はちみつブンブンのブログ(伝統・東洋医学の部屋・鍼灸・漢方・養生・江戸時代の医学・貝原益軒・本居宣長・徒然草・兼好法師)

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お知らせ -『主治症からみる経絡経穴』について-

2015-10-03 12:08:54 | 主治症からみる経絡経穴 第二版

2008年以来『主治症からみる経絡経穴』のPDFデータを無料で公開していましたが、去年のブログの引っ越しによりデータは消失していました。

現在、ブログの性質上PDFファイルをアップロードすることができないため、またファイルのサイズの問題のため別のサーバーに無料で置いておくことが難しいので、普通のテキストデータとしてブログに掲載いたします。ただしブログに文字数の制限があるため、データを分割してあります。ご了承ください。

また、この機会に『主治症からみる経絡経穴』は二版を公開いたします。

主治症からみる経絡経穴 第二版


 

印刷製本用の表紙です。左は初版本のもの、右は小貫英人先生が作成したものです。どうぞご使用ください。

 

 

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主治症からみる経絡経穴 第二版

2015-10-03 11:31:32 | 主治症からみる経絡経穴 第二版

お知らせ

主治症からみる経絡経穴

第二版

2012年

編 儀間達哉

 2006年の初版『主治症からみる経絡経穴』から2年後、2008年には経穴が国際的に統一されました。この二版ではその経穴の取穴部位を加えるとともに、経穴の性質などを省略して体裁を整えてあります。学生の方など自由にご利用・ご参考ください。経穴や主治症の検索は左上の検索ボックスを使うと便利です。

凡例

①経穴記号
②経穴名(漢字・ひらがな・pinyin) 
③取穴部位(出典『WHO/WPRO標準経穴部位』)
④Location(出典『WHO STANDARD ACUPUNCTURE POINT LOCATIONS IN THE WESTERN PACIFIC REGION』) 
⑤『黄帝鍼灸甲乙経』(出典『鍼灸醫學典籍大系 黄帝鍼灸甲乙經一・二』
⑥(復元)明堂経(出典・参考『経穴学の古代体系』・『中国針灸穴位通鑑』・『医心方』など) 
⑦『鍼灸重宝記』
⑧『鍼灸醫學全書・経穴学』 
⑨図(出典『経穴彙解』) 

例(中府)

LU1
中府 ちゅうふ Zhongfu
取穴部位
前胸部、第1肋間と同じ高さ、鎖骨下窩の外側、前正中線の外方6寸。
注1:雲門(LU2)を取穴し、その下方1寸にある。注2:庫房(ST14)、中(KI26)、華蓋(CV20)、中府(LU1)は第1肋間の高さに並ぶ。
LOCATION
On the anterior thoracic region, atthe same level as the first inter costal space, lateral to the infraclavicular fossa, 6 B-cun lateral to the anterior median line.
Note 1: After locating LU2. LU1 is located 1 B-cun inferior to LU2.
Note 2: ST14. KI26. CV20 and LU1 are located on the transverse line along the first intercostal space.
黄帝鍼灸甲乙経
中府、肺之募也。一名膺中兪。在雲門下一寸、乳上三肋間陥者中。動脈応手。仰而取之。手[足]太陰之会。刺入三分、留五呼、灸五壮。
復元明堂経
主、肺系急、欬、胸中痛。悪清、胸中満邑々然、善嘔食。胸中熱、喘逆、逆気。相追逐、多濁唾、不得息。肩背風汗出、面腹腫、隔中不下食。喉痺、肩息。肺脹、皮膚骨痛。寒熱、煩満。
鍼灸重宝記
中府 雲門の下一寸。灸五壮、針三分。腹脹、手足はれ、食下らず、喘気、胸痞、肩背いたみ、嘔啘、欬逆、上気、肺系ひきつり、肺の寒熱、胸ふるひ、膽熱し、欬唾、濁涕、風汗出、面浮、少気して、臥ことならず、傷寒、胸中熱し、遁死をつかさどる。
鍼灸醫学全書・経穴学
喘息、気管支炎、鼻茸、扁桃腺炎、心臓病、腹脹、四肢腫、面腫。胸肋痰痛、中風。

 

目次

1.手太陰肺経 (Lung-Meridian) (11)

2.手陽明大腸経 (Large Intestine-Meridian) (20)

3.足陽明胃経 (Stomach-Meridian) (ST1-ST25 / 45)

3.足陽明胃経 (Stomach-Meridian)(ST26-ST45 / 45)

4.足太陰脾経 (Spleen-Meridian) (21)

5.手少陰心経 (Heart-Meridian) (9)

6.手太陽小腸経 (Small Intestine-Meridian) (19)

7.足太陽膀胱経 (Bladder-Meridian) (BL1-BL25 / 67)

7.足太陽膀胱経 (Bladder-Meridian) (BL26-BL50 / 67)

7.足太陽膀胱経 (Bladder-Meridian) (BL51-BL67 / 67)

8.足少陰腎経 (Kidney-Meridian) (27)

9.手厥陰心包経 (Pericardium-Meridian) (9)

10.手少陽三焦経 (Triple Energizer-Meridian) (23)

11.足少陽胆経 (Gallbladder-Meridian) (GB1-GB25 / 44)

11.足少陽胆経 (Gallbladder-Meridian) (GB26-GB44 / 44)

12.足厥陰肝経 (Liver-Meridian) (14)

13.督脈 (Governor-Vessel) (28)

14.任脈 (Conception-Vessel) (27)

 

 

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1.手太陰肺経 (Lung-Meridian) (11)

2015-10-03 11:31:08 | 主治症からみる経絡経穴 第二版

主治症からみる経絡経穴 第二版


LU1

中府 ちゅうふ Zhongfu

取穴部位

前胸部、第1肋間と同じ高さ、鎖骨下窩の外側、前正中線の外方6寸。

注1:雲門(LU2)を取穴し、その下方1寸にある。注2:庫房(ST14)、中(KI26)、華蓋(CV20)、中府(LU1)は第1肋間の高さに並ぶ。

LOCATION

On the anterior thoracic region, atthe same level as the first inter costal space, lateral to the infraclavicular fossa, 6 B-cun lateral to the anterior median line.

Note 1: After locating LU2. LU1 is located 1 B-cun inferior to LU2.

Note 2: ST14. KI26. CV20 and LU1 are located on the transverse line along the first intercostal space.

黄帝鍼灸甲乙経

中府、肺之募也。一名膺中兪。在雲門下一寸、乳上三肋間陥者中。動脈応手。仰而取之。手[足]太陰之会。刺入三分、留五呼、灸五壮。

復元明堂経

主、肺系急、欬、胸中痛。悪清、胸中満邑々然、善嘔食。胸中熱、喘逆、逆気。相追逐、多濁唾、不得息。肩背風汗出、面腹腫、隔中不下食。喉痺、肩息。肺脹、皮膚骨痛。寒熱、煩満。

鍼灸重宝記

中府 雲門の下一寸。灸五壮、針三分。腹脹、手足はれ、食下らず、喘気、胸痞、肩背いたみ、嘔啘、欬逆、上気、肺系ひきつり、肺の寒熱、胸ふるひ、膽熱し、欬唾、濁涕、風汗出、面浮、少気して、臥ことならず、傷寒、胸中熱し、遁死をつかさどる。

鍼灸醫学全書・経穴学

喘息、気管支炎、鼻茸、扁桃腺炎、心臓病、腹脹、四肢腫、面腫。胸肋痰痛、中風。


LU2

雲門 うんもん Yunmen

取穴部位

前胸部、鎖骨下窩の陥凹部、烏口突起の内方、前正中線の外方6寸。

注1:上腕を抵抗に抗して屈曲、わずかに外転させ、鎖骨胸筋三角(鎖骨下窩)を確認すると、その中央にある。注2:気戸(ST13)、兪府(KI27)、璇璣;旋機;旋璣(CV21)、雲門(LU2)は鎖骨下縁に並ぶ

LOCATION

On the anterior thoracic region,in the depression of the infraclavicular fossa, medial to the coracoid process of the scapula, 6 B-cun lateral to the anterior median line.

Note 1: After identifying the deltopectoral triangle when the arm is flexed and slightly abducted againstresistance, LU2 is in the centre of the deltopectoral triangle.

Note 2: ST13. KI27. CV21 and LU2 are located on the transverse line along the inferior border of the clavicle.

黄帝鍼灸甲乙経

雲門、在巨骨下、気戸両傍各二寸陥者中。動脈応手。手太陰脈気所発。挙臂取之。刺入七分、灸五壮。刺太深、令人逆息(気府論注云、在巨骨下、任脈両傍各六寸。刺熱穴論注云、手太陽脈気所発)。

復元明堂経

主、喉痺。胸中暴逆、欬逆、喘不得息。坐不得臥、呼吸気索、咽不得、胸中熱。暴心腹痛、疝積時発上衝心。肩痛不可挙、引缺盆痛。脈代不至寸口、四逆、脈鼓不通。

鍼灸重宝記

雲門 結喉の下五寸、左右へ六寸づつ陥中。針三分、灸五壮。傷寒、手足熱し、気のぼり心胸をつき、脇より背にとをりて痛み、肘をあぐること能ず、喉痺、しゃくり、短気、癭気を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

咳嗽、扁桃腺炎、肩背神経痛、胸部痙攣、心臓病、肺結核、気管支カタル。


LU3

天府 てんぷ Tianfu

取穴部位

上腕前外側、上腕二頭筋外側縁、腋窩横紋前端の下方3寸。

注:腋窩横紋前端と尺沢(LU5)を結ぶ線上で、腋窩横紋前端から1/3にある。

LOCATION

On the anterolateral aspect of the arm, just lateral to the border of the biceps brachii muscle, 3 B-cun inferior to the anterior axillary fold.

Note: Longitudinally, LU3 is located at the same level as the junction of the upper one third and lower two thirds of the line connecting the level with the anterior axillary fold to LU5.

黄帝鍼灸甲乙経

天府、在腋下三寸、臂臑内廉動脈中。手太陰脈気所発。禁不可灸、灸之令人逆気、刺入四分、留三呼。

復元明堂経

主、欬、上気、喘不得息。暴癉内逆肝肺相搏、鼻口出血。身脹、逆息不得臥。風汗出、身腫、喘喝、多唾。恍惚善忘、嗜臥不覚。

鍼灸重宝記

天府 極泉の下三寸、筋骨の間に動脉ある処なり、下の尺沢を目あてにして点す。禁灸、針四分、留こと七呼、或は三呼。卒中風、邪気飛尸、悪鬼語、めまひを治。

鍼灸醫学全書・経穴学

脳溢血、気管支炎、衄血、嘔吐、眼疾、眩暈、リウマチ、マラリア。


LU4

侠白 きょうはく Xiabai

取穴部位

上腕前外側、上腕二頭筋外側縁、腋窩横紋前端の下方4寸。

LOCATION

On the anterolateral aspect of the arm, just lateral to the border of the biceps brachii muscle, 4 B-cun inferior to the anterior axillary fold.

黄帝鍼灸甲乙経

侠白、在天府下、去肘五寸動脈中。手太陰之別。刺入四分、留三呼、灸五壮。

復元明堂経

主、心痛、欬、乾嘔、煩満。

鍼灸重宝記

俠白 天府の下二寸、動脉の処也。針三分、灸五壮。心痛、短気、乾嘔、心煩を治。

鍼灸醫学全書・経穴学

心臓疾患、神経性心悸亢進症、肋間神経痛。


LU5

尺沢 しゃくたく Chize

取穴部位

肘前部、肘窩横紋上、上腕二頭筋腱外方の陥凹部。

注:肘を屈曲し、肘窩横紋上で曲池(LI11)と曲沢(PC3)の間にある。尺沢(LU5)と曲沢(PC3)は上腕二頭筋腱の両側に位置する。

LOCATION

On the anterior aspect of the elbow, at the cubital crease, in the depression lateral to the biceps brachii tendon.

Note: With the elbow flexed, LU5 is located at the cubital crease, between LI11 and PC3. separated from PC3 by the biceps brachii tendon.

黄帝鍼灸甲乙経

尺〈天〉沢者、水也。在肘中約上動脈。手太陰脈之所入也、為合。刺入三分、灸五壮(素問気穴論注云、留三呼)。

復元明堂経

主、心痛彭々然、肘痛、喉痺。欬逆、上気、舌乾、脇痛、心煩、肩背寒、心乱、少気不足以息。腹脹、喘。振慄、瘈瘲、手不伸、脱肉、唾濁。気鬲、善嘔、鼓頷、不得汗、煩急、身痛、目為瘲。衄、左窒刺右、右窒刺左。両脇下痛、泄上下出。胸満、短気、不得汗、補手太陰以出其汗。癲疾、手臂不得上頭。

鍼灸重宝記

尺沢 肘の中、屈伸する横文の中、中指と無名指との間の通り、推ば筋骨の解め動脉の処。針灸ともに肘の中の青筋に中らぬやうにすべし、針三分、留こと三呼。肩背いたみ、中風、小便数、よく嚏て楽ず、寒熱、風痺、臑肘攣り、こうひ、上気、嘔吐、口舌かわき、欬嗽、おこり、手足はりにはかに腫、心痛、心煩、労熱、上気、腰背強痛み、肺の積、小児慢きょうふうを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

肩甲神経痛、中風、小児ひきつけ、喘息、嘔吐、欠伸、肺結核、腹満、尿意頻数、気管支カタル。


LU6

孔最 こうさい Kongzui

取穴部位

前腕前外側、尺沢(LU5)と太淵(LU9)を結ぶ線上、手関節掌側横紋の上方7寸。

注:尺沢(LU5)の下方5寸で、尺沢(LU5)と太淵(LU9)を結ぶ線の中点の上方1寸にある。

LOCATION

On the anterolateral aspect of the fore arm, on the line connecting LU5 with LU9, 7 B-cun superior to the palmar wrist crease.

Note: LU6 is 5 B-cun inferior to LU5, 1 B-cun superior to the midpoint of the line connecting LU5 with LU9

黄帝鍼灸甲乙経

孔最、手太陰之郄去腕七寸。専(此処缺文)金二七、水之父母。刺入三分、留三呼、灸五壮。

復元明堂経

主、熱病汗不出、可以出汗。頭痛、振寒、臂厥。

鍼灸重宝記

孔最 尺沢を目的に魚際より七寸。針三分、灸五壮。熱病、汗出ず、欬逆、肘痛、手握られず、吐血、咽腫、声出ざるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

上肢局部の疾患(肘関節のリウマチ又は炎)、咳嗽、前腕筋炎、肺結核。


LU7

列欠 れっけつ Lieque

取穴部位

前腕橈側、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間、手関節掌側横紋の上方1.5寸。

LOCATION

On the radial aspect of the forearm, between the tendons ofthe abductor pollicis longus and the extensor pollicis brevis muscles,in the groove for the abductor pollicis longus tendon,1.5 B-cun superior to the palmar wrist crease.

黄帝鍼灸甲乙経

列缺、手太陰之絡、去腕上一寸五分。別走陽明者。刺入三分、留三呼、灸五壮。

復元明堂経

主、瘧寒甚熱。瘤驚而有見者并取陽明絡。寒熱、欬唾沫、掌中熱。虚則肘臂肩背寒慄、少気不足以息、寒厥、交両手而瞀、口沫。実則肩背熱痛、汗出、暴四肢腫、身湿揺、時寒熱。飢則煩、飽則面色変、口噤不開。悪風、泣出、善忘、四肢逆厥、善笑。熱病先手腎痛、身熱、溺白、瘈唇口聚、鼻脹、目下汗出如転珠。両乳下三寸堅、脇下満悸。

鍼灸重宝記

列缺 腕の側上ヘ一寸五分、然ども寸を以は知がたし。左をとるには、病人の右の食指を左の大指と食指との間に組入て、右の食指の頭のあたる処を穴とす。右を取も此のごとし。針二三分、留ること三呼、瀉は五吸。灸三壮七壮・四十九壮にいたる。中風、口噤み、口眼ゆがみ、手肘力なく、半身かなはず、寒熱、おこり、咳嗽、唇ゆるまり、健忘、溺に血まじり、精もれ、陰痛み、小便熱し、驚癇、癰腫、肩痺、胸脇冷、尸厥、手足腫るを。

鍼灸醫学全書・経穴学

橈骨神経痛及麻痺、前腕筋炎、三叉神経痛、顔面神経麻痺及痙攣、中風、半身不随。小便熱痛、及中風、歯痛。


LU8

経渠 けいきょ Jingqu

取穴部位

前腕前外側、橈骨茎状突起と橈骨動脈の間、手関節掌側横紋の上方1寸。

注:太淵(LU9)の上方1寸にある。

LOCATION

On the anterolateral aspect of the forearm, between the radial styloid process and the radial artery, 1 B-cun superior to the palmar wrist crease.

Note: 1 B-cun superior to LU9

黄帝鍼灸甲乙経

経渠者、金也。在寸口陥者中。手太陰脈之所行也、為経。刺入三分、留三呼、不可灸、灸之傷人神明。

復元明堂経

主、寒熱、胸背急痛、喉中鳴、欬上気、喘、掌中熱、数欠、汗出。胸中彭々然、甚則交両手而瞀。暴癉内逆、先取天府此胃之大輸。臂内廉痛、喘逆、心痛、欲嘔。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

扁桃腺炎、喘息、食道痙攣、嘔吐、吃逆、欠伸、掌中熱、小児急性気管支炎、心痛。


LU9

太淵 たいえん Taiyuan

取穴部位

手関節前外側、橈骨茎状突起と舟状骨の間、長母指外転筋腱の尺側陥凹部。

注:手関節掌側横紋の橈側、橈骨動脈上にある。

LOCATION

On the anterolateral aspect of the wrist, between the radial styloid process and the scaphoid bone, in the depression ulnar to the abductor pollicis longus tendon.

Note: On the radial side of the palmar wrist crease, over the radial artery.

黄帝鍼灸甲乙経

太淵者、土〈水〉也。在掌後陥者中。手太陰脈之所注也、為兪。刺入二分、留二呼、灸三壮。

復元明堂経

主、痺、逆気、寒厥、急熱、煩心、善唾噦噫。胸満噭呼、胃気上逆、心痛、肺脹満彭々。臂厥、肩膺胸痛、妬乳、目中白眼青、転筋、掌中熱。乍寒乍熱、缺盆中相引痛、数欠、喘不得息、臂内廉痛、上鬲飲已、煩満。病温、身熱五日以上汗不出、留鍼一時取之、未満五日不可刺。瘧、欬逆、心悶不得臥、胸満、喘瞀、背痛、唾血、振寒、乾嗌、狂言、口僻引而下之。

鍼灸重宝記

太淵 掌の後へ陥中、魚際と寸口との間。灸三壮、針一二分、留ること二呼。胸痺、逆気、嘔吐、咳嗽、不寝、目痛青く、或は白翳赤筋を生じ、転筋、乍寒乍熱し、掌中熱し、缼盆の中と胸肩背臂いたみ、寒喘、咳血、吐血、振寒、咽乾、狂言、溺の色変り、遺失度なきを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

前腕神経痛、胸部神経痛、結膜炎、角膜炎、腕関節炎、嘔吐、咳喘、心痛、上逆、咳血、嘔血。


LU10

魚際 ぎょさい Yuji

取穴部位

手掌、第1中手骨中点の橈側、赤白肉際。

LOCATION

On the palm, radialto the midpoint of the first metacarpal bone, at the border between the red and white flesh.

黄帝鍼灸甲乙経

魚際者、火也。在手大指本節後内側散脈中。手太陰脈之所溜也、為滎。刺入二分、留三呼、灸三壮。

復元明堂経

主、虚熱、酒沂起毛、悪風。舌上黄、身熱争則喘欬、痺走胸応背不得息。頭痛不堪、汗出而寒。寒厥及熱、煩心、少気不足以息。陰湿、腹痛、食饐、肘攣、支満、喉中焦渇。痙、上気。熱病、振慄、鼓頷、腹満、陰痿。厥心痛、臥若徒居、心痛間動作痛益、色不変者肺心痛也。欬引尻、溺出、虚也。鬲中、食飲嘔、身熱汗出、数唾涎下。肩背寒熱、脱色、目泣出、皆虚也、補之。唾血、時熱、瀉魚際、補尺沢。短気、心痺、悲怒、逆気、恐、狂易。胃逆、雷乱、逆気。

鍼灸重宝記

魚際 手大指本節の後へ内側、うでの横文の中、寸口の脉の上際なり。針一分、留ること三呼、禁灸。酒病、悪寒、虚熱、舌胎黄、づつう、欬嗽、胸腹いたみ、目眩、不食、肘攣り、咽乾、尻いたみ、溺血、嘔血、心痺、乳癰を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

頭痛、眩暈、脳充血、脳貧血、心悸亢進、ヒステリー、失音して言わず、霍乱、吐血、腹痛。


LU11

少商 しょうしょう Shaoshang

取穴部位

母指、末節骨橈側、爪甲角の近位外方0.1寸(指寸)、爪甲橈側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。

LOCATION

On the thumb, radial to the distal phalanx, 0.1 F-cun proximal-lateral to the radial corner of the thumb nail, at the intersection of the vertical line of the radial border and the horizontal line of the base of the thumb nail.

黄帝鍼灸甲乙経

少商者、木也。在手大指端内側、去爪甲如韮葉。手太陰脈之所出也、為井。刺入一分、留一呼、灸一壮(気府論注、作三壮)。

復元明堂経

主、瘧、寒厥及熱、煩心、善噦、心満而汗出、刺出血立已。寒濯々、寒熱、手臂不仁、唾沫、唇乾引飲、手腕攣、指支、肺脹、上気、耳中生風。欬、喘逆、指痺、臂痛、嘔吐、食飲不下彭々。熱病象瘧、振慄、鼓頷、腹脹、睥倪、喉中鳴(口+艮)々。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

手不仁手臂身熱。又云、目疣、萑目。


 


主治症からみる経絡経穴 第二版

 

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2.手陽明大腸経 (Large Intestine-Meridian) (20)

2015-10-03 11:30:44 | 主治症からみる経絡経穴 第二版

主治症からみる経絡経穴 第二版


LI1

商陽 しょうよう Shangyang

取穴部位

示指、末節骨橈側、爪甲角の近位外方0.1寸(指寸)、爪甲橈側縁と爪甲基底部の水平線の交点。

LOCATION

On the index finger, radial to the distal  phalanx, 0.1 F-cun proximal-lateralto the radial corner of the index fingernail, at the intersection of the vertical line of the radial border ofthe fingernail and the horizontal line of the base of the index fin

黄帝鍼灸甲乙経

商陽者、金也。一名絶陽。在手大指次指内側、去爪甲如韭葉。手陽明脈之所出也、為井。刺入一分、留一呼、灸三壮。

復元明堂経

主、熱病汗不出、耳中生風、耳鳴、耳聾時不聞。熱瘧、口乾、臂瘈引口中、下歯痛。悪寒、頷腫、肩背痛引缺盆、喉痺。気満胸中、喘息、支脇。青盲。

鍼灸重宝記

商陽 手食指の内(大指の方)側ら、爪甲の角を一分ほど去る。針一分、留ること一呼、灸三壮。胸中に気みち、喘欬、おこり、熱病汗出ず、耳鳴、きこへず、頷はれ、歯いたみ、肩背缼盆いたみ、目青くらむに灸三壮、目左ならば右にすべし。

鍼灸醫学全書・経穴学

脳充血、歯痛、喘息、面疔、扁桃腺炎、耳鳴り、肋膜炎、急性熱病に瀉血してよし。手脚拘攣。


LI2

二間 じかん Erjian

取穴部位

示指、第2中手指節関節橈側の遠位陥凹部、赤白肉際。

LOCATION

On the index finger, in the depression distal to the radial side of the second metacarpophalangeal joint, at the border between the red and white flesh.

黄帝鍼灸甲乙経

二間者、水也。一名間谷。在手大指次指本節前、内側陥者中。手陽明脈之所溜也、為滎。刺入三分、留六呼、灸三壮。

復元明堂経

主、多臥、善唾。肩髃痛。鼻鼽赤多血、浸淫起面。身熱、喉痺如哽、目眥傷。振寒、肩疼、歯痛。口喎。

鍼灸重宝記

二間 手の食指の本節の前(爪の方)内側ら、拳をにぎれば食指の内側、本節の前に折目出るおりめの頭ら陥の中也。針三分、留ること六呼、灸三壮。喉痺、頷腫、肩背腕いたみ、歯いたみ、目黄み、はなじ、口ゆがみ、不食、傷寒の水結を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

喉頭カタル、扁桃腺炎、肩、背、上肢の神経痛又は痙攣。


LI3

三間 さんかん Sanjian

取穴部位

手背、第2中手指節関節橈側の近位陥凹部。

LOCATION

On the dorsum of the hand, in the depression radial and proximal to the second metacarpophalangeal joint.

黄帝鍼灸甲乙経

三間者、木也。一名少谷。在手大指次指本節後、内側陥者中。手陽明脈之所注也、為兪。刺入三分、留三呼、灸三壮。

復元明堂経

主、喉痺、咽腫如哽。歯齲痛、悪清。多臥、善唾、胸満、腸鳴。肩痛。痎瘧。寒熱、唇口乾。身熱、喘息、目急痛、善驚。

鍼灸重宝記

三間 手食指の本節の後内側、拳をにぎりて食指の内側ら本節の後にいづるおりめのかしら陥の中。針三分、留ること三呼、灸三壮。こうひ、下歯を虫喰いたみ、胸腹つかえ、腸鳴、泄瀉、かんねつ、おこり、唇焦れ、口乾き、目眥いたみ、舌を吐、気喘、不食、傷寒、気熱、身冷、結胸を。

鍼灸醫学全書・経穴学

歯痛、呼吸困難、腸雷鳴、肩背神経痛、上腕神経痛、扁桃腺炎、衄血、目痛。


LI4

合谷 ごうこく Hegu

取穴部位

手背、第2中手骨中点の橈側

LOCATION

On the dorsum of the hand, radial to the midpoint of the second metacarpal bone.

黄帝鍼灸甲乙経

合谷、一名虎口。在手大指次指間。手陽明脈之所過也、為原。刺入三分、留六呼、灸三壮。

復元明堂経

主、寒熱。痎瘧。狂易。鼻鼽衄。熱病汗不出、(目+遺)目目痛、瞑、頭痛。歯齲痛。善驚。喉痺、面腫。痱痿、臂腕不用、唇吻不収、聾耳中不通、瘖不能言、口噤不収。

鍼灸重宝記

合谷 手大指と食指との岐骨の間だ陥中、推ば肘にこたへる処。灸三壮、針三分、留ること六呼。傷寒、大に渇き、発熱悪寒、づつう、背強り、汗なく寒熱、瘧り、はなぢ、目くらく、虫歯、耳聾、喉痺、面はれ、言こと能ず、口噤み、中風、かざぼろせ、痂疥、偏正のづつう、腰背いたみ、小児乳鵝を治。

鍼灸醫学全書・経穴学

頭痛、肩甲神経痛、耳鳴、衄血、下歯痛、鼻茸、扁桃腺炎、角膜白翳、視力欠乏、偏正頭痛、面腫、目翳、口眼歪斜、口噤不開。


LI5

陽溪 ようけい Yangxi

取穴部位

手関節後外側、手関節背側横紋橈側、橈骨茎状突起の遠位、タバコ窩(橈骨小窩)の陥凹部。

注:タバコ窩(橈骨小窩)の陥凹部は、長母指伸筋腱と短母指伸筋腱の間、母指を十分に外転・伸展するときにできる。

LOCATION

On the posterolateral aspect of the wrist, at the radial side of the dorsal wrist crease, distal to the radial styloid process, in the depression ofthe anatomical snuffbox.

Note : The depression ofthe anatomical snuffbox is formed when the thumb is fully abducted and extended between the tendons of the extensor pollicis longus and the extensor pollicis brevis.

黄帝鍼灸甲乙経

陽谿者、火也。一名中魁。在腕中上側、両筋〈傍〉間陥者中。手陽明脈之所行也、為経。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、狂、喜笑、見鬼。熱病、煩心、汗不出、遺目目痛、泣出。厥逆、頭痛、胸満不得息。寒熱、癲疾不嘔沫、吐舌、戻頸、妄信。喉痺、耳聾鳴、歯痛。驚瘈。瘧寒甚。臑肘臂痛、肩不挙。痂疥。

鍼灸重宝記

陽谿 腕中の上側、両筋の間陥の中、直に合谷の通の腕くび屈伸する節なり。狂言して笑ひ、瘧疾、づつう、胸満息ならず、寒咳、こうひ、耳鳴り、きこへず、肘痛、痂疥を。

鍼灸醫学全書・経穴学

殊に下歯痛に効果のある穴である、頭痛、頭痛、耳鳴、耳聾、扁桃腺炎、脳充血、脳貧血、三叉神経痛、半身不随、ヒステリー、疳虫、結膜炎、掌中の熱、目翳。


LI6

偏歴 へんれき Pianli

取穴部位

前腕後外側、陽溪(LI15)と曲池(LI11)を結ぶ線上、手関節背側横紋の上方3寸。

注:陽溪(LI15)と曲池(LI11)を結ぶ線上で、陽溪(LI15)から1/4にある。

LOCATION

On the posterolateral aspect of the forearm, on the line connecting LI5 with LI11, 3 B-cun superior to the dorsal wrist crease.

Note: LI6 is located at the junction of the upper three fourths and the lower one fourth of the line connecting LI5 with LI11.

黄帝鍼灸甲乙経

偏歴、手陽明絡。在腕後三寸、別走太陰者。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、寒熱。風瘧汗不出、遺目、目芒々、癲疾、多言、耳鳴、口僻、頰腫。実則聾、喉痺不能言、歯齲痛、鼻鼽衄。虚則痒痺膈。

鍼灸重宝記

偏歴 陽谿の上(ひぢの方)三寸にあり、此より以下の穴は、陽谿と曲池とを目的にしてとる。針三分、留ること七呼、灸三壮。肩肘腕しびれ痛み、衂血、瘧、てんかん、こうひ、耳なり、小便しげきを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

衄血、耳鳴、三叉神経痛(殊に下歯痛)、腕神経痛、癲癇、腕関節リウマチ、小便不利。


LI7

温溜 おんる Wenliu

取穴部位

前腕後外側、陽溪(LI15)と曲池(LI11)を結ぶ線上、手関節背側横紋の上方5寸。

LOCATION

On the posterolateral aspect of the forearm, on the line connecting LI5 with LI11, 5 B-cun superior to the dorsal wrist crease.

黄帝鍼灸甲乙経

温溜、一名逆注、一名蛇頭。手陽明郄。在腕後、少士五寸、大士六寸。刺入三分、灸三壮(大士少士、謂大人小児也)。

復元明堂経

主、口歯痛。腸鳴而痛。傷寒、寒熱、頭痛、噦、衄、肩不挙。喉痺不能言。瘧、面赤腫。癲疾、吐舌、鼓頷、狂言、見鬼、狂仆。

鍼灸重宝記

温溜 直に偏歴の上二寸、腕のうしろ五寸。針三分、灸三壮。上気、めまい、てんかん、風逆、手足はれ、肘痛、こうひ、口舌痛、はなぢを。

鍼灸醫学全書・経穴学

口内炎、神経痛、舌炎、癰疔、半身不随、腹鳴、噦逆、面痛、悪腫。瘧、面赤腫。又云、瘰癧、咽腫。


LI8

下廉 げれん Xialian

取穴部位

前腕後外側、陽溪(LI15)と曲池(LI11)を結ぶ線上、肘窩横紋の下方4寸。

注:陽溪(LI15)と曲池(LI11)を結ぶ線上で、曲池(LI11)から1/3、上廉(LI9)の下方1寸にある。

LOCATION

On the posterolateral aspect of the forearm, on the line connecting LI5 with LI11, 4 B-cun inferior to the cubital crease.

Note: LI8 is located atthe junction of the upper one third and lower two thirds of the line connecting LI5 with LI11, 1 B-cun inferior to LI9.

黄帝鍼灸甲乙経

下廉、在輔骨下、去上廉一寸、恐(疑誤)輔斉兌肉、其分外邪。刺入五分、留五呼、灸三壮。

復元明堂経

主、眼痛。溺黄。

鍼灸重宝記

下廉 偏歴のとをり曲池の下四寸。針五分、留ること二呼、灸三壮。泄瀉、労瘵。小腹つかへ、大小便に血まじり、中風、熱風、冷、しびれ、顔色あしく、けんへき、腹脇いたみ、食こなれず、乳癰を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

肺労、心胸神経痛、膀胱麻痺、便血、気管支炎、喘息、肋膜炎、乳腺炎、上肢の神経痛、腹鳴。


LI9

上廉 じょうれん Shanglian

取穴部位

前腕後外側、陽溪(LI15)と曲池(LI11)を結ぶ線上、肘窩横紋の下方3寸。

LOCATION

On the posterolateral aspect of the forearm, on the line connecting LI5 with LI11, 3 B-cun inferior to the cubital crease.

黄帝鍼灸甲乙経

上廉、在三里下一寸、其分抵陽[明]之会外邪。刺入五分、灸五壮。

復元明堂経

主、小便黄。腸鳴相追逐。

鍼灸重宝記

上廉 曲池の下三寸。針五分、灸五壮。小便しぶり黄赤く、胸いたみ、中風半身かなはず、骨髄ひへ、手足しびれ、喘息、脳風、づつうを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

身不随、中風、腸雷鳴、淋疾、膀胱麻痺又は痙攣、手足の麻痺、頭痛。


LI10

手三里 てさんり Shousanli

取穴部位

前腕後外側、陽溪(LI15)と曲池(LI11)を結ぶ線上、肘窩横紋の下方2寸。

LOCATION

On the posterolateral aspect of the forearm, on the line connecting LI5 with LI11, 2 B-cun inferior to the cubital crease.

黄帝鍼灸甲乙経

手三里、在曲池下二寸。按之肉起、兌肉之端。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

主、腹(月+眞)。肘痛時寒。腰痛不得臥。歯痛、頰腫。

鍼灸重宝記

三里 曲池の下二寸、推ば指の四方の肉高く起る処。針二分、灸三壮。中風口ゆがみ手足かなわず、霍乱、遺失、音出す、歯疼み、頰頷腫、るいれき、肘臂いたむを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

脳充血、歯痛、橈骨神経痛及麻痺、肘関節炎、中風、瘰癧、頭部胸部の疾患。


LI11

曲池 きょくち Quchi

取穴部位

肘外側、尺沢(LU5)と上腕骨外側上顆を結ぶ線上の中点。

注:肘を十分屈曲したとき、肘窩横紋外端の陥凹部にある。

LOCATION

On the lateral aspect of the elbow, at the midpoint of the line connecting LU5 with the lateral epicondyle of the humerus.

Note: When the elbow is fully flexed, LI11 is located in the depression on the lateral end ofthe cubital crease.

黄帝鍼灸甲乙経

曲池者、土也。在肘外輔骨肘骨之中。手陽明脈之所入也、為合。以手按胸取之。刺入五分〈寸〉、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、肩肘中痛、難屈伸、手重不可挙。喉痺不能言。目不明、腕急、身熱、驚狂。臂痿痺、痠重。瘈瘲。癲疾、吐舌。胸中満、耳前中、歯痛、目赤痛、頸腫。寒熱、渇、飲輒汗出、不飲則皮乾熱。傷寒、余熱不尽。

鍼灸重宝記

曲池 肘をかがめ手先を胸にあてて、肘の横文の上方のはづれ、曲る骨の間だ。針七分、気を得て瀉し、後にこれを補す、或は五分、留ること七呼、灸三壮、又日に七壮づつ二百壮にいたる、且停ること十余日して又七壮。中風半身かなはず、手肘いたみ、風ぼろせ、こうひ、胸いきれ、肘痩力なく、傷寒の餘熱、てんかん、身痛かゆく虫のさすごとく、痂疥、婦人経脉つうぜざるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

肩甲神経痛、中風、上腕神経痛、後頭神経痛、肘関節痛、肋膜炎、胃痙攣、脳充血、扁桃腺炎。臂臑疼痛、不能提物、屈伸不便、手振不能書物、及中風口喎斜。


LI12

肘髎 ちゅうりょう Zhouliao

取穴部位

肘後外側、上腕骨外側上顆の上縁、外側顆上稜の前縁。

LOCATION

On the posterolateral aspect of the elbow, superior to the lateral epicondyle of the humerus, anterior to the lateral supraepicondylar ridge.

黄帝鍼灸甲乙経

肘窌、在肘大骨外廉陥者中。刺入四分、灸三壮。

復元明堂経

主、肘節痠重、臂痛不可屈伸。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

上腕神経痛、肩甲神経痛、肘痛、前腕神経痛、リウマチ及麻痺。


LI13

手五里 てごり Shouwuli

取穴部位

上腕外側、曲池(LI11)と肩髃(LI15)を結ぶ線上、肘窩横紋の上方3寸。

LOCATION

On the lateral aspect ofthe arm, on the line connecting LI11 with LI15. 3 B-cun superior to the cubital crease.

黄帝鍼灸甲乙経

五里、在肘上三寸、行向裏大脈中央。禁不可刺、灸三壮。

復元明堂経

主、嗜臥、四肢不欲動揺、身体黄。寒熱、頸瘰癧、欬呼吸難。遺目目芒々、少気。痎瘧、心下脹満痛、上気。

鍼灸重宝記

五里 曲池の上三寸、大筋の真中にあり、肩髃(肩の部にみえたり)を目的にとる。禁針、灸十壮。驚風、吐血、肘いたみ、上気、心満、身黄み、るいれきをつかさとる。

鍼灸醫学全書・経穴学

肺炎、咳嗽、リウマチ、腺病質、前腕神経痛、四肢の運動、麻痺、恐怖症、嗜眠、吐血、瘰癧。


LI14

臂臑 ひじゅ Binao

取穴部位

上腕外側、三角筋前縁、曲池(LI11)の上方7寸。

LOCATION

On the lateral aspect of the arm, just anterior to the border of the deltoid muscle, 7 B-cun superior to LI11.

黄帝鍼灸甲乙経

臂臑、在肘上七寸〈分〉、膕肉端。手陽明絡之会。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

主、寒熱、頸瘰癧。肩痛不可挙。

鍼灸重宝記

臂臑 直に曲池の上七寸、肩髃を目的にとる、筋骨の間くぼみの中。灸日に七壮二百壮に至る、針はよろしからす。若、針せば三分より深くすべからず。肘ほそく力なく、肘痛、るいれき、頚項攣るを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

上腕神経痛、瘰癧、頭痛、肩甲関節痛、手に力なきもの、中風。


LI15

肩髃 けんぐう Jianyu

取穴部位

肩周囲部、肩峰外縁の前端と上腕骨大結節の間の陥凹部。

注:上腕を外転したとき、肩峰の前後に2つの陥凹部が現れる。肩髃(LI15)は、前の陥凹部にあり、後ろの陥凹より深い。肩髎(TE14)は後ろの陥凹部にある。

LOCATION

On the shoulder girdle, in the depression between the anterior end of lateral border of the acromion and the greater tubercle of the humerus.

Note: When the arm is abducted, two depressions appear, anterior and posterior to the acromion. LI15 is located in the deeper depression anterior to the acromion. TE14 is located in the posterior depression.

黄帝鍼灸甲乙経

肩髃、在肩端両骨間。手陽明、蹻脈之会。刺入六分、留六呼、灸三壮。

復元明堂経

主、肩中熱、指痺、臂痛。

鍼灸重宝記

肩髃 肩のはずれ、肩骨と臑骨のつがひめ、臂を伸あぐれば肩端にくぼむ穴ある処なり。針八分、留ること三呼、瀉ること五吸、或は一寸、或は六分、留ること六呼、灸七壮二七壮、もし中風には四十九壮おほくすべからず。風病、筋骨力なくば灸せよ、刺は肩臂の熱気を瀉す。中風手足かなはず攣急、肩肘いたみ、肩中熱し、頭回らず、風熱、癮、労気、遺精、しやうかん、熱さめず、手足熱するを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

半身不随、中風、頭痛、頭部及肩甲部の筋痙攣、上腕神経痛、傷寒熱。肩臂筋骨疼痛、頭頸拘急不可回顧。


LI16

巨骨 ここつ Jugu

取穴部位

肩周囲部、鎖骨の肩峰端と肩甲棘の間の陥凹部にある。

注:棘上窩の外側、鎖骨と肩甲棘の間の陥凹部にある。

LOCATION

On the shoulder girdle, in the depression between the acromial end of the clavicle and the spine of the scapula.

Note: In the depression between the two bones lateral to the suprascapular fossa.

黄帝鍼灸甲乙経

巨骨、在肩端上行、両叉骨間陥者中。手陽明、蹻脈之会。刺入一寸五分、灸五壮(気府論注云、灸三壮)。

復元明堂経

主、肩背痺痛、臂不挙。血瘀。肩中痛不能動揺。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

歯痛、上腕神経痛、小児ひきつけ、肩甲関節リウマチ、肩癖。


LI17

天鼎 てんてい Tianding

取穴部位

前頸部、輪状軟骨と同じ高さ、胸鎖乳突筋の後縁。

注:扶突(LI18)の直下、水突(ST10)と同じ高さにある。

LOCATION

On the anterior aspect of the neck, at the same level as the cricoid cartilage, just posterior to the border of the sternocleidomastoid muscle.

Note: Directly inferior to LI18. at the same level as ST10.

黄帝鍼灸甲乙経

天鼎、在缺盆上、直扶突。気舎後一寸五分。手陽明脈気所発。刺入四分、灸三壮(気府論注云、在気舎後半寸)。

復元明堂経

主、暴瘖、気哽。喉痺、咽腫不得息、飲食不下。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

扁桃腺炎、咽喉炎、舌骨筋麻痺、嚥下困難、腕神経痛。


LI18

扶突 ふとつ Futu

取穴部位

前頸部、甲状軟骨上縁と同じ高さ、胸鎖乳突筋の前縁と後縁の間。

LOCATION

On the anterior aspect of the neck, at the same level as the superior border of the thyroid cartilage, between the anterior and posterior borders of the sternocleidomastoid muscle.

黄帝鍼灸甲乙経

扶突、在人迎後一寸五分。手陽明脈気所発。刺入三分、灸三壮(鍼経云、在気舎後一寸五分)。

復元明堂経

主、欬逆上気、咽中鳴喝々、喘息。暴瘖、気哽。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

咳嗽、喘息、唾液分泌過多、官能的舌骨筋麻痺、斜頚。


LI19

禾髎 かりょう (Kou)heliao

取穴部位

顔面部、人中溝中点と同じ高さ、鼻孔外縁の下方。

注:水溝(GV26)の外方0.5寸にある。

別説: 顔面部、人中溝の上から1/3と同じ高さ、鼻孔外縁の下方。 注:別説・水溝(GV26)の外方0.5寸にある。

LOCATION

On the face, at the same level as the midpoint of the philtrum, inferior to the lateral margin of the nostril.

Note: 0.5 B-cun laterals to GV26.

Remarks: Alternative location for LI19 -On the face, at the same level as the junction of the upper one third and lower two thirds of the philtrum, inferior to the lateral margin of the nostril.

黄帝鍼灸甲乙経

禾窌、在直鼻孔下、侠〈谿〉水溝傍五分。手陽明脈気所発。刺入三分。

復元明堂経

主、鼻窒。口僻。清涕出不可止。鼻衄有癰。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

急性鼻カタル、鼻腔閉塞、嗅能減退、衄血、鼻茸、耳下腺炎、上顎洞蓄膿症、咬筋痙攣、鼻瘡。


LI20

迎香 げいこう Yingxiang

取穴部位

顔面部、鼻唇溝中、鼻翼外縁中点と同じ高さ。

別説: 顔面部、鼻唇溝中、鼻翼下縁の高さ。

LOCATION

On the face, in the nasolabial sulcus, at the same level as the midpoint of the lateral border of the ala of the nose.

Remarks: Alternative location for LI20 -On the face, in the nasolabial sulcus, at the level of the inferior border of the ala of the nose.

黄帝鍼灸甲乙経

迎香、一名衝陽、在禾窌上、鼻孔傍。手足陽明之会。刺入三分。

復元明堂経

主、鼻鼽不利、窒洞。気塞、喎僻、多涕。鼽衄有癰。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

鼻腔疾患、鼻カタル、鼻孔閉塞、嗅能減退、衄血、鼻茸、喘息、顔面神経麻痺。鼻鼽清涕出。


 


主治症からみる経絡経穴 第二版

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3.足陽明胃経 (Stomach-Meridian) (ST1-ST25 / 45)

2015-10-03 11:30:20 | 主治症からみる経絡経穴 第二版

主治症からみる経絡経穴 第二版


ST1

承泣 しょうきゅう Chengqi

取穴部位

顔面部、眼球と眼窩下縁の間、瞳孔線上。

LOCATION

On the face, between the eyeball and the infraorbital margin, directly inferior to the pupil.

黄帝鍼灸甲乙経

承泣、一名鼷穴、一名面窌。在目下七分、直目瞳子。陽蹻、任脈、足陽明之会。刺入三分、不可灸。

復元明堂経

主、目不明、涙出、眵蔑、瞳子痒、遠視芒々。昏夜無所見、目動、与項口参相引。喎僻不能言。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

眼疾患、角膜炎、涙液過多、近視、夜盲症、眼輪筋痙攣。


ST2

四白 しはく Sibai

取穴部位

顔面部、眼球と眼窩下孔部。

LOCATION

On the face, in the infraorbital foramen.

黄帝鍼灸甲乙経

四白、在目下一寸。向頄骨(即顴骨)顴空。足陽明脈気所発。刺入三分、灸七壮(気府論注云、刺入四分、不可灸)。

復元明堂経

主、目痛、口僻、涙出、目不明。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

眼球神経痛、瞳子掻痒、白膜翳、頭痛、眩暈、蓄膿症、顔面神経痙攣及麻痺、言語不能。


ST3

巨髎 こりょう Juliao

取穴部位

顔面部、瞳孔線上、鼻翼下縁と同じ高さ。

注:正視し、瞳孔の垂線と鼻翼下縁の水平線の交点にある。

LOCATION

On the face, directly inferior to the pupil, at the same level as the inferior border of the ala of the nose.

Note: When looking straight ahead, ST3 is located at the intersection of the vertical line of the pupil and the horizontal line of the inferior border of the ala of the nose.

黄帝鍼灸甲乙経

巨窌、在侠鼻孔傍八分、直瞳子。蹻脈、足陽明之会。刺入三分。

復元明堂経

主、面目悪風寒、頷腫、 癰痛。招揺視瞻、 瘈瘲、口僻。青盲無所見。目中白膜翳。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

顔面神経痛及麻痺、角膜炎、眼球青色、結膜炎、緑内障、近視眼、齲歯、三叉神経痛、鼻カタル蓄膿症。 


ST4

地倉 ちそう Dicang

取穴部位

顔面部、口角の外方0.4寸(指寸)。

注:口角の外方、鼻唇溝あるいは鼻唇溝の延長線上にある。

LOCATION

On the face, 0.4 F-cun lateral to the angle of the mouth.

Note: Lateral to the angle of the mouth, the point is located in the nasolabial sulcus or on the continuation ofthe nasolabial sulcus.

黄帝鍼灸甲乙経

地倉、一名会維。侠口傍四分。如近下是。蹻脈、手足陽明之会。刺入三分。

復元明堂経

主、口緩不収、不能言語。手足痿躄不能行。

鍼灸重宝記

地倉 両の口吻の傍ら、唇の赤肉より四分ほど去て動脉のある処。針三分半、留ること五呼、気を得て即ち瀉す、灸十四壮、病重きは四十九壮。艾を小くすべし、大なれば反て口ゆがむ。若喎ば承漿に灸四十九壮すればなをるなり。中風、半身かなはす、口歪み、目閉昏み、音出ず、飲食収らざるをつかさどる。


ST5

大迎 だいげい Daying

取穴部位

顔面部、下顎角の前方、咬筋付着部の前方陥凹部、顔面動脈上。

LOCATION

On the face, anterior to the angle of the mandible, in the depression anterior to the masseter attachment, over the facial artery.

黄帝鍼灸甲乙経

大迎、一名髓孔。在曲頷前一寸三分骨陥者中。動脈。足陽明脈気所発。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、寒熱、頸瘰癧。癲疾、口喎、喘悸。痙、口噤。厥口僻、失欠、下牙歯痛、頰腫、悪寒。口不収、舌不能言、不得嚼。

鍼灸重宝記

大迎 耳の下、曲りたる頷の角より一寸三分前に動脉ある骨のわれめ、口を動かせばあがのつがひめ也。灸三壮、針三分、留ること七呼。口噤め開かず、頰腫、牙疼を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

顔面神経痙攣及麻痺、三叉神経痛、頚部神経痙攣、間歇熱、耳下腺炎、舌筋痙攣、瘰癧、牙関緊急、言語不能、欠伸。


ST6

頬車 きょうしゃ Jiache

取穴部位

顔面部、下顎角の前上方1横指(中指)

注:下顎角の斜め上方、口を閉じて噛むと咬筋が隆起し、力を抜くと陥凹するところにある。

LOCATION

On the face, one fingerbreadth (middlefinger) anterosuperior to the angle of the mandible.

Note: On the bisector of the angle of the mandible. When the mouth is closed and the teeth are clenched, this point is located at the prominence of the masseter and in the depression felt when the clenched teeth are released.

黄帝鍼灸甲乙経

頰車、在耳下曲頰端陥者中。開口有孔。足陽明脈気所発。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

主、牙車骨痛、歯不可用嚼。頰腫、口急。

鍼灸重宝記

頰車 耳の下、曲頷の骨の端、すこし前に口を開ば陥みあり、口を閉ば骨蓋ふ処。針三四分、灸三壮。中風、牙くひつめ口噤で言ず、牙痛、頷頰腫、眼口喎斜を。

鍼灸醫学全書・経穴学

顔面神経痛及麻痺、三叉神経痛、舌骨筋麻痺、頷頬炎、頚部の筋痙攣及神経痛、回顧不能、咀嚼筋痙攣、面疔、中風。


ST7

下関 げかん Xiaguan

取穴部位

顔面部、頬骨弓の下縁中点と下顎切痕の間の陥凹部。

注:口を閉じ、頬骨弓下方の陥凹部、上関(GB3)の直下にある。

LOCATION

On the face, in the depression between the midpoint of the inferior border of the zygomatic arch and the mandibular notch.

Note: When the mouth is closed, ST7 is located at the depression inferior to the zygomatic arch, directly inferior to GB3.

黄帝鍼灸甲乙経

下関、在客主人下。耳前動脈下空下廉。合口有孔、張口即閉。足陽明、少陽之会。刺入三分、留七呼、灸三壮。耳中有乾(米)適抵、不可灸((米)適抵、一作適之、不可灸。一作鍼、久留鍼)。

復元明堂経

主、失欠、下歯齲痛、下牙痛。頷腫痛、耳聾鳴。痙口僻。悪風寒、不可以嚼。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

耳疾患(耳鳴、耳痛)、三叉神経痛、下顎脱臼、顔面神経麻痺、欠伸、外耳道炎、歯痛。


 ST8

頭維 ずい Touwei

取穴部位

頭部、額角髮際の直上0.5寸、前正中線の外方4.5寸。

LOCATION

On the head, 0.5 B-cun directly superior to the anterior hairline at the corner of the forehead, 4.5 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

頭維、在額角髪際、侠本神両傍、各一寸五分、足少陽、陽維之会。刺入五分、禁不可灸。

復元明堂経

主、寒熱、頭痛如破、目痛如脱。喘逆、煩満、嘔沫、流汗、難言。

鍼灸重宝記

頭維 額の角の髪際より入こと四分、神庭の左右へ各四寸五分。針五分三分、禁灸。頭痛、目脱がごとくいたみ、目風物を見こと明ならざるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

脳充血、前頭神経痛、三叉神経痛、視力欠乏、涙液過多、風眼(膿漏性結膜炎)、偏頭痛。頭痛、眩暈。


ST9

人迎 じんげい Renying

取穴部位

前頸部、甲状軟骨上縁と同じ高さ、胸鎖乳突筋の前縁、総頸動脈上。

注1:胸鎖乳突筋は、抵抗に抗して頭を反対側に向けるとより明瞭に現れる。注2:扶突(LI18)、天窓(SI16)および甲状軟骨上縁と同じ高さにある。胸鎖乳突筋の前縁が人迎(ST9)、後縁が天窓(SI16)、前縁と後縁の中央に扶突(LI18)がある。

LOCATION

In the anterior region of the neck, at the same level as the superior border of the thyroid cartilage, anterior to the sternocleidomastoid muscle, over the common carotid artery.

Note 1: The sternocleidomastoid muscle is more distinct when the head is turned to the opposite side against resistance.

Note 2: ST9 is located at the same level as LI18, SI16 and the superior border of the thyroid cartilage. ST9 is located anterior to the sternocleidomastoid muscle, and SI16, posterior to the sternocleidomastoid muscle and LI18. between the anterior and po

黄帝鍼灸甲乙経

人迎、一名天五会。在頚大脈動応手、侠結喉。以候五蔵気。足陽明脈気所発。禁不可灸。刺入四分、過深不幸殺人(素問、陽明類論注云。人迎在結喉旁一寸五分。動脈応手)。

復元明堂経

主、腸逆、霍乱。頭痛。胸満、呼吸喘喝、窮窘不得息。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

咽喉炎、扁桃腺炎、咳嗽、甲状腺腫、バセドー氏病、舌下神経麻痺、霍乱、腺病、喘息、瘰癧。


ST10

水突 すいとつ Shuitu

取穴部位

前頸部、輪状軟骨と同じ高さ、胸鎖乳突筋の前縁。

LOCATION

In the anterior region of the neck, at the same level as the cricoid cartilage, just anterior to the border ofthe sternocleidomastoid muscle.

黄帝鍼灸甲乙経

水突、一名水門。在頚大筋前、直人迎下、気舎上。足陽明脈気所発、刺入一寸、灸三壮。

復元明堂経

主、欬逆上気。咽喉癰腫。呼吸短気、喘息不通。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

喘息、気管支炎、扁桃腺炎、咽頭カタル、百日咳。


ST11

気舎 きしゃ Qishe

取穴部位

前頸部、小鎖骨上窩で鎖骨胸骨端の上方、胸鎖乳突筋の胸骨頭と鎖骨頭の間の陥凹部。

注1:胸鎖乳突筋は、抵抗に抗して頭を反対側に向けるとより明瞭に現れる。注2:鎖骨の上方で、人迎(ST9)の下方にある。

LOCATION

In the anterior region of the neck, in the lesser supraclavicular fossa, superior to the sternal end of the clavicle,in the depression between the sternal and clavicular heads of the sternocleidomastoid muscle.

Note 1: The sternocleidomastoid muscle is more distinct when the head is turned to the opposite side against resistance.

Note 2: ST11 is located superior to the clavicle, inferior to ST9.

黄帝鍼灸甲乙経

気舎、在頚直人迎下、侠天突陥者中。足陽明脈気所発。刺入三分、灸五壮。

復元明堂経

主、欬逆上気。肩腫不得顧。喉痺、瘤癭、気咽腫。

鍼灸重宝記

気舎 天突(結喉の下四寸)の左右へ各一寸五分づつ。灸五壮、針三分。上気、肩腫て顧こと能ず、こうひ、咽腫、飲食下らず、しゃくり、癭瘤をつかさどる。

鍼灸醫学全書・経穴学

扁桃腺炎、咳嗽、咽喉カタル、横隔膜痙攣、消化不良、瘰癧、斜頚、肩甲部諸筋の痙攣、喉痺。


ST12

欠盆 けつぼん Quepen

取穴部位

前頸部、大鎖骨上窩、前正中線の外方4寸、鎖骨上方の陥凹部。

LOCATION

In the anterior region of the neck, in the greater supraclavicular fossa, 4 B-cun lateral to the anterior median line, in the depression superior to the clavicle.

黄帝鍼灸甲乙経

缺盆、一名天蓋。在肩上、横骨陥者中。刺入三分、留七呼、灸三壮。刺太深、令人逆息(骨空論注云、手陽明脈気所発。気府論注云、足陽明脈気所発)。

復元明堂経

主、寒熱、癧適、胸中満有大気、缺盆中満痛者死、外潰不死。肩痛引項、臂不挙。喉痺、欬唾血。

鍼灸重宝記

缺盆 天突の左右へ各四寸、肩の下、横骨の上廉、くぼみの中。灸三壮、針二分、留こと七呼。ふかく刺べからず。水腫、積聚、瘰癧、喘急、こうひ、汗出、寒熱、缺盆の中腫、胸みち、傷寒、胸の中熱するを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

喘息、肋膜炎、扁桃腺炎、瘰癧、頚肩部諸筋の炎症、上肢の麻痺及痙攣、腕神経叢の神経痛、横隔膜痙攣息賁。


ST13

気戸 きこ Qihu

取穴部位

前胸部、鎖骨下縁、前正中線の外方4寸。

LOCATION

In the anterior thoracic region, inferior to the clavicle, 4 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

気戸、在巨骨下、輸府両傍各二寸陥者中。足陽明脈気所発。仰而取之。刺入四分、灸五壮(気府論注云、去膺窓上四寸八分。灸三壮)。

復元明堂経

主、胸脇満、喘逆上気、呼吸肩息。不知食味。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肋膜炎、慢性気管支炎、百日咳、吃逆、呼吸困難、肺結核、肋間神経痛、胸背痛、四肢浮腫。


ST14

庫房 こぼう Kufang

取穴部位

前胸部、第1肋間、前正中線の外方4寸。

LOCATION

In the anterior thoracic region, in the first intercostal space, 4 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

庫房、在気戸下一寸六分陥者中。足陽明脈気所発。仰而取之。刺入四分、灸五壮(気府論注云、灸三壮)。

復元明堂経

主、胸脇満、欬逆上気、呼吸多唾濁沫濃血。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肺充血、気管支炎、気管支痙攣、肋膜炎、呼吸困難、喘息、咳嗽、肺結核、吐血。


ST15

屋翳 おくえい Wuyi

取穴部位

前胸部、第2肋間、前正中線の外方4寸。

注:第2肋間は、頬骨角と同じ高さの第2肋間の下である。

LOCATION

In the anterior thoracic region, in the second intercostal space, 4 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: The second intercostal space is inferior to the second rib which is located at the same level as the sternal angle.

黄帝鍼灸甲乙経

屋翳、在庫房下一寸六分。刺入四分、灸五壮(気府論注云、在気戸下三寸二分。灸三壮)。

復元明堂経

主、身腫、皮痛不可近衣。淫濼、苛獲、久則不仁。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

咳嗽、肋膜炎、肋間神経痛、小児疳虫、気管支カタル及び痙攣。


ST16

膺窓 ようそう Yingchuang

取穴部位

前胸部、第3肋間、前正中線の外方4寸。

LOCATION

In the anterior thoracic region, in the third intercostal space, 4 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

膺窓、在屋翳下一寸六分。刺入四分、灸三壮(気府論注云、在胸両傍侠中行各四寸、巨骨下四寸八分陥者中。足陽明脈気所発。仰而取之)。

復元明堂経

主、胸脇腫痛。乳癰。寒熱、短気、臥不得安。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肺充血、肋膜炎、乳腺炎、腸雷鳴、腸疝痛、肋間神経痛。


ST17

乳中 にゅうちゅう Ruzhong

取穴部位

前胸部、乳頭中央。

注:男性では乳頭中央は第4肋間にあたる。

LOCATION

In the anterior thoracic region, at the centre of the nipple.

Note: In males, the centre of the nipple is located in the fourth intercostal space.

黄帝鍼灸甲乙経

乳中、禁不可刺灸。灸刺之、不幸生蝕瘡、瘡中有膿血清汁者可治、瘡中有息肉若蝕瘡者死。

復元明堂経

記載なし

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

禁穴なる故主治症無し。


ST18

乳根 にゅうこん Rugen

 取穴部位

前胸部、第5肋間、前正中線の外方4寸。

注:男性では乳頭線と第5肋間の交わるところ、女性では乳房下縁の中点にある。

 LOCATION

In the anterior thoracic region, in the fifth intercostal space, 4 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: In males, ST18 is located at the intersection of the nipple line and the fifth intercostal space. In females, ST18 is located at the midpoint of the inferior crease of the breast.

黄帝鍼灸甲乙経

乳根、在乳下一寸六分陥者中。足陽明脈気所発。仰而取之。刺入四分、灸五壮(気府論注云、灸三壮)。

復元明堂経

主、胸下満痛、 膺腫。乳癰、淒索寒熱、痛不可按搔。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

乳腺炎、乳房炎、咳嗽、肋膜炎、肋間神経痛、狭心症、霍乱、腓腹筋痙攣、食道狭窄。


ST19

不容 ふよう Burong

取穴部位

上腹部、臍中央の上方6寸、前正中線の外方2寸。

注1:巨闕(CV14)の外方2寸にある。注2:胸骨下角が狭く、不容(ST19)の下に肋骨がある場合は、斜刺を採用すべきである。

LOCATION

On the upper abdomen, 6 B-cun superior to the centre of the umbilicus, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

Note 1: ST 19 is 2 B-cim lateral to CV14.

Note 2: If the infrasternal angle is too sharp and the rib is located inferior to ST19, ST19 can be reached by oblique needling.

黄帝鍼灸甲乙経

不容、在幽門傍各一寸五分。去任脈二寸、直四肋端、相去四寸。足陽明脈気所発。刺入五分、灸五壮(気府論注云、刺入八分。又云、下至太乙、各上下相去一寸)。

復元明堂経

主、嘔血、肩息。脇下痛、口乾。心痛与背相引、不可欬、欬則腎痛。

鍼灸重宝記

不容 幽門の傍ら相去こと一寸五分。灸三壮五壮、針五分八分。腹みち、痃へき、唾血、肩脇いたみ、心背いたみ、欬すれば肩に引て痛み、嗽喘、疝瘕、不食、腹鳴、嘔吐を。

鍼灸醫学全書・経穴学

胃痛、胃痙攣、胃拡張、喘息、咳嗽、嘔吐、肋間神経痛、腹直筋痙攣、痃癖。


ST20

承満 しょうまん Chengman

取穴部位

上腹部、臍中央の上方5寸、前正中線の外方2寸。

注:天枢(ST25)の上方5寸、不容(ST19)の下方1寸、上脘(CV13)の外方2寸にある。

LOCATION

On the upper abdomen, 5 B-cun superior to the centre of the umbilicus, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: ST20 is 5 B-cun superior to ST25, 1 B-cun inferior to ST19. 2 B-cun lateral to CV13.

黄帝鍼灸甲乙経

承満、在不容下一寸。足陽明脈気所発。刺入八分。灸五壮。

復元明堂経

主、脇下痛、腸鳴相逐、不可傾側。肩息、唾血。

鍼灸重宝記

承満 ふようの下一寸、上脘の両傍へ各二寸(一に曰、三寸)。針三分、灸三壮五壮。腸鳴、腹はり、上気喘逆、飲食下らず、肩息、唾血を。

鍼灸醫学全書・経穴学

咳嗽、嚥下困難、胃痛、鼓脹、黄疸、腹直筋痙攣、胃カタル、腸カタル、腸疝痛、肋間神経痛、腸雷鳴。


ST21

粱門 りょうもん Lianmen

取穴部位

上腹部、臍中央の上方4寸、前正中線の外方2寸。

注:天枢の上方4寸、承満(ST20)の下方1寸、中脘(CV12)の外方2寸にある。

LOCATION

On the upper abdomen, 4 B-cun superior to the centre of the umbilicus, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: ST21 is 4 B-cun superior to ST25, 1 B-cun inferior to ST20, 2 B-cun lateral to CV12.

黄帝鍼灸甲乙経

梁門、在承満下一寸。足陽明脈気所発。刺入八分、灸五壮。

復元明堂経

主、脇下積気結痛。

鍼灸重宝記

梁門 承満の下一寸。針二分、灸五壮。脇下積気、不食、滑泄完穀化せさるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

胃カタル、胃痙攣、神経性消化不良、食欲不振、腸カタル、腸疝痛、脱肛。積気、疼痛。


ST22

関門 かんもん Guanmen

取穴部位

上腹部、臍中央の上方3寸、前正中線の外方2寸。

注:石関(KI18)、建里(CV11)と同じ高さで、それらの外方にある。

LOCATION

On the upper abdomen, 3 B-cun superior to the centre of the umbilicus, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: ST22 is located at the same level and lateral to KI18 and CV11.

黄帝鍼灸甲乙経

関門、在梁門下、太乙上。足陽明脈中間穴。足陽明脈気所発。刺入八分、灸五壮。

復元明堂経

主、身腫。身重。遺溺。腹脹、善満、積気。腹鳴卒痛、泄、不欲食。

鍼灸重宝記

関門 粱門の下一寸。針八分、灸五壮。喘満、積気、腸鳴いたみ、泄利不食、腹中気はしり、臍を夾てひきつり痛み、身腫、痰瘧、振寒し、遺溺するを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

急性胃カタル、食欲不振、消化不良、胃痙攣、便秘、遺尿、水腫。


ST23

太乙 たいいつ Taiyi

取穴部位

上腹部、臍中央の上方2寸、前正中線の外方2寸。

注:商曲(KI17)、下脘(CV10)と同じ高さで、それらの外方にある。

LOCATION

On the upper abdomen, 2 B-cun superior to the centre of the umbilicus, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: ST23 is located at the same level and lateral to KI17 and CV10.

黄帝鍼灸甲乙経

太乙、在関門下一寸、足陽明脈気所発。刺入八分、灸五壮。

復元明堂経

主、狂、癲疾、吐舌。

鍼灸重宝記

太乙 関門の下一寸。灸五壮、針二分。心煩、てんかん、狂乱、舌を出すを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

急性胃カタル、食欲不振、消化不良、腸疝痛、癲狂症、胃痙攣、脚気、遺尿症。


ST24

滑肉門 かつにくもん Huaroumen

取穴部位

上腹部、臍中央の上方1寸、前正中線の外方2寸。

注:水分(CV9)同じ高さで、それらの外方にある。

LOCATION

On the upper abdomen, 1 B-cun superior to the centre of the umbilicus, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: ST24 is at the same level and lateral to CV9.

黄帝鍼灸甲乙経

滑肉門、在太乙下一寸、足陽明脈気所発。刺入八分、灸五壮。

復元明堂経

主、狂。癇。癲疾、吐舌。

鍼灸重宝記

滑肉門 太乙の下一寸。灸五壮、針八分。癲狂、嘔逆、吐血、重舌、舌こわきを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

精神病、嘔吐、胃出血、胃痙攣、腸疝痛、舌炎、舌下腺炎、脱肛。


ST25

天枢 てんすう Tianshu

取穴部位

上腹部、臍中央の外方2寸。

LOCATION

On the upper abdomen, 2 B-cun lateral to the centre of the umbilicus.

黄帝鍼灸甲乙経

天枢、大腸募也。一名長谿、一名穀〈谷〉門。去肓〈盲〉兪一寸五分、侠臍両傍各二寸陥者中。足陽明脈気所発。刺入五分、留七呼、灸五壮(気府論注云、在滑肉門下一寸。正当臍)。

復元明堂経

主、疝、繞臍而痛、時上衝心。女子胞胳中痛、悪血月水、以時不休止。腹脹、腸鳴、気上衝胸。不能久立、腹中痛濯々、冬日重感於寒則泄。腸胃間遊気切痛、食不化、不嗜食、身重、俠臍急。瘧、振寒、熱盛、狂言。気疝、煩嘔、面腫、賁豚。

鍼灸重宝記

天枢 臍の左右へ二寸づつ。灸五壮より百壮まて、千金方に曰く針すへからず。泄瀉、痢病、不食、水腫、腹脹、腸鳴、上気胸に冲き、久積冷気臍腹痛、嘔吐、霍乱、瘧り、傷寒、水を飲て腹はり、女の血塊、漏下、帯下、月水調さるを主る。

鍼灸醫学全書・経穴学

慢性胃腸病、腹直筋痙攣、小児病、水腫病、腎臓炎、子宮内膜炎、胃拡張、月経不順、不妊症、慢性下痢、淋病。賁豚、脹疝。甲乙云治気疝噦嘔面腫賁豚。


 


主治症からみる経絡経穴 第二版

 

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3.足陽明胃経 (Stomach-Meridian)(ST26-ST45 / 45)

2015-10-03 11:29:53 | 主治症からみる経絡経穴 第二版

主治症からみる経絡経穴 第二版


ST26

外陵 がいりょう Wailing

取穴部位

下腹部、臍中央の下方1寸、前正中線の外方2寸。

注:中注(KI15)、陰交(CV7)と同じ高さで、それらの外方にある。

LOCATION

On the lower abdomen,1 B-cun inferior to the centre of the umbilicus, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: ST26 is at the same level and lateral to KI15 and CV7.

黄帝鍼灸甲乙経

外陵、在天枢下、大巨上。足陽明脈気所発。刺入八分、灸五壮(気府論注云、在天枢下一寸。水穴論注云、在臍下一寸、両傍去衝脈各一寸五分)。

復元明堂経

主、腹中尽痛。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

腹直筋痙攣、下腹神経痛、腸痙攣、鼓脹、副睾丸炎、精系痙攣(睾丸痙攣)、月経痛、腹筋痙攣。


ST27

大巨 だいこ Daju

取穴部位

下腹部、臍中央の下方2寸、前正中線の外方2寸。

注:四満(KI14)、石門(CV5)と同じ高さで、それらの外方にある。

LOCATION

On the lower abdomen, 2 B-cun inferior to the centre of the umbilicus, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: ST27 is at the same level and lateral to KI14 and CV5.

黄帝鍼灸甲乙経

大巨、一名腋門。在長谿下二寸。足陽明脈気所発。刺入八分、灸五壮(気府論注云、在外陵下一寸)。

復元明堂経

主、腹満痛、善煩、小便難。頽疝。偏枯、四肢不用。善驚。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

腹直筋痙攣、腸疝痛、不眠症、腸痙攣、鉛毒症、尿閉、便秘、鼓脹、四肢倦怠。


ST28

水道 すいどう Shuidao

取穴部位

下腹部、臍中央の下方3寸、前正中線の外方2寸。

注:天枢(ST25)の下方3寸、大巨(ST27)の下方1寸、関元(CV4)の外方2寸にある。

LOCATION

On the lower abdomen, 3 B-cun inferior to the centre of the umbilicus, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: ST28 is 3 B-cun inferior to ST25, 1 B-cun inferior to ST27, 2 B-cun lateral to CV4.

黄帝鍼灸甲乙経

水道、在大巨下一寸。足陽明脈気所発。刺入一寸五分。灸五壮。

復元明堂経

主、少腹脹満痛引陰中、月水至則腰脊中痛。胞中瘕、子門有寒、引髕髀。三焦約大小便不通。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

膀胱カタル、尿閉、膀胱麻痺、睾丸炎、脊髄炎、脱腸、子宮病、月経困難、腸疝痛、精系痙攣(睾丸痙攣)、鼓脹、泌尿器、生殖器疾患。


ST29

帰来 きらい Guilai

取穴部位

下腹部、臍中央の下方4寸、前正中線の外方2寸。

天枢(ST25)の下方4寸、水道(ST28)の下方1寸、中極(CV3)の外方2寸にある。

LOCATION

On the lower abdomen, 4 B-cun inferior to the centre of the umbilicus, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: ST29 is 4 B-cun inferior to ST25, 1 B-cun inferiorto ST28, 2 B-cun lateral to CV3.

黄帝鍼灸甲乙経

帰来、一名谿穴。在水道下一寸。刺入八分、灸五壮(水穴論注云、足陽明脈気所発)。

復元明堂経

主、少腹痛。賁豚。卵上入引茎中痛。女子陰中寒。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

睾丸炎、精系神経痛(睾丸神経痛)、陰茎痛、卵巣炎、子宮疾患、膀胱疾患、月経閉止、不妊症、膣炎、萎陰、泌尿生殖器病。


ST30

気衝 きしょう Qichong

取穴部位

鼡径部、恥骨結合上縁と同じ高さで、前正中線の外方2寸、大腿動脉拍動部。

注:天枢(ST25)の下方5寸、曲骨(CV2)の外方2寸にある。

LOCATION

In the groin region, at the same level as the superior border of the pubic symphysis, 2 B-cun lateral to the anterior median line, over the femoral artery.

Note: ST30 is 5 B-cun inferior to ST25, 2 B-cun lateral to CV2.

黄帝鍼灸甲乙経

気衝、在帰来下、鼠鼷上一寸。動脈応手。足陽明脈気所発。刺入三分、留七呼、灸三壮。灸之不幸、使人不得息(気府論注云、在腹臍下、横骨両端、鼠鼷上一寸。刺禁論注云、在腹下、侠臍両傍、相去四寸、鼠鼷上一寸。動脈応手。骨空注云、在毛際両傍、鼠鼷上一寸)。

復元明堂経

主、腹中大熱、不安、腹中大気。女子月水不利、或閉塞。暴腹脹満、癃、淫濼、身熱、腹中絞痛。癲疝、陰腫。乳難子、上搶心、若胞不出。衆気尽乱、腹満痛不得息、正偃臥屈一膝伸一膝。並腰痛、控睾少腹及股。卒俛不得仰。脱肛。石水。陰痿、茎中痛、両丸騫痛、不可仰臥。婦人無子、少腹痛。

鍼灸重宝記

気衝 両股の付根動脉ある所也。俗に云、いのもも処ぐりぐりする円き小骨の一寸上にあり。禁針、灸三壮七壮。腹みち、疝気、陰丸はれ、小腹腰いたみ、婦人子なく、胎衣下らざるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

生殖器、泌尿器疾患に効あり、子宮疾患、不妊症。


ST31

髀関 ひかん Biguan

取穴部位

大腿前面、3筋(大腿直筋と縫工筋と大腿筋膜脹筋)の近位部の間の陥凹部。

注:股関節と膝をわずかに屈曲し、大腿をわずかに外転し、大腿前内側に加えられた抵抗に抗したとき、三角形の陥凹が現れる。大腿直筋近位部は、内側の縫工筋と外側の大腿筋膜脹筋の間の陥凹部にある。髀関(ST31)は、三角形の頂点の下方にある陥凹の最も深い部分にある。

LOCATION

On the anterior aspect of the thigh, in the depression among three muscles: the proximal portion of the rectus femoris muscle, the sartorius muscle and the tensorfasciae latae muscle.

Note 1: With the hip and the knee in slight flexion, and the thigh slightly abducted when resistance is placed against the anteromedial aspect of the thigh, a triangular depression appears. The proximal portion of the rectus femoris muscle is found in the

Note 2: ST31 is located at the intersection of the line connecting the lateral end of the base of the patella with the anterior superior iliac spine, and the horizontal line of the inferior border of the pubic symphysis.

黄帝鍼灸甲乙経

髀関、在膝上伏兎後、交分中。刺入六分、灸三壮。

復元明堂経

主、膝寒、痺不仁、痿不得屈伸。

鍼灸重宝記

髀関 膝の上一尺二寸、跪坐すれば股の附根のすこし下に横文あり、その中に点す。針六分、灸三壮。腰痛、足膝不仁、痿、しびれ、小腹咽に引いたむを治。

鍼灸醫学全書・経穴学

腰痛、腹痛、半身不随、腰椎神経痛、股筋痙攣、膝蓋部の冷寒麻痺、下肢神経痛、腸疝痛。


ST32

伏兎 ふくと Futu

取穴部位

大腿前外側、膝蓋骨底外端と上前腸骨棘を結ぶ線上、膝蓋骨底の上方6寸。

LOCATION

On the anterolateral aspect of the thigh, on the line connecting the lateral end of the base of the patella with the anterior superior iliac spine, 6 B-cun superior to the base of the patella.

黄帝鍼灸甲乙経

伏兎、在膝上六寸、起肉間。足陽明脈気所発。刺入五分。禁不可灸。

復元明堂経

記載なし

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

下肢痙攣、又は麻痺、厥冷、頭痛、脚気、外股下肢神経痛、半身不随、肺労、蕁麻疹、婦人病。


ST33

陰市 いんし Yinshi

取穴部位

大腿前外側、大腿直筋腱の外側で膝蓋骨底の上方3寸。

注:伏兎(ST32)と膝蓋骨底外端を結ぶ線上の中点にある。

LOCATION

On the anterolateral aspect of the thigh, lateral to the rectus femoris tendon, 3 B-cun superior to the base ofthe patella.

Note: ST33 is at the midpoint of the line connecting ST32 with the lateral end of the base of the patella.

黄帝鍼灸甲乙経

陰市、一名陰鼎。在膝上三寸、伏兎下、若拝而取之。足陽明脈気所発。刺入三分、留七呼。禁不可灸(刺腰痛論注云、伏兎下陥者中。灸三壮)。

復元明堂経

主、寒疝下至膝。腰痛如清水。少腹諸疝、按之下至膝上、伏兎中寒疝痛。腹中脹満、痿厥、少気。

鍼灸重宝記

陰市 膝上三寸、即三里の通り也。針三分、禁灸。腰脚膝冷、痿、しびれ、寒疝、小腹いたみ、脹満、消渇を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

腰部、大腿部、膝蓋部の冷厥及び神経痛、麻痺、下腹神経痛、脚気、水腫、糖尿病、腸痙攣。


ST34

梁丘 りょうきゅう Liangqiu

取穴部位

大腿前外側、外側広筋と大腿直筋腱外縁の間、膝蓋骨底の上方2寸。

注:大腿の筋を緊張させると、大腿直筋腱と外側広筋がより明瞭になる。梁丘(ST34)は、大腿直筋腱と外側広筋の間で陰市(ST33)の直下1寸にある。

LOCATION

On the anterolateral aspect of the thigh, between the vastus lateralis muscle and the lateral border of the rectus femoris tendon, 2 B-cun superior to the base ofthe patella.

Note: Putting the thigh muscle under tension, the rectus femoris tendon and the vastus lateralis muscle are more distinct. ST34 is located between the muscle and the tendon, 1 B-cun directly inferior to ST33.

黄帝鍼灸甲乙経

梁丘、足陽明郄。在膝上二寸[両筋間]。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

主、大驚、乳痛。脛苦苕々痛、膝不能屈伸、不可以行。

鍼灸重宝記

梁丘 陰市の下一寸、両筋の間也。灸三壮、針三分五分。腰脚冷、痺痛を。

鍼灸醫学全書・経穴学

膝蓋部神経痛及麻痺、膝関節炎、半身不随、乳腺炎。


ST35

犢鼻 とくび Dubi

取穴部位

膝前面、膝外靭帯外方の陥凹部。

注:膝を屈曲したとき、膝蓋骨外下方の陥凹部にある。

LOCATION

On the anterior aspect of the knee, in the depression lateral to the patellar ligament.

Note: When the knee is flexed, ST35 is located in the depression lateral and inferior to the patella.

黄帝鍼灸甲乙経

犢鼻、在膝下、胻上。侠解、大筋中。足陽明脈気所発。刺入六分、灸三壮。

復元明堂経

主、犢鼻腫、可灸不可刺、若其上堅勿攻、攻之即死。膝中痛不仁、難跪、諸節潰者死、不潰可療也。

鍼灸重宝記

犢鼻 膝臏の下骨の上陥中、即ち三里の上三寸。針六分三分、灸三壮。脚気、膝腫痛を治す、膝腫潰ば治せず。

鍼灸醫学全書・経穴学

膝関節リウマチ、脚気、膝蓋神経痛及麻痺、膝下腿麻痺、水腫。


ST36

足三里 あしさんり Zusanli

取穴部位

下腿前面、犢鼻(ST35)と解溪(ST41)を結ぶ線上、犢鼻(ST35)の下方3寸。

注:前脛骨筋上にある。

LOCATION

On the anterior aspect of the leg, on the line connecting ST35 with ST41. 3 B-cun inferior to ST35.

Note: ST36 is located on the tibialis anterior muscle.

黄帝鍼灸甲乙経

三里、土也。在膝下三寸、胻外廉。足陽明脈気所入也、為合。刺入一寸五分、留七呼、灸三壮(素問気穴論云、在膝下三寸。胻外廉両筋間、分間)。

復元明堂経

主、腹中寒、脹満、腸鳴、腹痛、善噫、悪聞食臭。胃気不足、久泄痢、食不化。熱病汗不出、善嘔、口苦。痙、身反折、口噤、鼓頷。腰痛不可以顧。喉痺不能言。胸中瘀血、胸脇(木+耆)満、膈痛、不能久立、膝痿寒。陰気不足、熱中、消穀善飢、腹熱、身煩、狂言。狂歌、妄言、怒恐、罵詈。雷乱、遺矢、失気。乳癰有熱。陽厥、悽々悪寒、少腹堅、頭痛、小便不利、善噦、水腹脹、皮腫。


ST37

上巨虚 じょうこきょ Shangjuxu

取穴部位

下腿前面、犢鼻(ST35)と解溪(ST41)を結ぶ線上、犢鼻(ST35)の下方6寸。

注:前脛骨筋上にある。

LOCATION

On the anterior aspect of the leg, on the line connecting ST35 with ST41, 6 B-cun inferior to ST35.

Note: ST37 is located on the tibialis anterior muscle.

黄帝鍼灸甲乙経

巨虚上廉、足陽明与大腸合。在三里下三寸。刺入八分、灸三壮(気穴論注云、在犢鼻下六寸。足陽明脈気所発)。

復元明堂経

主、大腸痛、腸鳴相追逐、飱泄、食不化。胸脇(木+耆)満、悪聞人声与木音、狂、妄走、善欠。大腸有熱、腸鳴、腹満、侠臍痛、小便黄。喘、風水、膝腫、不能久立。

鍼灸重宝記

巨虚上廉 三里の下三寸。針三分八分、気を得て即瀉す、灸三壮七壮。蔵気不足、偏風、脚気、腰腿手足不仁、骨髄冷いたみ、大腸冷、食化せず、飧洩、労瘵、臍腹脇痛、腸鳴、気上て、喘息、傷寒の胃熱を。

鍼灸醫学全書・経穴学

腰痛、腸カタル、腸神経痛、腸雷鳴、消化不良、脚気、四肢の麻痺、歩行困難、胃疾患。


ST38

条口 じょうこう Tiaokou

取穴部位

下腿前面、犢鼻(ST35)と解溪(ST41)を結ぶ線上、犢鼻(ST35)の下方8寸。

注:前脛骨筋上、豊隆(ST40)と同じ高さにある。

LOCATION

On the anterior aspect of the leg, on the line connecting ST35 with ST41, 8 B-cun inferior to ST35.

Note: ST38 is located on the tibialis anterior muscle, at the same level as ST40.

黄帝鍼灸甲乙経

条口、在下廉上一寸。足陽明脈気所発。刺入八分、灸三壮。

復元明堂経

主、脛寒不得臥、脛疼、足緩失履、湿痺。足下熱、不能久立。

鍼灸重宝記

条口 上廉の下二寸。針五分八分、灸三壮。寒湿に感じ足麻痺腫いたむを。

鍼灸醫学全書・経穴学

脚気、胃神経痛、腸疝痛、腸カタル、下肢の神経麻痺及痙攣、膝関節痛、扁桃腺炎、腓腹筋痙攣、足痿足冷。


ST39

下巨虚 げこきょ Xiajuxu

取穴部位

下腿前面、犢鼻(ST35)と解溪(ST41)を結ぶ線上、犢鼻(ST35)の下方9寸。

注:前脛骨筋上、陽交(GB35)、外丘(GB36)と同じ高さにある。

LOCATION

On the anterior aspect of the leg, on the line connecting ST35 with ST41, 9 B-cun inferior to ST35.

Note: ST39 is located on the tibialis anterior muscle, at the same level as GB35 and GB36.

黄帝鍼灸甲乙経

巨虚下廉、足陽明与小腸合。在上廉下三寸。刺入三分、灸三壮(気穴論注云、足陽明脈気所発)。

復元明堂経

主、少腹痛、飱泄出糜。次指間熱、若脈陥。寒熱、身痛、唇乾、毛髪焦、脱肉、少気、内有熱、不欲動揺、泄濃血、腰痛引少腹。暴驚、狂言非常。女子乳癰、驚。痺、脛重、足跗不収、跟痛。溺黄。

鍼灸重宝記

巨虚下康 上廉の下三寸。針六分、気を得て即ち瀉す、灸三壮四十九壮まで。中風、痿痺、熱風、冷湿、足重くいたみ、こうひ、唇乾き、涎出、汗出ず、毛髪こがれ、肉脱、顔色なく、傷寒、胃熱して食進ず、膿血を下し、胸脇小腹痛、驚狂、乳癰を治。

鍼灸醫学全書・経穴学

急性胃カタル、腸疝痛、下肢関節リウマチ、感冒、脚気、食欲不振、脳貧血、乳癌。


ST40

豊隆 ほうりゅう Fenglong

取穴部位

下腿前外側、前脛骨筋の外縁、外果尖の上方8寸。

注:条口(ST38)の外方1横指(中指)にある。

LOCATION

On the anterolateral aspect of the leg,lateral border of the tibialis anterior muscle, 8 B-cun superior to the prominence of the lateral malleolus.

Note: ST40 is one fingerbreadth (middlefinger) lateral to ST38.

黄帝鍼灸甲乙経

豊隆、足陽明絡也。在外踝上八寸、下廉胻外廉陥者中。別走太陰者。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

主、厥逆、足暴清、胸痛如刺、腹痛如刀切之、悶不能食、大小便渋難。厥頭痛、面浮腫、煩心。狂、見鬼、善笑不休、発於外有所大喜。喉痺不能言。身湿。風逆、四肢腫。

鍼灸重宝記

豊隆 外踝の上八寸、下廉の傍ら一筋を隔ての外廉陥の中。灸三壮七壮、針三分。厥逆、大小便かたく、胸腹腿膝いたみ、風痰、づつう、四肢腫、こうひ、てんかんを。

鍼灸醫学全書・経穴学

癲癇、霍乱、腸疝痛、ひきつけ、癲狂、ヒステリー、便秘、尿閉、四肢水腫、下肢の神経痛痙攣及麻痺、頭痛、婦人心痛。


ST41

解溪 かいけい Jiexi

取穴部位

足関節前面、足関節前面中央の陥凹部、長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間。

注:足関節を背屈させたときに足背に明瞭に現れる2つの腱の間で、内果尖、外果尖を結ぶ線上の中点にある。

LOCATION

On the anterior aspect ofthe ankle, in the depression at the centre of the front surface of the ankle joint, between the tendons of extensor hallucis longus and extensor digitorum longus.

Note: ST41 is located between two tendons on the dorsum ofthe foot which are more distinct when the ankle is in dorsiflexion, and is at the midpoint of the line connecting the prominences of the lateral malleoras and the medial malleolus.

黄帝鍼灸甲乙経

解谿者、火也。在衝陽後一寸五分、腕上陥者中。足陽明脈之所行也、為経。刺入五分、留五呼、灸三壮(気穴論注云、二寸五分。刺瘧論注云、三寸五分)。

復元明堂経

主、風水、面(疒+数)腫、顔黒。蕨気上(木+耆)、腹大。瘧、瘈瘲、驚。股膝重、(疒+数)転筋、頭眩痛。癲疾、発寒熱、欠、煩満、悲泣出、狂易、見鬼与火。霍乱。風従頭至足、面目赤、口痛、囓舌。熱病汗不出、善憶、腹脹満、胃熱、譫言。足大指搏傷、下車桎地通背、指端傷為筋痺。

鍼灸重宝記

解谿 衝陽の後一寸五分、腕上の陥の中、足の次指の直上跗上。灸三壮、針五分、留ること三呼。頭痛、目まひ、てんかん、霍乱、転筋、面浮腫、腹脹、脚はるるを治す

鍼灸醫学全書・経穴学

眩暈、頭痛、癲癇、ヒステリー、下肢疼痛、鼓脹、便秘、足関節炎、霍乱、転筋、眼疾。


ST42

衝陽 しょうよう Chongyang

取穴部位

足背、第2中足骨底部と中間楔状骨の間、足背動脈拍動部。

LOCATION

On the dorsum ofthe foot, at the joint of the base of the second metatarsal bone and the intermediate cuneiform bone, over the dorsalis pedis artery.

黄帝鍼灸甲乙経

衝陽、一名会原。在足趺上五寸、骨間動脈上。去陥谷三寸。足陽明脈之所過也、為原。刺入三分、留十呼、灸三壮。

復元明堂経

主、瘧、令人寒。歯齲痛。腹大、不嗜食。振寒而欠、狂妄而行、登高而歌、棄衣而走。足下緩失履。風水、面(疒+数)腫。熱病汗不出、口中熱痛、胃管痛、時寒熱、皆主之。

鍼灸重宝記

衝陽 足の跗上五寸、陥谷を去こと三寸、次指と中指との間通りを足腕の方へ撫上せば、足跗の中ほどに指の止る処。灸三壮、針三分、留ること十呼、もし刺て血出れば死す。中風、口眼ゆがみ、足収らず、跗腫、むしば、寒熱し、腹堅、大に不食し、傷寒、振寒、狂乱を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

下肢神経痛及麻痺、足関節痛、歯痛、嘔吐、癲癇、鼓脹、食欲不振、半身不随、腸疝痛。


ST43

陥谷 かんこく Xiangu

取穴部位

足背、第2・第3中足骨間、第2中足指節関節の近位陥凹部。

LOCATION

On the dorsum ofthe foot, between the second and third metatarsal bones, in the depression proximal to the second metatarsophalangeal joint.

黄帝鍼灸甲乙経

陥谷者、木也。在足大指次指間、本節後陥者中。去内庭二寸。足陽明脈之所注也、為兪。刺入五分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、熱病、面目癰腫。水腫、留飲、胸脇苦満。善齧唇、腹大満、腸鳴而。

鍼灸重宝記

陥谷 足の次指外の間、本節の後陥中、内庭を去こと二寸。灸三壮、針五分、留こと七呼。面浮、水腫、腸鳴、腹いたみ、熱病汗出ず、悪寒、瘧を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

間歇熱、熱病、盗汗過多、顔面浮腫、眼球充血、欠伸、腸雷鳴、腹水、腸神経痛、ヒステリー。


ST44

内庭 ないてい Neiting

取穴部位

足背、第2・第3中足指間、みずかきの後縁、赤白肉際。

LOCATION

On the dorsura of the foot, between the second and third toes, posterior to the web margin, atthe border between the red and white flesh.

黄帝鍼灸甲乙経

内庭者、水也。在足大指次指外間陥者中。足陽明脈之所溜也、為滎。刺入三分、留二十呼、灸三壮(気穴論注云、留十呼、灸三壮)。

復元明堂経

主、四厥、手足悶者久持之。厥熱、脛痛、腹脹、皮痛、善伸数欠、悪聞人与木音、振寒、嗌中引外痛。熱病汗不出、下歯痛、悪寒、目急、喘満、寒慄、齗口噤僻、不嗜食。

鍼灸重宝記

内庭 足次指の外間陥みの中。灸三壮、針三分、留ること十呼。傷寒汗出ず、瘧疾、不食、赤白痢、四肢厥冷、腹はり、悪寒、咽いたみ、口ゆがみ、上歯虫くい、皮膚いたみ、鼻衂、人の声を聞ことを悪むを。

鍼灸醫学全書・経穴学

歯痛、衄血、顔面浮腫、腸雷鳴、腸疝痛、欠伸、脳疾患、上歯痛、手足厥冷、転筋。喜頻伸数欠、悪聞人音。


ST45

兌 れいだ Lidui

取穴部位

足の第2指、末節骨外側、爪甲角の近位外方0.1寸(指寸)、爪甲外側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。

LOCATION

On the second toe, lateral to the distal phalanx, 0.1 F-cun proximal-lateral to the lateral corner of the second toenail, at the intersection ofthe vertical line of the lateral border and the horizontal line of the base of the second toenail.

黄帝鍼灸甲乙経

兌者、金也。在足大指次指之端、去爪甲角如韭葉。足陽明脈之所出也、為井。刺入一分、留一呼、灸三壮。

復元明堂経

主、暴厥欲死、口息、脈動如故、其形無知、如中悪状。瘧、不嗜食、悪寒、腹脹満。熱病汗不出、鼽衄、眩、面浮腫、足脛寒不得臥。振寒、悪人与木音。喉痺。齲歯。悪風、鼻不利。多臥、善驚。

鍼灸重宝記

兌 足の次指の外側ら、爪甲の角を去こと一二分。針一分、灸一二壮。尸厥、口噤、心腹脹満、水腫、熱病汗出ず、寒瘧、不食、好飢、こうひ、上歯むしくひ、悪寒、鼻ふさがり、狂走、黄疽、はなぢ、口ゆがみ、面くび腫、もも膝跗はれいたみ、小便黄なるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

脳貧血、癲狂、下肢神経痛、腹水、水腫、扁桃腺炎、鼻カタル。


 


主治症からみる経絡経穴 第二版

 

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4.足太陰脾経 (Spleen-Meridian) (21)

2015-10-03 11:29:30 | 主治症からみる経絡経穴 第二版

主治症からみる経絡経穴 第二版


SP1

隠白 いんぱく Yinbai

取穴部位

足の第1指、末節骨内側、爪甲角の近位内方0.1寸(指寸)、爪甲内側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。

LOCATION

On the great toe, medial to the distal phalanx, 0.1 F-cun proximal-medial to the medial corner of the toenail, at the intersection of the vertical line of the medial border and horizontal line of the base ofthe toenail.

黄帝鍼灸甲乙経

隠白者、木也。在足大指端内側、去爪甲如韭葉。足太陰脈之所出也、為井。刺入一分、留三呼、灸三壮。

復元明堂経

主、腹中有寒気、気喘。熱病、衄血不止、煩心、善悲。腹脹、逆息。足脛中寒、不得臥。気満、胸中熱、暴泄、仰息、足下寒。膈中、悶、嘔吐、不欲食飲。尸厥死不知人、脈動如故。飲渇、身体痛、多唾。

鍼灸重宝記

隠白 足大指の外側、爪の生際の角を去こと韮葉ほど。灸三壮、針一分三分、留ること三呼。腹腸、喘満して臥こと能はず、嘔吐、不食、胸熱し、暴泄、はなぢ、尸厥、足寒、婦人月経止ず、小児慢驚風、客忤を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

失神、下肢冷却、月経過多、胃痙攣(瀉血)、子宮痙攣、小児ひきつけ、急性腸カタル、衄血、驚風、嘔吐、腹満。腹脹逆息。又云、腹満喜嘔。


SP2

大都 だいと Dadu

取穴部位

足の第1指、第1中足指節関節の遠位陥凹部、赤白肉際。

LOCATION

On the great toe, in the depression distal to the first metatarsophalangeal joint, at the border between the red and white flesh.

黄帝鍼灸甲乙経

大都者、火也。在足大指本節、後陥者中。足太陰脈之所溜也、為滎。刺入三分、留七呼、灸一壮。

復元明堂経

主、熱病汗出、且厥足清、暴泄。厥心痛、腹脹、心尤痛、甚者胃心痛也、并取太白。瘧、不知所苦。風逆、暴四肢腫、湿則唏然寒、飢則煩心、飽則眩。

鍼灸重宝記

大都 足の大指の本節のまへ、赤白肉の堺に点す。即ち大指を屈めて折目の頭に。針三分、灸三壮。熱病汗出ず、眠らず、身重く、骨いたみ、傷寒、手足ひへ、胸腹みち、嘔吐、いきれ、熱し、悶乱、目眩、腰いたみ、胃心痛、蚘虫、小児おびゆるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

胃痙攣、腰神経痛、腹直筋痙攣、全身倦怠、小児ひきつけ、腸チフス、心痛、腹脹、眩暈、手足冷厥。


SP3

太白 たいはく Taibai

取穴部位

足内側、第1中足指節関節の近位陥凹部、赤白肉際。

LOCATION

On the medial aspect of the foot, in the depression proximal to the first metatarsophalangeal joint, at the border between the red and white flesh.

黄帝鍼灸甲乙経

太白者、土也。在足内側核骨、下陥者中。足太陰脈之所注也、為兪。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、熱病、先頭重、頰痛、煩悶、身熱、腰痛不可俛仰、腹満、両頷痛、暴泄、善飢而不欲食、善噫。熱中、足清、胸脇脹、腸鳴切痛。霍乱、逆気、大便難。熱病、満悶不得臥、身重、骨痿不相知。腹脹、食不化、善嘔、泄有膿血、若嘔無所出、先取三里、後取太白、章門。厥心痛、腹脹満、心尤痛、甚者胃心痛也。

鍼灸重宝記

大白 足の大指の外側、本節の後へ下に円き骨あり、其骨の下、白肉と赤肉との堺めに点す。針三分、灸三壮。腹はり食化せず泄瀉、嘔吐、腰いたみ、腹一しきりきりいたむを主どる。

鍼灸醫学全書・経穴学

胃痙攣、嘔吐、消化不良、便秘、腸雷鳴、腸神経痛、腰神経痛、下肢倦怠及神経痛、麻痺及発汗によし。


SP4

公孫 こうそん Gongsun

取穴部位

足内側、第1中足骨底の前下方、赤白肉際。

注:太白(SP3)から近位に向かって擦上すると陥凹を触れる。第1中足骨底部の遠位陥凹部にある。

LOCATION

On the medial aspect of the foot, anteroinferior to the base of the first metatarsal bone, at the border between the red and white flesh.

Note: A depression can be felt when moving proximally from SP3. SP4 is located in the depression distal to the base of the first metatarsal bone.

黄帝鍼灸甲乙経

公孫、在足大指本節、後一寸。別走陽明。太陰絡也。刺入四分、留二十呼、灸三壮。

復元明堂経

主、瘧、好太息、不嗜食、多寒熱、汗出、病至則善嘔、嘔巳乃衰、即取公孫、及井輸。実則腹中切痛、厥頭面腫起、煩心、狂、多飲、不嗜臥。虚則鼓脹、腹中気大満、熱痛、不嗜飲。

鍼灸重宝記

公孫 足の大指の本節のしりへ一寸、すなわち大都の通り。針四分、灸三壮。寒瘧、不食、頭面はれ、心いきれ、くるひ、咽渇き、膽虚するを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

下腹痙攣、腸出血、顔面浮腫、癲癇、脳疾患、霍乱、胃痛、感冒、下血、脱肛、胃腸カタル。諸瘧、悪寒、心痛、心煩。


SP5

商丘 しょうきゅう Shangqiu

取穴部位

足内側、内果の前下方、舟状骨粗面と内果尖の中央陥凹部。

注1:内果前縁の垂線と内果下縁の水平線の交点にある。注2:中封(LR4)の後、照海(KI6)の前にある。

LOCATION

On the medial aspect of the foot, anteroinferior to the medial malleolus, in the depression midway between the tuberosity of the navicular bone and the prominence of the medial malleolus.

Note 1: SP5 is located at the intersection of two imaginary lines: the verticalline of the anterior border of the medial malleolus and the horizontal line of the inferior border of the medial malleolus.

Note 2: SP5 is located posterior to LR4 and anterior to KI6.

黄帝鍼灸甲乙経

商丘者、金也。在足内踝下、微前陥者中。足太陰脈之所行也、為経。刺入三分、留七呼、灸三壮(気穴論注云、刺入四分)。

復元明堂経

主、瘧寒、腹中痛。癲疾、狂、多食、善笑不発於外、煩心、渇。腹満嚮々然、不便、心下有寒痛。陰股内痛、気癰、狐疝走上下引少腹痛、不可俛仰。脾虚、令人病寒、不楽好太息。寒熱、善嘔。骨痺、煩満。厥頭痛、面腫起。喉痺。痔。骨触、善厭夢。管疸、絶子。小児欬而泄、不欲食。小児癇瘈、手足煩擾、目昏、口噤、溺黄。

鍼灸重宝記

商丘 足の内踝の下少しまへ、足を張挙れば跗骨の上に折目いづる、其折めのかしら筋骨の間に点す。針三分、灸三壮。腸脹、狐疝上下に走り小腹に引いたみ、脾積、舌の本強り、胃脘いたみ、怠惰、臥ことをこのみ、婦人子なく、小児慢驚風を。

鍼灸醫学全書・経穴学

便秘、ヒステリー、腹部膨脹、脹雷鳴、嘔吐、痔疾、消化不良、黄疸、小児ひきつけ、下肢神経痛、小児麻痺、足関節痛、腸疝痛、脊髄病。


SP6

三陰交 さんいんこう Sanyinjiao

取穴部位

下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後側、内果尖の上方3寸。

注:交信(KI8)の上方1寸にある。

LOCATION

On the tibial aspect of the leg, posterior to the medial border of the tibia, 3 B-cun superior to the prominence of the medial malleolus.

Note: 1 B-cun superior to KI8.

黄帝鍼灸甲乙経

三陰交、在内踝上三寸、骨下陥者中。足太陰、厥陰少陰之会。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、足下熱。脛疼不能久立。湿痺不能行。

鍼灸重宝記

三陰交 内踝の上三寸、(疒+数)骨の内側、骨と筋との間。針三分、灸三壮。脾胃虚弱、心腹腸満、不食、小便通ぜず、陰茎いたみ、足痿、夢に精もれ、臍の下痛み、経行の時に房して羸痩、癥瘕、崩漏、さんご血下ること多して昏暈するを。

鍼灸醫学全書・経穴学

男女生殖器疾患に効あり、又誘導及び反射穴として広く使用せらる、月経過多、子宮出血、陰茎痛、遺精、早漏、消化不良、四肢冷厥、下肢神経痛、小児遺尿、痲疾、胃腸疾患、婦人の三里とも云はれ多く使用さる、姙娠不可刺(『鍼灸説約』)。婦人月水不調、難産死胎。此穴下三陰経所交会、故陰病、血症、婦人之要穴也。故俗対婦人、謂之下三里也。


SP7

漏谷 ろうこく Lougu

取穴部位

下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後側、内果尖の上方6寸。

注:三陰交(SP6)の上方3寸にある。

LOCATION

On the tibial aspect of the leg, posterior to the medial border of the tibia, 6 B-cun superior to the prominence ofthe medial malleolus.

Note: 3 B-cun superior to SP6.

黄帝鍼灸甲乙経

漏谷、在内踝上六寸、骨下陥者中。足太陰絡。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、腹中熱若寒、腸善鳴、強欠、膝内痛、心悲、気逆腹満。気不止、腹脹而気快然、引肘脇下、皆主之。少腹脹急、小便不利、歓気上頭巓。

鍼灸重宝記

漏谷 足の内踝の上六寸。針三分、灸三壮。腸鳴、けんへき、膝痺れ歩がたきを。

鍼灸醫学全書・経穴学

腸雷鳴、腹部膨脹、脚気、下肢神経痛、ヒステリー、神経衰弱、淋疾、消渇、帯下、脊髄癆、狭心症、失精、消化不良、腓腹筋、痙攣。


SP8

地機 ちき Diji

取穴部位

下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後側、陰陵泉(SP9)の下方3寸。

注:内果尖と膝蓋骨尖を結ぶ線上で、膝蓋骨尖から1/3にある。

LOCATION

On the tibial aspect of the leg, posterior to the medial border of the tibia, 3 B-cun inferior to SP9.

Note: SP8 is located at the junction of the upper one third and lower two thirds of the line connecting the apex of the patella with the prominence of the medial malleolus.

黄帝鍼灸甲乙経

地機、一名脾舎。足太陰郄、別走上一寸、空在膝下五寸。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

主、㿗疝。溏瘕。腹中痛。臓痺。

鍼灸重宝記

地機 膝の下五分、足を伸てとる。針三分、灸三壮。腰いたみ、溏泄、水腫はり堅くして小便通ぜず、不食、女子の癥瘕を。

鍼灸醫学全書・経穴学

腰神経痛、尿閉、子宮充血、下肢神経痛、精不足、食欲不振。


SP9

陰陵泉 いんりょうせん Yinlingquan

取穴部位

下腿内側(脛側)、脛骨内側顆下縁と脛骨内縁が接する陥凹部。

注:脛骨内側縁に沿って近位へ擦上すると、膝関節の下に陥凹部を触れる。脛骨内側顆下縁と脛骨後縁の角の陥凹部にある。

LOCATION

On the tibial aspect of the leg, in the depression between the inferior border of the medial condyle of the tibia and the medial border of the tibia.

Note: A depression can be felt inferior to the knee joint when moving proximally along the medial border of the tibia. SP9 is located in a depression at the angle formed by the inferior border of the medial condyle of the tibia and the posterior border of the medial condyle of the tibia and the posterior border of the tibia.

黄帝鍼灸甲乙経

水也。在膝下内側、輔骨下陥者中。伸足乃得之。足太陰脈之所入也、為合。刺入五分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、腹中気脹、不嗜食、脇下満。腹中盛、水脹、逆不得臥。溏泄、穀不化。寒熱不節、腎病、腰痛不可俛仰。気癃、溺黄。心下満、寒中、小便不利。霍乱、足痺痛。女子疝瘕、按之如以湯沃、其股内至膝。婦人陰中痛、少腹堅急痛。

鍼灸重宝記

陰陵泉 膝の下内側ら、輔骨の下、陥なる中、足を伸てとる。禁灸、針五分。腹中冷、せんき、腰いたみ、水腫、小便通ぜず、淋病、陰いたむを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

遺尿、尿閉、淋疾、腹膜炎、腸疝痛、子宮カタル、膣内炎、脚気、膝関節痛、霍乱、消化不良、精系神経痛(睾丸神経痛)。心下満、寒中、小便不利。


SP10

血海 けっかい Xuehai

取穴部位

大腿前内側、内側広筋隆起部、膝蓋骨底内端の上方2寸。

LOCATION

On the anteroraedial aspect of the thigh, on the bulge of the vastus median's muscle, 2 B-cun superior to the medial end of the base of the patella.

黄帝鍼灸甲乙経

血海、在膝臏上内廉、白肉際二寸半。足太陰脈気所発。刺入五分、灸五壮。

復元明堂経

主、婦人漏下、若血閉不通、逆気脹。

鍼灸重宝記

血海 膝頭の内廉の上一寸五分、即ち陰陵泉の通りの上なり。針五分、灸三壮。気逆、腹脹、婦人の帯下を主とる。

鍼灸醫学全書・経穴学

慢性腹膜炎、月経不順、子宮内膜炎、子宮出血、睾丸炎、遺尿症、帯下、腹痛、生殖器疾患。


SP11

箕門 きもん Jimen

取穴部位

大腿内側、膝外骨底内端と衝門(SP12)を結ぶ線上、衝門(SP12)から1/3、縫工筋と長内転筋の間、大腿動脈拍動部。

LOCATION

On the medial aspect of the thigh, at the junction of the upper one third and lower two thirds of the line connecting the medial end of the base of the patella with SP12, between the sartorius muscle and the adductor longus muscle. over the femoral artery.

黄帝鍼灸甲乙経

箕門、在魚腹上、越両筋間。動脈応手。太陰内市。足太陰脈気所発。刺入三分、留六呼、灸三壮(素問、三部九候論注云、直五里下、寛鞏足単衣、沈取乃得之。動脈応於手)。

復元明堂経

主、癃。遺溺。鼠鼷痛。小便難而白。

鍼灸重宝記

箕門 内股の動脉の中、跪坐れば此処の肉起て魚腹のごとし、其肉の上、大筋の間、即ち血海の上六寸。灸三壮、禁針。淋病、小便覚ず通ずるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

痔疾、尿閉、遺尿症、陰萎症、睾丸炎、股神経痛、脚気、大腿麻痺、遺精、鼡径腺炎、淋病、子宮内膜炎、子宮痙攣、陰中掻痛、下腹痛。


SP12

衝門 しょうもん Chongmen

取穴部位

鼡径部、鼡径溝、大腿動脈拍動部の外方。

注:曲骨(CV2)と同じ高さ、府舍(SP13)の内下方にある。

LOCATION

In the groin region, at the inguinal crease, lateral to the femoral artery.

Note: At the same level as CV2, medial and inferior to SP13.

黄帝鍼灸甲乙経

衝門、一名慈宮。上去大横五寸。在府舎下、横骨両端、約文中動脈。 足太陰、厥陰之会。刺入七分、灸五壮。

復元明堂経

主、寒気腹満、癃、淫濼、身熱。腹中積聚疼痛、上衝心。産腹乳難子。陰疝。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

睾丸炎、精系神経痛(睾丸神経痛)、腰腹神経痛、子宮出血、ヘルニア(脱腸)、淋疾、腹部厥冷、腸痙攣、胃痙攣、鼓腸、癲狂、腸疝痛、酒客譫語、乳腺閉。


SP13

府舍 ふしゃ Fushe

取穴部位

下腹部、臍中央の下方4.3寸、前正中線の外方4寸。

LOCATION

On the lower abdomen, 4.3 B-cun inferior to the centre of the umbilicus, 4 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

府舎、在腹結下三寸。足太陰、陰維、厥陰之会。此脈上下入腹、絡胸、結心肺、従脇上至肩。此太陰郄、三陰陽明支別。刺入七分、灸五壮。

復元明堂経

主、疝瘕、髀中急痛、循脇上下搶心。腹満、積聚。厥逆、霍乱。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

便秘、腸痙攣、腹筋麻痺、腸カタル、霍乱、盲腸炎、腸疝痛、マラリア、脾腫、白血病より来る腰腹神経痛、鉛毒疝。


SP14

腹結 ふっけつ Fujie

取穴部位

下腹部、臍中央の下方1.3寸、前正中線の外方4寸。

LOCATION

On the lower abdomen, 1.3 B-cun inferior to the centre of the umbilicus, 4 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

腹屈、一名腹結。在大〈太〉横下一寸三分。刺入七分、灸五壮。

復元明堂経

主、繞臍痛搶心。膝寒。注利。

鍼灸重宝記

結、腹哀の下四寸八分。針七分、灸五壮。欬逆、腹冷、臍いたみ、泄瀉、心痛を治。

鍼灸醫学全書・経穴学

咳嗽、腹膜炎、腸疝痛、陰萎症、下痢、脚気、心痛、心臓疾患、悪阻、(一名妊娠嘔吐)。


SP15

大横 だいおう Daheng

取穴部位

上腹部、臍中央の外方4寸。

注:天枢(ST25)、肓兪(KI16)、神闕(CV8)と同じ高さ、それらの外方にある。

LOCATION

On the upper abdomen, 4 B-cun lateral to the centre of the umbilicus.

Note: At the same level and lateral to ST25, KI16 and CV8.

黄帝鍼灸甲乙経

大横、在腹哀下三寸、直臍傍。足太陰、陰維之会。刺入七分、灸五壮。

復元明堂経

主、大風、逆気、多寒、善悲。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

便秘、寄生虫、四肢痙攣、流行性感冒、腸カタル、腸痙攣、憂鬱症、多汗症、ヒステリー、急慢性下痢。


SP16

腹哀 ふくあい Fuai

取穴部位

上腹部、臍中央の上方3寸、前正中線の外方4寸。

注:大横(SP15)の上方3寸、建里(CV11)と同じ高さにある。

LOCATION

On the upper abdomen, 3 B-cun superior to the centre of the umbilicus, 4 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: 3 B-cun superior to SP15, at the same level as CV11.

黄帝鍼灸甲乙経

腹哀、在日月下一寸五分。足太陰、陰維之会。刺入七分、灸五壮。

復元明堂経

主、便膿血。寒中、食不化、腹中痛。

鍼灸重宝記

腹哀 期門の下二寸、腹の中行を去こと四寸半。針三分、禁灸。中寒、食化せず、大便に膿血をくだすをつかさどる。

鍼灸醫学全書・経穴学

胃痙攣、胃部厥冷、消化不良、腸出血、胆石症、その他肝臓疾患、胃疾患に応用せらる。


SP17

食竇 しょくとく Shidou

取穴部位

前胸部、第5肋間、前正中線の外方6寸。

注:食竇(SP17)、乳根(ST18)、歩廊(KI22)は、第5肋間の曲線に沿って並ぶ。

LOCATION

In the anterior thoracic region, in the fifth intercostal space, 6 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: SP17, ST18 and KI22 are located along the curve of the fifth intercostal space.

黄帝鍼灸甲乙経

食竇、在天谿下一寸六分陥者中。足太陰脈気所発。仰而取之。刺入四分、灸五壮(気府論注云、手太陰脈気所発)。

復元明堂経

主、胸脇苦満。膈間、雷鳴、常有水声。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肺炎、カタル肺炎、肋間神経痛、肋膜炎、肝臓炎、胸筋リウマチ、気管支カタル、肺気腫。


SP18

天溪 てんけい Tianxi

取穴部位

前胸部、第4肋間、前正中線の外方6寸。

注:天溪(SP18)、乳中(ST17)、神封(KI23)は、第4肋間の曲線に沿って並ぶ。

LOCATION

In the anterior thoracic region, in the fourth intercostal space, 6 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: SP18, ST17 and KI23 are located along the curve of the fourth intercostal space.

黄帝鍼灸甲乙経

天谿、在胸郷下一寸六分陥者中。足太陰脈気所発。仰而取之。刺入四分、灸五壮。

復元明堂経

主、胸中満痛。乳腫。賁癰。欬逆上気、喉鳴。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肋間神経痛、吃逆、乳腺炎、気管支カタル、カタル性肺炎、肺充血、肋膜炎。


SP19

胸郷 きょうきょう Xiongxiang

取穴部位

前胸部、第3肋間、前正中線の外方6寸。

注:胸郷(SP19)、膺窓(ST16)、霊墟(KI24)は、第3肋間の曲線に沿って並ぶ。

LOCATION

In the anterior thoracic region, in the third intercostal space, 6 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: SP19, ST6 and KI24 are located along the curve of the third intercostal space.

黄帝鍼灸甲乙経

胸郷、在周滎下一寸六分陥者中。足太陰脈気所発。仰而取之。刺入四分、灸五壮。

復元明堂経

主、胸脇苦満、却引背痛。臥不得転側。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

嚥下困難、胸背痙攣、肺充血、肋膜炎、肋間神経痛、咳嗽、乳腺腫痛、転筋。


SP20

周栄 しゅうえい Zhouroug

取穴部位

前胸部、第2肋間、前正中線の外方6寸。

注:周栄(SP20)、屋翳(ST15)、神蔵(KI25)は、第2肋間の曲線に沿って並ぶ。

LOCATION

In the anterior thoracic region, in the second intercostal space, 6 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: SP20, ST15 and KI25 are located along the curve of the second intercostal space.

黄帝鍼灸甲乙経

周營、在中府下一寸六分陥者中。足太陰脈気所発。仰而取之。刺入四分、灸五壮。

復元明堂経

主、胸脇苦満、不得俛仰。飲食不下。欬唾陳膿、穢濁也。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

胸筋リウマチ、肋間神経痛、気管支カタル、乳腺炎、咳嗽、胸部膨満。


SP21

大包 だいほう Dabao

取穴部位

側胸部、第6肋間、中腋窩線上。

注:側臥して上腕を外転したとき、中腋窩線と第6肋間の交点にある。

LOCATION

In the lateral thoracic region, in the sixth intercostal space, on the midaxillary line.

Note: With the subject lying on the side and the arm abducted, SP21 is located at the intersection of the midaxillary line and the sixth intercostal space.

黄帝鍼灸甲乙経

大包、在淵腋下三寸。脾之大絡、布胸脇中、出九肋間、及季脇端、別絡諸陰者。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

主、大気不得息、息即胸脇中痛。実則其身尽痛。虚則百節皆縦。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

胸筋リウマチ、気管支カタル、胃部緊縮、膀胱麻痺、肋膜炎、喘息、尿利減少、消化不良、肺炎。


  


主治症からみる経絡経穴 第二版

 

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5.手少陰心経 (Heart-Meridian) (9)

2015-10-03 11:28:00 | 主治症からみる経絡経穴 第二版

主治症からみる経絡経穴 第二版


HT1

極泉 きょくせん Jiquan

穴部位

腋窩、腋窩中央、腋窩動脈拍動部。

LOCATION

In the axilla, in the centre of the axillaryfossa, over the axillary artery.

黄帝鍼灸甲乙経

極泉、在腋下筋間動脈、入胸中。手少陰脈気所発。刺入三分、灸五壮。

復元明堂経

主、心痺、乾嘔、噦、四肢不挙。是動則病、嗌乾、心痛、渇而欲飲、為臂厥。是主心所生病者、目黄、脇痛、臑臂内後廉痛、掌中熱痛。

鍼灸重宝記

極泉 肘を脇に下付れば、肘と肩二つに折る横文のかしら、すこし胸の方へ推入てとる、筋肉の間、動脉のある処也。針三分、灸七壮。肘手足冷あがり、心脇いたみ、煩れ、乾嘔し、悲み多く発るを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

腋気(腋臭、即ちワキガ)肋間神経痛、胸筋リウマチ、憂鬱症、心臓炎、胸部痙攣、ヒステリー、神経衰弱。


HT2

青霊 せいれい Qingling

取穴部位

上腕内側面、上腕二頭筋の内側縁、肘窩横紋の上方3寸。

注:肘を曲げ、腕を外転し、極泉(HT1)と少海(HT3)を結ぶ線上、少海(HT3)から1/3にある。

LOCATION

On the medial aspect of the arm, just medial to the biceps brachii muscle, 3 B-cun superior to the cubital crease.

Note: With the elbow flexed and the arm abducted, HT2 is located at the junction of the upper two thirds and lower one third of the line connecting HT1 with HT3.

黄帝鍼灸甲乙経

記載なし

復元明堂経

記載なし

鍼灸重宝記

青霊 直に少海の上三寸、肘を伸挙てとる。禁針、灸三壮七壮。目黄み、づつう、肩肘いたみてかなはざるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

頭痛、前頭神経痛、肋間神経痛、悪寒、上腕神経痛、肩背筋攣痛、黄疸、上肢麻痺。


HT3

少海 しょうかい Shaohai

取穴部位

肘前内側、上腕骨内側上顆の前縁、肘窩横紋と同じ高さ。

注:肘を曲げ、上腕骨内側上窩と肘窩横紋の内側端を結ぶ線上の中点にある。

LOCATION

On the anteromedial aspect of the elbow, just anterior to the medial epicondyle of the humerus, at the same level as the cubital crease.

Note: With the elbow is flexed, HT3 is located at the midpoint of the line connecting the medial end of the cubital crease and the medial epicondyle of the humerus.

黄帝鍼灸甲乙経

少海者、水也。一名曲節。在肘内廉節後陥者中。動脈応手。手少陰脈之所入也、為合。刺入五分、灸三壮。

復元明堂経

主、身熱、痎瘧、背振寒。気逆呼吸、噫、噦、嘔吐。手臂攣急。

鍼灸重宝記

少海 肘をかがめて横文の下はづれ小指のとをり也、横文の上の尖は曲池、下の尖は少海なり。針二三分、留ること三呼、瀉は五吸、禁灸。歯疼み、目まひ、発狂、嘔吐、項こはり、肘攣り、脇下いたみ、手足あがらず、脳風、づつう、心痛、呃逆、るいれきを治。

鍼灸醫学全書・経穴学

歯痛、腺病、手指の厥冷、頭痛、癲狂症、眩暈、肋間神経痛、顔面神経痛、臂肘部の痙攣等を治す、上肢神経痛、肩甲筋攣痛、腋下腺炎。


HT4

霊道 れいどう Lingdao

取穴部位

前腕前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋の上方1.5寸。

注1:神門(HT7)の上方1.5寸、尺骨頭上縁と同じ高さにある。注2:豆状骨の上縁橈側の上方1.5寸にある。

LOCATION

On the anteromedial aspect of the forearm, just radial to the flexor carpi ulnaris tendon, 1.5 B-cun proximal to the palmar wrist crease.

Note 1: 1.5 B-cun proximal to HT7. at the same level as the superior border of the head of the ulna.

Note 2: 1.5 B-cun proximal to the radial side of the superior border of the pisiform bone.

黄帝鍼灸甲乙経

霊道者、金也。在掌後一寸五分。或曰、一寸。手少陰脈之所行也、為経。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

主、心痛、悲恐、相引。瘈瘲、臂肘筋攣。暴瘖不能言。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

ヒステリー、腕関節炎、手部の神経痛、尺骨神経麻痺、急性舌骨筋麻痺、筋萎縮、狭心症、肋間神経痛、心内膜炎。


HT5

通里 つうり Tongli

取穴部位

前腕前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋の上方1寸。

注:神門(HT7)の上方1寸、霊道(HT4)は尺骨頭の根部、通里(HT5)は体部、陰郄(HT6)は底部にある。注2:豆状骨の上縁橈側の上方1寸にある。

LOCATION

On the anteromedial aspect of the forearm, radial to the flexor carpi ulnaris tendon, 1 B-cun proximal to the palmar wrist crease.

Note 1: 1 B-cun proximal to HT7. HT4 is located at the level with the root of the head of the ulna, HT 5, the body of the head of the ulna and HT 6, the base of the head of the ulna.

Note 2: 1 B-cun proximal to the radial side of the proximal border of the pisiform bone.

黄帝鍼灸甲乙経

通里、手少陰絡〈経〉。在腕後一寸、別走太陽。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

主、熱病先不楽数日。卒心痛、煩心、心中懊憹、数欠頻伸、心下悸、悲恐。頭眩痛、面赤而熱、無汗。臂臑肘痛。実則支満。虚則不能言。苦嘔、喉痺、少気、遺溺。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

扁桃腺炎、ヒステリー、頭痛、眩暈、神経性心悸亢進症、上肢の神経痙攣、急性舌骨筋麻痺、月経過多、子宮出血、遺尿、眼球充血。卒痛煩心、心下悸悲恐。


HT6

陰郄 いんげき Yinxi

取穴部位

前腕前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋の上方0.5寸。

注1:神門(HT7)の上方0.5寸、尺骨頭上縁と同じ高さ。注2:豆状骨の上縁橈側の上方0.5寸にある。

LOCATION

On the anteromedial aspect of the forearm, radial to the flexor carpi ulnaris tendon, 0.5 B-cun proximal to the palmar wrist crease.

Note 1: 0.5 B-cun proximal to HT7, at the same level as the distal border of the head of the ulna.

Note 2: 0.5 B-cun proxima lto the radial side of the proximal border of the pisiform bone.

黄帝鍼灸甲乙経

手少陰郄。在掌後脈中、去腕五分。刺入三分、灸三壮(陰陽論注云、当小指之後)。

復元明堂経

主、淒々寒、欬、吐血、気驚、心痛。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

頭痛、衄血、ヒステリー、眩暈、上肢神経痙攣、神経性心悸亢進症、扁桃腺炎、悪寒逆上、子宮内膜炎。


HT7

神門 しんもん Shenmen

取穴部位

手関節前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋上。

注:豆状骨上縁橈側の陥凹部、手関節掌側横紋にある。

LOCATION

On the anteromedial aspect of the wrist, radial to the flexor carpi ulnaris tendon, on the palmar wrist crease.

Note: In the depression radial to the proximal border of the pisiform bone, on the palmar wrist crease.

黄帝鍼灸甲乙経

神門者、土也。一名兌衝、一名中都。在掌後兌骨之端陥者中、手少陰脈之所注也、為兪。刺入三分、留七呼、灸三壮(素問、陰陽論注云、神門在掌後五分。当小指間)。

復元明堂経

主、胸満、臚脹、喉痺、喘逆、短気。身熱、狂、悲哭、嘔血、上気。遺溺、手及臂寒。心痛、数噫、恐悸、気不足。

鍼灸重宝記

神門 小指の後の通り、腕の横文の中にあり、則、掌の後の尖骨の下、手外踝の上、両骨の間、拳を握り力めば陥処なり。針三分、留ること七呼、灸七壮。瘧り、心煩れ、水を好み、不食、心痛、手肘ひへ、掌熱し、目黄み、脇いたみ、嘔血、吐血、上気、音出ず、健忘、心積、てんかんを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

頭痛、衄血、ヒステリー、眩暈、上肢神経痛及痙攣、神経性心悸亢進症、扁桃腺炎、悪寒、逆上、嘔血、子宮内膜炎、心臓肥大、鼻孔閉塞、脳貧血、胃疾患、健忘症、咽喉カタル、癲狂、不眠症。手不得上下。


HT8

少府 しょうふ Shaofu

取穴部位

手掌、第1中手骨中点の橈側、赤白肉際。第5中手指節関節の近位端と同じ高さ、第4・第5中手骨の間。

注:第4・第5中手骨間、拳を握ったときに小指頭が当たるところにある。労宮(PC8)と同じ高さにある。

LOCATION

On the palm of the hand, in the depression between the fourth and fifth metacarpal bones, proximal to the fifth metacarpophalangeal joint.

Note: Between the fourth and fifth metacarpal bones, where the tip of the little finger rests when a fist is made, at the same level as PC8.

黄帝鍼灸甲乙経

少府者、火也。在小指本節後陥者中。直労官。手少陰脈之所溜也、為滎。刺入三分。

復元明堂経

主、煩満、少気、悲恐畏人、臂痠、掌中熱、手捲不伸。

鍼灸重宝記

少府 掌の内、小指と無名指とをかがめて両指の頭のあたる間なり。針二分、灸三壮七壮。心煩、少気、人を畏れ、手中熱し、肘しびれ、脇攣り、胸いたみ、久瘧、陰かゆくいたみ、小便通ぜざるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

ヒステリー、胃痙攣、心臓疾患、婦人疾患、心悸亢進症、間歇熱、上腕神経痛、尿閉、中風、遺尿、膣痙攣、婦人陰部掻痒症。


HT9

少衝 しょうしょう Shaochong

取穴部位

小指、末節骨橈側、爪甲角の近位外方0.1寸(指寸)、爪甲橈側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。

LOCATION

On the little finger, radial to the distal phalanx, 0.1 F-cun proximal-lateral to the radial comer of the little fingernail, at the intersection of the vertical line of the radial border of the nail and the horizontal line of the base of the little finger

黄帝鍼灸甲乙経

少衝者、木也。一名経始。在手小指内廉之端、去爪甲如韭葉。手少陰脈之所出也、為井。刺入一分、留一呼、灸一壮。少陰八穴、其七有治。一無治者、邪弗能容也。故曰無兪焉。

復元明堂経

主、熱病、煩心、上気、心痛而寒、善太息、煩満、少気、悲恐、善驚。掌中熱、肘腋胸中痛、口中熱、咽喉中痠。瘧、乍寒乍熱、手捲不伸、掌痛引肘腋。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

心臓疾患、神経性心悸亢進症、上肢の神経痙攣、肋間神経痛、咽喉カタル、熱病後の衰弱、脳貧血、ヒステリー、心内膜炎、心嚢炎、結膜炎、黄疸。


  


主治症からみる経絡経穴 第二版

 

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6.手太陽小腸経 (Small Intestine-Meridian) (19)

2015-10-03 11:27:29 | 主治症からみる経絡経穴 第二版

主治症からみる経絡経穴 第二版


SI1

少沢 しょうたく Shaoze

取穴部位

小指、末節骨尺側、爪甲角の近位内方0.1寸(指寸)、爪甲尺側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。

LOCATION

On the little finger, ulnar to the distal phalanx, 0.1 F-cun proximal-medial to the ulnar corner of the little fingernail, at the intersection of the verticalline of ulnar border of the nail and the horizontal line of the base of the little fingernail.

黄帝鍼灸甲乙経

少沢者、金也。一名小吉。在手小指之端、去爪甲一分陥者中。手太陽脈之所出也、為井。刺入一分、留二呼、灸一壮。

復元明堂経

主、振寒、小指不用。瘧、寒熱汗不出、頭痛、喉痺、舌急巻、小指之間熱、口中熱。煩心、心痛、臂内廉及脇痛。聾。欬。瘈瘲、口乾。項痛不可顧。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

頭痛、眼疾、口熱口乾、扁桃腺炎、心臓肥大、前腕神経痛、頸項神経痙攣、小児急癇。


SI2

前谷 ぜんこく Qiangu

取穴部位

小指、第5中手指節関節尺側の遠位陥凹部、赤白肉際。

注:軽く拳を握り、小指の中手指節関節掌側横紋の尺側端にある。

LOCATION

On the little finger, in the depression distal to the ulnar side of the fifth metacarpophalangeal joint, at the border between the red and white flesh.

Note: When the hand is slightly flexed, the point is located at the ulnar end of the palmar metacarpophalangeal crease of the little finger.

黄帝鍼灸甲乙経

前谷者、水也。在手小指外側、本節前陥者中。手太陽脈之所溜也、為滎。刺入一分、留三呼、灸三壮。

復元明堂経

主、熱病汗不出。狂互引癲疾。瘧、寒熱。欬而胸満。労癉、小便赤難。眩、耳鳴、鼻不利。頭項急痛、肘臂腕中痛。喉痺、頸腫不可顧、咽腫不可咽。目中白翳、目痛泣出、甚者如脱。

鍼灸重宝記

前谷 手小指の外側ら、小ゆびの本節のまへにあり、拳を握れば小指の本節の前後に折目出る、前のおりめは前谷、後の折目は後谿なり。針一分、留ること三呼、灸一壮三壮。熱病、汗出ず、瘧り、てんかん、耳鳴、こうひ、頚項頰はれ、鼻塞、咳嗽、吐血、肘いたみ、産後乳なきを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

間歇熱、癲狂症、(咳逆)吐血、吃逆、耳鳴、扁桃腺炎、鼻孔閉塞、前腕神経痛、頬部炎症、小児の疳。


SI3

後溪 こうけい Houxi

取穴部位

手背、第5中手指節関節尺側の近位陥凹部、赤白肉際。

注:軽く拳を握り、遠位手掌線の尺側端、赤白肉際にある。

LOCATION

On the dorsum of the hand, in the depression proximal to the ulnar side of the fifth metacarpophalangeal joint, at the border between the red and white flesh.

Note: When the hand is slightly flexed, the point is located at the ulnar end of the distal transverse skin crease of the palm, at the border between the red and white flesh.

黄帝鍼灸甲乙経

後谿者、木也。在手小指外側、本節後陥者中。手太陽脈之所注也、為兪。刺入二分、留二呼、灸一壮。

復元明堂経

主、瘧、寒熱、頸頷腫。振寒、寒熱、肩臑肘臂痛。眩、頭痛、煩満、身熱、悪寒、目赤痛、眥爤生翳膜。身寒、項強不可顧、臂重痛、肘攣。耳鳴、鼻鼽衄。泣出而驚。痂疥。

鍼灸重宝記

後谿 前谷の後にあり。針一分、留ること二呼、灸一壮。治証も前谷に同じ。

鍼灸醫学全書・経穴学

癲癇、衄血、耳聾、角膜炎、白膜翳、扁桃腺炎、血、耳鳴、上腕痙攣、上肢の筋炎。肩臑痛、不能動揺。


SI4

腕骨 わんこつ Wangu

取穴部位

手関節後内側、第5中手骨底部と三角骨の間の陥凹部、赤白肉際。

注:後溪(SI3)から第5中手骨を骨の突起まで擦上していくと、第5中手骨底部と三角骨の間の陥凹部にある。

LOCATION

On the posteromedial aspect of the wrist, in the depression between the base of the fifth metacarpal bone and the triquetrum bone, at the border between the red and white flesh.

Note: With one finger placed on SI3. push and slide proximally along the fifth metacarpal bone to the bony projection, SI4 is located in the depression between these two bones.

黄帝鍼灸甲乙経

腕骨、在手外側腕前。起骨下陥者中。手太陽脈之所過也、為原。刺入二分、留三呼、灸三壮。

復元明堂経

主、熱病汗不出。脇痛不得息、頸頷腫。寒熱、耳鳴無所聞、衄、狂易、痙互引。消渇。偏枯、臂腕発痛、肘屈不得伸、五指掣不可屈伸。風頭痛、泣出、肩臂頸痛、項急、煩満、驚。戦怵、痎瘧。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

前腕の麻痺、上肢神経痛、腕関節及肘関節炎、上肢関節リウマチ、半身不随、小児痙攣、感冒、書痙。


SI5

陽谷 ようこく Yanggu

取穴部位

手関節後内側、三角骨と尺骨茎状突起の間の陥凹部。

LOCATION

On the posteromedial aspect of the wrist, in the depression between the triquetrum bone and the ulnar styloid process.

黄帝鍼灸甲乙経

陽谷者、火也。在手外側腕中、兌骨下陥者中。手太陽脈之所行也、為経。刺入二分、留二呼、灸三壮(気府論云、留三呼)。

復元明堂経

主、狂、癲疾。熱病汗不出。痎瘧。寒熱、胸脇痛不得息、頸頷腫、耳鳴、聾無所聞、上牙歯齲痛、肩痛不能自帯衣、臂腕外側痛。風眩、驚、手腕痛、泄風汗出、腰項急不可以左右顧及俛仰。肩弛、肘廃。目痛。痂疥、生疣。

鍼灸重宝記

陽谷 手外の側ら小指の後、外踝の下、腕の文の中。灸三壮、針二分、留こと二三呼。目眩、てんかん、脇いたみ、頚頷腫、耳きこえず、虫牙、小児木舌、乳を呑ざるを。

鍼灸醫学全書・経穴学

耳鳴、耳聾、上肢麻痺、上肢神経痛、口内炎、歯齦炎、癲狂、頚部及顔面蜂窩織炎、眩暈、疳虫、小児搐搦、肋間神経痛、尺骨神経痛、三叉神経痛、精神病、痔疾、陰痿。


SI6

養老 ようろう Yanglao

取穴部位

前腕後内側、尺骨頭橈側の陥凹部、手関節背側横紋の上方1寸。

注:手掌を下に向け(前腕を回内して)、指で尺骨頭の頂点をおさえて手掌を胸部に向けると(回外すると)、指が滑り込む骨の割れ目にある。

LOCATION

On the posteromedial aspect of the forearm, in the depression radial to the head of the ulnar bone, 1 B-cun proximal to the dorsal wrist crease.

Note: With the palm facing downwards, press the highest point of the head of ulnar bone with a finger, and then turn the palm towards the chest; SI6 is located at the cleft between the bones where the finger slides.

黄帝鍼灸甲乙経

養老、手太陽郄。在手踝骨上一空、腕後一寸陥者中。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

主、肩痛欲折、腰如抜。手不能自上下。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

上肢神経痛及麻痺、脳充血、弱視、結膜炎、肩甲関節リウマチ、眼精疲労、上腕前腕部痙攣。


SI7

支正 しせい Zhizheng

取穴部位

前腕後内側、尺骨内縁と尺側手根屈筋の間、手関節背側横紋の上方5寸。

注:陽谷(SI5)と小海(SI8)を結ぶ線上の中点の下方1寸にある。

LOCATION

On the posteromedial aspect of the forearm, between the medial border of the ulnar bone and the flexor carpi ulnaris muscle, 5 B-cun proximal to the dorsal wrist crease.

Note: 1 B-cun distal to the midpoint of the line connecting SI5 with SI8.

黄帝鍼灸甲乙経

支正、手太陽絡。在腕後五寸、別走少陰者。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、振寒、寒熱、頸頷腫。風瘧、狂言、驚恐。実則肘攣、頭眩痛、狂易。虚則生疣、小者痂疥。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

上肢神経痛及麻痺、脳充血、頭痛、眩暈、癲狂、感冒、諸熱性病。


SI8

小海 しょうかい Xiaohai

取穴部位

肘後内側、肘頭と上腕骨内側上顆の間の陥凹部。

注:肘を軽く屈曲すると、尺骨神経溝中にある。

LOCATION

On the posteromedial aspect of the elbow, in the depression between the olecranon and the medial epicondyle of the humerus bone.

Note: When the elbow is slightly flexed, SI8 is located in the groove for the ulnar nerve.

黄帝鍼灸甲乙経

小海者、土也。在肘内大骨外。去肘端五分陥者中。屈肘乃得之。手太陽脈之所入也、為合。刺入二分、留七呼、灸七壮(気府論注云、作少海)。

復元明堂経

主、寒熱、歯齲痛。風眩頭痛、狂易。瘧、背膂振寒、項痛引肘腋、腰痛引少腹、四肢不挙。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肺結核、歯齦炎、上腕部神経痛並に痙攣、舞踏病、心臓病、尺骨神経痛、腋窩腺炎、重聴、疝痛眼充血。


SI9

肩貞 けんてい Jianzhen

取穴部位

肩周囲部、肩関節の後下方、腋窩横紋後端の上方1寸。

注:上腕を内転すると、腋窩横紋後端の上方1寸、三角筋の後側にある。

LOCATION

On the shoulder girdle, posteroinferior to the shoulder joint, 1 B-cun superior to the posterior end of the axillary fold.

Note: When the arm is adducted, SI9 is located 1 B-cun superior to the posterior end of the axillary fold, posterior to the deltoid muscle.

黄帝鍼灸甲乙経

肩貞、在肩曲胛下、両骨解間。肩髃後陥者中。手太陽脈気所発。刺入八分、灸三壮。

復元明堂経

主、寒熱、項癧適。頷痛引耳、嘈々耳鳴無所聞。肩中熱痛、手麻痺不挙。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

耳鳴、耳聾、頭痛、上肢の関節炎及麻痺神経痛等、諸熱性病。


SI10

臑兪 じゅゆ Naoshu

取穴部位

肩周囲部、腋窩横紋後端の上方、肩甲棘の下方陥凹部。

LOCATION

On the shoulder girdle, superior to the posterior end of the axillary fold, in the depression inferior to the spine of the scapula.

黄帝鍼灸甲乙経

臑腧、在肩臑後、大骨下、胛上廉陥者中。手[足]太陽、陽維、蹻脈之会。挙臂取之。刺入八分、灸三壮。

復元明堂経

主、寒熱、肩腫引甲中痛、肩臂痠。寒熱、頸癧適、肩痛不可挙臂。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肩甲部及上腕部の神経痛、肩の凝、肩甲関節炎、上肢の麻痺、中風、半身不随、寿命痛(体重節痛)。


SI11

天宗 てんそう Tianzong

取穴部位

肩甲部、肩甲棘の中点と肩甲骨下角を結んだ線上、肩甲棘から1/3にある陥凹部。

LOCATION

In the scapular region, in the depression between the upper one third and lower two thirds of the line connecting the midpoint of the spine of the scapula with the inferior angle of the scapula.

黄帝鍼灸甲乙経

天宗、在秉風後、大骨下陥者中。手太陽脈気所発。刺入五分、留六呼、灸三壮。

復元明堂経

主、肩重、肘臂痛不可挙。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肩甲神経痛及痙攣、半身不随、上肢神経痛、上肢上挙不能、上肢振顫、尺骨神経麻痺、癲狂、咽頭カタル、頚部及顔面の皮下蜂窩織炎。


SI12

秉風 へいふう Bingfeng

取穴部位

肩甲部、棘上窩、肩甲棘中点の上方。

LOCATION

In the scapular region, in the supraspinatous fossa, superior to the midpoint of the spine of the scapula.

黄帝鍼灸甲乙経

秉風、侠天〈人〉窌在外。肩上小髃骨後。挙臂有空。手陽明太陽、手足少陽之会。挙臂取之。刺入五分、灸五壮(気府論注云、灸三壮)

復元明堂経

記載なし

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肩甲部、上腕部の神経痛及麻痺、尺骨神経痛、半身不随、頚部蜂窩織炎、殊に上肢に響く。


SI13

曲垣 きょくえん Quyuan

取穴部位

肩甲部、肩甲棘内端の上方陥凹部。

注:臑兪(SI10)と第2胸椎棘突起を結ぶ線の中点にある。

LOCATION

In the scapular region, in the depression superior to the medial end of the spine of the scapula.

Note: SI13 is located at the midpoint of the line connecting SI10 with the spinous process of the second thoracic vertebra (T2).

黄帝鍼灸甲乙経

曲垣、在肩中央、曲甲陥者中。按之動脈応手。刺入八九分、灸十壮。

復元明堂経

主、肩甲周痺。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肩甲部、上腕部の神経痛及麻痺、肩甲疼痛及拘攣、半身不随、肋膜炎、肩甲萎縮。


SI14

肩外兪 けんがいゆ Jianwaishu

取穴部位

上背部、第1胸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。

注1:肩甲棘内側縁の垂線と第1胸椎棘突起下縁の水平線の交点にある。注2:大杼(BL11)、陶道(GV13)および第1胸椎棘突起下縁と同じ高さにある。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the first thoracic vertebra (Tl), 3 B-cun lateral to the posterior median line.

Note 1: SI14 is located at the intersection of two imaginary lines: the vertical line of the medial extremity of the spine of the scapula and the horizontal line inferior to the spinous process of the first thoracic vertebra (Tl).

Note 2: SI14 is located at the same level as BL11, GV13, and the inferior border of the spinous process of the first thoracic vertebra (T1).

黄帝鍼灸甲乙経

肩外兪、在肩甲上廉、去脊三寸陥者中。刺入六分、灸三壮。

復元明堂経

主、肩胛中痛而寒至肘。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

半身不随、筋萎縮、肩甲筋麻痺、肩甲神経痛、上腕神経痛及麻痺、玄癖、厥冷。


SI15

肩中兪 けんちゅうゆ Jianzhongshu

取穴部位

上背部、第7頸椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方2寸。

注:肩甲棘内端縁と後正中線を結ぶ線上で、肩甲棘内端縁から1/3の垂直線と第7頸椎棘突起下縁の水平線の交点にある。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the seventh cervical vertebra (C7), 2 B-cun latera lto the posterior median line.

Note: SI15 is located at the intersection of two imaginary lines: the verticalline of the junction of the lateral one third and the medial two thirds of the line connecting the posterior median line with the medial border of the scapula and the horizontal

黄帝鍼灸甲乙経

肩中兪、在肩甲内廉、去脊二寸陥者中。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、寒熱、厥目不明、欬上気、唾血。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

弱視、咳嗽、喀血、気管支カタル、喘息、頚項部痙攣。


SI16

天窓 てんそう Tianchuang

取穴部位

前頸部、胸鎖乳突筋の後縁、甲状軟骨上縁と同じ高さ。

注1:胸鎖乳突筋は、抵抗に抗して頭を反対側に向けるとより明瞭に現れる。注2:人迎(ST9)、扶突(LI18)および甲状軟骨上縁と同じ高さにある。人迎(ST9)は胸鎖乳突筋の前縁、天窓(SI16)は胸鎖乳突筋の後縁、扶突(LI18)は胸鎖乳突筋の前縁と後縁の中央にある。

LOCATION

In the anterior region of the neck, posterior to the sternocleidomastoid muscle, at the same level as the superior border of the thyroid cartilage.

Note 1: The stemocleidomastoid muscle is more distinct when the head is turned to the opposite side againstresistance.

Note 2: SI16 is located at the same level as ST9, LI18 and the superior border of the thyroid cartilage. ST9 is located anterior to the sternocleidomastoid muscle, SI16, posterior to the sternocleidomastoid muscle and LI18, midway between the anterior and

黄帝鍼灸甲乙経

天窓、一名窓籠。在曲頬下、扶突後、動脈応手陥者中。手太陽脈気所発。刺入六分、灸三壮。

復元明堂経

主、耳聾無聞。頰腫痛。喉痺、瘖不能言。肩痛引項。汗出及漏。耳鳴。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

牙関緊急、耳聾、扁桃腺炎、顔面神経痛麻痺、肩甲筋痙攣、中風、耳鳴。


SI17

天容 てんよう Tianrong

取穴部位

前頸部、下顎角の後方、胸鎖乳突筋の前方陥凹部。

注:胸鎖乳突筋は、抵抗に抗して頭を反対側に向けるとより明瞭に現れる。

LOCATION

In the anterior region of the neck, posterior to the angle of the mandible, in the depression anterior to the sternocleidomastoid muscle.

Note: The sternocleidomastoid muscle is more distinct when the head is turned to the opposite side against resistance.

黄帝鍼灸甲乙経

天容、在耳[下]曲頬後。手少陽脈気所発。刺入一寸、灸三壮。

復元明堂経

主、寒熱、喉痺、欬逆上気、唾沫。疝積、胸中満不得息。耳聾嘈々無所聞。頸項癰腫不能言、咽腫不得息、肩痛不可挙。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

耳鳴、耳聾、嘔吐、牙関緊急、項背筋痙攣、口歯胃部の癰、肋膜炎、呼吸困難、重舌、歯齦炎。


SI18

觀髎 けんりょう Quanliao

取穴部位

顔面部、外眼角の直下、頬骨下方の陥凹部。

LOCATION

On the face, inferior to the zygomatic bone, in the depression directly inferior to the outer canthus of the eye.

黄帝鍼灸甲乙経

顴窌、一名兌骨。在面頄骨下廉陥者中。手少陽、太陽之会。刺入三分。

復元明堂経

主、口僻。歯痛。面赤、目赤黄。口不能嚼。頷腫、唇癰。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

三叉神経痛、顔面神経麻痺及痙攣、上歯痛、口筋収縮症、眼振。


ST19

聴宮 ちょうきゅう Tinggong

取穴部位

顔面部、耳珠中央の前縁と下顎骨関節突起の間の陥凹部。

LOCATION

On the face, in the depression between the anterior border of the centre of the tragus and the posterior border of the condylar process of the mandible.

Note: When the mouth is slightly opened, SI19 is located in the depression anterior to the centre of the tragus, between TE21 and GB2.

黄帝鍼灸甲乙経

聴官、在耳中珠子、大〈明〉如赤小豆。手足少陽、手太陽之会。刺入三分、灸三壮(気府注云、刺入一分)。

復元明堂経

主、耳聾、塡々如無聞、 憹々嘈々若蝉鳴、鴳鵊鳴。狂、瘈瘲、眩仆。癲疾、瘖不能言、喉羊鳴、沫出。

鍼灸重宝記

聴宮 耳の前に円くひらつく尖あり、是を珠子といふ。其前に小豆を容る程の陥みある所。針三分、灸三壮。癲かん、心腹つかへ、音不出、聤耳、耳鳴、耳塞を治。

鍼灸醫学全書・経穴学

耳鳴、耳聾、歯痛、外耳道炎、頭痛、半身不随、嗄嘶(嗄声)、失声。


 


主治症からみる経絡経穴 第二版

 

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7.足太陽膀胱経 (Bladder-Meridian) (BL1-BL25 / 67)

2015-10-03 11:27:03 | 主治症からみる経絡経穴 第二版

主治症からみる経絡経穴 第二版


BL1

睛明 せいめい Jingming

取穴部位

顔面部、内眼角の内上方と眼窩内側壁の間の陥凹部。

注:目を閉じたとき、内眼角の内上方0.1寸の陥凹部にある。

LOCATION

On the face, in the depression between the superomedial parts of the inner canthus of the eye and the medial wall of the orbit.

Note: When the eye is closed, BL1is located in the depression 0.1 B-cun superior and medial to the inner canthus of the eye.

黄帝鍼灸甲乙経

睛明、一名泪孔。在目内眦外。手足太陽、足陽明之会。刺入六分、留六呼、灸三壮(気府論注云、手足太陽、足陽明、陰陽蹻五脈之会)。

復元明堂経

主、悪風寒、頭痛、目芒々不明。目涙出、目中眵篾、内眥赤痛痒、生膚白翳。

鍼灸重宝記

晴明 目の内眥一分ほど外、目と鼻との間陥み。針一分、禁灸。目遠く見こと能ず、悪風、涙出、弩肉、省目を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

眼病、角膜翳、夜盲症、結膜炎、眼球充血、小児搐搦。目腫子痛癢遠視(目+㐬)(目+㐬)昏夜無所見。


BL2

攅竹 さんちく Cuanzhu

取穴部位

頭部、眉毛内端の陥凹部。

注:前頭切痕の陥凹部は、睛明(BL1)の直上、眉毛内端に触知できる。

LOCATION

On the head, in the depression at the medial end of the eyebrow.

Note: A depression, the frontal notch, can often be palpated on the medial end of the eyebrow directly superior to BL1.

黄帝鍼灸甲乙経

攅竹、一名員柱、一名始光、一名夜光、又名明光。在眉頭陥者中。足太陽脈気所発。刺入三分、留六呼、灸三壮。

復元明堂経

主、風頭痛、鼻鼽衄、眉頭痛、目芒々不明、悪風寒、善嚔、目痛欲脱、汗出。寒熱、面赤、頰中痛、項強不可左右顧。目糸急、瘈瘲。癲疾互引、反折、戴眼及眩。狂走不得臥、心中煩。痔痛。小児癇発目上挿。

鍼灸重宝記

攅竹 両眉の頭、すこし毛の中へ入、陥の中。禁灸、針一分。目くらく涙出、眼赤いたみ、瞳かゆく、臉瞤動し、頬いたみ、尸厥、風眩、てんかん、狂乱、鬼魅をつかさどる。

鍼灸醫学全書・経穴学

眼疾患、角膜白翳、夜盲症、視力欠乏、涙液過多、瞳子掻痒、眩暈、弱視、前頭痛、トラホーム、臭鼻。


BL3

眉衝 びしょう Meichong

取穴部位

頭部、前頭切痕の上方、前髮際の上方0.5寸。

注:神庭(GV24)と曲差(BL4)の中央にある。

LOCATION

On the head, superior to the frontal notch, 0.5 B-cun superior to the anterior hairline.

Note: Midway between GV24 and BL4.

黄帝鍼灸甲乙経

記載なし

復元明堂経

記載なし

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

記載なし

《脉経》寸口脉緊、苦頭痛骨肉疼、是傷寒宜服麻黄湯発汗、鍼眉衝、顳顬、摩治傷寒膏 《太平恵聖方》理目、五般癇、頭痛、鼻塞 《医学入門》主五癇、頭痛、鼻塞 《鍼灸逢源》治頭痛、鼻塞 《勉学堂鍼灸集成》主頭風、鼻塞、多涕 《古方新解会元鍼灸学》主治目赤不明、鼽衄、鼻塞、鼻痔、心煩乱、虚汗、風閉汗不出、頭痛、脳宣腫、身心煩熱、坐不安、嘔悪等症 《中華針灸学》主治五癇、頭痛、鼻塞不聞香臭、目眩重 《中国針灸学》主治頭痛、眩暈、鼻閉塞 《針灸学》主治五癇、頭風、眩暈、鼻塞不聞臭


BL4

曲差 きょくさ Qucha

取穴部位

頭部、前髮際の上方0.5寸、前正中線の外方1.5寸。

注:神庭(GV24)と曲差(BL4)の中央にある。頭維(ST8)を結ぶ線上、神庭(GV24)から1/3にある。

LOCATION

On the head, 0.5 B-cun superior to the anterior hairline, 1.5 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: At the junction of the medial one third and lateral two thirds of the line connecting GV24 with ST8.

黄帝鍼灸甲乙経

曲差、一名鼻衝、侠神庭両傍各一寸五分、在髪際、足太陽脈気所発。正頭取之。刺入三分、灸五壮。

復元明堂経

主、頭痛、身熱、鼻窒、喘息不利。煩満、汗不出。

鍼灸重宝記

曲差 神庭の傍ら左右ヘ一寸半づつ、前の髪際より五分上にあり。針三分、灸三壮。目明ならず、鼻衂、鼻瘡、心煩、頭頂いたみ、頂き腫るを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

頭痛、三叉神経痛、心臓肥大、視力欠乏、鼻孔閉塞、衄血、鼻茸、鼻瘡、弱視、顱頂部の焮衝(炎症)。


BL5

五処 ごしょ Wuchu

取穴部位

頭部、前髮際の上方1寸、前正中線の外方1.5寸。

注:曲差(BL4)の上方0.5寸、上星(GV23)と同じ高さにある。

LOCATION

On the head, 1 B-cun superior to the anterior hairline, 1.5 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: 0.5 B-cun superior to BL4, at the same level as GV23.

黄帝鍼灸甲乙経

五処、在督脈傍去上星一寸五分、足太陽脈気発。刺入三分、不可灸(素問水熱穴注云、灸三壮)。

復元明堂経

主、風頭痛、汗出。寒熱、衄、善嚔。痙脊強反折、瘈瘲。癲疾、頭重。

鍼灸重宝記

五処 曲差より後へ五分。灸三五壮、針三分、留ること七呼。脊こはばり反張、てんかん、頭風、めまひをつかさどる。

鍼灸醫学全書・経穴学

頭痛、発熱、眩暈、視力欠乏、肩背神経痛、癲癇、脊強反折、瘈瘲。


BL6

承光 しょうこう Chengguang

取穴部位

頭部、前髮際の上方2.5寸、前正中線の外方1.5寸。

注:五処(BL5)の上方1.5寸、曲差(BL4)の上方2寸にある。

LOCATION

On the head, 2.5 B-cun superior to the anterior hairline, 1.5 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: 1.5 B-cun superior to BL5. 2 B-cun superior to BL4.

黄帝鍼灸甲乙経

承光、在五処後二寸、足太陽脈気所発。刺入三分、禁不可灸。

復元明堂経

主、風眩頭痛。熱病汗不出、而欲嘔、煩心。青盲、遠視不明。

鍼灸重宝記

承光 曲差の後へ二寸。針灸共に忌。

鍼灸醫学全書・経穴学

頭痛、眩暈、感冒、鼻孔閉塞、角膜翳、心臓病、鼻茸。


BL7

通天 つうてん Tongtian

取穴部位

頭部、前髮際の上方4寸、前正中線の外方1.5寸。

注:承光(BL6)と絡却(BL8)の中点にある。

LOCATION

On the head, 4 B-cun superior to the anterior hairline, 1.5 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: Midway between BL6 and BL8.

黄帝鍼灸甲乙経

通天、一名天臼、在承光後一寸五分、足太陽脈気所発。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、頭重痛、項痛、暫起僵仆。鼻窒、喘息不利。鼻喎僻、多涕、鼽衄有瘡。

鍼灸重宝記

通天 曲差より後へ三寸半、百会の左右ヘ一寸半づつひらく。灸三壮、針三分、とどむること七呼。癭瘤、はなぢ、清涕を出し、頭ふらつき、項いたむを主どる。

鍼灸醫学全書・経穴学

鼻カタル、鼻孔閉塞、衄血、鼻瘡、顱頂部痙攣、慢性気管支カタル、三叉神経痛。


BL8

絡却 らっきゃく Luoque

取穴部位

頭部、前髮際の上方5.5寸、前正中線の外方1.5寸。

注:百会(GV20)の後方0.5寸、外方1.5寸にある。

LOCATION

On the head, 5.5 B-cun superior to the anterior hairline, 1.5 B-cun lateral to the anterior median line.

Note: 0.5 B-cun posterior and 1.5 B-cun lateral to GV20.

黄帝鍼灸甲乙経

絡却、一名強陽、一名脳蓋、在通天後一寸三分、足太陽脈気所発。刺入三分、留五呼、灸三壮。

復元明堂経

主、脳風、眩頭痛。癲疾、僵仆、目妄見、恍惚不楽。狂走、瘈瘲。青盲無所見。

鍼灸重宝記

絡却 曲差の後へ五寸。針三分、留ること五呼、灸三壮。頭ふらつき、耳なり、腹はり、目の内障を生ずるを主どる。

鍼灸醫学全書・経穴学

後頭筋、僧帽筋の痙攣、耳鳴、憂鬱証、瘈瘲、白内障、緑内障。


BL9

玉枕 ぎょくちん Yuzhen

取穴部位

頭部、外後頭隆起上縁と同じ高さ、後正中線の外方1.3寸。

注:僧帽筋外縁の垂線と外後頭隆起上縁の水平線の交点で、脳戸(GV17)と同じ高さにある。

LOCATION

On the head, at the same level as the superior border of the external occipital protuberance, and 1.3 B-cun lateral to the posterior median line.

Note: BL9 is located at the intersection of two imaginary lines: the vertical line of the lateral border of the trapezius muscle and the horizontal line of the superior border of the external occipital protuberance. At the same level as GV17.

黄帝鍼灸甲乙経

玉枕、在絡却後七分、侠脳戸傍一寸三分、起肉枕骨、入髪際三分、足太陽脈気所発。刺入三分、留三呼、灸三壮。

復元明堂経

主、頭項悪風、汗不出、悽厥悪寒、嘔吐、目内系急痛引頞、頭重、項痛。癲疾、僵仆。寒熱、骨痛。頭眩、頭半寒、目痛不能視、項似抜不可左右顧。

鍼灸重宝記

玉枕 曲差の後へ八寸半、頭の中行より左右ヘ一寸五分づつ開きて。灸三壮、針は禁穴なり。目眩、目いたみ、頭項いたみ、鼻塞り香臭を聞ざるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

脳充血、眩暈、頭痛、近視眼、臭能減退症、三叉神経痛。


BL10

天柱 てんちゅう Tianzhu

取穴部位

後頸部、第2頸椎(C2)棘突起上縁と同じ高さ、僧帽筋上縁の陥凹部。

LOCATION

In the posterior region of the neck, at the same level as the superior border of the spinous process of the second cervical vertebra (C2), in the depression lateral to the trapezius muscle.

黄帝鍼灸甲乙経

天柱、在侠項後髪際、大筋外廉陥者中、足太陽脈気所発。刺入二分、留六呼、灸三壮。

復元明堂経

主、熱病汗不出、寒熱、目芒々赤痛。風眩、頭重痛、目如脱、項如抜、目瞑、咽腫難言。癲疾互引痙、狂、見鬼、目上反、項直不可顧。小児驚癇、卒暴癇眩、足不任、身痛欲折。

鍼灸重宝記

天柱 項の後の髪際の中行より左右へ一寸三分づつ開きて、大筋の外廉、陥の中。針二分五分、留ること三呼して、瀉すること五吸。頭風、鼻・香臭を聞ず、頭ら旋き、脳痛重く、頂いたみ、項強るを主どる。

鍼灸醫学全書・経穴学

肩甲部痙攣、脳病、回顧不能、鼻塞、臭能減退、衄血、咽喉カタル、癲疳、憂鬱証、緑内障、耳鳴、ヒステリー、胃疾患。


BL11

大杼 だいじょ Dazhu

取穴部位

上背部、第1胸椎(T1)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the first thoracic vertebra (T1), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

大杼、在項第一椎下、両傍各一寸五分陥者中、足太陽、手太陽之会。刺入三分、留七呼、灸七壮(気穴論注云、督脈別絡、手足太陽三脈之会)。

復元明堂経

主、頭痛、項痛不可俛仰。振寒、瘈瘲。気実則脇満、俠脊有并気、腰脊痛、気満喘息、胸中欝々、喉痺、身熱、目眩芒々。寒熱、僵仆、不能久立、煩満、裏急、身不安席。痎瘧、熱汗不出、 悽厥悪寒。癲疾不嘔沫、痙、脊強。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

気管支カタル、肺疾患、頭痛、肋膜炎、眩暈、癲癇、肩痛、横隔膜痙攣、咳嗽、膝関節炎。


BL12

風門 ふうもん Fengmen

取穴部位

上背部、第2胸椎(T2)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the second thoracic vertebra (T2), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

風門、[一名]熱府。在第二椎下、両傍各一寸五分。督脈、足太陽之会。刺入五分、留五呼、灸三壮。

復元明堂経

主、風眩頭痛、鼻鼽不利、時嚔、清涕自出。

鍼灸重宝記

風門 背の二椎の下、両旁ヘ一寸五分づつ。針五分三分、留こと七呼、灸五壮。癰疽、身熱、上気、気短く、欬逆、胸背痛、嘔吐、傷寒、頭項強り、目瞑り、胸熱を治。

鍼灸醫学全書・経穴学

感冒、肋膜炎、肺病、百日咳、咳嗽、気管支カタル、頚頂部の痙攣、嗜眠、嘔吐、心悸亢進、皮膚病、項背の癰疽。


BL13

肺兪 はいゆ Feishu

取穴部位

上背部、第3胸椎(T3)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the third thoracic vertebra (T3), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

肺兪、在第三椎下、両傍各一寸五分。刺入三分、留七呼、灸三壮(気府論注云、五蔵腧並足太陽脈之会)。

復元明堂経

主、肺寒熱、呼吸不得臥、欬上気、嘔沫、喘気相追逐、胸満、背膺急、息難。振慄、脈鼓。気鬲、胸中有熱、支満、不嗜食、汗不出、腰脊痛。癲疾、憎風、時振寒不得言、得寒益甚。身熱、狂走、欲自殺、目反、妄見、瘈瘲、泣出、死不知人。

鍼灸重宝記

肺兪 三椎の下、両旁ヘ一寸五分づつ。針三分五分、留ること七呼、気を得てすなはち瀉す、刺て肺に中れば欬て三日に死す、灸百壮五十壮。労瘵、口舌乾き、上気、腰脊強いたみ、寒熱、気短、喘満、虚煩、肺痿、咳嗽、肉いたみ、皮癢、嘔吐、不食、狂い走り、背僂を治す、太陽と少陽と併病、頭項強りいたみ、或は眩冐、心下痞硬に太陽の経の肺兪・肝兪を刺べし。

鍼灸醫学全書・経穴学

肺結核、肺炎、肺出血、気管支炎、心臓麻痺、黄疸、口内炎、嘔吐、疳虫、癭瘤、腰背神経痛、皮膚掻痒、亀背(小児くる病)、瘰癧、吃逆、食道或は気管支痙攣。上気喘満欬嗽。


BL14

厥陰兪 けついんゆ Jueyinshu

取穴部位

上背部、第4胸椎(T4)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the fourth thoracic vertebra (T4), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

記載なし

復元明堂経

記載なし

鍼灸重宝記

厥陰兪 四椎の下、左右ヘ一寸五分づつ。針三分、灸七壮。欬逆、牙痛、心いたみ、胸満、嘔吐、煩悶を主る。即ち心包絡の兪なり。

鍼灸醫学全書・経穴学

心臓病、吃逆、咳嗽、心外膜炎、心内膜炎、嘔吐、歯痛、心臓肥大、肩の凝り、癭瘤、呼吸器病。

《銅人腧穴鍼灸図経》 厥陰兪 足太陽膀胱経。在第四椎下両傍相去各一寸五分。治逆気嘔吐、心痛、留結胸中、煩悶。鍼入三分、可灸七々壮。出山眺経。


BL15

心兪 しんゆ Xinshu

取穴部位

上背部、第5胸椎(T5)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the fifth thoracic vertebra (T5), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

心兪、在第五椎下、両傍各一寸五分。鍼入三分、留七呼、禁灸。

復元明堂経

主、寒熱、心痛循々然、与背相引而痛。胸中邑々不得息、欬、唾血、多涎、煩中。善噎食不下、嘔逆。汗不出如瘧状、目芒々、涙出、悲傷。痎瘧。

鍼灸重宝記

心兪 五椎の下、左右ヘ一寸五分づつ。針三分、留ること七呼、気を得て即瀉す、刺て心に中れば噫して即死、禁灸、千金に曰、中風、心急には心兪を灸すること百壮。中風、冐絶、てんかん、狂走を主る。

鍼灸醫学全書・経穴学

心臓疾患を主治する、胃出血、嘔吐、食道狭窄、癰疽、癲癇。


BL16

督兪 とくゆ Dushu

取穴部位

上背部、第6胸椎(T6)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the sixth thoracic vertebra (T6), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

記載なし

復元明堂経

記載なし

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

寒熱、心痛、腹痛、気逆、雷鳴。

《太平恵聖方》主理寒熱、腹中痛、雷鳴、気逆心痛 《鍼灸逢源》治寒熱、心痛 《古方新解会元鍼灸学》湿鬱皮膚、風痺、水腫、寒熱、心痛、腹痛雷鳴、気逆、水不化等症 《新針灸学》心内外膜炎、腸雷鳴、腹痛 《中国針灸学》心内外膜炎、寒熱心痛、腹痛、腸雷鳴、疔瘡、胃痙攣、腸鳴、逆上、寒熱往来 《針灸学》心痛腹痛、腸鳴気逆 《針灸学簡編》発熱悪寒、胃脘部痛、腹痛、腸鳴気逆、冠心病、心絞痛等、配心腧、内関治心区憋悶疼痛。


BL17

膈兪 かくゆ Geshu

取穴部位

上背部、第7胸椎(T7)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

注:肩甲骨下角は第7胸椎(T7)棘突起と同じ高さにある。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the seventh thoracic vertebra (T7), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

Note: The inferior angle of the scapula is at the same level as the spinous process of the seventh thoracic vertebra.

黄帝鍼灸甲乙経

膈兪、在第七椎下、両傍各一寸五分。鍼入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、悽々振寒、数欠伸、欬而嘔、鬲寒食飲不下、肩背寒痛。寒熱、皮肉骨痛、少気不得臥、胸脇(木+耆)満、脇痛、腹脹、胃管暴痛、積聚。喉痒、硬咽。嗜臥怠惰不欲動、身湿。周痺、身皆痛、無可大汗出。大風汗出。痙。癲疾。

鍼灸重宝記

膈兪 七椎の下、両旁へ去ること一寸五分づつ。灸三壮三十壮、多く灸すれば心中に徹て悸する、針三分、留こと七呼、若、刺て膈に中れば一歳を過ぎずして死す。心痛周痺、吐食、翻胃、骨蒸、手足怠惰して臥ことをこのみ、痃癖、欬逆、嘔吐、鬲胃寒、痰飲、食下らず、熱病汗出ず、身おもく、常に温にして不食、身いたみ、脇腹満、自汗、ねあせを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

心臓内膜炎、心嚢炎、心臓肥大、肋膜炎、喘息、気管支炎、胃カタル、胃痙攣、嘔吐、食道狭窄、食欲不振、盗汗、腸カタル、横隔膜痙攣、便秘、下痢、悪阻、鼓脹、糖尿病、心窩苦悶、咳嗽、膈噎、痰。胸脇支満、噎食不下、痰咳気痛。


BL18

肝兪 かんゆ Ganshu

取穴部位

上背部、第9胸椎(T9)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the ninth thoracic vertebra (T9), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

肝兪、在第九椎下、両傍各一寸五分。鍼入三分、留六呼、灸三壮。

復元明堂経

主、両脇満急不得息、不可反側。腋脇下与臍相引痛。反折、目上視。目眩、頭痛。驚狂、衄、少腹満。目芒々、生白翳。欬引胸痛。筋寒熱、痙、筋急手相引。唾血、短気、鼻痠。癲疾。

鍼灸重宝記

肝兪 九椎の下、両方へ相去こと各一寸五分。灸三壮七壮、針三分、留ること六呼、刺て肝に中れば欬して五日に死す。多く怒り、黄疽、熱病の後目くらく、涙いで、目眩、気短く、欬血、目上視、欬逆、口乾き、寒疝、筋寒へ、熱痙、筋急に相引、転筋腹に入り、欬して胸脇に引て痛み、反折り上視し、驚狂、はなぢ、唾血、短気、積聚を治。

鍼灸醫学全書・経穴学

癲癇、黄疸、胃拡張、胃痙攣、胃出血、慢性胃カタル、気管支炎、肋間神経痛、胸背部痙攣、内障眼、ヒステリー、全身痙攣、眼病、喀痰、喀血、精神病、中風、小児急癇。胸満心腹積聚疼痛、咳引両脇。


BL19

胆兪 たんゆ Danshu

取穴部位

上背部、第10胸椎(T10)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the tenth thoracic vertebra (T10), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

胆兪、在第十椎下、両傍各一寸五分。足太陽脈気所発。正坐取之。刺入五分、灸三壮(気府論注云、留七呼。痺論云、胆胃三焦大小腸膀胱兪、並足太陽脈気所発)。

復元明堂経

主、胸満、嘔無所出。口苦、舌乾、飲食不下。

鍼灸重宝記

膽兪 十椎の下、両旁各一寸五分づつ。針三分五分、留ること七呼、灸三壮五壮、刺て膽に中れば一日に死す。頭痛、振寒汗出ず、腋下腫、心腹張、口苦く、舌かはき、咽痛乾き、嘔吐、骨蒸、労熱、不食、目黄を治。四花の上二穴は鬲兪、下二穴は膽兪なり。

鍼灸醫学全書・経穴学

黄疸、胆石症、食道狭窄、頭痛、咽喉カタル、肋膜炎、嘔吐、嚥下困難、悪寒。


BL20

脾兪 ひゆ Pishu

取穴部位

上背部、第11胸椎(T11)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of thenth thoracic vertebra (T10), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

脾兪、在第十一椎下、両傍各一寸五分。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、腹中気脹引脊痛。食飲多而身嬴痩、名目食晦、先取脾輸後取季肋。黄疸、善欠、不下食、脇下満、欲吐、身重不欲動。大腸転気、按之如覆杯。四肢急煩、不嗜食。熱痙、両脇急痛。泄痢。唾血、吐血。腰脊急強。

鍼灸重宝記

脾兪 十一椎の下、両旁へ相去こと一寸五分づつ。針三分、留こと七呼、灸三壮五壮、刺て脾に中れば呑酸して五日に死す。多食して身痩、鹹き汁を吐き、けんべき、積聚、脇下みち、洩利、痰瘧、寒熱、水腫、気脹、脊に引ていたみ、黄疽、不食を治。

鍼灸醫学全書・経穴学

嘔吐、下痢、喘息、胃痙攣、胃弱、胃出血、腸カタル、黄疸、食道狭窄、腎萎縮、夜盲症、水腫病。泄痢不化飲食、不食、不肌膚黄疸脹満痞気。


BL21

胃兪 いゆ Weishu

取穴部位

上背部、第12胸椎(T12)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border ofthe spinous process of the 12th thoracic vertebra (T12), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

胃兪、在第十二椎下、両傍各一寸五分。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、胃中寒脹、食多身嬴痩、腹中満而鳴、腹(月+眞)。風厥、胸脇(木+耆)満、嘔吐。脊急痛、筋攣。食不下、不能食。

鍼灸重宝記

胃兪 十二椎の下、両旁ヘ一寸五分づつ。針三分、留ること七呼、灸三壮七壮。中湿、霍乱、胃冷、腹脹て鳴り、翻胃、嘔吐、不食、多食して痩羸、目暗く、腹いたみ、むねわき支満、脊いたみ、筋攣を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

胃カタル、胃痙攣、胃拡張、胃癌、消化不良、嘔吐、腸カタル、腹雷鳴、腹部膨張、肝臓肥大、吐乳、青便、悪阻、背筋痙攣、十二指腸虫病。胃寒、吐逆、少食嬴痩、霍乱腹痛。


BL22

三焦兪 さんしょうゆ Sanjiaoshu

取穴部位

腰部、第1腰椎(L1)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

LOCATION

In the lumbar region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the first lumbar vertebra (L1), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

三焦兪、在第十三椎下、両傍各一寸五分。足太陽脈気所発。刺入五分、灸三壮。

復元明堂経

主、頭痛、食飲不下。腸鳴、臚脹、欲嘔、時泄注。

鍼灸重宝記

三焦兪 十三椎の下、左右ヘ一寸五分。針三分五分、留ること七呼、灸三壮五壮。積じゆ、脹満、不食羸痩、傷寒頭痛、吐逆、肩背腰強り、小便渋り、泄注、腹脹、腸鳴り、目眩、頭痛を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

胃痙攣、嘔吐、食欲不振、消化不良、腸カタル、腸雷鳴、腰痛、神経衰弱、腎臓炎、腰椎神経痛、肺労、頭痛、眩暈、諸熱性疼痛、腺病。


BL23

腎兪 じんゆ Shenshu

取穴部位

腰部、第2腰椎(L2)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

LOCATION

In the lumbar region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the second lumbar vertebra (L2), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

腎兪、在第十四椎下、両傍各一寸五分。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、腰痛不可俛仰反側。熱痙、食多身嬴痩。両脇痛、心下(月+眞)満、少腹痛。熱面赤、目芒々、喘欬少気、溺赤濁。骨寒熱、溺難。風頭痛、足寒如氷。頭身熱、振慄、腰中四肢濼、欲嘔。寒中、洞泄食不化。

鍼灸重宝記

腎兪 脊の十四椎の下、左右ヘ一寸五分づつ、臍と平し。灸三壮、針三分、留こと七呼、もし刺て腎に中れば嚏て六日に死す。五労七傷、虚して羸痩、耳聾ず、下部冷、淋濁、目暗く、溺血、遺精、腰膝脚いたみ、消渇、身熱し、振寒、多食しても痩、面黄黒く、腸鳴、四肢だるく、洞洩食化せず、身浮腫るを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

生殖器、泌尿器病、腎臓炎、膀胱麻痺及痙攣、痔疾、淋疾、糖尿病、失精、身体衰弱、月経不調、膵臓の疾患、消渇、消化不良、腺病、慢性腸カタル、疝気、遺精、月経不順、肺労、腸疝痛、腰部疼痛、肝臓肥大。腎虚腰痛、遺精白濁、耳目不明。


BL24

気海兪 きかいゆ Qihaishu

取穴部位

腰部、第3腰椎(L3)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

LOCATION

In the lumbar region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the third lumbar vertebra (L3), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

記載なし

復元明堂経

記載なし

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

腰痛、痔疾、腸神経痛、疝痛。

 《太平恵聖方》理腰痛、痔痛、瀉血 《西方子明堂灸経》主腰痛、痔病 《鍼灸大成》主腰痛、痔漏 《古方新解会元鍼灸学》子宮寒冷、久不受妊、赤白帯下、男子睾丸抽痛、精冷、臓腑積聚、腹積気満脹、身痩不能食飲、傷寒頭痛、咳痰吐逆、腹背急痛腰痛、痔漏等症 《新針灸学》腰神経痛、痔瘡、高血圧症 《中国針灸学》腰神経痛、痔 《針灸学簡編》腰背痛、痔瘡、痛経、功能性子宮出血、腰骶神経根炎、下肢麻痺癱瘓等、有調補気血、強健腰膝的作用、配腎腧、関元、照海、三陰交治功能性子宮出血。


BL25

大腸兪 だいちょうゆ Dachangshu

取穴部位

腰部、第4腰椎(L4)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

LOCATION

In the lumbar region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the fourth lumbar vertebra (L4), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

大腸兪、在第十六椎下、両傍各一寸五分。刺入三分、留六呼、灸三壮。

復元明堂経

主、大腸転気、按之如覆杯。食不下、善嚔。腸鳴、腹(月+眞)而腫。暴泄。腰痛。

鍼灸重宝記

大腸兪 十六椎の下、左右ヘ一寸五分づつ。灸三壮、針三分、留ること六呼。中燥、脊強り腰痛み、腹いたみ、腸鳴り、多食して身痩、大小便結、洩利、白痢腸癖を。

鍼灸醫学全書・経穴学

腸カタル、腸雷鳴、腸出血、下痢、盲腸炎、脊中筋痙攣、淋疾、遺尿、腎臓炎、腰神経痛、赤痢、裏急後重、脚気、糖尿病、子宮内膜炎、白帯下、痔疾。


 

 


主治症からみる経絡経穴 第二版

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7.足太陽膀胱経 (Bladder-Meridian) (BL26-BL50 / 67)

2015-10-03 11:26:42 | 主治症からみる経絡経穴 第二版

主治症からみる経絡経穴 第二版


BL26

関元兪 かんげんゆ Guanyuanshu

取穴部位

腰部、第5腰椎(L5)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1.5寸。

LOCATION

In the lumbar region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the fifth lumbar vertebra (L5), 1.5 B-cun lateral to the posterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

記載なし

復元明堂経

記載なし

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

子宮血の道、婦人科病、尿閉等。

《太平恵聖方》理風労、腰痛、泄痢、虚脹、小便難、婦人瘕聚諸疾 《鍼灸逢源》治小便難、婦人瘕聚 《勉学堂鍼灸集成》治瀉痢、虚脹、小便難、婦人瘕聚諸疾 《古方新解会元鍼灸学》主治膀胱生石、小便難、風労、腰痛、泄痢、虚脹、婦人瘕聚諸疾 《新針灸学》治療腰神経痛、下痢、尿閉 《中国針灸学》治腰神経痛(風労腰痛)、腸炎(泄利)、膀胱肌麻痺(小便難)、卵巣炎(婦女癥瘕)、結核病 《針灸学》主治泄利、虚脹、腰痛、癥瘕、小便難 《針灸学簡編》主治風寒労損腰痛、小便難、尿閉、腹瀉、痢疾、婦瘕聚諸疾、慢性腸炎、慢性盆腔炎、糖尿病等。


BL27

小腸兪 しょうちょうゆ Xiaochanshu

取穴部位

仙骨部、第1後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方1.5寸。

注:上髎(BL31)と同じ高さにある。

LOCATION

In the sacral region, at the same level as the first posterior sacral foramen, and 1.5 B-cun lateral to the median sacral crest.

Note: At the same level as BL31.

黄帝鍼灸甲乙経

小腸兪、在第十八椎下、両傍各一寸五分。刺入三分、留六呼、灸三壮。

復元明堂経

主、少腹痛、控睾引腰脊。疝痛上衝心。腰脊急強。口乾、溺難黄赤。大小便難、淋痔。泄痢膿血。

鍼灸重宝記

小腸兪 十八椎の下、左右ヘ一寸五分づつ。灸三壮、針三分、留こと六呼。中暑、小便赤く、淋瀝、遺溺、小腹脹満、痛み、泄痢、膿血五色、脚はれ、五痔、づつう、虚乏、津液すくなく、消渇、口かはき、帯下を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

腸カタル、腸疝痛、下痢、便秘、淋疾、痔疾、腰仙部の疼痛、婦人病。


BL28

膀胱兪 ぼうこうゆ Pangguangshu

取穴部位

仙骨部、第2後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方1.5寸。

注:次髎(BL32)と同じ高さにある。

LOCATION

In the sacral region, at the same level as the second posterior sacral foramen, and 1.5 B-cun lateral to the median sacral crest.

Note: At the same level as BL32.

黄帝鍼灸甲乙経

膀胱兪、在第十九椎下、両傍各一寸五分。刺入三分、留六呼、灸三壮。

復元明堂経

主、腰脊痛、強引背少腹、俛仰難、不得仰息。脚痿、重尻不挙、溺赤、腰以下至足清不仁、不可以坐起。熱痙引骨痛、煩満、汗不出、反折、尻臀内痛、似癉瘧状。

鍼灸重宝記

膀胱兪 十九椎の下、両旁ヘ一寸五分づつ。灸三壮七壮、針三分、留ること六呼。風労、脊強り、小便赤黄、遺溺、陰瘡、少気、脛寒拘急、腹満、大便かたく、洩利、腹いたみ、脚膝力なく、女子瘕聚を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

膀胱疾患一般に用ふ、膀胱カタル、遺尿、便秘、下痢、子宮内膜炎、腰神経痛、下腹神経痛、仙骨神経痛、脊髄労、感冒、陰門掻痒症、糖尿病、脚気。小便赤渋、遺尿失禁、婦人帯下瘕聚。


BL29

中膂兪 ちゅうりょゆ Zhonglushu

取穴部位

仙骨部、第3後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方1.5寸。

注:中髎(BL33)と同じ高さにある。

LOCATION

In the sacral region, at the same level as the third posterior sacral foramen, 1.5 B-cun lateral to the median sacral crest.

Note: At the same level as BL33.

黄帝鍼灸甲乙経

中膂兪、在第二十椎下、両傍各一寸五分。侠脊(月+申)而起。刺入三分、留六呼、灸三壮

復元明堂経

主、腰痛不可以俛仰。寒熱、痙、反折互引、腹脹、腋攣、背中快々引脇痛、内引心。従項始数脊椎、俠膂如痛、按之応手、灸立已。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

腸カタル、腸疝痛、腰神経痛、坐骨神経痛、糖尿病、脚気、腹膜炎、便秘、下痢、子宮内膜炎。


BL30

白環兪 はっかんゆ Baihuanshu

取穴部位

仙骨部、第4後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方1.5寸。

注:仙骨裂孔の外方1.5寸、下髎(BL34)と同じ高さにある。

LOCATION

In the sacral region, at the same level as the fourth posterior sacral foramen, 1.5 B-cun lateral to the median sacral crest.

Note: 1.5 B-cun lateral to the sacral hiatus, at the same level as BL34.

黄帝鍼灸甲乙経

白環兪、在第二十一椎下、両傍各一寸五分。足太陽脈気所発。伏而取之。刺入八分、得気則瀉、瀉訖多補之、不宜灸(水穴注云、刺入五分、灸三壮。自大腸兪至此五穴、並足太陽脈気所発)。

復元明堂経

主、腰脊痛不得俛仰。小便赤黄、尻重不能挙。腰脊以下至足不仁。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

仙骨部の神経痛及痙攣、坐骨神経痛、便秘、尿閉、肛門病、膀胱麻痺、中風、子宮内膜炎、四肢麻痺。


BL31

上髎 じょうりょう Shangliao

取穴部位

仙骨部、第1後仙骨孔。

注:第1後仙骨孔は、次髎(BL32)から擦上すると陥凹部に触れる。

LOCATION

In the sacral region, in the first posterior sacral foramen.

Note: The first posterior sacral foramen is palpated in the depression, moving superiorly from BL32.

黄帝鍼灸甲乙経

上窌、在第一空。腰髁下一寸、侠脊陥者中。足太陽、少陽之絡。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、腰脊痛而清、善偃。睾跳騫。女子絶子、陰挺出不禁、白瀝。熱病汗不出。痎瘧。寒熱。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

男女生殖器病、泌尿器病、淋疾、睾丸炎、卵巣炎、便秘、尿閉、嘔吐、月経不順、子宮内膜炎、坐骨神経痛、膝蓋部厥冷。


BL32

次髎 じりょう Ciliao

取穴部位

仙骨部、第2後仙骨孔。

注:第2後仙骨孔は、上後腸骨棘下縁と正中仙骨稜の中央、陥凹部にある。

LOCATION

In the sacral region, in the second posterior sacral foramen.

Note: The second posterior sacral foramen is located in the depression, midway between the posterior superior iliac spine and the spinous process of the second sacral vertebra.

黄帝鍼灸甲乙経

次窌、在第二空。侠脊陥者中、刺入三分、留七呼、灸三壮(銅人経云、刺入三分、灸七壮)。

復元明堂経

主、腰痛快右不可使仰、腰以下至足不仁。脊腰背寒、先取飲盆後取尾骨氏与八膠。女子赤自涯、心下積脹。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

生殖器病、泌尿器病、淋疾、睾丸炎、卵巣炎、便秘、尿閉、嘔吐、月経不順、子宮内膜炎、坐骨神経痛、腰神経痛。


BL33

中髎 ちゅうりょう Zhongliao

取穴部位

仙骨部、第3後仙骨孔。

注:第3後仙骨孔は、次髎(BL32)からさすり下ろし、最初の陥凹部にある。

LOCATION

In the sacral region, in the third posterior sacral foramen.

Note: The third posterior sacral foramen is located in the first depression, moving downward from BL32.

黄帝鍼灸甲乙経

中窌、在第三空。侠脊陥者中。刺入二寸、留十呼、灸三壮(銅人経云、針入二分)。

復元明堂経

主、腰痛、大便難。飧泄、腰尻中寒。女安赤淫時白、気癃、月事少。男子癃。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

生殖器病、泌尿器病等に上髎、次髎等の如く応用さる。


BL34

下髎 げりょう Xialiao

取穴部位

仙骨部、第4後仙骨孔。

注:第4後仙骨孔は次髎(BL32)からさすり下ろし、2つめの陥凹部にある。仙骨裂孔と同じ高さにある。

LOCATION

In the sacral region, in the fourth posterior sacral foramen.

Note: The fourth posterior sacral foramen is located in the second depression, moving downward from BL32, at the same level as the sacral hiatus.

黄帝鍼灸甲乙経

下窌、在第四空。侠脊陥者中。刺入二寸、留十呼、灸三壮(銅人経云、針入三分。素問繆刺論云、足太陽、厥陰、少陽所結)。

復元明堂経

主、腰痛不可反側、少腹痛。腸鳴、澼泄。女子下蒼汁不禁、赤淫、陰中痒痛、引少腹、控(月+少)、不可俛仰。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

生殖器疾患、泌尿器疾患、痔疾、腸カタル、脹雷鳴。


BL35

会陽 えよう Huiyang

取穴部位

殿部、尾骨下端外方0.5寸。

注:患者は、伏臥位か膝胸位にする会陽(BL35)は尾骨下端の外方の陥凹部にある。

LOCATION

In the buttock region, 0.5 B-cun lateral to the extremity of the coccyx.

Note: The subject may be in prone position or knee-chest position. BL35 is located at the soft depression lateral to the extremity of the coccyx.

黄帝鍼灸甲乙経

会陽、一名利機。在陰尾〈毛〉骨両傍、督脈気所発。刺入八分、灸五壮(気府論注云、灸三壮)。

復元明堂経

主、腹中有寒、泄注、腸澼、便血。

鍼灸重宝記

会陽 亀尾と尻骨と両旁の陥み。針八分、灸五壮。腹寒、熱気、寒気、泄瀉、久痔、下血、陽気虚乏、陰汗しめるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

腸カタル、腸出血、痔疾、陰門炎、遺精、陰萎症、遺尿症、坐骨神経痛、淋疾、腺病、陰部頑癬。


BL36

承扶 しょうふ Chengfu

取穴部位

殿部、殿溝の中点。

LOCATION

In the buttock region, at the midpoint of the gluteal fold.

黄帝鍼灸甲乙経

承扶、一名肉郄、一名陰関、一名皮部。在尻臀下、股陰腫上、約文中。刺入二寸、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、腰脊尻臀股陰寒痛、痔痛。尻中腫、大便直出。陰胞有寒、小便不利。

鍼灸重宝記

承扶 尻の下、股陰上衡文正中。針七分、灸三壮。腰脊相引ていたみ、久しき痔、尻はれ、大便かたく、小便通ぜざるを治。

鍼灸醫学全書・経穴学

腰背神経痛、坐骨神経痛、痔疾、月経痛、便秘、尿閉、臀部炎症、肛門周囲炎、子宮神経痛、子宮内膜炎。


BL37

殷門 いんもん Yinmen

取穴部位

大腿部後面、大腿二頭筋と半腱様筋の間、殿溝の下方6寸。

注1:伏臥位で、膝を抵抗に抗して屈曲したとき、半腱様筋と大腿二頭筋がより明瞭に現れる。さらに股関節を内外旋させると両筋を見つけやすい。注2:承扶(BL36)と委中(BL40)を結ぶ線の中点の上方1寸にある。

LOCATION

On the posterior aspect of the thigh, between the biceps femoris and the semitendinosus muscles, 6 B-cun inferior to the gluteal fold.

Note 1: In the prone position, the semitendinosus and the biceps femoris muscles are more distinct when the knee is flexed against resistance. In addition, it is easier to find the two muscles with internal and external rotation of the hip.

Note 2: 1 B-cun superior to the midpoint of the line connecting BL36 with BL40.

黄帝鍼灸甲乙経

殷門、在肉郄下六寸。刺入五分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、腰痛得俛不得仰、仰則仆痛、得之挙重、悪血帰之。

鍼灸重宝記

殷門 承扶の下六寸。針七分、禁灸。腰脊いたみ伸屈ならず、外腿腫、重きを持て瘀血いたみ、泄注を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

坐骨神経痛、腰背神経痛及麻痺、大腿部の炎症、下肢疾患、大腿筋リウマチ。


BL38

浮郄 ふげき Fuxi

取穴部位

膝後面、大腿二頭筋腱の内縁、膝窩横紋の上方1寸。

注:軽く膝を曲げ、大腿二頭筋腱の内縁、委陽(BL39)の上方1寸にある。

LOCATION

On the posterior aspect of the knee, just medial to the biceps femoris tendon, 1 B-cun proximal to the popliteal crease.

Note: With the knee in slight flexion, BL38 is located medial to the biceps femoris tendon, 1 B-cun proximal to BL39.

黄帝鍼灸甲乙経

浮郄、在委陽上一寸。屈膝得之。刺入五分、灸三壮。

復元明堂経

主、不得臥、出汗。不得大便、堅不出。

鍼灸重宝記

浮郄 委陽の上一寸。針五分、灸三壮。霍乱転筋、大小便熱してかたく、脛の外いたみ、髀枢不仁を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

局所痙攣、便秘、淋疾、尿意頻数、霍乱、下肢麻痺、尿閉、吐瀉。


BL39

委陽 いよう Weiyang

取穴部位

膝後外側、大腿二頭筋腱の内縁、膝窩横紋上。

注:軽く膝を屈曲すると、大腿二頭筋腱が顕著になる。

LOCATION

On the posterolateral aspect of the knee, just medial to the biceps femoris tendon in the popliteal crease.

Note: The biceps femoris tendon is more prominent when the knee is slightly flexed.

黄帝鍼灸甲乙経

委陽、三焦下輔兪也。在足太陽之前、少陽之後。出於膕中外廉、両筋間。承扶下六寸。此足太陽之別絡也。刺入七分、留五呼、灸三壮。屈身而取之。

復元明堂経

主、胸満彭々然。実則閉癃、痔、腋下腫。虚則遺溺、脚急兢々然、筋急痛、不得大小便、腰痛引腹不得俛仰。

鍼灸重宝記

委陽 承扶の下一尺六寸、膕中の横文の外側の頭、両筋の間。針七分、灸三壮。腰脊いたみ陰中に引、小便通ぜず、てんかん、小腹かたく、傷寒大熱を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

腹直筋痙攣、腰背神経痛及麻痺、腓腹筋痙攣、半身不随、下腿神経痛、癲癇、諸熱性病(解熱として使用)。


BL40

委中 いちゅう Weizhong

取穴部位

膝後面、膝窩横紋の中点。

LOCATION

On the posterior aspect of the knee, at the midpoint of the popliteal crease.

黄帝鍼灸甲乙経

委中者、土也。在膕中央、約文中動脈。足太陽脈之所入也、為合。刺入五分、留七呼、灸三壮(素問、骨空論注云、膕謂膝解之後、曲脚之中、背面取之。刺腰痛論注云、在足膝後屈処)。

復元明堂経

主、腰痛、俠脊至頭沈々然、目芒々。凡腰脚重痛、於此刺出血。風痙、痔、筋急。身熱、少腹堅腫、時満、小便難。尻股寒、髀枢痛、引季脇、内控八膠、遺溺。衄血不止。熱病俠脊痛。瘧、頭重、寒従背起、先寒後熱、渇不止汗乃出。癲疾、反折、頭痛。

鍼灸重宝記

委中 足膕の横文の中央、陥なる中。針五分、留ること七呼、委中の大脉を刺ことなかれ、灸三壮。腰脊膝いたみ、遺溺、小腹かたくはり、身痺れ、髀枢痛み(血を出す)、傷寒、四肢熱し、熱病汗出ず(血をとる)、大風髪眉ぬけおちたる者刺て血を出すべし。

鍼灸醫学全書・経穴学

感冒、リウマチ、膝関節炎、中風、坐骨神経痛、下腹膨満。腰脊甚痛、不可忍者、刺之出血、頓愈、転筋強直者、亦刺之立処愈。


BL41

附分 ふぶん Fufen

取穴部位

上背部、第2胸椎(T2)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。

注:附分(BL41)と風門(BL12)は、第2胸椎(T2)棘突起下と同じ高さにある。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the second thoracic vertebra (T2), 3 B-cun lateral to the posterior median line.

Note: BL41 and BL12 are located at the same level as the inferior border of the spinous process of the second thoracic vertebra (T2).

黄帝鍼灸甲乙経

附分、在第二椎下、附項内廉、両傍各三寸。足太陽之会。刺入八分、灸五壮。

復元明堂経

主、背痛引頭。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

頚部諸筋痙攣、肋間神経痛、副神経麻痺、肩癖、肺尖カタル。


BL42

魄戸 はくこ Pohu

取穴部位

上背部、第3胸椎(T3)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。

注:魄戸(BL42)、肺兪(BL13)と身柱(GV12)は、第3胸椎(T3)棘突起下と同じ高さにある。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the third thoracic vertebra (T3), 3 B-cun lateral to the posterior median line.

Note: BL42, BL13 and GV12 are located at the same level as the inferior border of the third thoracic vertebra (T3).

黄帝鍼灸甲乙経

魄戸、在第三椎下両傍、各三寸。足太陽脈気所発。刺入三分、灸五壮。

復元明堂経

主、肩髆間急、悽厥悪寒、項背痛引頸。欬逆上気、嘔吐、煩満。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

気管支炎、喘息、肺炎、肺結核、上腕部肩甲部の神経痙攣、嘔吐、肋膜炎、肺気腫、背筋の疼痛。


BL43

膏肓 膏肓 Gaohuang

取穴部位

上背部、第4胸椎(T4)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。

注:膏肓(BL43)と厥陰兪(BL14)は、第4胸椎(T4)棘突起下と同じ高さにある。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the fourth thoracic vertebra (T4), 3 B-cun lateral to the posterior median line.

Note: BL43 and BL14 are located at the same level as the inferior border of the spinous process of the fourth thoracic vertebra (T4).

黄帝鍼灸甲乙経

記載なし

復元明堂経

記載なし

鍼灸重宝記

膏肓兪 四椎の下、五の椎の上にちかし、脊中を左右へ相去こと各三寸、口伝に胛骨のきはに一指を側置ほどに點すべし。後に気海・丹田・関元・中極、四穴の内一穴と足の三里とに灸して火気を引下てよし。灸百壮五百壮まで。虚損、伝尸、骨蒸、遺精、痩つかれ、健忘、痰飲、しやくり、上気、発狂を主る。膈噎、心中妨悶、項背こわり、目病、気病、諸病治せずといふことなし。

鍼灸醫学全書・経穴学

慢性病、肺結核、肋膜炎、気管支カタル、神経衰弱、夢精、失精、健忘、嘔吐、胃出血、総ての疾患に効あり、また予防灸として有名なり。

《銅人腧穴鍼灸図経》 膏肓兪 足太陽膀胱経。在第四椎下両傍相去各三寸。無所不治、主羸痩虚損、夢中失精、上気咳逆、狂惑忘誤、灸両胛中各一処至六百壮、多至千壮。当覚気下礱礱然如流水状、亦当有所下出、若無停痰宿疾、則無所下也、此灸訖後令人陽気之康盛、当消息以自補養、取身体平復。虚損勞傷、百病無所不療。


BL44

神堂 しんどう Shentang

取穴部位

上背部、第5胸椎(T5)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。

注:神堂(BL44)、心兪(BL15)、神道(GV11)は、第5胸椎(T5)棘突起下と同じ高さにある。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the fifth thoracic vertebra (T5), 3 B-cun lateral to the posterior median line.

Note: BL44, BL15 and GV11 are located at the same level as the inferior border of the spinous process of the fifth thoracic vertebra (T5).

黄帝鍼灸甲乙経

神堂、在第五椎下、両傍各三寸陥者中。足太陽脈気所発。刺入三分、灸五壮。

復元明堂経

主、肩痛、胸腹満。悽厥、脊背急強。

鍼灸重宝記

神堂 五椎の下、左右へ三寸づつ開。針三分五分、灸五壮三壮。腰背強り、悪寒発熱、胸腹満、気逆上攻、時に饐るを。

鍼灸醫学全書・経穴学

気管支カタル、心臓病、肺結核、喘息、胸背筋痙攣、肋間神経痛、食道狭窄、心悸亢進。


BL45

譩譆 いき Yixi

取穴部位

上背部、第6胸椎(T6)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。

注:譩譆(BL45)、督兪(BL16)、霊台(GV10)は、第6胸椎(T6)棘突起下と同じ高さにある。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the sixth thoracic vertebra (T6), 3 B-cun lateral to the posterior median line.

Note: BL45. BL16 and GV10 are located at the same level as the inferior border of the spinous process of the sixth thoracic vertebra (T6).

黄帝鍼灸甲乙経

譩譆、在肩髆内廉、侠第六椎下、両傍各三寸。以手痛按之、病者言譩譆、是穴。足太陽脈気所発。刺入六分、灸五壮(骨空注云、令病人呼譩譆之言。則指下動矣。灸三壮)。

復元明堂経

主、腋拘攣、暴脈急、引脇而痛、内引心肺。欬逆上気、喘息、鼽衄。肩背寒、痙互引、肩甲内廉痛、不可俛仰、(月+少)季脇引少腹而痛脹。風瘧。小児食晦、頭痛。

鍼灸重宝記

譩譆 六椎の下、左右へ三寸づつ開、肩膊の内かど。針三分、留ること七呼、あるひは六分、留ること三呼、瀉五吸、灸五壮より百壮まで。大風汗出ず、労損臥ことを得ず、瘧疾、背もだへ、気満腹脹、気眩、むねわき、腰背痛み、目いたみ、鼻衂、喘逆、臂膊内廉いたみ、食時頭痛、五心熱を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

心臓病、肋間神経痛、腰背部痙攣、嘔吐、眩暈、吃逆、間歇熱、盗汗、慢性肋膜炎、胸筋及背筋リウマチ。


BL46

膈関 かくかん Geguan

取穴部位

上背部、第7胸椎(T7)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。

注:膈関(BL46)、膈兪(BL17)、至陽(GV9)は、第7胸椎(T7)棘突起下と同じ高さにある。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the seventh thoracic vertebra (T7), 3 B-cun lateral to the posterior median line.

Note: BL46. BL17 and GV9 are located at the same level as the inferior border of the spinous process of the seventh thoracic vertebra (T7).

黄帝鍼灸甲乙経

膈関、在第七椎下、両傍各三寸陥者中、足太陽脈気所発。正坐開肩取之。刺入五分、灸三壮(気府論注云、灸五壮)。

復元明堂経

主、背痛、悪寒、脊強俛仰難。食不下、嘔吐、多涎。

鍼灸重宝記

膈関 七椎の下、左右へ三寸づつ、陥の中。針五分、灸三壮。背痛み、悪寒、脊強り、不食、しゃくり、涎唾多く、胸もだへ、大便調はず、小便黄なるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

背部神経痛、食道痙攣、嘔吐、吃逆、流涎、腸カタル、蛔虫。


BL47

魂門 こんもん Hunmen

取穴部位

上背部、第9胸椎(T9)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。

注:魂門(BL47)、肝兪(BL18)、筋縮(GV8)は、第9胸椎(T9)棘突起下と同じ高さにある。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the ninth thoracic vertebra (T9), 3 B-cun lateral to the posterior median line.

Note: BL47, BL18 and GV8 are located at the same level as the inferior border of the spinous process of the ninth thoracic vertebra (T9).

黄帝鍼灸甲乙経

魂門、在第九椎下、両傍各三寸陥者中。足太陽脈気所発。正坐取之。刺入五分、灸五壮。

復元明堂経

主、胸脇脹満、背痛、悪風寒。食飲不下、嘔吐、不留住。

鍼灸重宝記

魂門 九椎の下、左右へ三寸づつ開き。針五分、灸三壮。背より心に引いたみ、尸厥、腹鳴、大小便ととのはざるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

肝臓疾患、黄疸、便秘、消化不良、腸疝痛、腸カタル、蛔虫、胃痙攣、食欲不振、肋膜炎、心内膜炎。


BL48

陽綱 ようこう Yanggang

取穴部位

上背部、第10胸椎(T10)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。

注:陽綱(BL48)、胆兪(BL19)、中枢(GV7)は、第10胸椎(T10)棘突起下と同じ高さにある。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the tenth thoracic vertebra (T10), 3 B-cun lateral to the posterior median line.

Note: BL48, BL19 and GV7 are located at the same level as the inferior border of the spinous process of the tenth thoracic vertebra (T10).

黄帝鍼灸甲乙経

陽綱、在第十椎下、両傍各三寸陥者中。足太陽脈気所発。正坐取之。刺入五分、灸三壮。

復元明堂経

主、食飲不下。腹中雷鳴、大便不節。小便赤黄。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肝臓病、肋膜炎、心内膜炎、胃痙攣、腸雷鳴、食道狭窄、食欲不振、消化不良、黄疸、胆石痛、便秘、下血。


BL49

意舍 いしゃ Yishe

取穴部位

上背部、第11胸椎(T11)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。

注:意舍(BL49)、脾兪(BL20)、脊中(GV6)は、第11胸椎(T11)棘突起下と同じ高さにある。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the 11th thoracic vertebra (T11), 3 B-cun lateral to the posterior median line.

Note: BL49, BL20 and GV6 are located at the same level as the inferior border of the spinous process of the 11th thoracic vertebra (T11).

黄帝鍼灸甲乙経

意舎、在第十一椎下、両傍各三寸陥者中。足太陽脈気所発。刺入五分、灸三壮。

復元明堂経

主、腹中満、臚脹、大便泄。消渇、身熱、面目黄。

鍼灸重宝記

意舎 十一椎の下、左右へ三寸づつ開。針五分、灸五十壮百壮。腹満泄瀉、小便赤黄、嘔吐、不食、消渇、目黄なるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

肝臓病、肋膜炎、心内膜炎、胃痙攣、腸雷鳴、消化不良、食欲不振、筋肉リウマチ、嘔吐、胃痙攣、腹直筋痙攣、便秘、蛔虫、下痢。


BL50

胃倉 いそう Weicang

取穴部位

上背部、第12胸椎(T12)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。

注:胃倉(BL50)、胃兪(BL21)は、第12胸椎(T12)棘突起下と同じ高さにある。

LOCATION

In the upper back region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the 12th thoracic vertebra (T12), 3 B-cun lateral to the posterior median line.

Note: BL50 and BL21 are located at the same level as the inferior border of the spinous process of the 12th thoracic vertebra (T12).

黄帝鍼灸甲乙経

胃倉、在第十二椎下、両傍各三寸陥者中。足太陽脈気所発。刺入五分、灸三壮。

復元明堂経

主、 臚脹、水腫。食飲不下、悪寒。不能俛仰。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

脊椎神経痛、嘔吐、便秘、鼓脹、胃の諸症、腎炎、肝、小腸の疾患。


 


主治症からみる経絡経穴 第二版

 

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7.足太陽膀胱経 (Bladder-Meridian) (BL51-BL67 / 67)

2015-10-03 11:26:10 | 主治症からみる経絡経穴 第二版

主治症からみる経絡経穴 第二版


BL51

肓門 こうもん Huangmen

取穴部位

腰部、第1腰椎(L1)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。

注:肓門(BL51)、三焦兪(BL22)、懸枢(GV5)は、第1腰椎(L1)棘突起下と同じ高さにある。

LOCATION

In the lumbar region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the first lumbar vertebra (L1), 3 B-cun lateral to the posterior median line.

Note: BL51, BL22 and GV5 are located at the same level as the inferior border of the spinous process of the first lumbar vertebra(L1).

黄帝鍼灸甲乙経

肓門、在第十三椎下、両傍各三寸、入肋〈肘〉間。足太陽脈気所発。刺入五分、灸三壮(経云、与鳩尾相値)。

復元明堂経

主、心下大堅。婦人乳余疾。

鍼灸重宝記

肓門 十三椎の下、左右へ三寸づつ開。針五分、灸二壮、あるひは三十壮。心下いたみ、大便かたく、婦人の乳病を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

胃痙攣、胃カタル、常習便秘、乳腺炎、内臓諸慢性疾患。


BL52

志室 ししつ Zhishi

取穴部位

腰部、第2腰椎(L2)棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸。

注:志室(BL52)、腎兪(BL23)、命門(GV4)は、第2腰椎(L2)棘突起下と同じ高さにある。

LOCATION

In the lumbar region, at the same level as the inferior border of the spinous process of the second lumbar vertebra (L2), 3 B-cun lateral to the posterior median line.

Note: BL52, BL23 and GV4 are located at the same level as the inferior border of the spinous process of the second lumbar vertebra (L2).

黄帝鍼灸甲乙経

志室、在第十四椎下、両傍各三寸陥者中。足太陽脈気所発。正坐取之。刺入五分、灸三壮(気府論注云、灸五壮)。

復元明堂経

主、腰痛、脊急。脇下満、少腹堅急。

鍼灸重宝記

志室 十四椎の下、左右へ三寸づつ開。針五分、灸三壮七壮。陰腫いたみ、腰背こはり、すくみ、食せず、遺精、淋病、吐逆、両のわき攣りいたみ、霍乱を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

生殖器疾患、夢精、失精、淋疾、嘔吐、陰部諸瘡、腎臓炎、消化不良、腸疝痛、健忘症。


BL53

胞肓 ほうこう Baohuang

取穴部位

腰部、第2後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方3寸。

注:胞肓(BL53)、膀胱兪(BL28)、次髎(BL32)は、第2後仙骨孔と同じ高さにある。

LOCATION

In the buttock region, at the same level as the second posterior sacral foramen, 3 B-cun lateral to the median sacral crest.

Note: BL53, BL28 and BL32 are located at the same level as the second posterior sacral foramen.

黄帝鍼灸甲乙経

生殖器疾患、夢精、失精、淋疾、嘔吐、陰部諸瘡、腎臓炎、消化不良、腸疝痛、健忘症。

復元明堂経

主、腰脊痛、悪寒。少腹満堅、癃閉、下重、不得小便。

鍼灸重宝記

胞肓 十九椎の下、左右へ三寸づつ。針五分、灸三十五壮五十壮。腰背いたみ、腹脹、食化ず、淋病、大小便通ぜざるを治。

鍼灸醫学全書・経穴学

腸カタル、脹雷鳴、便秘、尿閉、淋疾、睾丸炎、腰痛、直腸痙攣、腰背部の疼痛、婦人科病。


BL54

秩辺 ちっぺん Zhibian

取穴部位

腰部、第4後仙骨孔と同じ高さ、正中仙骨稜の外方3寸。

注:仙骨裂孔の外方3寸で、白環兪(BL30)と同じ高さにある。

LOCATION

In the buttock region, at the same level as the fourth posterior sacral foramen, 3 B-cun lateral to the median sacral crest.

Note: 3 B-cun lateral to the sacral hiatus, at the same level as BL30.

黄帝鍼灸甲乙経

秩辺、在第二十一椎下、両傍各三寸陥者中。足太陽脈気所発。伏而取之。刺入五分、灸三壮。

復元明堂経

主、腰痛、骶寒、俛仰急難。陰痛、下重、不得小便。

鍼灸重宝記

秩辺 二十椎の下、左右へ三寸づつ。針三分五分、灸三壮。五痔、小便赤、腰痛を治。

鍼灸醫学全書・経穴学

カタル性膀胱炎、腰椎神経痛、坐骨神経痛、痔疾、婦人科的疾患、腰部疼痛諸症。


BL55

合陽 ごうよう Heyang

取穴部位

下腿後面、腓腹筋外側頭と内側頭の間、膝窩横紋の下方2寸。

注:委中(BL40)と承山(BL57)を結ぶ線上、委中(BL40)の下方2寸にある。

LOCATION

On the posterior aspect of the leg, between the lateral head and medial head of the gastrocnemius muscle, 2 B-cun distal to the popliteal crease.

Note: 2 B-cun distal to BL40, on the line connecting BL40 with BL57.

黄帝鍼灸甲乙経

合陽、在膝約文中央、下二寸。刺入六分、灸五壮。

復元明堂経

主、跟厥。癲疾不嘔沫。瘈瘲、膝急、腰脊痛引腹。簒陰股熱、暴陰痛。寒熱、膝痠重。

鍼灸重宝記

合陽 委中の下三寸。針六分、灸五壮。腰脊こはり腹に引ていたみ、陰股熱、痠腫、寒疝、陰嚢いたみ、崩漏、帯下を。

鍼灸醫学全書・経穴学

腰痛、下腹痙攣、腸出血、睾丸炎、子宮出血、子宮内膜炎、腓腹筋痙攣、脊髄炎、腸疝痛、下肢神経痛。


BL56

承筋 しょうきん Chengjin

取穴部位

下腿後面、腓腹筋外側頭と内側頭の間、膝窩横紋の下方5寸。

注:合陽(BL55)と承山(BL57)の中点にある。

LOCATION

On the posterior aspect of the leg, between the two muscle bellies of the gastrocnemius muscle, 5 B-cun distal to the popliteal crease.

Note: Midway between BL55 and BL57.

黄帝鍼灸甲乙経

承筋、一名腨腸、一名直腸。在腨腸中央陥者中。足太陽脈気所発。禁不可刺、灸三壮(刺腰痛論注云、在臑中央)。

復元明堂経

主、腰脊痛。寒熱、頭眩痛、衄、少腹痛引喉嗌、大便難、痔痛、腰背相引。癲疾、腰痛、汗出。瘈瘲、脚腨痠重不能久立、脚急跟痛。震乱、転筋、脛痒不仁。

鍼灸重宝記

承筋 腨腸の中央の陥中、脛の後、合陽のとをり、足跟より七寸上。灸三壮、禁針。腰背いたみ、痙痺、腨跟いたみ、鼻血、霍乱、転筋を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

吐瀉、便秘、痔疾、腰背部の神経痛、腓腹筋痙攣、淋疾、脚気、下肢神経痛。


BL57

承山 しょうざん Chengshan

取穴部位

下腿後面、腓腹筋筋腹とアキレス腱の移行部。

注:足を底屈するか爪先立ちをすると、腓腹筋筋腹下の鋭角になった陥凹部にある。腓腹筋の二頭はラムダ(Λ)の形に分かれている。

LOCATION

On the posterior aspect of the leg, at the connecting point of the calcaneal tendon with the two muscle bellies of the gastrocnemius muscle.

Note: With the leg stretched (plantar flexion) or the heel up, BL57 is located at the sharp angled depression inferior to the muscle belly of the gastrocnemius muscle. The two heads of the gastrocnemius muscle are separated to make a lambda shape (Λ).

黄帝鍼灸甲乙経

承山、一名魚腹[一名腸山]、一名肉柱。在兌腨腸下、分肉間陥者中。刺入七分、灸三壮。

復元明堂経

主、寒熱、 簒反出。癲疾、瘈瘲、鼽衄、腰脊痛、脚脛痠、脚急跟痛、足攣引少腹痛、咽喉痛、大便難、(月+眞)脹、霍乱、転筋、脚攣。

鍼灸重宝記

承山 合陽の通り、腨の肉高起て止る所の肉の分、陥なる中。針七八分、気を得て即瀉し、はやく針を出す、灸五壮。大便通ぜず、痔はれ、戦慄、かつけ腫いたみ、霍乱、転筋、不食、傷寒の水結を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

腓腹筋痙攣、吐瀉、便秘、麻痺、脚気、小児搐搦、下肢倦怠。大便秘不通、痔瘻、脚気。


BL58

飛揚 ひよう Feiyang

取穴部位

下腿後外側、腓腹筋外側頭下縁とアキレス腱の間、崑崙(BL60)の上方7寸。

注:崑崙(BL60)の上方、承山(BL57)の外下方1寸にある。

LOCATION

On the posterolateral aspect of the leg, between the inferior border of the lateral head of the gastrocnemius muscle and the calcaneal tendon, at the same level as 7 B-cun proximal to BL60.

Note: BL58 is located 1 B-cun lateral and distal to BL57, proximal to BL60.

黄帝鍼灸甲乙経

飛揚、一名厥陽。在足外踝上七寸。足太陽絡、別走少陰者。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

主、下部寒。熱病汗不出。体重、逆気、頭眩痛。癲疾、狂、瘧、痙反折。頸項疼、歴節、汗出。虚則鼽衄。実則腰背痛。痔簒痛。腹不仁、腨中痛、足痿失履。

鍼灸重宝記

飛陽 承山と相並ぶ、承山は膕の中央通りの下、飛陽は外踝の後通りの上、踝の上七寸に点す。灸三壮、針三分。痔腫れいたみ、體おもく、脚腨はれいたみ、目眩、目痛、てんかん、寒瘧を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

頭痛、眩暈、衄血、後頭神経痛、項筋リウマチ、下肢麻痺、腰痛、坐骨神経痛、癲癇、小児急癇、痔疾、膝関節リウマチ。


BL59

跗陽 ふよう Fuyang

取穴部位

下腿後外側、腓骨とアキレス腱の間、崑崙(BL60)の上方3寸。

LOCATION

On the posterolateral aspect of the leg, between the fibula and the calcaneal tendon, at the same level as 3 B-cun proximal to BL60.

黄帝鍼灸甲乙経

跗陽、陽蹻之郄。在足外踝上三寸。太陽前、少陽後、筋骨間。刺入六分、留七呼、灸三壮(気穴論注、作付陽)。

復元明堂経

主、痿厥、風頭重痛、頞痛、腨外廉骨痛。瘈瘲、痺不仁、振寒時有熱、四肢不挙。

鍼灸重宝記

附陽 飛陽の下四寸、外踝の上三寸、筋骨の間。針六分、留ること七呼、灸三壮五壮。霍乱転筋、腰足痛、頭重く、寒熱あるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

局発性痙攣、吐瀉、腰神経痛、顔面神経痛、大腿部神経痛、四肢麻痺、脊髄炎、霍乱、腹筋麻痺。


BL60

崑崙 こんろん Kunlun

取穴部位

足関節後外側、外果尖とアキレス腱の間の陥凹部。

LOCATION

On the posterolateral aspect of the ankle, in the depression between the prominence of the lateral malleolus and the calcaneal tendon.

黄帝鍼灸甲乙経

崑崙、火也。在足外踝後、跟骨上陥中。細脈動応手。足太陽脈之所行也、為経。刺入五分、留十呼、灸三壮。

復元明堂経

主、寒熱。癲疾、目芒々、鼽衄。瘧、多汗。腰痛不可俛仰。目如脱、項如抜。痙、脊強、頭眩痛、脚如結。狂易。大風、頭多汗、腰尻腫痛、腨跟腫。上歯痛、脊背尻重不欲起、聞食臭、悪聞人音。泄風従頭至足。癇瘈、口閉不得開、不得大便、腹暴満、噫、悲、喘。女子字難、若胞不出。

鍼灸重宝記

主、寒熱。癲疾、目芒々、鼽衄。瘧、多汗。腰痛不可俛仰。目如脱、項如抜。痙、脊強、頭眩痛、脚如結。狂易。大風、頭多汗、腰尻腫痛、腨跟腫。上歯痛、脊背尻重不欲起、聞食臭、悪聞人音。泄風従頭至足。癇瘈、口閉不得開、不得大便、腹暴満、噫、悲、喘。女子字難、若胞不出。

鍼灸醫学全書・経穴学

癲癇、急性胃腸カタル、腓腹筋痙攣、狭心症、下肢痙攣、頭痛、眩暈、衄血、脚気、肩背神経痙攣、腰神経痛、坐骨神経痛、関節炎、胎盤残留にも奏功する。


BL61

僕参 ぼくしん Pucan

取穴部位

足外側、崑崙(BL60)の下方、踵骨外側、赤白肉際。

LOCATION

On the lateral aspect of the foot, distal to BL60, lateral to the calcaneus, at the border between the red and white flesh.

黄帝鍼灸甲乙経

僕参、一名安邪。在跟骨下陥者中。拱足得之。[足太陽、陽蹻脈所会]〈足太陽脈之所行也、為経〉。刺入五分、留十呼、灸三壮〈(刺腰痛論注云、陥者中細動脈応手)〉。

復元明堂経

主、腰痛不可挙足、跟中踝後痛、脚痿。恍惚、尸厥、頭痛。転筋、霍乱。癲疾、僵仆。小児馬癇。

鍼灸重宝記

僕参 崑崙の下、跟骨のわれめ陥なる中。針三分、灸七壮。足痿、脚気、膝腫、転筋、吐逆、尸厥、癲癇、狂言を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

脚気、淋疾、膝関節炎、腓腹筋及足底筋麻痺、局所痙攣、癲癇、発狂、下腿の神経痛、淋疾、ヒステリー。


BL62

申脈 しんみゃく Shenmai

取穴部位

足外側、外果尖の直下、外果下縁と踵骨の間の陥凹部。

注:外果下縁の下方陥凹部にある。申脈(BL62)に対応する内側の経穴は照海(KI6)である。

LOCATION

On the lateral aspect of the foot, directly inferior to the prominence of the lateral malleolus, in the depression between the inferior border of the lateral malleolus and the calcaneus.

Note: BL62 is located in the depression distal to the inferior border of the lateral malleolus. The corresponding medial acupuncture point to BL62 is KI6.

黄帝鍼灸甲乙経

申脈、陽蹻所生也。在足外踝下陥者中、容爪甲許。刺入三分、留六呼、灸三壮(刺腰痛論注云、外踝下五分)。

復元明堂経

主、腰痛不能挙足、脛中燆々然。寒熱、頸腋下腫。癲疾、僵仆。目反上視、若赤痛、従内眥始。

鍼灸重宝記

申脉 外踝の下五分、陥みの中。針三分、留ること七呼、灸三壮。風眩、腰足いたみ、冷痺、労極、癲癇ひるおこるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

頭痛、眩暈、腰部及び下肢神経痛、脛骨神経麻痺、中風、子宮痙攣、脊髄労。風眩、癲疾、脚気、麻木。


BL63

金門 きんもん Jinmen

取穴部位

足背、外果前縁の遠位、第5中足骨粗面の後方、立方骨下方の陥凹部。

LOCATION

On the dorsum of the foot, distal to the anterior border of the lateral malleolus, posterior to the tuberosity of the fifth metatarsal bone, in the depression inferior to the cuboid bone.

黄帝鍼灸甲乙経

金門、足太陽郄。一空、在足外踝下。一名関梁。陽維所別属也。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

主、尸厥、暴死。転筋、霍乱。癲疾不嘔沫。小児馬癇。

鍼灸重宝記

金門 申脉の下一寸。針一分、灸三壮。霍乱、転筋、尸厥、てんかん、暴疝、脚膝痛み、身戦、小児口をはり頭を揺かし身反を治。

鍼灸醫学全書・経穴学

脊髄病による下肢の麻痺、癲癇、眩暈、衄血、霍乱、間歇熱、下腹痛、腹膜炎、小児搐搦。


BL64

京骨 けいこつ Jinggu

取穴部位

足外側、第5中足骨粗面の遠位、赤白肉際。

注:第5中足骨粗面は、踵と第5中足指節関節のほぼ中央にある。

LOCATION

On the lateral aspect of the foot, distal to the tuberosity of the fifth metatarsal bone, at the border between the red and white flesh.

Note: The tuberosity of the fifth metatarsal bone is located approximately midway be tween the heel and the fifth metatarsophalangeal joint.

黄帝鍼灸甲乙経

京骨、在足外側大骨下。赤白肉際陥者中。按而得之。足太陽脈之所過也、為原。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、痎瘧、寒熱、善唏、頭重、足寒、不欲食、脚攣。癲疾、狂、妄行。振寒、鼽衄不止、淫濼、頭痛、目白翳、跟尻瘈、頭腫痛、泄注、上搶心。目赤、眥爛無所見、痛従内眥始。腹満、頸項強、腰脊強不可俛仰、眩。痙、目反白多、鼻不通利、涕黄、善自囓頰。偏枯、腰髀枢痛、善揺頭。

鍼灸重宝記

京骨 足の外側大骨の下、小指の本節の後へ陥みの中。針三分、留ること七呼、灸五壮七壮。頭痛、頸項腰背足いたみ、筋攣り、目の内眥赤くただれ、白翳、目眩、瘧り、喜驚き、不食、心痛を。

鍼灸醫学全書・経穴学

脳充血、頭痛、眩暈、衄血、角膜翳、下肢の神経痛、腰神経痛、間歇熱、心臓病、脳膜炎。


BL65

束骨 そっこつ Shugu

取穴部位

足外側、第5中足指節関節の近位陥凹部、赤白肉際。

LOCATION

On the lateral aspect ofthe foot, in the depression proximal to the fifth metatarsophalangeal joint, at the border between the red and white flesh.

黄帝鍼灸甲乙経

束骨者、木也。在足小指外側、本節後陥者中。足太陽脈之所注也、為兪。刺入三分[留三呼]、灸三壮(気穴論注云、本節後赤白肉際)。

復元明堂経

主、身痛。狂善行、癲疾。寒熱、腰痛如折。痙、驚互引、脚如結、腨如裂。暴病頭痛、身熱痛、肌肉動、耳聾、悪風、目眥爛赤、項不可以顧、髀枢痛、泄腸澼。瘧従(疒+数)起。

鍼灸重宝記

束骨 足の小指の外側本節の後、赤白肉の際、陥なる中。灸三壮、針三分、留ること三呼。腰脊脚頭項いたみ、耳聾、悪寒、目眩、身熱し、肌肉動き、目眥赤ただれ、泄瀉、痔瘧、てんかん、癰疔を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

頭痛、眩暈、耳聾、内眥炎、涙管狭窄、眼球黄色、腰背神経痛、項筋収縮して回顧不能、癰疔、結膜充血、耳鳴、脳充血、衄血、癲狂、腓腹筋痙攣。


BL66

足通谷 あしつうこく Zutonggu

取穴部位

足の第5指、第5中足指節関節の遠位外側陥凹部、赤白肉際。

LOCATION

On the little toe, in the depression distal and lateral to the fifth metatarsophalangeal joint, at the border between the red and white flesh.

黄帝鍼灸甲乙経

通谷者、水也。在足小指外側、本節前陥者中。足太陽脈之所溜也、為滎。刺入二分、留五呼、灸三壮。

復元明堂経

主、身疼痛。善驚互引。鼻鼽衄。寒熱、目芒々、善嚔、喘逆。狂、癲疾不嘔沫。痙、善唏。頭眩、項痛、煩満、振寒。痎瘧。

鍼灸重宝記

通谷 足の小指の外側ら本節の前、陥みの中。灸三壮、針二分、留ること五呼。頭重、めまひ、項いたみ、胸満、食化ず。

鍼灸醫学全書・経穴学

頭痛、眩暈、衄血、頸項神経痛、慢性胃カタル、脳貧血、脳充血、脳溢血、子宮充血、胃拡張、胃痛、消化不良。


BL67

至陰 しいん Zhiyin

取穴部位

足の第5指、末節骨外側、爪甲角の近位外方0.1寸(指寸)、爪甲外側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。

LOCATION

On the little toe, lateral to the distal phalanx, 0.1 F-cun proximal to the lateral corner of the toenail; at the intersection of the vertical line of the lateral side of the nail and the horizontal line of the base of the toenail.

黄帝鍼灸甲乙経

至陰者、金也。在足小指外側、去爪甲如韭葉。足太陽脈之所出也、為井。刺入三分、留五呼、灸五壮。

復元明堂経

主、痎瘧。頭重、鼻鼽。瘈瘲、汗不出、煩心。足下熱、不欲近衣。項痛、目翳鼻及小便皆不利。寒熱。疝。風寒従足小指起、脈痺上下、胸脇痛無常処。

鍼灸重宝記

至陰 足の小指の外側、爪の生際の角をさること一二分。灸三壮、針一二分、留ること五呼。寒瘧汗出ず、心煩、足下熱し、小便利せず、遺精、目いたみ翳を生じ、鼻塞り、頭重く、胸脇いたむを治。

鍼灸醫学全書・経穴学

半身不随、足関節炎、頭痛、鼻腔閉塞、遺精、眼病、鼻カタル、感冒、尿閉、失精、足底の熱感あるもの。


 


主治症からみる経絡経穴 第二版

 

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8.足少陰腎経 (Kidney-Meridian) (27)

2015-10-03 11:25:23 | 主治症からみる経絡経穴 第二版

主治症からみる経絡経穴 第二版


KI1

湧泉 ゆうせん Yongquan

取穴部位

足底、足指屈曲時、足底の最陥凹部。

注:足指屈曲時、足底部で第2・第3指の間のみずかきと踵を結ぶ線上、みずかきから1/3にある。

LOCATION

On the sole o fthe foot, in the deepest depression of the sole when the toes are flexed.

Note: When the toes are flexed, KI1 is located approximately in the depression at the junction of the anterior one third and the posterior two thirds of the line connecting the heel with the web margin between the bases of the second and third toes.

黄帝鍼灸甲乙経

湧泉者、木也。一名地衝。在足心陥者中。屈足捲指宛宛中。足少陰脈之所出也、為井。刺入三分、留三呼、灸三壮。

復元明堂経

主、熱病先腰脛痠、善渇数飲。身清、清則項痛而寒、旦痠。足下熱、不欲言、頭痛、先取湧泉及太陽井榮。熱中、少気、厥寒、灸之熱去。煩心、不嗜食、灸湧泉熱去。欬而短気、善喘、喉痒。身熱痛、脊脇相引。忽々善忘。陰痺、腹脹、腰痛、大便難、肩背頸項痛、時眩。男子如蠱、女子如阻、身体腰脊如解、不欲食。足厥、喘逆、足下清至膝。咽中痛不可内食、痔不能言。小便不利、少腹痛。風入腹中、俠臍急痛。胸脇苦満、衄不止。五指端尽痛、足不践地。婦人無子。

鍼灸重宝記

湧泉 足掌の中、跪坐して足を仰け、指を捲屈て点す。針三分五分、血を出すことなかれ、灸三壮。尸厥、心痛、目明ならず、目眩、五指ことごとく痛むを治。

鍼灸醫学全書・経穴学

心悸亢進、心臓炎、咳嗽、眩暈、黄疸、不妊症、小児急癇、声音嘶嗄、精神病、癲癇、霍乱、賁豚、頭痛腎積。衄血不止。


KI2

然谷 ねんこく Rangu

取穴部位

足内側、舟状骨粗面の下方、赤白肉際。

LOCATION

On the medial aspect of the foot, inferior to the tuberosity of the navicular bone, at the border between the red and white flesh.

黄帝鍼灸甲乙経

然谷者、火也。一名龍淵。在足内踝前、起大骨下陥者中。足少陰脈之所溜也、為滎。刺入三分、留三呼、灸三壮。刺之多見血、使人立飢欲食。

復元明堂経

主、不嗜食。熱病、煩心、足寒清、多汗、先取然谷、後取太谿、大指間動脈、皆先補之。嗌内腫、気走咽喉而不能言。心如懸、少気不足以息、心々恐如人将捕之。胸中寒、脈代時不至。上重下軽、足不能安地、脛痠不能久立。少腹脹、上搶心、胸脇苦満、欬唾有血。心痛如錐刺。寒熱。癲疾。消渇。黄疸、足一寒一熱、舌縦、煩満。喉痺。多涎。洞泄。石水、癃疝、、痿厥。女子不字、陰暴出、経水漏。男子精溢、陰上縮。小児臍風、口不開、善驚。

鍼灸重宝記

然谷 足の内踝の前、大指の本節の後への側ら通りに起骨あり、その骨の下に点す。針三分、留ること三呼、刺て血を出すことなかれ、灸三壮。足痿しびれ、男子精泄やすく、婦人子なく、陰戸出、月水調ず、小児の臍風、口噤を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

扁桃腺炎、咽喉炎、心臓炎、嘔吐、盗汗、睾丸炎、尿道カタル、膀胱炎、遺尿、月経不順、子宮充血、子宮脱失、小児急癇。


KI3

太溪 たいけい Taixi

取穴部位

足関節後内側、内果尖とアキレス腱の間の陥凹部。

LOCATION

On the posteromedial aspect of the ankle, in the depression between the prominence of the medial malleolus and the calcaneal tendon.

黄帝鍼灸甲乙経

太谿者、土也。在足内踝後、跟骨上、動脈陥者中。足少陰脈之所注也、為兪。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、瘧、欬逆、心悶不得臥、嘔甚、熱多寒少。寒厥、足熱。熱病汗不出、黙友嗜臥、溺黄、少腹熱、嗌中腫痛、腹脹、大便難、涎下。心痛如錐刺、甚者手足寒至節、不息者死。消癉、善喘、気走咽喉而不能言、唾血、口中熱、唾如膠。胞中有大疝瘕、積聚与陰相引痛。霍乱、泄注不自知、先取太籍後取太倉之原。厥気上支、胸脇苦満、不得俛仰。欬逆上気、咽喉喝有声。

鍼灸重宝記

大谿 足の内踝の後へ五分、跟骨の上、動脉ある処。針三分、灸三壮。久瘧、心痛、足冷痿、喘息、痰実して口中滑るを。

鍼灸醫学全書・経穴学

脚気、上下肢の麻痺及び厥冷、狭心症、心悸亢進、胃痛、吃逆、嘔吐、便秘、口内炎、咽頭カタル、気管支カタル、肋膜炎、横隔膜痙攣。


KI4

大鍾 だいしょう Dazhong

取穴部位

足内側、内果後下方、踵骨上方、アキレス腱付着部内側前方の陥凹部。

LOCATION

On the medial aspect of the foot, posteroinferior to the medial malleolus, superior to the calcaneus, in the depression anterior to the medial attachment of the calcaneal tendon.

黄帝鍼灸甲乙経

大鍾、在足跟後、衝中。別走太陽、足少陰絡。刺入二分、留七呼、灸三壮(素問、水熱穴論注云、在内踝後。刺腰痛論注云、在足跟後衝中。動脈応手)。

復元明堂経

主、腰脊痛。喘、少気不足以息。腹満、大便難、時上胸中鳴、脹満、善驚。咽中痛不可内食。善怒恐不楽。欬、喉中鳴、唾血。瘧、多寒熱少。実則閉癃、悽々腰脊痛、宛転目循々然、嗜臥、口中熱。虚則腰痛、寒厥、煩心悶。

鍼灸重宝記

大鐘 内踝の後へ跟骨の上廉、跟と踝との中央に点す。灸三壮、針二分、留ること七呼。嘔吐、ぜんそく、りんびゃう、舌こはり、膈噎を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

食道狭窄、咽頭カタル、口内炎、気管支カタル、喘息、便秘、腹痛、膀胱麻痺、ヒステリー、淋疾、子宮痙攣、心悸亢進症、メランコリー。


KI5

水泉 すいせん Shuiquan

取穴部位

足内側、太溪(KI3)の下方1寸、踵骨隆起前方の陥凹部。

LOCATION

On the medial aspect of the foot, 1 B-cun inferior to KI3. in the depression anterior to the calcaneal tuberosity.

黄帝鍼灸甲乙経

照海、陰蹻脈所生。在足内踝下一寸。刺入四分、留六呼、灸三壮。

復元明堂経

主、卒疝、少腹痛。瘈瘲、視昏嗜臥、痙、驚、善悲不楽如堕墜、汗不出、面塵黒、飢不欲食、目痛引皆。風暴不知人、偏枯不能行。大風黙々不知所痛、視如見星、溺黄、少腹熱、咽乾、目中赤痛従内皆始。女子不下月水、婦人淋瀝、陰挺出、四肢淫濼、身悶、陰暴起疝、少腹偏痛。

鍼灸重宝記

昭海 足の内踝の前の下一寸。針三分、灸三壮七壮。おこり、疝気、手足力なく、陰湿りかゆく、月水ととのはざるを治。

鍼灸醫学全書・経穴学

半身不随、腸疝痛、ヒステリー、婦人病、淋疾、陰部の病、不眠症、陰暴跳起、咽喉乾燥、扁桃腺炎。


KI6

照海 しょうかい Zhaohai

取穴部位

足内側、内果尖の下方1寸、内果下方の陥凹部。

注:照海(KI6)に対応する外側の経穴は申脈(BL62)である。

LOCATION

On the medial aspect of the foot, 1 B-cun inferior to the prominence of the medial malleolus, in the depression inferior to the medial malleolus.

Note: The corresponding lateral point to KI6 is BL62.

黄帝鍼灸甲乙経

水泉、足少陰郄。去太谿下一寸、在足内踝下。刺入四分、灸五壮。

復元明堂経

主、月水不来、来而多悶。心下痛。目芒々不可遠視。

鍼灸重宝記

水泉 大谿の下一寸ばかり、内踝の後への下。針四分、灸五壮。目とをく見ること能はず、小便淋瀝、婦人の月水通ぜず、通ずるときは心下悶痛むを治。

鍼灸醫学全書・経穴学

月経閉止、月経減少、膀胱痙攣、心下悶痛、近視眼、子宮下垂、膣脱、子宮出血、淋疾。積聚、肌肉痛。


KI7

復溜 ふくりゅう Fuliu

取穴部位

下腿後内側、アキレス腱の前縁、内果尖の上方2寸。

注:交信(KI8)と同じ高さで、後方にある。

LOCATION

On the posteromedial aspect of the leg, anterior to the calcaneal tendon, 2 B-cun superior to the prominence of the medial malleolus.

Note: At the same level and posterior to KI8.

黄帝鍼灸甲乙経

復溜者、金也。一名伏白、一名昌陽。在足内踝上二寸陥者中。足少陰脈之所行也、為経。刺入三分、留三呼、灸五壮(刺腰痛論注云、在内踝上二寸動脈)。

復元明堂経

主、腰痛引脊内廉。腹厥痛、嗌乾、坐臥目芒々、善怒多言。狂仆、必有所扶持、及大気。涎出、鼻孔中痛。腹中常鳴。瘧、熱少、脛寒不能自温、腹(月+眞)切痛引心、心如懸、舌巻不能言。寒熱、無所安、汗出不休。風逆、四肢腫。陰厥、脚腨後廉急不可前却、足跗上痛、足痿失履不収。血淋、腸澼、便膿血、泄痢、後重、痔、腹痛如癃状。溺青赤白黄黒、青取井、赤取滎、黄取輸、白取経、黒取合

鍼灸重宝記

復溜 内踝の後への通り踝の上二寸。針三分、灸五壮七壮。腸鳴、痢病、鼓腸、胃熱虫を動し、涎を出し、血痔を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

腹水、鼓脹、下肢水腫、腎炎、淋病、膀胱カタル、脊髄炎、腹膜炎、腸疝痛、虚脱、盗汗、下肢麻痺、睾丸炎、腸雷鳴、腰筋痙攣。


KI8

交信 こうしん Jiaoxin

取穴部位

下腿内側、脛骨内縁の後方の陥凹部、内果尖の上方2寸。

注:復溜(KI7)の前方0.5寸にある。

LOCATION

On the medial aspect of the leg, in the depression posterior to the medial border of the tibia, 2 B-cun superior to the prominence of the medial malleolus.

Note: 0.5 B-cun anterior to KI7.

黄帝鍼灸甲乙経

交信、在足内踝上二寸、少陰前、太陰後。筋骨間、陰蹻之郄、刺入四分、留三呼、灸三壮。

復元明堂経

記載なし

鍼灸重宝記

交信 復溜と相並び付る間に筋を隔つ、復溜は後へ、交信は前すこし上めに点す。針四分、灸三壮。疝気、気淋、陰嚢はれ、婦人崩漏、陰挺出るを治。

鍼灸醫学全書・経穴学

便秘、痔疾、水腫、腹水、尿不利、淋疾、月経不調、月経痛、腸カタル、下肢痛、睾丸、腸雷鳴、子宮内膜炎。


KI9

築賓 ちくひん Zhubin

取穴部位

下腿後内側、ヒラメ筋とアキレス腱の間、内果尖の上方5寸。

注1:膝を屈し、抵抗に抗して足を底屈すると、脛骨内側縁にヒラメ筋がより明瞭に現れる。注2:太溪(KI3)と陰谷(KI10)を結ぶ線上で、蠡溝(LR5)と同じ高さにある。

LOCATION

On the posteromedial aspect of the leg, between the soleus muscle and the calcaneal tendon, 5 B-cun superior to the prominence of the medial malleolus.

Note 1: With the knee flexed and the leg stretched (plantar flexion) against resistance, the soleus muscle can be seen more clearly along the medial border of the tibia.

Note 2: At the same level as LR5. on the line connecting KI3 with KI10.

黄帝鍼灸甲乙経

築賓、陰維之郄。在足内踝上、腨分中。刺入三分、灸五壮(刺腰痛論注云、在内踝後)。

復元明堂経

主、大疝、絶子。狂、癲疾、嘔。

鍼灸重宝記

築賓 内踝の上五寸、両筋の間にあり。針三分、灸三壮五壮。疝気、癲かん、足の腨いたむを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

腓腹筋痙攣、癲狂、腺病、ヒステリー、小児疝痛、小児胎毒、舌肥大。


KI10

陰谷 いんこく Yingu

取穴部位

膝後内側、半腱様筋腱の外縁、膝窩横紋上。

LOCATION

On the posteromedial aspect of the knee, just lateral to the semitendinosus tendon, in the popliteal crease.

黄帝鍼灸甲乙経

陰谷者、水也。在膝下内輔骨後。大筋之下、小筋之上。按之応手。屈膝得之。足少陰脈之所入也、為合。刺入四分、灸三壮。

復元明堂経

主、舌縦、涎下、煩悶、狂、癉。脊内廉痛、溺難、陰痿不用。少腹急引陰及脚内廉痛、腹脹満不得息。寒熱、少腹偏腫、婦人漏血。男子如蠱、女子如阻。

鍼灸重宝記

陰谷 膝の折目の外に輔骨と云大骨あり、其下廉大筋の下、小筋の上。針四分、灸三壮。膝いたみ、陰なへ、男は蠱脹の如く、女は妊のごとくなるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

腸疝痛、赤白帯下、子宮内膜炎、陰萎、前立腺炎、陰門瘙痒症、鼓脹、膝関節炎、大腿内側神経痛、膣内炎。


KI11

横骨 おうこつ Henggu

取穴部位

下腹部、臍中央の下方5寸、前正中線の外方0.5寸。

LOCATION

On the lower abdomen, 5 B-cun inferior to the centre of the umbilicus, 0.5 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

横骨、一名下極。在大赫下一寸。衝脈、足少陰之会。刺入一寸、灸五壮。

復元明堂経

主、少腹満、溺難、陰下縦、卵中痛。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

腹水、膀胱カタル、淋病、精系神経痙攣、下腹緊満、腸疝痛、尿閉、失精。


KI12

大赫 だいかく Daheng

取穴部位

下腹部、臍中央の下方4寸、前正中線の外方0.5寸。

LOCATION

On the lower abdomen, 4 B-cun inferior to the centre of the umbilicus, 0.5 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

大赫、一名陰維、一名陰関。在気穴下一寸。衝脈、足少陰之会。刺入一寸、灸五壮。

復元明堂経

主、男子精溢、陰上縮。女子赤淫。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

生殖器疾患に好用さる、陰萎、陰茎痛、遺精、早漏、白帯下、子宮カタル、眼球充血、角膜炎、結膜炎、膣カタル。


KI13

気穴 きけつ Qixue

取穴部位

下腹部、臍中央の下方3寸、前正中線の外方0.5寸。

LOCATION

On the lower abdomen, 3 B-cun inferior to the centre of the umbilicus, 0.5 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

気穴、一名胞門、一名子戸。在四満下一寸。衝脈、足少陰之会。刺入一寸、灸五壮。

復元明堂経

主、腹中痛、月水不通。賁豚、気上下引腰脊痛。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

腸疝痛、月経不調、膀胱麻痺、腰背筋痙攣、月経痛、卵巣炎、子宮病、泌尿生殖器病、腎臓炎。


KI14

四満 しまん Siman

取穴部位

下腹部、臍中央の下方2寸、前正中線の外方0.5寸。

LOCATION

On the lower abdomen, 2 B-cun inferior to the centre of the umbilicus, 0.5 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

四満、一名髓府。在中注下一寸。衝脈、足少陰之会。刺入一寸、灸五壮。

復元明堂経

主、臍下積、疝瘕、胞中有血。腸澼泄切痛。振寒、大腹石水。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

腸カタル、腸疝痛、月経不順、月経痛、不妊症、大腸カタル、子宮痙攣、角膜白翳。


KI15

中注 ちゅうちゅう Zhongzhu

取穴部位

下腹部、臍中央の下方1寸、前正中線の外方0.5寸。

LOCATION

On the lower abdomen,1 B-cun inferior to umbilicus, 0.5 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

中注、在肓〈盲〉兪下五分。衝脈、足少陰之会。刺入一寸、灸五壮(素問水穴論注云、在臍下五分、両旁相去任脈各五分)。

復元明堂経

主、少腹有熱、大便難。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

腸疝痛、便秘、月経不順、子宮周囲炎、結膜炎、角膜炎。


KI16

肓兪 こうゆ Huangshu

取穴部位

上腹部、臍中央の外方0.5寸。

LOCATION

On the upper abdomen, 0.5 B-cun lateral to the centre of the umbilicus.

黄帝鍼灸甲乙経

肓〈盲〉兪、在商曲下一寸。直臍傍五分。衝脈、足少陰之会、刺入一寸、灸五壮。

復元明堂経

主、大腹寒中、大便乾、腹中切痛、心下大堅。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

腸疝痛、黄疸、胃痙攣、胃痛、常習便秘、月経痛、子宮痙攣、睾丸炎、心悸亢進、不妊症、眼球充血、男子無嗣。


KI17

商曲 しょうきょく Shanqu

取穴部位

上腹部、臍中央の上方2寸、前正中線の外方0.5寸。

LOCATION

On the upper abdomen, 2 B-cun superior to the centre of the umbilicus, 0.5 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

商曲、在石関下一寸。衝脈、足少陰之会。刺入一寸、灸五壮。

復元明堂経

主、腹中積聚、時切痛。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

胃痙攣、吃逆、便秘、淋疾、子宮充血、子宮痙攣、唾液分泌過多、腹膜炎、腸疝痛、胆石痛、眼球充血、黄疸、消化不良。


KI18

石関 せきかん Shiguan

取穴部位

上腹部、臍中央の上方3寸、前正中線の外方0.5寸。

LOCATION

On the upper abdomen, 3 B-cun superior to the centre of the umbilicus, 0.5 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

石関、在陰都下一寸。衝脈、足少陰之会。刺入一寸、灸五壮。

復元明堂経

主、痙、脊強、口不可開、多唾。大便難。婦人子臓中有悪血、内逆満痛。

鍼灸重宝記

石関 ゐんとの下一寸。針一寸、灸三壮。嘔吐、しゃくり、腹いたみ、気淋、大小便通ぜず、心下堅満、脊強り、目赤く、女の血塊を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

胃痙攣、吃逆、便秘、淋疾、子宮痙攣、子宮充血、唾液分泌過多、腸疝痛、眼球痛。


KI19

陰都 いんと Yindu

取穴部位

上腹部、臍中央の上方4寸、前正中線の外方0.5寸。

LOCATION

On the upper abdomen, 4 B-cun superior to the centre of the umbilicus, 0.5 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

陰都、一名食宮。在通穀〈谷〉下一寸。衝脈、足少陰之会。刺入一寸、灸五壮。

復元明堂経

主、身寒熱。痎瘧。心満、気逆。

鍼灸重宝記

陰都 通谷の下一寸。針三分、灸三壮。心満、逆気、腹鳴、肺脹、目赤いたむを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

心下部膨満、逆気、肺気腫、嘔吐、喘息、腸雷鳴、黄疸、消化不良、顔面神経麻痺、眼球充血、角膜炎。噦嘔不得息。


KI20

腹通谷 はらつうこく Futonggu

取穴部位

上腹部、臍中央の上方5寸、前正中線の外方0.5寸。

LOCATION

On the upper abdomen, 5 B-cun superior to the centre of the umbilicus, 0.5 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

通穀〈谷〉、在幽門下一寸陥者中。衝脈、足少陰之会。刺入五分、灸五壮(気府論注云、刺入一寸)。

復元明堂経

主、失欠、口僻、喎戻不端。食飲善嘔、不能言。

鍼灸重宝記

通谷 幽門の下一寸、上脘の左右へ五分づつ。針五分、灸三五壮。口喎み不言、心恍、目赤いたみ、痰飲、嘔吐、しやくじゅを治。

鍼灸醫学全書・経穴学

消化不良、嘔吐、胃カタル、肺気腫、喘息、胃拡張、言語渋滞、欠伸、顔面神経麻痺、舌筋麻痺、内眥より始まる眼球充血、胃のアトニー、言語渋滞。


KI21

幽門 ゆうもん Youmen

取穴部位

上腹部、臍中央の上方6寸、前正中線の外方0.5寸。

LOCATION

On the upper abdomen, 6 B-cun superior to the centre of the umbilicus, 0.5 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

幽門、一名上門。在巨闕両傍各五分陥者中。衝脈、足少陰之会。刺入五分、灸五壮(気府論注云、刺入一寸)。

復元明堂経

主、胸脇背相引痛。心下溷々、嘔吐、多唾。飲食不下、善噦、支満。積、不能食、数欬、善忘。泄有膿血、嘔沫吐涎、少腹堅、善唾。女子心疝、逆気、善吐食不下。

鍼灸重宝記

幽門 臍の上六寸、巨闕の左右へ各五分(一曰、一寸五分づつ)づつひらく。針一寸、灸五壮。小腹脹満、涎沫を嘔吐し、いきれもだへ、胸みちいたみ、不食、欬逆、健忘、膿血をくだし、目赤いたむを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

胸痛、胸中膨満、食道狭窄、悪阻、胃痙攣、健忘症、呑酸、嘔吐、気管支カタル、涎沫、肋間神経痛、腹筋リウマチ、亦吐鍼穴として名あり。心下痞、痰咳。


KI22

歩廊 ほろう Bulang

取穴部位

前胸部、第5肋間、前正中線の外方2寸。

LOCATION

In the anterior thoracic region, in the fifth intercostal space, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

歩廊、在神封下一寸六分陥者中。足少陰脈気所発。仰而取之。刺入四分、灸五壮。

復元明堂経

主、胸脇苦満、膈逆不通、呼吸少気、喘息、不得挙臂。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肋間神経痛、肋膜炎、咳嗽、気管支カタル、鼻孔閉塞、嘔吐、食欲不振、乳腺炎、腹筋痙攣、心臓病。


KI23

神封 しんぽう Shenfeng

取穴部位

前胸部、第4肋間、前正中線の外方2寸。

LOCATION

In the anterior thoracic region, in the fourth intercostal space, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

神封、在霊墟下一寸六分陥者中。足少陰脈気所発。仰而取之。刺入四分、灸五壮。

復元明堂経

主、胸満不得息、欬逆。乳癰、酒淅悪寒。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

乳腺炎、肋間神経痛、心臓病、気管支カタル、呼吸困難、狭心症、喘息、鼻腔閉鎖、鼻カタル、気管支痙攣、食道痙攣。


KI24

霊墟 れいきょ Lingxu

取穴部位

前胸部、第3肋間、前正中線の外方2寸。

LOCATION

In the anterior thoracic region, in the third intercostal space, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

霊墟、在神蔵下一寸六分陥者中。足少陰脈気所発。仰而取之。刺入四分、灸五壮。

復元明堂経

主、胸脇苦満、痛引膺不得息、悶乱。嘔吐、煩満、不得食飲。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肋膜炎、気管支炎、肋間神経痛、咳逆、嘔吐、呼吸困難、食道痙攣、鼻カタル。


KI25

神蔵 しんぞう Shencang

取穴部位

前胸部、第2肋間、前正中線の外方2寸。

LOCATION

In the anterior thoracic region, in the second intercostal space, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

神蔵、在中中下一寸六分陥者中。足少陰脈気所発。仰而取之。刺入四分、灸五壮。

復元明堂経

主、胸脇満、欬逆上気、喘不得息。嘔吐、煩満、不得食飲。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肺充血、食欲不振、気管支炎、喘息、肋間神経痛、肋膜炎、吃逆、嘔吐、食道痙攣、呼吸困難。


KI26

中 いくちゅう Yuzhong

取穴部位

前胸部、第1肋間、前正中線の外方2寸。

LOCATION

In the anterior thoracic region, in the first intercostal space, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

中、在輸府下一寸六分陥者中。足少陰脈気所発。仰而取之。刺入四分、灸五壮。

復元明堂経

主、欬逆上気、涎出、多唾。呼吸喘悸、坐不得安。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肺充血、喘息、気管支炎、多涎症、肋間神経痛、肋膜炎、食道狭窄、咳逆、嘔吐、呼吸困難。


KI27

兪府 ゆふ Shufu

取穴部位

前胸部、鎖骨下縁、前正中線の外方2寸。

LOCATION

In the anterior thoracic region, just inferior to the clavicle, 2 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

輸府、巨骨下、去璇璣傍各二寸的陥者中。足少陰脈気所発。仰而取之。刺入四分、灸五壮。

復元明堂経

主、欬逆上気、喘不得息。嘔吐、胸満、不得食飲。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肺充血、咳逆、気管支炎、肺気腫、肋間神経痛、肋膜炎、食道狭窄、呼吸困難、喘息。


 


主治症からみる経絡経穴 第二版

 

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9.手厥陰心包経 (Pericardium-Meridian) (9)

2015-10-03 11:24:55 | 主治症からみる経絡経穴 第二版

主治症からみる経絡経穴 第二版 


PC1

天池 てんちゅう Tianchi

取穴部位

前胸部、第4肋間、前正中線の外方5寸。

LOCATION

In the anterior thoracic region, in the fourth intercostal space, 5 B-cun lateral to the anterior median line.

黄帝鍼灸甲乙経

天池、一名天会。在乳後一寸(気府論注云、二寸)、腋下三寸。著脇、直掖撅肋間。手厥陰、足少陽脈之会(一作、手心[主]、足少陽脈之会)。刺入七分、灸三壮(気府論注云、刺入三分)。

復元明堂経

主、寒熱、胸満。頸瘻、四肢不挙、腋下腫。上気、胸中有声、喉中鳴。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

心臓外膜炎、腋窩腫、脳充血、上気寒熱疾瘧、喘息、四肢不挙、気管支カタル、胸筋リウマチ。


PC2

天泉 てんせん Tianquan

取穴部位

上腕前面、上腕二頭筋長頭と短頭の間、腋窩横紋前端の下方2寸。

LOCATION

On the anterior aspect of the arm, between the long head and short head of the biceps brachii muscle, 2 B-cun distal to the anterior axillary fold.

黄帝鍼灸甲乙経

天泉、一名天温。在曲腋下、去臂二寸。挙臂取之。刺入六分、灸三壮。

復元明堂経

主、足不収痛、不可以行。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

胸筋及背筋リウマチ、心内膜炎、心悸亢進、肋間神経痛、吃逆、上腕部疼痛。


PC3

曲沢 きょくたく Quze

取穴部位

肘前面、肘窩横紋上、上腕二頭筋腱内方の陥凹部。

注:肘を45度屈曲したとき、上腕二頭筋腱の内方にある。

LOCATION

On the anterior aspect of the elbow, at the cubital crease, in the depression medial to the biceps brachii tendon.

Note: When the elbow is flexed at 45 degrees, PC3 is located medial to the biceps brachii tendon.

黄帝鍼灸甲乙経

曲沢者、水也。在肘内廉下陥者中。屈肘得之。手心主脈之所入也、為合。[刺入三分]留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、心痛、卒欬逆。心下澹々然、喜驚。傷寒温病、身熱、煩心、口乾。手清、逆気、嘔唾。肘瘈、善揺頭、顔青、汗出不過肩。

鍼灸重宝記

曲沢 肘の内の横文の中にあり、曲池へは遠く少海へはちかし、動脉の処也。灸三壮、針三分、留ること七呼。心痛、身熱し、煩れ、かはき、嘔血、かざぼろせ、肘腕揺、傷寒、逆気、嘔吐し、頭を揺すを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

逆上、口乾、感冒、上肢筋痙攣、心臓内膜炎、気管支カタル、肺結核、諸熱性病、肘、肩甲関節炎及神経痛、嘔吐、悪阻、肋間神経痛。腹脹、喘、振慓。


PC4

郄門 げきもん Ximen

取穴部位

前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方5寸。

注:こぶしを作り、手関節を回外して肘関節を軽く屈曲すると長掌筋腱と橈側手根屈筋腱がより明瞭に現れる。曲沢(PC3)と大陵(PC7)を結ぶ線の中点の下方1寸にある。注2:長掌筋腱が不明瞭な場合は、橈側手根屈筋腱の内側に取る。

LOCATION

On the anterior aspect of the forearm, between the tendons of the palmaris longus and the flexor carpi radialis, 5 B-cun proximal to the palmar wrist crease.

Note 1: With the fist clenched,the wrist supinated, and the elbow slightly flexed, the two tendons become more prominent. PC4 is located 1 B-cun distal to the midpoint of the line connecting PC3 with PC7.

Note 2: If the palmaris longus tendon is not present, PC4 is medial to the flexor carpi radialis tendon.

黄帝鍼灸甲乙経

郄門、手心主郄。去腕五寸。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

主、心痛。衄、噦、嘔血。驚恐畏人、神気不足。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

嘔血、肋間神経痛、心臓炎、ヒステリー、衄血、憂鬱証、喀血、神気不足。


PC5

間使 かんし Jianshi

取穴部位

前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方3寸。

注:こぶしを作り、手関節を回外して肘関節を軽く屈曲すると長掌筋腱と橈側手根屈筋腱がより明瞭に現れる。大陵(PC7)の上方3寸にある。注2:長掌筋腱が不明瞭な場合は、橈側手根屈筋腱の内側に取る。

LOCATION

On the anterior aspect of the forearm, between the tendons of the palmaris longus and the flexor carpi radialis, 3 B-cun proximal to the palmar wrist crease.

Note 1: With the fist clenched, the wrist supinated and the elbow slightly flexed, the two tendons become more prominent. PC5 is located 3 B-cun proximal to PC7.

Note 2: If the palmaris longus tendon is not present, PC5 is medial to the flexor carpi radialis tendon.

黄帝鍼灸甲乙経

間使者、金也。在掌後三寸、両筋間陥者中。手心主脈之所行也、為経。刺入六分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、厥逆、心懸如飢状、善悲而驚、狂、面赤、目黄、瘖不能言。熱病、煩心、善噦、胸中澹々、喜動而熱。卒心中痛、瘈瘲互相引肘内廉痛、心熬々然。頭身風熱、喜嘔沫。寒中、少気、掌中熱、肘急、腋腫。胸痺引背、振寒。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

咽頭痙攣、手掌過熱、心臓内膜炎、狭心症、胃カタル、中風、ヒステリー、夜泣き、小児搐搦、癲癇、月経不順、心悸亢進、子宮内膜炎、脇肋痛。


PC6

内関 ないかん Neiguan

取穴部位

前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方2寸。

注:こぶしを作り、手関節を回外して肘関節を軽く屈曲すると長掌筋腱と橈側手根屈筋腱がより明瞭に現れる。大陵(PC7)の上方2寸。内関(PC6)に対応する後側の経穴は外関(TE5)である。注2:長掌筋腱が不明瞭な場合は、橈側手根屈筋腱の内側に取る。

LOCATION

On the anterior aspect of the forearm, between the tendons of the palmaris longus and the flexor carpi radialis, 2 B-cun proximal to the palmar wrist crease.

Note 1: With the fist clenched, the wrist supinated and the elbow slightly flexed, the two tendons become more prominent. PC6 is located 2 B-cun proximal to PC7. The posterial point corresponding to PC6 is TE5.

Note 2: If the palmaris longus tendon is not present, PC6 is medial to the flexor carpi radialis tendon.

黄帝鍼灸甲乙経

内関、手心主絡。在掌後、去腕二寸。別走少陽。刺入二分、灸五壮。

復元明堂経

主、面赤皮熱。熱病汗不出、心澹々喜驚恐、心悲。中風熱、目赤黄、肘攣、腋睡。実則心暴痛。虚則煩心、心々不能動、矢智。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

上肢麻痺、心臓疾患、半身不随、失神、黄疸、上肢神経痛、結膜炎。手中風熱、臂裏攣急。


PC7

大陵 だいりょう Daling

取穴部位

前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋上。

注:こぶしを作り、手関節を軽く掌屈すると長掌筋腱と橈側手根屈筋腱がより明瞭に現れる。手関節掌側横紋の中点で長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、豆状骨近位端の神門(HT7)と同じ高さにある。

LOCATION

On the anterior aspect of the wrist, between the tendons of palmaris longus and the flexor carpi radialis, on the palmar wrist crease.

Note: With the fist clenched, the wrist slightly flexed, the two tendons become more prominent. PC7 is located at the midpoint of the palmar wrist crease, between the tendons of palmaris longus and the flexor carpi radialis, at the same level as HT7, at the proximal extremity of the pisiform bone.

黄帝鍼灸甲乙経

大陵者、土也。在掌後、両筋間陥者中。手心主脈之所注也、為兪。刺入六分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、熱病、煩心而汗不出。肘攣、腋腫、喜笑不休。心中痛、目赤黄、小便如血、欲嘔。胸中熱、狂言、不楽太息。喉痺、嗌乾、喘逆。身熱如火、頭痛如破、短気、胸痛。心痛、喜悲、厥逆、懸心如飢状、心下澹々而善驚。両手攣不伸及腋。偏枯不仁。手瘈偏小、筋急。欬血。瘃癢。耳鳴。

鍼灸重宝記

大陵 掌の後へ腕の横文の中、両筋の間にあり。灸三壮、針五分六分、留ること七呼。熱病汗出ず、掌熱し、肘攣痛み、脇腫、心煩れ、心痛、目赤く、小便赤、嘔啘、こうひ、口乾き、身熱し、づつう、気みぢかく、胸脇いたみ、疥癬を治す。心包絡の実はこれを瀉すべし。

鍼灸醫学全書・経穴学

癲狂、ヒステリー、咽頭カタル、扁桃腺炎、頭瘡、上肢湿疹、心臓疾患、疥癬、肋間神経痛、腋窩腺炎、頭痛、急性胃カタル、発熱。 


PC8

労宮 ろうきゅう Laogong

取穴部位

手掌、第2・第3中手骨間、中手指節関節の近位陥凹部。

別説: 手掌、第3・第4中手骨間、中手指節関節の近位陥凹部。

LOCATION

On the palm of the hand, in the depression between the second and third metacarpal bones, proximal to the metacarpophalangeal joints.

Remarks: Alternative location for PC8 - On the palm of the hand, in the depression, between the third and fourth metacarpal bones, proximal to the metacarpophalangeal joints.

黄帝鍼灸甲乙経

労宮者、火也。一名五里。在掌中央動脈中。手心主脈之所溜也、為滎。刺入三分、留六呼、灸三壮。

復元明堂経

主、熱病、煩心、欬。寒熱、苦渇、口中爛、大人小児口中腫、腥臭。熱病、発熱、煩満而欲嘔噦、三日以往不得汗、怵、胸脇痛不可反側、欬満、溺赤、大便血、蛆不止、嘔吐血。気逆、慮不止、嗌中痛食不下、掌中熱。風熱、善怒、心中喜悲思慕歔欷、喜笑不止。善噦、少腹積聚、胸脇苦満、黄疸、目黄。熱痔。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

手掌熱感、口内臭気、中風、歯齦炎、黄疸、衄血、小児疳虫、書痙、嚥下困難、吃逆、下血、胃部停滞。


PC9

中衝 ちゅうしょう Zhongchong

取穴部位

中指、中指先端中央。

別説: 中指、末節骨橈側、爪甲角から近位外方0.1寸(指寸)、爪甲橈側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。

LOCATION

On the middle finger, at the centre of the tip of the middle finger.

Remarks: Alternative location for PC9 - On the middle finger, 0.1 F-cun proximal to the radial corner of the middle fingernail, at the intersection of the vertical line of the radial side of the nail and the horizontal line of the base of the fingernail.

黄帝鍼灸甲乙経

中衝者、木也。在手中指之端、去爪甲如韭葉陥者中。手心主脈之所出也、為井。刺入一分、留三呼、灸一壮。

復元明堂経

主、熱病、煩心、心悶而汗不出。掌中熱、心痛。身熱如火、浸淫、煩満、舌本痛。

鍼灸重宝記

中衝 手中指の内側ら、爪の生際を去こと一分陥の中。針一分、留ること三呼、灸一壮。熱病、いきれもだへ、汗出ず、掌の中熱し、身火の如く、心痛、舌強るを治す。心包絡の虚はこれを補す。

鍼灸醫学全書・経穴学

手掌熱感、手指関節炎、上衝、心臓疾患、夜驚症、心痛、小児疳虫、脳充血、煩満舌強。


 


主治症からみる経絡経穴 第二版

 

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10.手少陽三焦経 (Triple Energizer-Meridian) (23)

2015-10-03 11:24:01 | 主治症からみる経絡経穴 第二版

主治症からみる経絡経穴 第二版


TE1

関衝 かんしょう Guanchong

取穴部位

薬指、末節骨尺側、爪甲角から近位内方0.1寸(指寸)、爪甲尺側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点。

LOCATION

On the ring finger, ulnar to the distal phalanx, 0.1 F-cun proximal to the ulnar corner of the fingernail, at the intersection of the vertical line of the ulnar side of the nail and the horizontal line of the base of the fingernail.

黄帝鍼灸甲乙経

関衝者、金也。在手小指次指之端、去爪甲角如韭葉。手少陽脈之所出也、為井。刺入一分、留三呼、灸三壮。

復元明堂経

主、喉痺、舌巻、口乾、煩心、臂表痛不可及頭。熱病汗不出。肘痛不能自帯衣。頭眩、頷痛、面黒、渇。風、肩背痛不可顧。寒熱、霍乱、耳聾鳴。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

咽頭カタル、食道痙攣、ヒステリー、小児急癇、霍乱、乾嘔、扁桃腺炎、頭痛、角膜白翳、前腕神経痛、殊に五指の痛みを治す。


TE2

液門 えきもん Yemen

取穴部位

手背、薬指と小指の間、みずかきの近位陥凹部、赤白肉際。

LOCATION

On the dorsum of the hand, in the depression superior to the web margin between the ring and little fingers, at the border between the red and white flesh.

黄帝鍼灸甲乙経

腋門者、水也。在小指次指間陥者中。手少陽脈之所溜也、為滎。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

主、熱病汗不出。風寒熱、狂仆。瘧、頭痛、目渋、暴逆耳聾鳴、眩。寒厥、手臂痛、善驚、妄言、面赤、泣出。下歯齲則上歯痛。

鍼灸重宝記

液門 手小指と無名指との間、無名指の本節の前にあり、拳を握りてとる。針二分、留ること二呼、灸三壮。瘧り、むなさはぎ、咽腫、手肘いたみ、頭つう、目赤く渋り、耳きこへず、齦いたむを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

上腕及前腕前痙攣麻痺及神経痛、半身不随、齲歯、心悸亢進症、痎瘧、癲狂症、頭痛、耳聾、歯齦炎、角膜翳、腕関節炎。


TE3

中渚 ちゅうしょ Zhongzhu

取穴部位

手背、第4・第5中手骨間、第4中手指節関節近位の陥凹部。

LOCATION

On the dorsum of the hand, between the fourth and fifth metacarpal bones, in the depression proximal to the fourth metacarpophalangeal joint.

黄帝鍼灸甲乙経

中渚者、木也。在手小指次指本節後陥者中。手少陽脈之所注也、為兪。刺入二分、留三呼、灸三壮。

復元明堂経

主、熱病汗不出。狂互引、頭痛、耳鳴、目痛。寒熱、頭眩、耳聾、両顳顬痛、頷額顱痛、喉痺。瘧、面赤、目芒々不明。嗌外腫、肘臂痛、五指瘈不可屈伸。

鍼灸重宝記

中渚 手小指と無名指との間、無名指の本節の後へ陥みの中、すなわち液門のしりヘ一寸ほどにあり。灸二三壮、針二分留ること三呼。熱病汗出ず、目まひ、頭つう、咽はれ、耳きこへず、目膜を生し、久瘧、肘手指いたみ屈伸ならざるを治す。三焦の虚これを補すべし。

鍼灸醫学全書・経穴学

咽喉カタル、上肢筋リウマチ、上肢神経痛、関節炎、又頭痛、眩暈、耳鳴、耳聾。


TE4

陽池 ようち Yangchi

取穴部位

手関節後面、[総]指伸筋腱の尺側陥凹部、手関節背側横紋上。

注1:第4・第5中手骨間隙を擦上すると、触れることができる。陽溪(LI15)、陽谷(SI5)と同じ高さにある。注2:抵抗に抗して手関節を伸展すると、[総]指伸筋腱はより触れやすい。

LOCATION

On the posterior aspect of the wrist, in the depression ulnar to the extensor digitorum tendon, on the dorsal wrist crease.

Note 1: TE4 can be palpated when moving proximally along the gap between the fifth and fourth metacarpal bones, at the same level as LI5 and SI5.

Note 2: When the wrist is extended against resistance, the extensor digitorum tendon can be palpated more easily.

黄帝鍼灸甲乙経

陽池、一名別陽。在手表上、腕上陥者中。手少陽脈之所過也、為原。刺入二分、留三呼、灸五壮(銅人経云、不可灸)。

復元明堂経

主、寒熱。痎瘧。肩痛不能自挙、汗不出、頸痛

鍼灸重宝記

陽池 小指と無名指との間を筋骨にしたがひ推上せば、腕にて指の止る処、腕の中にあり。針二分、留こと六呼、禁灸。消渇、口乾き、おこり、肩ひぢいたみ、折傷を治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

間歇熱、上肢関節炎、感冒、リウマチ、前腕諸筋痙攣及麻痺、糖尿病、子宮後屈、子宮前屈。


TE5

外関 がいかん Waiguan

取穴部位

前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方2寸。

注:陽池(TE4)の上方2寸で橈骨と尺骨の間の陥凹部にある。外関(TE5)に対応する前側の経穴は内関(PC6)である。

LOCATION

On the posterior aspect of the forearm, midpoint of the interosseous space between the radius and the ulna, 2 B-cun proximal to the dorsal wrist crease.

Note: 2 B-cun proximal to TE4. in the depression between the radius and the ulna. The anterior point corresponding to TE5 is PC6.

黄帝鍼灸甲乙経

外関、手少陽絡。在腕後二寸陥者中。別走心主。刺入三分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、肘中濯々、臂内廉痛不可及頭。耳渾々淳々聾無所聞。口僻噤。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

上肢神経麻痺、肘関節神経痛、難聴、半身不随、書痙、前腕神経痛、聴覚脱失、上肢関節炎、歯痛、眼病。肩重、臂痛。


TE6

支溝 しこう Zhigou

取穴部位

前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方3寸。

注:外関(TE5)の上方1寸で橈骨と尺骨の間、会宗(TE7)と同じ高さにある。

LOCATION

On the posterior aspect of the forearm, midpoint of the interosseous space between the radius and the ulna, 3 B-cun proximal to the dorsal wrist crease.

Note: 1 B-cun proximal to TE5, between the radius and the ulna, at the same level as TE7.

黄帝鍼灸甲乙経

支溝者、火也。在腕後三寸、両骨之間陥者中。手少陽脈之所行也、為経。刺入二分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、熱病汗不出、互引頸、嗌外腫、肩臂痠重、脇腋急痛、四肢不挙、痂疥、項強不可顧、目痛。霍乱、心痛、苦満、逆気、汗出、口噤不開。馬刀腫瘻、欬、面赤、熱。暴瘖不能言。脊急、目赤。

鍼灸重宝記

支溝 直に陽池の上三寸、両骨の間、陥みの中。灸三壮五壮十四壮、針二分三分、留ること七呼。熱病汗出ず、かたひぢ痺おもく、脇いたみ、手足挙らず、霍乱、嘔吐、口噤て開かず、心悶へ、心痛、傷寒、疥癬、妊婦脉通ぜず、産後血暈を治。

鍼灸醫学全書・経穴学

常習便秘、霍乱、不妊症、血暈、嘔吐、悪寒発熱、局発痙攣、肋膜炎、心臓炎、肺尖カタル、上腕神経痛、肋間神経痛。


TE7

会宗 えそう Huizong

取穴部位

前腕後面、尺骨の橈側縁、手関節背側横紋の上方3寸。

注:支溝(TE6)の尺側にある。

LOCATION

On the posterior aspect of the forearm, just radial to the ulna, 3 B-cun proximal to the dorsal wrist crease.

Note: TE7 is ulnar to TE6.

黄帝鍼灸甲乙経

会宗二穴、手少陽郄。在腕後三寸空中。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

上空主皮毛。中空主肌肉痛。下空主耳聾、羊癇。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

胸筋リウマチ、五癇(癇虫なり)、上腕、前腕神経痛及痙攣、舞踏病、萎縮、難聴、皮膚痛、筋萎縮症。


TE8

三陽絡 さんようらく Sanyangluo

取穴部位

前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方4寸。

注:陽池(TE4)と肘頭を結ぶ線上で陽池から1/3にある。

LOCATION

On the posterior aspect of the forearm, midpoint of the interosseous space between the radius and the ulna, 4 B-cun proximal to the dorsal wrist crease.

Note: At the junction of the upper two thirds and lower one third of the line connecting TE4 with the tip ofthe elbow.

黄帝鍼灸甲乙経

三陽絡、在臂上大交脈。支溝上一寸。不可刺、灸五壮。

復元明堂経

主、嗜臥、身体不能動揺、大温。内傷不足。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

舌筋麻痺、中風、寄生虫、耳聾、暴瘖、上腕、前腕神経痛及痙攣萎縮、下肢神経痛、歯痛。


TE9

四瀆 しとく Sidu

取穴部位

前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、肘頭の下方5寸。

LOCATION

On the posterior aspect of the forearm, midpoint of the interosseous space between the radius and the ulna, 5 B-cun distal to the prominence of the olecranon.

黄帝鍼灸甲乙経

四瀆、在肘前五寸外廉陥者中。刺入六分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、卒気聾。歯痛。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

重聴、舌筋、麻痺、咽喉カタル、腎臓炎、上腕、前腕神経痛及痙攣萎縮、下歯痛。


TE10

天井 てんせい Tianjing

取穴部位

肘後面、肘頭の上方1寸、陥凹部。

注:肘を屈曲したとき、肘頭窩にある。

LOCATION

On the posterior aspect of the elbow, in the depression 1 B-cun proximal to the prominence of the olecranon.

Note: When the elbow is flexed, TE10 is located in the olecranon fossa.

黄帝鍼灸甲乙経

天井者、土也。在肘外大骨之後、両筋間陥者中。屈肘得之。手少陽脈之所入也、為合。刺入一分、留七呼、灸三壮。

復元明堂経

主、肘痛引肩、不可屈伸。振寒、頸項肩背痛、臂痿痺不仁。胸痺、心痛、肩肉麻木。大風、黙々不知所痛、嗜臥、善驚、瘈瘲。瘧食時発、心痛、悲傷不楽。癲疾、吐舌、沫出、羊鳴、戻頸。

鍼灸重宝記

天井 肘しりの尖骨の后一寸、両筋の間、肘のつがひ陥みの中。針三分あるいは一寸、留ること七呼、灸三壮五壮。心痛、咳嗽、上気、唾に膿血まじり、不食、寒熱、臥ことならず、驚悸、てんかん、中風、耳きこへず、喉痺、目じり痛み、頬はれ、耳後・肘いたみ、うちみ、腰臗・項頚いたみ、大風痛む処を知ず、心わろく、脚気を治。

鍼灸醫学全書・経穴学

小児搐搦、打撲、頚部及顔面蜂窩織炎、腰神経痛、上肢振顫、気管支炎、脚気、咳嗽、扁桃腺炎、咽喉カタル、癲狂病、耳聾、憂鬱証、心悸亢進、頸項神経痛。


TE11

清冷淵 せいれいえん Qinglengyuan

取穴部位

上腕後面、肘頭と肩峰角を結ぶ線上、肘頭の上方2寸。

注:肘を伸ばし、肘頭の上方2寸にある。

LOCATION

On the posterior aspect of the arm, on the line connecting the prominence of the olecranon with the acromial angle, 2 B-cun proximal to the prominence of the olecranon.

Note: With the elbow extended, 2 B-cun superior to the prominence of the olecranon.

黄帝鍼灸甲乙経

清冷淵、在肘上一寸(一本作二寸)、伸肘挙臂取之。刺入三分、灸三壮。

復元明堂経

主、肩不挙不得帯衣。頭痛、振寒。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

上肢不挙、頭痛、脇痛、脚気、肩甲部、前腕の痙攣又は麻痺。


TE12

消濼 しょうれき Xiaoluo

取穴部位

上腕後面、肘頭と肩峰角を結ぶ線上、肘頭の上方5寸。

LOCATION

On the posterior aspect of the arm, on the line connecting the prominence of the olecranon with the acromial angle, 5 B-cun proximal to the prominence of the olecranon.

黄帝鍼灸甲乙経

消濼、在肩下臂外。開腋、斜肘分下(疒+数)〉(一本無(疒+数)字)。刺入六分、灸三壮(気府論注云、手少陽脈之会)。

復元明堂経

主、寒熱、痺、頭痛、項背急。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

上腕神経痛、癲癇、頭痛、頚項部の強直及麻痺、結合組織炎、肩甲部諸筋痙攣、関節リウマチ。


TE13

臑会 じゅえ Naohui

取穴部位

上腕後面、三角筋の後下縁、肩峰角の下方3寸。

LOCATION

On the posterior aspect of the arm, posteroinferior to the border of the deltoid muscle, 3 B-cun inferior to the acromial angle.

黄帝鍼灸甲乙経

臑会、一名臑窌。在臂前廉、去肩頭三寸。手陽明之絡。刺入五分、灸五壮(気府論注云、手陽明、手少陽結脈之会)。

復元明堂経

主、肘節痺、 臂痠重、腋急痛、肘難屈伸。瘤癭気咽腫、腠理気。

鍼灸重宝記

臑会 肩の前の廉、肩の頭を下ること三寸、天井を目的にとる。灸五壮七壮、針五分七分、留ること三呼。肘痛しびれ力なく、癭瘤をつかさとる。

鍼灸醫学全書・経穴学

肩甲筋甲萎縮、肩甲部諸筋痙攣、麻痺、肩癖、前腕諸筋痙攣及麻痺、頚項部の腫物。


TE14

肩髎 けんりょう Jianliao

取穴部位

肩上部、肩峰角と上腕骨大結節の間の陥凹部。

注:肘を曲げ、上腕を外転したときに、肩峰の前後に2つの陥凹部が現れる。肩髃(LI15)は前の陥凹部にあり、後ろの陥凹より深い。後ろの陥凹部に肩髎(TE14)がる。

LOCATION

On the shoulder girdle, in the depression between the acromial angle and the greater tubercle of the humerus.

Note: When the elbow is flexed and the arm is abducted, two depressions appear respectively anterior and posterior to the acromion. LI15 is located in the anterior one,  deeper than the posterior one, in which TE14 is located.

黄帝鍼灸甲乙経

肩窌、在肩端臑上。斜挙臂取之。刺入七分、灸三壮(気府論注云、手少陽脈気所発)。

復元明堂経

主、肩重不挙、臂痛。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

肋膜炎、半身不随、頚項部神経痙攣、上肢神経痙攣、肩の凝り、肩甲筋リウマチ。


TE15

天髎 てんりょう Tianliao

取穴部位

肩甲部、肩甲骨上角の上方陥凹部。

注:上肢を下垂したとき、肩井(GB21)と曲垣(SI13)の中央にある。

LOCATION

In the scapular region, in the depression superior to the superior angle of the scapula.

Note: With the upper limb hanging by the side of trunk in a seated position, TE15 is located midway between GB21 and SI13.

黄帝鍼灸甲乙経

天窌、在肩缺盆中[上]、骨之間陥者中。手少陽、陽維之会。刺入八分、灸三壮。

復元明堂経

主、肩痛引項。寒熱、缺盆中痛。汗不出、胸中熱満。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

頚項部の神経痛、痙攣、肩甲神経痛、肩癖、上肢神経痛、胸煩悶。


TE16

天牖 てんゆう Tianyou

取穴部位

前頸部、下顎角と同じ高さ、胸鎖乳突筋後方の陥凹部。

LOCATION

In the anterior region of the neck, at the same level as the angle of the mandible, in the depression posterior to the sternocleidomastoid muscle.

黄帝鍼灸甲乙経

天牖、在頚筋間、缺盆上。天容後、天柱前。完骨下〈後〉、髪際上。手少陽脈気所発。刺入一分、灸三壮。

復元明堂経

主、肩背痛。寒熱、歴適、頸有大気、暴聾、目不明、耳不聡。頭頷痛、涙出、洞鼻不知香臭。風眩頭痛、喉痺、頸腫不可俛仰、頰腫引耳後。

鍼灸重宝記

天牖 風池の後へ、項の竪の髪のはへぎわ、瘂門の両傍。針灸ともに禁。

鍼灸醫学全書・経穴学

胸鎖乳突筋及頭板状筋痙攣、咽喉カタル、耳鳴、耳聾、眼球充血、角膜翳、顔面浮腫。


TE17

翳風 えいふう Yifeng

取穴部位

前頸部、耳垂後方、乳様突起下端前方の陥凹部。

LOCATION

In the anterior region of the neck, posterior to the ear lobe, in the depression anterior to the inferior end of the mastoid process.

黄帝鍼灸甲乙経

翳風、在耳後陥者中。按之引耳中。手足少陽之会。刺入四分、灸三壮。

復元明堂経

主、聾、口僻不正、失欠、口噤不開。痙、瘖不能言、下牙歯痛。

鍼灸重宝記

翳風 耳の尖の後への下角、陥みの中を推ば耳の中へ応へいたむ処。灸三壮より七壮にいたる、針三分七分。耳聾、耳鳴、口眼ゆがみ、頰はるるを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

外耳道炎、中耳炎、耳軟骨膜炎、耳下腺炎、耳鳴、耳聾、歯神経痛、顔面神経麻痺、笑筋麻痺、言語不能。口噤不開引鼻中又云治歯齲。


TE18

瘈脈 けいみゃく Chimai

取穴部位

頭部、乳様突起の中央、翳風(TE17)と角孫(TE20)を結ぶ(耳の輪郭に沿った)曲線上、翳風(TE17)から1/3。

LOCATION

On the head, at the centre of the mastoid process, at the junction of the upper two thirds and lower one third of the curved line from TE17 to TE20.

黄帝鍼灸甲乙経

瘈脈、一名資脈。在耳本後、鷄足青絡脈。刺出血、如豆汁。刺入一分、灸三壮。

復元明堂経

主、風頭耳後痛。小児驚癇、瘈瘲、嘔吐、泄注、驚恐。失精、視瞻不明、眵蔑。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

頭痛、耳鳴、脳充血、下痢、小児驚癇、嘔吐、目睛不明。


TE19

顱息 ろそく Luxi

取穴部位

頭部、翳風(TE17)と角孫(TE20)を結ぶ(耳の輪郭に沿った)曲線上で、翳風(TE17)から2/3。

LOCATION

On the head, at the junction of the upper one third and lower two thirds of the curved line from TE17 to TE20.

黄帝鍼灸甲乙経

顱息、在耳後間、青絡脈。足少陽脈気所発。刺入一分。出血多則殺人。灸三壮。

復元明堂経

主、身熱、頭痛、胸脇痛不可反側。耳鳴。小児驚癇、喘不得息。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

気管支炎、頭痛、耳鳴、喘息、嘔吐、癲癇、脳膜炎、脳充血、小児嘔吐。


TE20

角孫 かくそん Jiaosun

取穴部位

頭部、耳尖の当たるところ。

注:耳を前方に折り曲げて、耳尖が頭に触れるところ。

LOCATION

On the head, just superior to the auricular apex.

Note: With the auricle folded forward and pressed against the head, the point is located where the auricular apex touches the head.

黄帝鍼灸甲乙経

角孫、在耳廓中間。開口有孔。手足少陽、手陽明之会。刺入三分、灸三壮(気府論注云、在耳上廓表之間、髪際之下、手太陽、手足少陽三脈之会)。

復元明堂経

主、歯牙不可嚼、齗腫。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

耳、歯の病、角膜白翳、歯齦炎、齲歯、口内炎、唇吻強直、咀嚼困難、嘔吐、頭項強直。


TE21

耳門 じもん Ermen

取穴部位

顔面部、耳珠上の切痕と下顎骨の関節突起の間、陥凹部。

注:軽く口を開けて耳珠上の切痕の前にできる陥凹部で、聴宮(SI19)の直上にある。

LOCATION

On the face, in the depression between the supratragic notch and the condylar process of the mandible.

Note: When the mouth is slightly opened, TE21is located in the depression anterior to the supratragic notch, directly superior to SI19.

黄帝鍼灸甲乙経

耳門、在耳前起肉、当耳缺者。刺入三分、留三呼、灸三壮、足陽明脈気所発。

復元明堂経

主、耳痛鳴聾、頭頷痛、上歯齲痛。

鍼灸重宝記

耳門 耳の前、珠子の上、起る肉の鈌たる処、陥の中。針三分、禁灸。耳鳴、聤耳、耳瘡、歯齲、唇吻ゆがむを治す。

鍼灸醫学全書・経穴学

口輪筋痙攣、耳漏、耳鳴、齲歯、外耳道炎、上歯神経痛、牙関緊急、顔面神経麻痺。唇吻強、上歯痛。


TE22

和髎 わりょう Erheliao

取穴部位

頭部、鬢髮(もみあげ)の後方、耳介の付け根の前方、浅側頭動脈の後方。

LOCATION

On the head, posterior to the temple hairline, anterior to the auricular root, posterior to the superficial temporal artery.

黄帝鍼灸甲乙経

和窌、在耳前兌髪下横動脈。手足少陽、手太陽之会。刺入三分、灸三壮(気府論注云、手足少陽二脈之会)。

復元明堂経

主、頭重。頷痛、引耳中憹々嘈々。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

牙関緊急、頭痛、頭重、耳鳴、顔面神経痙攣及麻痺、鼻カタル、鼻茸。


TE23

絲竹空 しちくくう Sizhukong

取穴部位

頭部、眉毛外端の陥凹部。

注:瞳子髎(GB1)の直上にある。

LOCATION

On the head, in the depression at the lateral end of the eyebrow.

Note: TE23 is superior to GB1.

黄帝鍼灸甲乙経

絲竹空、一名目窌。在眉後陥者中、足少陽脈気所発。刺入三分、留三呼、不宜灸、灸之不幸、令人目小及盲(気府論注云、手少陽。又云、留六呼)。

復元明堂経

主、風眩頭痛、目中赤芒々。癲疾、痙、反目。狂、煩満。小児臍風、目上挿、僧風寒。

鍼灸重宝記

記載なし

鍼灸醫学全書・経穴学

角膜炎、結膜炎、眼球充血、頭痛、眩暈、倒睫毛、発狂、顔面神経麻痺、小児搐搦。


 


主治症からみる経絡経穴 第二版

 

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