21年度当初の税収見通しは約46兆円だったが、長引く景気低迷で40兆円を割り込むともみられ、これを穴埋めするための赤字国債の増発は避けられない。
ただ、鳩山首相の前政権への責任転嫁は筋違いだ。景気低迷は昨年9月の「リーマン・ショック」以来の現象で、首相も5月の党代表選では「無駄遣いの削減だけですべてができるとは思っていない。国債が必要になってくる」と、容認に傾いていたからだ。
ところが、選挙対策のためか、衆院選中は反対論へとかじを切った。
8月23日のテレビ番組では国債増発を完全否定し、大勝が確実になった投開票日(同月30日)のテレビ出演でも、無駄遣い削減の限界を理由とした赤字国債発行に対し、反対の姿勢を貫いた。
鳩山首相は10月14日、「後世の子供たちにツケを増やすことになる」「いろいろな経済、雇用の問題があり必要な予算がある。今まで考えていなかった部分が出てくる可能性もある」と繰り返し、国債発行容認方針について弁明した。だが、これは自民党政権時代の弁明とほとんど同じだ。それを国会審議などで批判し続けたのが野党の民主党だった。
1カ月前の9月16日、就任会見で「いろいろな試行錯誤の中で失敗することもあるだろうが、寛容を願いたい」と語っていた鳩山首相。今は「攻守、所変われば立場も変わる」とのボヤキが聞こえてきそうだ。 【産経新聞】
来年度概算要求 95兆円程度 過去最大
いやいや驚きだ、箱物廃止から人に関する事項に移行した鳩山政権、マニフェストに倣いだされた概算要求は90兆円に膨れ上がり、国債を発行しないと明言していた鳩山首相もマニフェストを無視せざるをえない状況になるようだ・・・・・・
政権初年度でもあり多めに見なければならないかも知れないが、組織上から、これからの詰は鳩山首相のリーダーシップを如何に発揮するかにかかって来ることだろう。
マニフェストからはみ出すことに、責任のなすりあいが生じ内紛状態を生じる事が危惧される状況にあるようだが・・・・・国民から支持される予算配分になるように望みたい・・・・・