はずれの映画辞典

映画とは生きものの記録です、この世に生きる者が、こうして生きようじゃないかと訴えます。惚れた映画を毎日連載します。

うなぎ

2009-02-28 08:34:29 | Weblog

 「うなぎ」
 
 1997年 第50回カンヌ国際映画祭受賞作品  役所公司

 解説

 ウナギは、日本から二千キロも離れた赤道の方まで旅をして卵を産み、オスがその後を追いメスが産んだ卵に精子をかけてやり、その数ミリしかない稚魚は再び長い旅をして成長して日本の河へ遡上します、オスは、何処の誰かも知らない雌の卵に精子をかける、この物語は、愛を掴むためには、そのぐらい大変な苦労をして掴むものだとする映画である。精子はやたらトイレへ流しちゃいけない、これ冗談(笑)

 物語

 1988年夏、知らない女からある投書が来る、其処には、お前の妻は浮気をしている、特に夜釣りに出かけた徹夜の晩には必ず奥さんの所へ男がやってくる、と書いてある、男はつり好きの製粉会社のサラリーマンである、夜釣りの時には弁当を作ってくれる最愛の妻が居る。

 ある日、夜釣りに出かけ、途中から家に帰る、すると投書のとおり、妻が男とセックスをしている最中で、それも可也あえぎ声を上げているのが外まで聞こえる
男は逆上して重なっている男の背中を出刃包丁でさし、下になっている妻を何度も出刃で突いて殺してしまう。
 その包丁を持って警察へ自首する。そこからドラマは始まる。

 8年後、あと二年の刑期を残して仮出所する、男の名前は山下、何故か生きたうなぎを可愛がっており、異例な事だがと刑務所の刑務官がナイロンに入れた大きなうなぎを手渡す、近くの観福寺の坊さんが迎えに来る、そして車で千葉県佐原市の与田浦に小さな床屋の物件を見つけてあって其処へ行く、そこが山下の新しい住まいだ。

 服役前にお袋さんが積んどいてくれたという山下名義の貯金通帳と、服役中に働いた金を合わせて380万円があり、それを坊さんが渡してくれる。
やがて改築して床屋らしき店が利根川の河原の堤防そばに出来上がり新生活がスタート。

 ある日山下がうなぎの餌を取りに河原へ行くと若い女が倒れており、近くに睡眠薬の瓶がころがって居た、係わり合いになってはと隣の船大工の高田に相談する、救急車が病院へその女を運ぶ、幸い発見が早かったので命はとりとめた。女はやがて東京で働くのをやめて、このあたりで働きたいと観福寺の坊さんにに相談する、坊さんはそれなら山下の床屋で手伝いでもしたらどうだと山下に話を持ちかける、勿論お寺へ住んで其処からの通いだ。

 かくして不倫して捨てられて自殺未遂した女と、妻を殺し仮出所中の男のドラマが始まる、山下は妻を愛しているが故に浮気をした妻を殺した事に、もう金輪際女とは縁を切ると誓った、しかし、・・・。

 感想

 なかなか面白い設定で感心する、うなぎがどうやって子孫を作って居るかを隣の船大工の高田におそわり、なるほどと感心したりするうちに恋心は芽生え、正義感を持った人間らしさを取り戻してゆく山下の表情が面白い。

 感じた度 ★★☆
 


いつでも夢を

2009-02-27 09:16:32 | Weblog

 いつでも夢を 1963年 日活 監督 野村 孝 

               出演 吉永さゆり、 橋幸夫、 浜田光夫

 解説

 1962年に製作された「キューポラのある町」の同じメンバーによる、続きの作品。
 この映画を解説するには、橋幸夫の同名の歌謡曲がヒットした背景から解説しなければならないだろう。
 昭和30年代の後半から40年にかけては、歌謡曲全盛の時代だった、現在でも”懐かしのメロデイー”としてよくテレビ放映されている歌は殆どこの時期に生まれた。
 橋幸夫の歌う「いつでも夢を」は昭和37年の9月に発売されて、その年に第4回レコード大賞曲に選ばれた。つまり、現在ではレコード大賞はコネと金といわれ、それなりの下工作があって予定された賞の感じが強いが、この頃にはまだそんな裏工作はなくて、名前どうりレコードの売り上げが大賞の対象となっていた。
 つまりそれだけこのレコードは短期間に売れて、皆さんに親しまれた歌だった事がわかる。

 映画の時代背景としては、初めての国産旅客機YS-11が空を飛び、東京の人口は増え続けて1000万人を超えた。昭和35年に誕生した池田内閣は、「所得倍増論」をとなえて、二年後に開かれるオリンピックに向けて経済成長は急ピッチで登って行く。
 まだ一般家庭にはテレビは無く、オリンピックに向けて盛んに売り出していた、なんせ働けば何とか生活が出来るだろうという望みは大いにあった時代だ。
 
 この映画では、定時制の高校に通う若者たちの日常生活を描いたものだが、当時中学生は
最近公開された映画「A・W三丁目の夕日」に見られるごとく集団就職で、商店か町工場、職業に貴賎は無いといいながら、世間の目は”大企業のホワイトカラー”を目指す風潮があった。
 大企業はまた、「定時制高校」出を「全日制高校」出と差別して採用し、夜間の高校で頑張った若者たちの門を閉ざした、なんせ、閣議決定で、就職時に学歴での差別採用をしてはならないというオフレさえ出したぐらい。
 経団連などに差別採用しないよう政府が指導していた。

 物語

 場所は千住のお化け煙突が4本に見えるあたりの荒川沿い、あのドラマ「金八先生」や、葛飾柴又の帝釈天のあたりかもしれない。
 年がオリンピック前の古い町並みなので懐かしい橋等が出てくる。
 
 その町の一角に三原医院がある、そこには三原ひかる、通称ピカちゃんという娘が居る、これが吉永小百合、ピカちゃんは、ある時捨てられていた子供を拾い上げて、幼女としたといういきさつがある。今では、昼間は養父の見習い看護婦をしている、三原医院には奥さんは居ないので看護婦謙、奥さん代わりをするしっかり者。
 
 ピカちゃんの同級生で木村勝俊(浜田光夫)という男が居る、勝俊は、近くの町工場に勤めながら夜は夜間高校に通っている、同じ高校でピカちゃんとは仲がよい。
 父親が家出して母子家庭で勝俊には和平という弟が居る。
 更に、トラックの運転手で岩下留治という男(橋幸夫)がいてこの三人が主役だ。

 勝俊は、成績もよく、大手の東洋物産への就職試験を学校からの推薦で受けるが、不採用の通知、学校が問いただすと、夜間高校と、全日制高校との差別があることが分かる。
 落胆する勝俊、慰めるピカちゃん、・・・。

 夜学の学生が作ったという詩が披露されるが、これが素晴らしい。

 ”春先の花の芽が、深い根雪の中に生まれるように、
 僕たちの喜びは日々の厳しさの中に鍛えられる
 僕たちは今日も歌おう、僕たちの冬、この国の冬を突き破る歌を。”

 いつでも夢を

 悲しいと泣いていたら自分が惨めになるだけ、夢を持とうよ、そして、夢はじっと待っていても来ない、夢がかなうようみんなで努力しようよ=ひかる

 ♪ 星よりひそかに、母よりやさしく、あの娘はいつもうたってる
   声が聞こえる、寂しい胸に、涙に濡れたこの胸に
   言っているいる、お持ちなさいな、いつでも夢を・・・         ♪

 感想

 団塊の世代の人達が退職するというので大騒ぎしている、その団塊の世代の人たちの高校生時代の映画である、自分の人生経験とダブらせて見るので懐かしい。
 この時代には、同じ若者でも”太陽族”の映画を石原裕次郎主演でやっていたが、ここに出てくる吉永小百合はまた、小百合ストという人種が出てきた程に吉永小百合が美しかった。
 未だに、セーラー服と吉永小百合のイメージが浮かんで見える、おれも小百合ストか。
 夢を持とうよ、という上向きの映画が少ない中で、現代の若者にぜひ見て欲しい映画であり橋幸夫の歌も聴いてやってほしい、吉永小百合が歌う「寒い朝」も素晴らしい。

 感じた度 ★★★
 


「いま会いに行きます」

2009-02-26 08:26:04 | Weblog


 いま会いにいきます  岡田恵和 脚本  土井裕泰監督

 解説

 「愛」の形を色々な所から眺めて見たのだろうと思う50分の小作品、理屈っぽいところがどうも面白くない。
愛の形なんて、物語の中でそれとなく感じ取るものであり、人それぞれ男女の愛し方があるから、それが物語になるのであり、それを理屈ずけしてみても面白いもんじゃないとおもう。物語の形としては、息子が父と母の愛を観察するという形で進む。

 物語

 二人の夫婦が居た、二人は同級生で、高校2年から机が隣だったり、後ろだったり班が同じだったりだったが、二人が口を利いたのはおはようとかこんちはだけだったそして卒業、卒業して一年たって、二人は出会う。
 父は内気だったのか、在学中は隣の母に声も賭けられなかった。でも、何故なのか、年頃になると特別な化学物質が体から出て、隣の異性が好きになるらしい、不思議な事だ。

 そこから二人の愛の確認が始まったが、父は12年前に死んで、母はその一年前に死んだ、という。僕が6歳のとき、雨が降る季節に母がやってきて6週間を父と僕と三人で過ごした、その期間が鮮明に僕の記憶に残っている。その時母は言った、父と出会ったのは、あなたに逢うためだったのだと。これは、僕にとって、雨の季節に訪れた愛の奇跡だとおもう、[愛している]って事はそんなことなのだろうか。とまあ純に考える。

 感想

 愛なんて、理屈付けしたら、そんな奇麗事で簡単なもんじゃなくて、言葉では言いつくせないもんだと私はおもう。神秘的でもあり、ドロドロした生殖的なものであったり、単なる契約だったり、だって、海のカニでさえ、オスのカニが雌を追いかける、カニでさえ、嫌なオスとは生殖しないというんだから、愛が無くちゃ種族の保存が出来ないのだ。だから、動物には必要不可欠の物なんで、男ならさしずめチンポコであり、女なら子宮みたいなもんだ、なんぞや?なんて理屈をつけて考える方が可笑しいのじゃないのかな。

 いま会いにいきます、って、"骨まで愛して"という歌があったな昔。そんなのウソだろうな、と男は思うんじゃないかな。女の願望だあれは。

 うちのかみさんなんか、愛なんて感じない、単なる同居人に過ぎない。でも随分と長い間いつも同居しているんだから、愛して居るのかな?ソンナ馬鹿な!他人はどうみるか知らないけど。

 感じた度  ★☆☆
 

愛しのローズマリー

2009-02-25 09:10:51 | Weblog


  愛しのローズマリー  2002年アメリカ

 解説

  ハルという男が居る、加藤茶に似たような感じの俳優だが、この男がトニー・ロビンスという男に会い、女性の見方を変えると、アバタも笑窪に見え、もてるようになるという話。

 物語

 ハルとマウリシオは大の仲良しだが、なかなか良い女にめぐり合わない。
ある時に、ハルはエレベーターに閉じ込められてしまい、その時に、トニー・ロビンスという学者に、「貴方は女性を姿や形でしか見ないから女性にもてない、女性の心の中を見るように心がければきっと良い人にめぐり合うだろう」と言われる。

 そしてある日、デパートで美しい女性を見つける、その女性はスマートで素晴らしい女性だが、下着売り場で、超LLサイズの下着を探している、貴方のようなスマートな方が何故そんなLサイズの下着を選ぶのか、と声をかけたら、その女性は怒ったが。”スマートな美しい女性”に不思議に思いながら、話をするようになる。
 彼女の名前はローズマリー・シャナハン通称ロージーだった。

 ロージーは金持ちの娘だがその体のために、近寄る男性が居なくて寂しかったが、ハルは考え方が変ったので彼女が好きになる、そしてデイトして友達にも紹介するが、親友のマウリシオは、金持ちかも知れないけどいくらモて無くても、レベルを下げすぎだ、ロビンスの呪いにかかっている目を覚ませという。
 それもそのはず、ロージーの友達は身体障害者ばかりだった。しかし、ロージーと共に居るときにはそれらの障害者は極普通に見えるからハルは何も感じない。

 親友のマウリシオは、そんな彼が心配なのでロビンスの呪いを解くように頼みに行くが別に呪いをかけた訳ではない、といい、少し言う事が強めだったかとロビンスが思った途端、ハルの気持ちが元に戻った。太ったロージーなど目に入らなくなった、ロージーは悲しさのあまり、ボランテイアの軍隊に入隊して其処の土地から離れる決意を固める。
 はてさて元に戻ったハルの見たものはナンだったんだろう。

 感想

 人は見かけだけで判断しちゃいけない、という話だけど、愛とか恋なんて考え方一つで見つけられるもの、昔は、姿や形より、ケツの大きさで多産型かそうでないかで良い女かそうでないかを判断したという。男女関係は、当事者の心の持ちようで決まる。

 感じた度  ★☆☆

「いそしぎ」「伊豆の踊り子」

2009-02-24 08:17:13 | Weblog

 いそしぎ 英国映画  1965年 エリザベステーラー、リチャードバートン

 解説

 イギリスの素敵な海峡、断崖と絶壁の連なる入り江に白波が繰り返し打ち寄せる、いそしぎの群れが飛び交う、のどかな素晴らしい海辺、一羽のいそしぎが羽根を痛めて飛べないで居る、その羽根を繕ってやる一人の女性が居る、やがてそのいそしぎは群れの中へとび去って行く、女性の愛に感謝すかのように羽ばたきながら。
 この映画は、イギリスの規律や法律の枠の中で生きられない女性がある男の愛を受けいれて、その枠組みの中へ溶け込んでゆくが、男性はせつなく消えてゆくという恋物語。

 物語

 この世のものとは思えないほどの素晴らしい海岸線が映し出される、いそしぎが獲物を捜して静かに飛んでいる。ローラ・レイソルズ(エリザベステイラー)はその海岸の傍の小さな小屋に息子のダニーと暮らしている。ローラは絵を描いている、夫は居ない。
 子供の教育はローラが一人で教えている、ある日、ダニーは鹿を銃で撃ち殺してしまう。町の判事に呼ばれて、子供には子供と遊んで社会への対応を教えなければならないといわれ已む無くダニーは宗教家の経営する学校へ行かせられる、其処の学長はヒュイット司祭、博士(リチャードバートン)とも呼ばれ、信仰が厚い。

 バートンの友達とゴルフをして、その更衣室でワードという男と話をしている、ワードはその地域の財閥、ローラは、17歳のときにバートンの子供を宿すが、結婚もしていないので生まれれば私生児となるために、家族は中絶を強制する、宗教的には許されない事で、ローラはこれに反発して家出、ワードとも縁を切る、そして生まれた子供と二人で生活を始めた、男は皆信頼できない、私の身体目当てに優しく迫っては来るが、すぐに愛は覚める。つまりは男嫌いになっていた。

 ある日、ヒュイットは彼女の家を訪れる、彼女は豊満な肉体を惜しげもなくさらけだして、自分の肖像をコスという男性の彫刻家に作らせている。
 それを見たヒュイットは理性を失う、帰り際に”貴方が欲しい”とローラに告げる、ローラは、人格的に立派な人、この人なら信頼出来るだろうと喜ぶ、そして、ヒュイットは仕事でしばらく家を留守にすると妻のクレアに告げ、ローラとのセックスに没頭する、もう牧師も司祭も何もかも忘れて。

 其処での愛の行動はローラの女を蘇らせ、本当の愛の姿を学ぶ、これで世間に顔向け出来ると希望が見え始めたが、・・・。
 ヒュイットはその学校を追われ、妻とも別れ流浪の旅に出る。

 感想
 なるほど、これぞ大人の恋愛ごっこ、英国の規律の厳しいところで、自然体で接しようとするローラと、規律の中で自由奔放に生きようともがくヒュイット、当時の厳格な社会状況を映し出していて面白い。

 感じた度  ★★☆
 
 








 

 伊豆の踊り子  1974年  山口百恵、三浦友和  1時間21分

 解説

 知る人ぞ知る川端康成の小説の映画化、二作目、その前は吉永小百合、高橋秀樹?のコンビで映画化された不朽の名作だ。幾たびかテレビなどでも放映された作品だ。この山口百恵の作品でさえ30年も前の作品だ。
 こういう作品が心に残るのは、この作品の純粋な恋心が誰の心にもあり、それが思い出となって時々淡い思い出として蘇って来るからだろう。ある旅回りの芸人と、高等学校の書生との淡い恋物語である。

 感想

 物語を書くほどの物ではない、旅芸人と書生の初恋の出会いから別れの淡い青春時代の話。
 伊豆と言う、のどかな天城峠とか、湯ヶ島の舞台が昔の風情を残していて、ロマンッチクになる。
 少年時代に少し過ごした事のある、母親の故郷だけに思いはひとしおだ。

 感じた度  ★★★

いつも二人で

2009-02-23 09:16:05 | Weblog

 いつも二人で 1967米 監督 スタンリー・ドーネン 
               出演 A・ヘップバーン アルバート・フィニィー

 解説と物語

 オードリー・ヘップバーン、最後の映画は’76年「ロビンとマリアン」で終わっているがこの25年間に20本近くが作られている、この作品は最後から3本目、これまでの作品は全てがヒットしていた。どの作品を見ても、あの大きな目とそのスタイルで、ファッションが素晴らしい。
 この映画も負けず劣らず、このファションのセンスと、キスシーンは素敵である。
 
 特にこの映画は、結婚して12年たった”マリッド・ピープル”と二人が呼ぶ夫婦、二人がこう呼ぶとまるで自分たち二人は夫婦でない恋人関係というような響きがあるのだが、この倦怠期の二人が久々に二人が出会った所のフランスをドライブしながら、アツアツの頃と現在とを比べながらドライブする物語で、ヘップバーンが、犬が飼い主の顔を舐めるが如くにキスばかりしている甘い映画である。

 妻があれほど好きだったセックスが、娘が出来て子供中心の生活になり旦那はセックスレスが続く、したくてもさせてくれないから浮気する、そんなことで別れるのどうのと喧嘩するが、良く考えてみるとやっぱ二人は離れられない事がわかるというたわいの無いお話。

 感想

 勝手にやってナ、という感想。
 面白いのは、恋人時代には男は何時も女とセックスしたいという欲望にかられ、女性もいつも彼の顔を見ていたい、優しく抱いてもらいたい、という欲望にさいなまれる。これは恋人関係と言う時代にはお互いが自分個人の事しか頭に無いからである。
 
 結婚すると、妻が”もう三日もご無沙汰よ”とセックスの催促、夫は何時も出来ると思うとする気がしない、と映画の中で言う。
 ここでは二人の信頼が二人を結び付けている。

 やがて、目的も無いのにドライブする事が楽しかった時代から、やっぱり結婚すれば自分たちの子供が欲しくなる、そして子供が生まれる、すると今度は妻は子育てで旦那とのセックスなどは関係なくなってくる、夫は欲求が溜まるから他の女性と寝たりしたくなる。
 つまり夫婦とは、子孫繁栄の本能、人間本来の自然な摂理の中で形成される人間の在るべき姿なのだろう。

 感じた度 ★★☆

「いつか読書する日」

2009-02-21 08:32:53 | Weblog

 いつか読書する日 2006年7月  監督 緒方明、脚本 青木研次
                   出演 田中裕子、岸部一徳

 解説

 不器用すぎる大人の悲恋の物語である。美奈子は少女時代の初恋の相手だったがわけあって別れた男鬼田が居る、その相手を胸に秘めて30年以上も一人で生きてきた。
 子供の時からこの街に生まれ、この町で生きようと決意していた。
 彼女の仕事は牛乳の配達、それも急な坂道の多い町そこを50歳とは思えない若さで走り抜ける、それが終わるとスーパーのレジ係、元気溌剌、不思議な透明感のある女性。

 一方、死を目前にした溶子が居る、夫は市役所に勤める鬼田、容子は淡々とした二人の生活に26年間感情を押し殺して暮らしてきた、死ぬ寸前、美奈子に鬼田とのお付き合いを望むが、・・・。
監督は、「独立少年合唱団」でベルリン国際映画祭新人監督賞を日本人で初めて受賞した監督である。

 物語

 山肌に家が貼り付いて居るような坂の長崎のような町並み、そこに牛乳を配達する50歳の大場美奈子がいる、独身で親も兄弟も居ない、それが終わるとスーパーでのレジ係の仕事、自らを忙しく働く事で全てを忘れ去っているようでもある。
 牛乳配達の配達先に高梨家がある、そこに鬼田が末期ガンの妻容子と住んでいる。鬼田と久美子は高校時代は初恋の仲だった、しかし、久美子の母親が交通事故で亡くなったとき、鬼田の父の車に母親が乗っていたのだった。
 それから二人の仲は冷たくなっていた。
 病人の容子はその事を知り、自分が亡き後、久美子と鬼田を添わせてやりたいと思っていた。

 感想

 なんたって田中裕子、それにはっきり物を言わない岸部一徳のキャラクターが抜群に物語を盛り上げるのでツイ物語りに曳かれてゆく。
 50歳になってまだ独身の女性、寂しくないのだろうか、忙しく働く事で寂しさを忘れるのよというが、・・・。
 ラストで、「この後どうするの?」と聞くおばさんに、「ゆっくり読書するわ」という。孤独な女の末路を見るようでなんだか悲しくなってくる。
 想像すると、この後は、何年か働いて、老後は年金で老人ホームで面倒を見られながら死ぬんだろうななんて考えると、男の味も知らない、女に生まれた特権の子供も生まない、子育てもない悲しみだけが残る人生で終わるのか、あーあやだね、居るんだろうなこういう女性たくさん。

 感じた度 ★★☆

アイリス

2009-02-19 08:07:19 | Weblog

  アイリス 2001年 アメリカ 監督 リチャード・ギア

         出演  ジュデイ・デンチ、ジム・ブロードバンド

 
 解説

 作家として活躍していたアイリスが、歳を取ってアルツハイマー病になり、その愛する夫が看病する、という老夫婦の愛の物語、若い時の過去を思い出しながら、現在を映し出す、これでもって老後の悲しみが”ドカット”見えて、見たくない映画だが、現実だ。

 物語

 美人で聡明なアイリスに或る男が惚れる、そして二人は結ばれるが、年とともにアイリスがおかしな行動をするようになる、それが度重なっての認知症、何処の家庭にでも現れる老人問題見たくないけど、これが現実だから見ておいた方が良い。

 感想

 我が家はこの映画のとうり、かみさん、まだ初期段階だが、記憶喪失が始まっている、老夫婦が二人、黙ってお終いまで見ていた。
 二人とも何も語らなかったのが不気味、医者にかかっては居るんだけど、やだね。
 
 感じた度 ★☆☆
 

「アニー・ホール」

2009-02-18 08:49:01 | Weblog


 アニー・ホール 1977年第50回アカデミー賞 ウデイーアレン・監督主演、

 解説
 
 この映画は売れっ子の映画作家、ウデイー・アレンが脚本を書いて監督して主演した映画で、第50回アカデミー賞の監督脚本賞と女優のダイアン・キートンが最優秀女優賞を受賞した。
 ちなみに、キートンとアレンの仲は元の恋人同士、その二人の関係を映画にしてしまった傑作であるが、アカデミーまで戴き傑作なのは二人だけで、観客はどうだったのだろうか、という作品である。
 この映画の変わったところは、本筋と関係ないシーンや、心の声を漫画の噴出しのように字幕で流して居る事だが、監督自身は満足なのかもしれないが赤の他人はどうも邪まっけである。

 なおウデイー・アレンの最近作は、05年「さようならハリウッド」06年「僕のニューヨークライフ」
マッチ・ポイント」「世界中がアイ・ラブ・ユー
 この中では、ニューヨークを離れてイギリスで作ったという、「マッチポイント」が面白いが、後は男女間のセッツクス付の愛情論者で、作る映画すべてが愛の発生と消滅、そのルーツを探るとこんなところにあったような気がする、70代の年配だが、まだまだ若そうである。

  物語

 ニューヨークに住む40歳になる神経症気味なアルピー(ウッデイー・アレン)は恋人アニー(ダイアン・キートン)と別れたいきさつを話し出す。
 アニーと出合ったのは友人に連れられて行ったテニスだった、売れないシンガーアニーとコメデイアンのアルビーは互いに惹かれ合い同棲を始める、しかし、いつの間にか倦怠期がはじまる、・・・。
 同棲を始めた頃は、アニーが夜な夜な鼻に麻薬の粉をふりかけアルビーにせまるが、飽きてくると今度はアニーが、麻薬嫌いなアルビーの要求に応じなくなる、正常なる夫婦間のセックスに薬などは不要なのだが、それをコメデイー風にさらっと流して見せているが、本当の所は分からせないで居る不仲になった原因はそこら辺にあるのだが。

 感想

 人気俳優同士が別れた話を自作の脚本で監督して主演する、勝手にやったらという感じでどうもピンとこない映画である。アカデミー賞がきいてあきれる。

 感じた度 ☆☆☆

「アルフィー」

2009-02-17 08:35:17 | Weblog

アルフィー 2005年 監督チャールズ・シャイア 出演 ジュード・ロウ、マリサ・トメイ、

 解説

 今ハリウッドで最も美しいと呼ばれる男それは、ジュード・ロウである、彼が持ち前のセクシー度を生かしたラブストーリー。この映画は、’60年代、ジャン・ポール・ベルモンtトの「勝手にしあがれ」など、プレーボーイの一人舞台の映画が流行った、その中の名作を現代風にアレンジして描いた。アメリカ版ヨン様の映画。

 物語

 大富豪との令嬢との恋に落ちる事を夢見て、そのチャンスを狙っている天性のプレイボーイが居る、その名はアルフィー(ジュード・ロウ)。
 高級タクシーの運転手をしながら、良さそうな女を見つけてはナンパして行く、何しろ女性が彼を見るとどうしようもない、寄ってくる、もてる、従って色々な女と寝るが、やがて、その女たちは彼と別れた後、幸せな人生を歩んでいる事に憂鬱になって行く。
 全てが満足だが、只一つ無い物がある、それは、人生の「安定」だという事に気が付く。

 感想

 ドンキホーテの時代から、プレイボーイの種はつきないが、これはまさに現代風なプレイボーイ映画だろう。男のもてる話、はたして現代の若者達に通じるのか疑問だ、なんせ男のイメージも多様化しているから。

 感じた度 ★☆☆