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広報文章の基本テクニック:初級編(7)

2017-04-21 10:27:19 | はとはあと最新情報
2017/04/21
自分と対話することで鍛える文章表現とは?

よく考えて見てください。私的なメールのやりとりは別として、仕事に絡む文章では何らかの配慮のあるなしが質を伝えることになります。男子の羽織ハカマ姿というのは大層だとしても、人前にでるには、それなりの身だしなみが求められるのと同じです。字の間違いがあるだけでなく、文脈にまとまりがなかったりすると、文章の中身からその分を差し引いた評価となってしまいます。特に対外文書には、それなりの社会的な配慮と公共意識が必要だということ。言いかえれば、文案は読み手の理解に頼らない姿勢がほしいということです。

そのことに関係するかも知れませんが、よく出会う言葉に「私が・・」があります。あちこちに「私が・・」「私は・・」が何度も登場するのです。(女性に多いかな) これは私を印象付けようとか、売り込もうというのではなく、もう口癖のようなものですね。そう書かないと「気持ちが収まらない」というわけです。文を手直しするのは簡単にできますが、問題は書き手の意識が「自意識」に汚染されすぎて自分が見えなくなっている。自分を突き放してでも客席からの自分の姿を見る目(世阿弥の離見の見)が必要、というあれです。

文字をそれらしく並べ文章と認識させるのは簡単です。しかし、頭の中にある感覚や概念を、他者にわかるように、また、自分にも納得がいくように文章を書くということ、それこそは生やさしい作業ではありません。毎日の表現活動は努力の積み重ねだということは簡単ですが、苦しみながらの自己主張や発見は、それを体験した人でなければ理解できないものがあります。それを理解しようとすれば、同じように文を書き続けて感覚を磨くしかありません。スポーツや職人の技の鍛錬にも似たとことがあるように思います。

必要なことは、書きたいことにとって不要な表現の1字も許さない文章表現を心がけることです。「ここにはそれしかない」というところまで、何度も推敲していくと、いつかふっと、いい“表現”との出会いがあるものです。疲れたら脳に命令して休み、そして深呼吸することです。人は、機械ではないことを想いなおすのです。表現して伝えることの意義は、よりよく向き合うことや生きることにつながる筈です。幸いにも広報は、コミュニケーションを主概念とします。さまざまな過不足を乗り越える確かなチカラとともにあると思います。

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内容:わかりやすい文章表現の基本テクニック(講義とワークショップ)
日時:4月28日(金)午後1時~5時
会場:京都市山科区・京都市生涯教育総合センター(アスニー山科)・2階会議室
(JR京都から1駅5分・山科駅下車徒歩3分・外環三条角・ラクト山科C棟)
講師:石田章一(日本HIS研究センター・基本講座講師)
HIS会員は受講無料 (会員外お一人12,960 円税込)
※ 詳しくは http://www.j-his.jp/ トップの<information>で
※ 基本講座は“通信“もあります
※ 病院広報についてのご相談に応じています (無料・要予約)

<訂正とお詫び>
当ブログ・2017/04/19の「広報文章の基本テクニック:初級編(6)は、適切でない解説になっていました。以下のように訂正いたし、お詫び申し上げます。

仕事のノウハウを説く書物やレポートの多くは、活字を使って、「(うまく行ったら)効果が上がる」とか、「条件が揃えば(成果が上がる)」と書いてあるように思います。つまり仮定された世界を前提にした場合の話になっています。話がうまい人でも、いつの間にか、主旨が異なったまま進んでいくこともあります。その点を配慮した文章なら、いま記述した内容は、そのままそこに残っているので、なんとか元の流れに戻ることは可能ですが、言葉が消えていく会話では、そのような訳には行かないので注意が必要です。

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