はずれの映画辞典

映画とは生きものの記録です、この世に生きる者が、こうして生きようじゃないかと訴えます。惚れた映画を毎日連載します。

人生劇場~「インストール」

2008-05-30 08:04:30 | Weblog
インストール  原作 綿矢りさ 監督 片岡K 角川映画2005年

 解説

 ご存知、17歳で芥川賞を戴いた作品の映画化である。17歳、の女子校生が、全て削除してインストールする事を小学生から学ぶというまさに若さが作った小説。閉塞状態の17歳、人生の目的がない、身の回りのものを粗大ゴミで出してしまって、なんか新しい事はないか、と捜すうちに。

 物語

 野沢朝子17歳、女子学生、両親は離婚して母親と住んでいる、田舎にお爺ちゃんが居て、パソコンでメールのやりとりしようとしたら、死んでしまいお話しする相手は居なくなってしまった。
 人生への目標がない、将来への希望がない、閉塞された状況から抜け出せない、パソコンで言えばフリーズした状態、電源を無理やり切るしか解決の道はない。
 朝子は、母親が仕事に出た後、そっと戻ってきて家に居る、つまり不登校の生徒である。ある日突然早退してから学校へ行く習慣をやめ、部屋の中の物を全部ゴミ捨て場に運び出す。

 小学生の男の子がそのゴミ捨て場で、マックのパソコンが捨てて有ったのを要らないならもらって行くと抱えてゆく。後にその子は、母に内緒で押入れにそのパソコンを運び込み、自分の物にする。ある日、ゴミ捨て場で会った朝子に家へ招き入れて、朝子のパソコンにソフトをインストールしたのを見せる。
 マセている小学生は、そこで25歳の主婦と名乗って、知らない相手とチャットをしている。
名前を青木和義、ハンドルはカナコ25歳、メカマである。パソコンの世界では男が女の名前で出ている事をメカマという。

 朝子は、学校へ行く事がないので、カナコになって昼間そこでチャットをすることになった。
昼日中からチャット、それも25歳の暇な主婦とくれば話は、17歳が経験するHな話、そこで深い深いセッツクスの世界を知る。続きは見てのお楽しみ。

 感想

 17歳の閉塞的な感覚をフリーズしたパソコンに例えて、尚且つ削除してインスツールし直せばまた元の様に使える、何もなかった様に使えるパソコンの特徴を捉えて、更に、バーチャルの世界を経験するチャットの世界、元に戻れば現実の世界。その面白さは、パソコン世代でないと理解できないかもしれない。

 あのチャットにはまった時の面白さは何事にも代えがたい面白さを感じたものだが、この世界に踏み込めるのは若い世代しか無いだろうなおそらく。

 感じた度  ★★☆
 


1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
読書同好会(名前検討中 (村石太ボーイ)
2011-10-29 12:06:14
今朝 綿矢りさ さんの テレビ出演みました。おもしろい綺麗な女性ですね。
インストールという小説 高校時代に 書いた スゴイですね。インストール映画で 見ました。おもしろかったです。中高生ぐらいが みると 影響力が恐ろしく思えました。R指定かなぁ?小説と映画 同じかナァ?映画同好会(名前検討中
綿矢さんの作品 他のも 読んでみたいナァ
小説家というのは どこまで 真実を書いて どこまで想像力なのだろうか?実体験もあるのかなぁ?
若い小説家は 取材のお金も ないだろうし~
才能ある作家は 若い頃に 世にでてくるものだろうか?
返信する