洋楽な日々

洋楽を中心とした音楽の紹介。海外サッカー、格闘技等の雑文も。

ロディ・フレーム

2005-03-31 | CD
Surf / Roddy Frame

 2002年にリリースされたロディ・フレームのソロ第二作目。前作があの名盤「High Land Hard Rain」に近い感じのアップテンポな楽曲を多く配した作品だったのに対し、こちらはアコースティックの弾き語りアルバムとなっている。

 アズテック・カメラの後半にみられるような過剰にドラマチックな曲展開は影を潜め、全体的に非常にシンプルな印象。しかしながら自身のキャリアを咀嚼した上での原点回帰といえるこのシンプルな作品の中には、彼の素晴らしさが十二分に込められている。

 良いメロディと素晴らしいヴォーカルとアコースティックギター。あたかも塩コショウのみで味付けされた特上のレアステーキの如く、口の中でとろけた後閉じ込められた肉汁の旨みが口の中でジワっと広がるような、そんな極上の喜びを味わえる素晴らしい作品。

 そして甘酸っぱくて伸びやかな彼のヴォーカルを聴いていると、この声こそがネオアコにおけるビッグバンの中心であったと、なんとなくそんな風に思えてくる。

 アズテックを途中で見切った人には間違いなく必聴盤。

 

  
 

バーレーンに辛勝

2005-03-31 | サッカー
 これからは全試合が正念場となるが、その第一弾であるバーレーン戦に辛勝。貴重極まりない勝ち点3を得ることが出来た。それにしても、日本代表はアジアでは頭ひとつ図抜けたチームだと思っていたのだが、それは幻想で、イラン、バーレーンとほぼ同等であることが露呈されてしまったこの2試合。
 とにかく攻撃力が弱いので、この試合のようにソコソコの相手に引いて守られると、いくらボールキープしようがまるで点が入る気がしない。もちろん中盤からの守備はよく効いていて、失点の心配も皆無だったのだが、やはり攻撃面が大いに不安だ。とはいっても中盤は組織力でカバー出来るが得点をとるには個人能力への依存が高くなるので、現状では難しいのかもしれない。
 黄金の中盤(死語?)なんて言っても、イタリアやスペインの下位チームの普通の中盤程度だし、他の選手に至っては、そんなチームでさえ出場出来ないレベルだし。。。
 なんとしてもワールドカップに滑り込んでもらいたいが、イラン、バーレーンに勝てる保障はまるで無く、北朝鮮も対日本では異常なプレッシャーを受けて余計な力を発揮してくる可能性が高く、険しい道のりであることは間違いない。まあ、プレーオフって手もあるのだが。。。



悠久の窓

2005-03-30 | 
 ロバート・ゴダード「悠久の窓」(上)(下)読了。トータル700ページ近い長編を読み終えてこんなことは言うのもなんだが、まるで期待はずれ。ゴダードの初期作品は、過去と現在が謎を秘めながら複雑に絡み合い、そこに一人称で語られる主人公の切々たる情感が重ねられた重厚で深い読後感をもたらす傑作揃いだった。その芳醇な味わいはトマス・H・クックの記憶4部作を凌駕するほどだったのだが。。。
 ここ数年のゴダードの作品はどれもイマイチで、この作品も過去の貯金で手を出したようなものだが、またしても不発。無駄にもったいつけてるわりには重厚感もなく、驚愕の真相も別にどうってことでもない。「途中でやめればよかった・・・」ってのが読後の感想。上巻はまだ期待の出来る内容だったのだが。。。。

ウェンディ・ジェームス

2005-03-30 | CD
Now Ain't the Time for Your Tears / Wendy James

 間違って砂糖を十杯入れてしまったミルクティーのような甘ったるい声と、中途半端に少女チックでヘタッピーな歌唱がいかにもB級ガールポップ然としたウェンディ・ジェームス。元Transvision Vamp(未聴)のヴォーカルの唯一のソロアルバムである。

 このアルバムの最大のウリはなんといっても全曲エルヴィス・コステロの書き下ろしであること。後にドイツのキャバレーシンガーであるウテ・レンパーに5~6曲提供したことはあるのだが、全曲となるとかなり特異な事のような気がする。ウェンディが手紙で打診したところコステロが承諾したとのことだが大いにクエッショナブルである。

 このアルバムがリリースされたのが93年。コステロが「ジュリエット・レター」をリリースしたあたりで、技巧が鼻につく楽曲が増え始めた時期である。ところが、ここに提供された楽曲群は練り込んで丁寧に作られた風ではなく、適当にパパッと作った感じ。そしてそれが逆にコステロの素を晒してるようで本当に佳作揃いとなっている。

 ただ、コステロが全曲提供したにも関わらず極めてチープなサウンドプロダクトで、その辺の駄菓子屋に売っている怪しげな30円のお菓子のような安っぽい仕上がりとなっている。まあ、いろんな意味でミョーな作品である。

「HERO’S」

2005-03-28 | プロレス・格闘技
 「HERO’S」をTV観戦。勝手に過剰反応していたとはいえハッキリ言って拍子抜けである。前田の挨拶は?キャプチュードは?試合前に船木と前田が談笑してるような映像は?船木の前田に対するコメントは?今回のイベントに対する期待の9割がそこにあったのだが、見事に全滅。前田など数回映っただけだ。選手が主役などというどうでもいい観念を優先させてしまったのだろうか。それとも前田を全面的に出すことに何らかの問題でもあったのか。かなり残念である。
 イベント自体も微妙で、よくよく考えると前田の選手発掘には結構ハズレも多く、特に大型で動きが雑な選手がショボイ試合をすることはリングス時代にもままあったし、今回のロシア人などはその類だったような気がする。またグランドのブレイクが早かったが、前田はグランドの膠着と打撃系選手の活躍出来るルールという部分にかなり配慮していたので、このルール設計は前田の意向が汲まれていたように思う。
 今後はトーナメントを行うそうだが、従来のK-1の総合部門イベントが点で終わっていたために感情移入や緊張感の欠落を生んでいたので、これは有効と思われるし期待ができる。あと、谷川サダハルンバの解説には悪しきK-1MMAのイメージがこびりついているので、前田色を押し出してイメージを一新していくのなら、これは辞めるべきだろう。
 まあ、なんにしろ第一回目である。長い目で見るような時代ではないにしろ、キチッと継続していってプライドに伍するイベントにして欲しいものである。

愛・地球博

2005-03-28 | 他いろいろ
 予想を大きく下回る動員数の愛・地球博。その様子をみて急遽日曜日に出かけてきたのだが、多すぎず少なすぎずの適度な様相。それでもトヨタとか日立の人気パビリオンは長蛇の列で、とてもじゃないが並ぶ気にはならず。ちょうど家から一時間で混雑なく来れるし、あと数回は来る予定があるので適当に切り上げてきたのだが見所も多く、予想以上に楽しめたって感じだ。いわゆる人気パビリオンでは、三菱未来館と電力館を見たのだが、特に三菱未来館は超ど級の迫力映像。正面だけでなく左右にもスクリーンが配され映画の100倍凄まじい強烈な臨場感で恐竜や鳥が暴れ回り、最後は天井と床下のミラーがオープンし360度の大パノラマ!これは必見である。他にも凄そうなのがチラホラあるみたいで結構楽しみ。初めは馬鹿にしていたのだが、思わぬ面白さだ。

 

日本vsイラン

2005-03-26 | サッカー
 日本代表はアジア予選なんて楽勝で、ワールドカップでいかにして一次予選を突破するかが大きな命題であると、そんな風に考えていたのだがとんでもない話であった。一番引っかかったのが個の弱さ。ハッキリ言って相手のほうが個人レベルでの能力が遥かに上回っていた。確かにサッカーのチーム力は個人能力の総和ではないとはいえ、こんなに差を見せつけられるとガッカリしてしまう。しかもアジアで。
 敗戦の大きな要因は4バックがうまく機能しなかったことであり、中沢が外におびき出されて中央で加地が競り負けた2点目の場面が象徴的である。ついでに言うとサイドも完全に支配されていたという印象。このシステムは早々に破棄してもらいたいところ。
 個々の選手でいうと、中田はあんなもん。セリエAではまるでダメだがさすがにこのレベルではソコソコに通用しており、彼のリーダーシップが良いほうに出るのであればチームに不可欠な存在として君臨出来るはず。ただ、ボールを奪われる機会が多く、ピークを過ぎた感もある。中村、高原は最悪。まあ、中村は調子が悪かったのだろうが高原はもうどうにもならない気がする。小野はコンディション不良ながら攻守に貢献しており、間違いなくチームの核で、次戦出場停止は相当に痛い。
 身分不相応に出場枠が多いこんなアジア予選なんて全然緊張感がなかったのだが、この試合を見る限りかなり心配だ
 

アンディ・パートリッジ

2005-03-25 | CD
Take Away / Andy Partridge

 XTCのアンディ・パートリッジがキャリアのピークに足を踏み入れたあたり、つまりは「ブラック・シー」とほぼ同時期にリリースしたソロアルバム。3rdアルバムの「ドラムス&ワイアーズ」までの自分達の楽曲を解体・再構築したリミックスアルバムである。

 で、その解体の仕方が大胆で、原曲が跡形も無くバラバラにされており、わずかな手がかりで何とか原曲が割り出せるといった塩梅。一切のポップ性を排除した作品となっている。前衛的という枠組みにおいて、プリミティブなThe Pop Groupとインテリジェンスの本作といった対比をされていたほどである。

 今では「Take Away」として独立しているわけではなく、確か「Go2」のリミックスかなんかに併せられていて、残念ながらなかなか捜しにくい状態になっている。持ってるけど。

 そんな「Take Away」を傑作たらしめたのは、ある一曲の強烈極まりないギターソロ。手元にブツがないので曲名も分からず(確か、スチームなんたら)、家に帰って調べてから書かんかい!!!って突っ込まれそうだが、あのギターソロ、アレである。アレには本当にぶっ飛んだし、アレほど衝撃的なギターソロはそれ以降にも聴いた事が無い。

 収録されているCDも分からず、激賞する曲名も分からず。。。まさに一切のポップ性を排除した駄レヴューでした。
 

 

 

 

グレアム・パーカー

2005-03-24 | CD
Best of Graham Parker 1988-1991

 音楽ブログなのにレビューの比率が少なくなってきて、ちょっとバランスが悪い感のある洋楽な日々。最近よさげなブツをまあまあ買い込んだのだが、ここんとこ既に取り上げてるCDばかり聴いているので結構フン詰まった状態なのである。

 ちなみに買い込んだのは、「In The begining There Was Rhythm」「Shack」「Yann Tiersen & Shannon Wright」「Low」「Howling Hex」「Beck」「Jo&Tuco」「Pitty Sing」「Of Montreal」といったところ。幾つかのブログのオススメを加味しつつのラインナップで、パッと聴いた感じはどれも良さそうである。

 そんなタイミングでわざわざグレアム・パーカー。控えめに言ってもかなり地味なセレクトなような気がするのだが、久々に聴き返してみるとベスト盤とはいえ予想外に名曲揃いなのでちょっとビックリ。

 しかもベスト盤といっても1988-1991である。70年代後半から活動しニック・ロウあたりと並び称されたパブロックの雄としてはいかにも中途半端な期間限定ベストだし、彼はこれ以前の時期に「Stick To Me」や「Up Escrator」などの名盤を残しており、1988以降なんて賞味期限切れって印象が強い。その時期の楽曲のくせにやたらと良いのである。

 ちょっとコテコテっとしたイメージとは裏腹に軽快でメロディアスなポップロックがズラリと並ぶ。これで、ボーカルが爽やかで甘酸っぱいコーラスでも入っていたら今でいうギターポップで通用しそうである。アコースティックなバラードもよい出来。

 80年代中頃までの彼のコテコテしたサウンドからすると相当に物足りないとは思うが、何の予断もなく聴くとかなり良質な楽曲集である。まあ、しかし、エラソーに言っても、久々に聴いて驚いてるくらいだから買った当時はほとんど聴いてなかったのだろう(他人事)。

 いずれにしても90年代にも精力的にアルバムをリリースしているので、ちょっと聴いてみようかなって気にはなっている。なのだが、期待以上ってことは考えられないし、大ハズレの可能性も高そうである。谷間狙いか。