活動の日々

自閉症スペクトラム関連を中心とした、対外的な活動を綴っていきます。

滝乃川学園児童部入所施設にて、26年ケース会議の座長を務めます

2014-04-27 | 日記
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。

早速ですが、今回は表題通り、以前私が2回に渡って職員研修会をさせていただいた、滝乃川学園で、ケース会議の座長に就任することとなりました。

滝乃川学園では、児童の入所だけではなく、成人部の入所をはじめとして、古くから様々な事業を行っている法人です。そこで私は、主に児童部の入所部門でのケース会議の座長を行うこととなりました。

先週は、その打ち合わせを無事終えてきました。寮長、職員の方とともに、施設案内からはじまり、ケース会議の概要のプレゼンと目的の確認、初回のケース会議までにしていただきたい準備などをお願いしてきました。

26年度の私が座長をさせていただくケース会議の内容は、その施設で生活している子どものうち、強い問題行動を抱えている数人にスポットを当て、1年間介入していき、行動の改善を図っていくというものです。
これは、もちろん私と施設側の目的ですが、私としてはさらに別の「目標」があります。

それは、「的確なアプローチを行っていくことで、行動は常に改善していく」ということを職員の皆さんに実感してもらうということです。

私の専門の1つはペアレントトレーニングです。ペアレントトレーニングとは、保護者に対して子どもにより望ましい関わり方を提示し、その通り実践していただいて、子どものより良い成長を促していくというものですが、同時に、保護者が「子どもが成長する」という認識を持ってもらうことが何よりも大切です。それはそうでしょう。なぜならば、ペアレントトレーニングは、1回のいわゆる「相談」や「カウンセリング」ではなく、「継続」していくものなのだから。1回では何もできないでしょう?魔法ではないのだから(笑)。
継続していくためには、継続していくということに「動機」を持ってもらうことが大切です。

それは、この分野で活躍する方に対しても同様です。自分が子どもの問題行動を改善できているという実感こそが、適切なかかわり方を維持していくために何よりも大切なことです。

入所施設は、極端な話、3交代で3勤務することが多く、それ故、職員数も必然的に多くなります。それ故、子どもへの介入を一貫させるということは決して簡単なことではないでしょう。しかし、折角お呼び頂いたのですから、結果を出さなければ。そのためにどうすれば良いのかなという方法は、当たり前ですが既に基礎は構築されています。あとは、その施設に応じて微修正をしていくのみです。

一人の人間のトレーニングと比べて、決して簡単ではないでしょう。しかし、だからといって、「研究」ではなく、「現場」を主に活動されている方は、事前に知識を十分につけていくための学習を積むために時間をとるよりは、「現場の事例」を基に考察していくことのほうが良いと考えています。その中で、成果を実感してもらうことが何よりです。そして、更に学ぶ意欲を持ってもらい、現場以外でも学習を積まれていけば、素晴らしい技術者になっていくでしょう。

ちなみに、恐らくスポットを当てる子どもの年齢は、そう若くはないでしょう。低年齢で療育を受けられることは理想で、それができなかった子どもが入所されていることが現実です。
そこでケース会議をやるのです。私が「年齢年齢言うのはしょぼい」ということはここでもお分かりいただけると思います。ABAをもとに、的確に低年齢で効果が出るのは当然。


打ち合わせはすでに終了し、後は第1回目のケース会議を待つばかりです。今から楽しみにしています。


それでは、また来週に。

講座のお知らせ~NPO法人すくすくにて~(5月15日【木】10:00~)

2014-04-20 | 日記
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。

今回は、表題通り、私が講師を担当する講座のお知らせになります。
内容は、「ABAによる子どもへの学習の促し方」になります。

この講座は、はじめて講座に参加される方へも十分に分かりやすいようにレジュメ&話をさせていただきますが、前回の講座にご参加頂いた方へもお勧めの内容です。

前回の講座は「問題行動への改善事例」と言って、実際に私の臨床経験の中で問題行動を改善させた事例をお話させていただき、そこで働いたABAの法則についてをメインに説明しました。

前回と今回で何が共通するのか。それは、「問題行動を改善させていく介入を行うということは、新しい行動を獲得させる準備期間」とも言えるからです。

ただ単に今ある問題行動を改善させるだけならば、「ABA」をある程度理解している人ならば対応できるでしょう。しかし、介入する初期の行動を改善させれば、そのあとは問題行動は起こらないのでしょうか?答えはノーと言わざるを得ません。

問題行動と呼ばれているものの多くは、それが「機能」となっています。「機能」を用いて得られる結果は「物質・活動」「注目」「感覚」「逃避・回避」となっています。
その結果を操作すれば、おのずと対象となる行動を減らしたり増やしたりすることができます。

そして、問題行動の場合は、その結果を操作して問題行動が起こりにくくしていくことが介入のプランを作成するうえでの基本となります。
しかし、問題行動が「機能」となっている場合、その「機能」を新しい「行動」へと変えていく必要があります。

例えば、かんしゃくであれば、その行動が起こっている理由を分析し、代替えする必要があるでしょうし、自己刺激であれば、新しい遊びなどを教えていく必要があるでしょう。
強迫性行動なども、その行動を減少させ、適切な行動へと変化させていく必要があります。

つまり、行動を減らす手続きだけでは不完全で、それだけとなると、特定の問題行動が減少しても、新たな問題行動が表出されることがほとんどになります。
それでは、その介入は何の意味があったのだろうか・・・と言うことになってしまいます。

そうならないためにも、「今起こっている行動をやめさせる学習をさせていくとともに、新しい行動を学習させていく」ことが大切なのです。

いまだにそれを誤解して、「問題行動は全部消去(無視)すれば良い」とか、平気で言っている「専門家」もおられるとか。
その方の話を聞いていた、私が教え子を担当している保護者は間違いに気付いていましたが、それを実践された保護者がいたのであればと考えると、非常に遺憾に思います。

問題行動を減らすためにも、身辺自立やコミュニケーションなど、更にスキルを向上させていくと言う意味でも、今回の講座は意義があると考えています。


なお、今回は、机上での課題学習がメインとなりますが、私が子どもへ指導している場面をビデオ撮影した物を活用して、その意義や配慮点なども説明していきます。
そのためにも、すくすくにプロジェクターを購入させましたし(笑)。

冗談はともかく、今まで保護者の許可を得て、指導の場面をビデオ撮影してきました。それを活用し、保護者向けの講座だけでなく、すくすくの職員養成の講座も、より分かりやすく伝えていくために、そのような設備を用意していただきました。

日程は5月15日(木)10:00~となります。
ご興味のある方はすくすくのホームページをご覧ください。

保護者向け講座(NPO法人すくすくホームページ)


それでは、また来週に。

ひまわりの会のホームページ更新内容のこと(少し過激ですが・・・それでも良ければご覧ください)

2014-04-13 | ひまわりの会
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。

早速ですが、今回は、前回に引き続きて私が代表を担当しているひまわりの会のことです。

前回の記事もホームページに関することでもありましたが、今回も引き続いて最近(数か月間)更新されたページを基に記載していきます。

ページの細かいの点はちょくちょく更新されたりもしていますが、新しいページとしては、「思春期以降のお子様に関して」(リンクをクリックするとそのページへ移動します)のページでしょうか。

このページを作成したのには特別な理由があります。
それは、以前からも記載してきましたが、「年齢」は、ABAによる療育の「方針」を決定する一つの情報なのであって、療育を開始することを決めるものではない、と言うことを伝えるためです。

確かに早期療育は大切でしょう。開始時期が早いほど効果が出やすいことも事実です。実際に、ひまわりの会は1歳半からが対象となり、お問い合わせをいただく際のお子さんの年齢は2~5際が多いと実感しています。

理想では1歳半~3歳とも言われていますし、自閉症(ADHDやLDは基本的には6歳からの診断)と診断される年齢もその位です(なお、ADHDやLDの場合は、その診断名が出るのは6歳程度が基本とされていますが、そのような診断が出る場合は、それ以前の年齢で、他の診断が出る場合が多くあることを付け加えておきます)。

上記に記載した通り、診断が出てすぐに適切な療育が受けられることは大切です。それは子どもが柔軟なうちに適切な指導を行った場合、いわゆる不適切行動の学習が少なく、自我も完全に形成されているわけでは無いから、それだけ吸収率が高いのは当然と言えます。

また、早期的な療育を開始した場合、保護者の子どもへの関わり方を修正しやすい側面もあります。それも当然でしょう。例えば子どもが3歳の場合、保護者も「保護者歴3年」、すなわち保護者として3歳なのだから、子どもへの指導の経験も浅く、それ故知らなかった適切な対応を理解していただきやすいということもあります。


と、上記までに記載したのは早期療育のこと。いたって当然のことです。


しかし、思春期前後からの療育開始であっても、適切な指導は大切です。それも当然です。なぜなら、「療育=早期ではない」のだから。
この言葉は、「何歳になっても大丈夫なんだから、ゆっくりしていよう」などと誤解してもらっては困ります。何度も記載するように、早期的に適切な療育を受けるに越したことはないのだから。

しかし、今ですらABAの療育機関は少ないですし、今から10年程前は、臨床家も含めてABAを知る人はごくわずかでした。
その時代の子どもと保護者はどうするの?というのが自分の考えです。

どうも日本規模で「早期」と言う言葉に惑わされている印象があります。大きくなったら、その時の地域の支援に頼るほかないと。それがいけないと考えているのではなく、「子どもを指導することができない」と決めつけることがいけないと考えています。

それは、幼児期の療育に比べれば、思春期前後のお子さんの療育の方が大変なのは確かでしょう。でも、それは幼児期などの低年齢と「比較すると」成長が一見分かりずらいと言うことと、周囲が指導しにくい印象を持つことによるのであって、確実に発達を促していくことができるのです。

そもそも、ある一定で成長が「止まる」のであれば、療育と言う意味においての長期支援は必要ないですからね。そうではないから、ひまわりの会、私が顧問のすくすくともに長期支援を行っているのですから。

また、ABAは「行動の法則」に基づいて、環境(独立変数)を操作し、個(従属変数)を変化させていくものだから、そもそも「年齢」とか関係ないのです。早期・・・と言うのは、「そのほうがより効果的ですよ。」と言う話なのです。(「環境」は周囲の大人の指導も含まれ、また「個」とは、ここでは子どもを指します)


しかし、残念ながら、そういった説明をしない専門家がいるようです。そういった説明なしに低年齢しか見ませんって・・・幼児の専門家?(笑)
それならまだ「マシ」かも・・・。最近ABAとか言っている機関で少なくないのが「親は見なくて良いです」「親はやらなくて良いです」・・・療育を専門家「だけ」の領域とでも思っているのか?(笑)じゃあ何のためにペアレントトレーニングや勉強会があるのか・・・?
そのような親向けのセミナーを開いている機関が「親はやらなくても・・・」それって自爆じゃん(爆)セミナーの意味ないのに開いてるって・・・そういうのが本末転倒。

逆に、毎日何時間もやり続ければ良いってのも、私からすれば上記と「同じ」です。
「HOWTO」じゃないでしょうに。

保護者に過剰な負担を強いないことを前提として、保護者のトレーニングも行って、目標を共有し、協力し合って、話し合って、そのうえでお子さんにやる内容をセラピストと分担するというのが最も大事。保護者はほかにやることがあるから、セラピストと完全に同じなんて不可能です。セラピストはそれだけをやっているのだから。


色々な考え方もあります。しかし、私はペアレントトレーニングを専門の一つとしているから、この意見はその観点からです。しかし、保護者と協力し合える家庭のお子さんは必ず、より一層伸びることでしょう。


と、ひまわりの会のホームページの更新点の説明はこの辺で。

上記に基づいて、来週はすくすくでペアレントトレーニングです。今回は、通常のペアレントトレーニングだけでなく、指導員養成講座も同日で2回もあります。

日曜日もあとわずかで終了・・・寝なければ(苦)


それでは、また来週に。

ひまわりの会の相談室のこと

2014-04-07 | ひまわりの会
当ブログをご覧いただきありがとうございます。尾串光康です。

今回は、前回の記事にも記載したように、今回はひまわりの会のホームページの更新をメインとして記載しようと思います。
その内容は、ひまわりの会の相談室のことです。

ひまわりの会のホームページに、「当相談室までの道案内」というページが2月に更新されました(リンクをクリックするとそのページに移動します)。

場所は、最寄り駅は早稲田駅ですが、高田馬場から出ている「早大正門行」バスの終点、「早大正門」からも近いです。早稲田駅は出口が複数ありますが、基本的に徒歩1~2分程度です。徒歩一分は大人の足でなので、ホームページには4分程度と長めに記載しています。

相談室にお越しいただいている保護者はもちろん、当相談室までの道案内を見た人も、恐らく古い建物と思うでしょう(笑)?早稲田は実は昔古い町で、ほとんどが古くからある建物ばかりです。しかし、移動する気もなく、ずっとこの場所を相談室とするでしょう。

それはなぜ?と言うことが今回の記事の「みそ」です。

何故かと言うと、この場所は非常に思い入れがあるからです。その理由は2つあります。


1つは、保護者の方々の想いによって開所された場所と言っても過言ではないからです。
ひまわりの会は数年間任意団体(法人格を有していない、いわば個人事業的なものです)で活動しており、当時の所在地は一名入るだけで精一杯の、それこそ「事務所」としてしか利用できない場所で、個別療育などは行政の会議室(当時は品川区での開催)をその都度借りて行っているかたちでした。

しかし、利用される方が増えてきて、その都度会議室を借りて行うには、スケジュール調整が困難になってきて、その時点での「事務所」では無くて、事務所兼用の、個別療育やペアレントトレーニングができる場所を探すようになりました。
その際に利用されていた保護者の方々にそれを伝えると、少しずつ保護者の方々が寄付してくれて、早稲田と言う立地条件の良い場所を確保することができたのです。
寄付の内容は様々で、現金の方もいればおもちゃの方、昔使っていた教材、掃除機などの実用品など、実に様々で、今の設備の半分は開所前に揃っていたくらいでした。

そして、その場所に法人所在地を登記して、今があります。
当時利用していた幼児の教え子も、今は小学校高学年に、小学生だった子は中・高生に。

当時は利用者数は20名程度だったでしょうか?今は45名、倍以上です。

綺麗ごとを言うつもりは一切ありませんが、今のひまわりの会は、当時の保護者あってこそ、だと思っています。
ABAは、方法なども地域の療育センターとは全く異なり、また当時はABAを知る保護者も少なかったように思います。
そんな中、自分たちを信じてついてきてくださったのです。そして、頻度は異なりますが、現在も当時の保護者のほとんどがひまわりの会を慕ってくれています。
その方々に支えられ、今は待機の受付も停止する規模になったのです。そして、それは何よりも長きにわたって慕ってくれている方々のおかげです。
以前にもブログに記載しましたが、長期支援を行うという誇りはここにもあります。


そして、もう1つは、不動産屋・大家とのつながりです。
当時は、少なくとも現在より法人の財力はありませんでした。それはそうでしょう。利用者が以前の半分以下だったのだから。その中で、本当は使用目的に反していた場所(事務所のみの利用が対象でした)を、話し合いによって今の活動目的のために、かなり格安で貸してくださったことです。

真剣に探してくれた不動産屋の方、理解をしてくれた大家あってこその今の場所です。
その大家も、今は亡くなられています。
現在の場所に設立したころ、夜遅くまで残って作業している私や部下へ果物やお菓子の差し入れをしてくださいました。その度に勇気づけられたことを今でも覚えています。


と、これが今の相談室への私の想いです。

人数が倍以上になったから綺麗な場所へ移動?ありえんって(笑)。上記に書いた想いを背負って臨床しているから、ずっとこの場所で活動し続けることでしょう。


ただ、余談があります。この場所で指導している頻度は、月計7日程度(笑)。1日5人程度指導しています。ほとんどが訪問で、部下2名と南関東を中心に動き回っています。だから、ひまわりの会へ電話で問い合わせした人は、皆「つながらん・・・」と思ったことがあるのではないでしょうか(笑)?
しかし、それはご了承ください。遠方だと、指導は西は滋賀県、相談は北は青森とかもあるほどですし。
まあ、そういって動き回れるのも、設立して間もないころの保護者の方々あってこそ。本当に感謝しています。


うーむ・・・何か、ちょっと心温まるエピソードでしたかね(笑)?いや、そう思っているのは私だけ(爆)?
こういった内容は、あまりブログ向きではありませんね(笑)


次回もひまわりの会のページ更新をメインに書きたいと思います。


それでは、また来週に。