洋楽な日々

洋楽を中心とした音楽の紹介。海外サッカー、格闘技等の雑文も。

ピーター・ガブリエル

2005-08-30 | CD

Ⅲ/ Peter Gabriel

さっきはなぜかサッカーの記事が一瞬にして消え去ってしまった。大したことが書いてあるわけではないとはいえ、なんとなく嫌な感じだし、ちょっとした警戒心が漂い始める。
そんなわけで、ピタガブのⅢ。
ケイト・ブッシュ参加の「Games Without Frontiers」は名曲だし、怪しい記憶ではあるものの、ポール・ウェラーもギターで参加していたように思う。
もっともこの作品、誰々が参加でどうこう言う必要もないほどの傑作である。
ジャケットもサウンドプロダクトも、そこはかとなく裏ニューウェーブな佇まいを感じさせ、重厚感のある技巧派といった感じの、まさにツボ衝きまくりの一枚。もちろん名曲揃い踏みなのは言うまでもない。
とにかく、ライブを挟んだ「Ⅲ」、「Ⅳ」、「SO」あたりのクオリティは超絶なのだが、その中でも特に際立っているのがこの「Ⅲ」。
向こうではどうなのか知らないが、少なくとも日本における彼の一番のヒットが「スレッジ・ハンマー」っていうのが、個人的には合点がいかないわけなのだが、まあ、そのへんはアレである。
後年は知的で音楽に真摯に取り組んでる人みたいな雰囲気を醸し出しているが、この時期の、どことなく変態チックな臭いが薄れてしまったのは非常に残念。
まあ、しょうがないこととはいえ、彼の場合は特に急激に視界から消えてしまったような印象が強い。
いずれにしても、この「Ⅲ」こそが彼の旬の作品といえるのではないだろうか。
などと偉そうに言いつつもジェネシス聴いてないけど・・・・

 


プライド

2005-08-29 | プロレス・格闘技

色々書きたいのだが、明日の夜に地上波放送があるのでネタバレなき程度に。

ハッキリ言って、いかにミドル級グランプリとはいえ、ヒョードルvsミルコがメインでないのはどうなんだって感じだ。
この試合がセミだったのでメインの決勝戦はかなりどうでもよくなってしまった。
このミドル級グランプリ、内容的には1回戦がダメで2回戦で盛り返したって印象だったが、肝心の決勝大会はかなりキツかった。
特にヒョードルvsミルコの試合の迫力、緊張感、存在感が他の試合とはまるで別次元だったことも、トーナメントの印象に大きく影響したように思う。
いろいろあったのだが、この試合以外ほとんど印象に残ってない。
それにしてもヒョードルの圧力ってのは想像を絶するみたいで、最初に向かいあった時のミルコの所作を見ていると、自分より強いバケモノと対峙しているような印象を受けた。
とにかく、この試合がすべての試合を凌駕していたし、おかげでグランプリが添え物になってしまった感がある。しかしながら、あの興行内容でこのカードが無かったらと思うと、それはそれでPPV3000円はないだろって感じだ。良くも悪くもこの試合に尽きた興行。

 


オーディナリー・ボーイズ

2005-08-29 | CD
Brassbound / The Ordinary Boys

柳の下でドジョウを養殖してるかの如く、金太郎飴度全開で十把一絡げという言葉がピッタリの最近の英国シーン。
たまにすくってはみるものの、あ~やっぱりって程度のドジョウばかりで、なんかこう、著しく面白みに欠ける感じである。
このオーディナリー・ボーイズも1年くらい前に、レーザーライトなんかと一緒くたに出てきて、割と話題になったものだが、特にどうってこともなく、ジャケットは印象的だったが中身はあんまり覚えてないという程度だった。
この2ndは、スカをやってるってことと、なんかの雑誌でポール・ウェラーと一緒に写っている写真の印象が残っていたので買ってみたのだが、まるで期待してなかったからなのか、結構良い感じである。
かなり昔のジャムに似た雰囲気で、ジャムやプリテンダーズやスペシャルズなんかのアルバムに紛れ込ませれば、うまいこと同化しそうだし、あのへんが好きなら気に入る可能性が高そうだ。
もちろん、新鮮味などは微塵もないが、そんなもんはこの手のバンドにはあるわけもなく、タイトでソリッドなロックって感じでもないのだが、ロック仕立てだから良いってもんでもない。
まあ、コレを楽しむこと自体が懐古趣味的な気がしないでもないが、懐古主義的なのに楽しめないその他いろいろ君たちよりは、はるかにマシ。

スーパーサイズ・ミー

2005-08-26 | 映画
世の中には美味しいモンがたくさんある。
ステーキ、焼き肉は言うに及ばず、ピザ、スパゲッティ、天ぷら、揚げ物、etc。ローソンで売っている油ギトギトのハッシュポテトだって捨てがたい。
もっとも、これら美味しいモンに限ってカロリーが高く、それどころか過剰に摂取すると体に有害であったりする。人並み外れた強靱な精神力で減量に取り組んでいる私にとっても頭の痛い問題である。
この「スーパーサイズ・ミー」は、一日3食全てマクドナルドメニューで一ヶ月過ごしたらどうなるか、監督自らが実験したというお馬鹿な企画モノである。
さすがにコレを見た後に積極的にファーストフードを食おうという気にはならないし、そういった意味では間違った食習慣に対して一石を投じているのかもしれない。しかしながら、こんな映画よりも遙かに食習慣に一石を投じる出来事が起こった。
健康診断の結果がFだったのである。もちろんAが一番良好であり、Fはというと要再検査というランク。
で、早速再検査をしに病院に行ったのだが、そこで下された診断はあまりにも、あまりにも意外なものだった。
なんと、カロリーの摂り過ぎ!!
はぁ~~~!?
日々是減量」という貼り紙を心に貼って、ストイックに生きている私にとってはまるで納得しかねる内容である。
これは誤診に違いない。
しかしながら、脂肪肝もEだったし、ちょっとこれは真面目に減量しないとイカンみたいである。
そんな折り、「肉が口の中でトロけて、めちゃめちゃウマいのに、そんなに高くない焼き肉屋」を発見したバカがいて、わざわざ地図まで書いてよこしやがった。まったく・・・・。
 

ソウル・フラワー・ユニオン

2005-08-20 | CD

ロロサエ・モナムール/ソウル・フラワー・ユニオン

新譜が出たら無条件購入な、邦楽としては数少ないバンドの一つ、
大衆歌謡的チンドントラッドファンクバンド、ソウルフラワーユニオン。
もともとファンクロック志向だったのを、
「日本人の真のグルーブはチンドンにあり」と悟って今のスタイルに至っているわけだが、この目の付け所が非常に天才的。
特にライブでのチンドンのリズムは目から鱗なほどのノリの良さで、
まさにロックな阿波踊りって感じの衝撃的な心地良さなのである。
このアルバムはどうかというと、1曲目からしてセルフパロディか?ってくらいソウルフラワー節全開なのだが、全体的にかなりマイルドというかアクが無くなったような印象を受ける。
ロック的にマイルドになったというと、かなり否定的意味合いが込められることが多いのだが、コレは別に是でも非でもなく単に当たりがマイルドってこと。
楽曲のクオリティも聴きやすさも、これまでで最高レベルだし、
なんかこう、達人の域に達したような感じである。


モーターサイクル・ダイアリーズ

2005-08-10 | 映画
「モーターサイクル旅行記」は昔、「チェ・ゲバラ伝」(三好徹 著)の後で読んだことがあったが、なんとなく途中で止めてしまった。というかほとんど読んでいない。
コレはその「モーターサイクル~~」の映画版である。
この映画はゲバラについての知識が無くても、青春ロードムービーとして十分楽しめる作品だと思うが、多少なりとも後のゲバラについて知っているに超したことはない。まあ、コレを見ようとする人はソコソコに知っているだろうし、こっちも大して知っちゃあいないのだが。
ここで描かれる若きゲバラの行動やセリフに、後の彼を示唆するような部分を見ることが出来るのだが、それよりも、ゲバラがボロバイクを押して呑気な旅をしている同時期に、フィデル・カストロは何をしていたんだろうかと、そんなことに思いを馳せてしまう。
ゲバラには、純粋、正義感、弱者の側、ゲリラ戦というキーワードがあり、一方のカストロには、野心、カリスマ、力、独裁者、覇道というイメージがある
そう考えるとこの二人、劉備と曹操、義経と頼朝、流全次郎と神竜剛次といった不倶戴天の天敵同士って感じのキャラのような気がしてくる。
あのキューバ革命はあまりにもファンタジックな邂逅ゆえに生まれた奇跡と、そんなマンガチックなことが雲のように頭の隅をフラフラしてるうちに映画が終わってしまった。
爽やかなロードムービーながら、旅を通じてゲバラの思想の原型が徐々に形づくられていく様が伝わってくるし、エンドロールで実際の彼らの旅先の写真が流れることで深い余韻が味わえるところも非常に良い感じだ。

エルビス・コステロ

2005-08-09 | CD
Punch The Clock / Elvis Costello & The Attractions

季節とか色んなイベント事と音楽をラップさせて思い出のパッケージングをしている人は結構いると思うし、夏といえばコレ!なんていう夏のマイキラーチューンを胸に秘めている人も多いのではないだろうか。
僕も忌々しい夏の日差しを浴びていると、ふと幾つかの決まった音楽が浮かんでくる。
それらが多分自分にとって夏を象徴する音なんだろうなと、何となく思う。
しかもがそれがキュアー、有頂天、ボビー・ウーマック、そしてエルビス・コステロという、統一感も夏感も何もない面々なので、なんとなくオシャレである。
そんな面々の中でも強烈に夏を感じてしまうのがコステロの「Punch The Clock」
もう、1曲目のホーンセクションからして夏真っ盛りだし、個人的にはどこを切っても夏・てんこ盛りな一枚なのである。
もっとも普通は冬をイメージするというか冬の名曲「Shipbuilding」を聴いてすら夏を連想してしまうので、そのへんは一般的なバランス感覚を著しく欠いていると言えなくもない。というか、単に夏に聴き込んだだけのハナシだが。
コステロのキャリアの中では少しはみ出る感じのアルバムなのだが、メロディメーカーとしての絶頂期の作品だけに良い曲ばかり。
コレと次作は本人の評価が低いので何かとアレなのだが、ポップで軽快な非常に素晴らしいアルバム。

Wー1

2005-08-08 | プロレス・格闘技
グレンのハートフルなライブを見終わった同じ夜、録画してあった「W-1」を見る。
特に素晴らしかったのがノアの秋山
柴田の仕掛けた「顔を腫らすプロレス」を真っ向から受け止めた上での3倍返し。最後はエクスプロイダーで頭から落として説得力十分のフォール勝ち。
地上波ゴールデンでなかったことが悔やまれるバツグンの試合内容だ。
この秋山を評して前田は「秋山は良かった、でもアレが普通なんだよ」と、とんでもなく厳しいことを言っていたが、例えばプライドあたりと伍して地上波ゴールデンで世間に届かせるにはこのレベルが必要ということだろう。
それにしても、プロレスなんて眼中にないって人たちに対してこそ見せたかった試合である、コレは。
そして、この試合の後で曙と闘った武藤こそ真のプロレスラーである。
大盛り上がりの激闘の後で、木偶の坊かつK-1ハワイで自らの価値をゼロにした曙と試合して、メインを締め、観客に満足感の余韻を残して帰らせる。
ハッキリ言って限りなくミッション・インポシブルなこのハードルを、なんとかクリアしてしまったのだ。
そりゃキッチリした試合が出来たワケもなく、曙の致命的なムーブもあったのだが、試合後の雰囲気は、「ダメ曙もちょっとは頑張ったじゃないか」って感じ。
これはアレだ、武藤敬司=グレート・ムタ、見事としかいいようがない。
他の試合では、長州vs健介の超遺恨試合
まさかこんなシラけた形で長州が終わってしまうとは。
健介が引導を渡したというよりも、長州がこの試合に対するというか健介に対する立ち位置まで覚悟が行き着いていない状態で試合に臨んで、そのまま途中で試合を止めてしまった感じである。
許しを請うような表情で近づこうとする長州をまったく無視してリングを降りた健介。試合後の光景がなんとも切なかったなぁ。ちなみに長州力のテーマ曲「パワーホール」の作者が平沢進であることは一部で有名。
あと、ボブ・サップは、彼のショーマンシップみたいな部分が完全にマイナスになってしまっている。彼はプロレスをちょろいエンタメだと思っているフシが感じられ、表情の作りとかムーブがあまりにも安易。プロレスのリングでも痛い目にあったほうが良さそうである。
全日本プロレス期待の諏訪間だが、あの緊張感のない体つきもそうだが、出川哲朗そっくりのマスクがどうにも致命的。顔で判断するのもなんだが、コレはかなりキツイと思う。

なんだかんだの「Wー1」だったが、これは成功といえる内容だったのではないか。
よくよく考えたら「Wー1」って新日本以外のオールスターみたいなもの。この内容を、さらにクオリティアップさせ、地上波ゴールデンで勝負してほしいところ。

グレン・ティルブロック@パラダイスカフェ

2005-08-08 | 他いろいろ
一昔前までは東京より名古屋のほうが暑かったものだが、最近の東京の暑さは耐え難いものがある。金曜日などはわざわざ出張したにも関わらず、あまりの暑さに最後の一件をキャンセルしてしまったほどだ。
先週は夏風邪に悩まされ、火・水とダウンしてしまったのだが、こうも暑いと、体調がイマイチなのは病み上がりのせいなのか、単に暑いからだけなのかわからなくなってくる
そんなクソ暑い真夏の、まさに一服の清涼剤となったのが木曜日に行われたグレン・ティルブロックのライブ。
50人程度のハコでのアコギ一本のパフォーマンスは、メロディの良さが際立ち、温かい雰囲気に包まれた大人の隠れ家的良き雰囲気に満ちた素晴らしいものだった。
特に良かったのが20分の休憩を挟んだ後半戦。
普通に入り口からギターを弾きながらやって来たグレンが、適当な場所で立ち止まり、ノーマイクで数曲。客席に外人が10人程度いたこともあって、その風景はさながら外国の田舎町のパーティのようにハートウォーミング。
客のリクエストにもきさくに応えるグレン。あまりにきさく過ぎて、後半はまさにスクィーズ時代の名曲オンパレード。琴線に触れる選曲ばかりで、いちいち列記するのもなんなんだが、「Take Me I'm Your's」「Pulling Mustles」「Is That love」の必殺フルコースにはただただ感涙にむせぶのみ。
「Black Cofee In Bed」なんて大盛り上がりだったし。
それにしてもグレンって、本当に今やってることが好きなんだなぁと、そんなホンワカした空気が伝わってきた、素晴らしいショー。というか集いだった。