Smoke

店の表を通る人を毎日写真で撮るたばこ屋の映画をご存知だろうか?

映画 『グッバイ、レーニン!』

2008-07-25 | Weblog
映画は人に奥行きを持たせるアイテム。
今回は『グッバイ、レーニン!』。

製作国 : ドイツ 2003年
配給 : ギャガ・コミュニケーションズ
キャスト:ダニエル・ブリュール 、カトリーン・サーズ 、チュルバン・ハマートヴァ 、
     マリア・シモン

ベルリンの壁崩壊という大事件を舞台に、たまらなく健気で切ない家族の物語。

皆さんはどんな死に方を願いますか?
私は酒を飲んだ翌日にポックリ逝きたいですね~。
「あ~婆さんらしい死に方だね~。」って言われながらね(笑)

さて今回は、地域性を知っとくって大事よね、って作品です。
主人公の母は、夫が西側へ亡命して以来、祖国・東ドイツに忠誠心を抱いている。
建国40周年を祝う夜、母は自分の息子がデモに参加している姿を見て、
心臓発作を起こし、昏睡に陥ってしまう。
意識が戻らないまま、ベルリンの壁は崩壊し東西ドイツは統一。
8ヵ月後、目を覚ました母に再びショックを与えないため、
主人公は周囲を統一前の状態に戻し、
世の中が何も変わらないふりをしようとするが・・・・。

確かこの作品は「笑いあり、涙ありの感動作」だった気がしましたが、
製作がドイツだからか、”笑い”の部分が今ひとつ笑えませんでした。
ちょっと堅いのよね。
時代はベルリンの壁が崩壊される前後。
その頃の東西の関係を多少は知っているつもりだったけど、
病気で意識が戻らない間に統一された事を、
ショックを与えない為に隠し通す程の事だとは知らなかった。

主人公は病気に倒れた母親にショックを与えない為に並々ならぬ努力をする。
母親が食べたいピクルスが販売されていない為、
ゴミ箱をあさり昔の瓶をゲット、入れ替える。
母親の部屋に入る時は東西統一前の服装。
TVを希望する母親の為に昔の番組の録画を流す。
何か感づかれると同僚を丸め込み、ニセ番組を作成する。
それを主人公の彼女は痛々しく思うし、
嘘を突き騙している事が我慢できない。

途中、お金の問題や子供達が知らなかった母親の事情なども盛り込まれ、
見応えはある。
意外な事実を知った母親のラストは複雑な心境になる。

必要な嘘はどこまで許されるのだろう?
そして必要な嘘の容量は?
超えて常習化することはどうなんだろう?
そして自分が同じ様に必要な嘘を付かれて死にたいか?否か?
相手を思う、嘘。
それを知ってて知らないフリをする嘘。
果たしてそれでいいのだろうか?