ロサンゼルスで、着物暮らし

太陽燦燦のロサンゼルス近郊で接する和なあれこれ。
LAに帰って来ました。肌寒い日が続いています。

一年前の結婚披露宴

2006年06月26日 | あわせ
下鴨神社で挙式し披露の小宴を催したちょうど一年前は、ありがたいことに空は晴れ渡り、そして温度計の目盛が体温に迫る34℃という暑い暑い日でした。重要文化財 葵殿での挙式の後に、これも重要文化財 供御所での披露宴では皆さまに祝福された本当に佳い日、良い思い出です。
白無垢は袷で、身の丈に合わせて小さめの鶴が飛んでいる地紋のものを選びました。花嫁衣裳に単衣はないのかもしれませんね。綿帽子だけは季節柄を考えて見た目だけでも涼しく、と紗のような生地にこれも鶴。少し透き通っていますでしょう。お色直しは、下鴨神社にぴったりのものでっせ、と貸衣装屋さんが握りこぶしを作った色打掛。思いのほか衣装も鬘も目方がありましたが、最後は脱ぎたくない~、もうちょっと~、と一生着ていたい気持ちでした。夫の紋付羽織姿もなかなかのもので、本当に良い記念になりました。

会場も会場だけにお着物が多く、参列いただいた方々をご覧になった夫の親戚から、今日びなかなかここまでのお着物振りをみることはありません、さすが京都ですね、というお言葉をいただくほどでした。新婦側の主賓をお願いしたお茶とお華の師匠は単衣の色留袖、さくら子ちゃん姉妹も揃って単衣の付下色無地で格調高く、それからkanaちゃんもEgちゃんも、とお着物率の高いこと。先日の一時帰国の折にこれも参列くださったIさんと話していましたら、何とこの披露宴のために単衣の訪問着を誂えてくださったのだとか。丹後のいいとこの出でいらっしゃいますから、もちろん既にお持ちのところ、それは若いのをこれから着られるものを作られたと聞いて、さすが~、でございました。
この場を借りて、結婚式に先駆けて親しい友だちと祝っていただいた夕に、サプライズで着せてもらったウェディングドレス姿も初披露させていただこうと思います。さくら子ちゃんの友人さっちゃん作のウェディングドレス一式に友だちが急遽ヘアメイクをしてくれて、皆で祝ってくれたことも本当に嬉しいことでした。

婚礼からもう一年も経ったのかとも、まだ一年しか経っていないのかとも思えますが、改めて、夫婦仲良く暮らしていこうと思います。

一足お先に絽の色無地

2006年06月18日 | ろ・しゃ
アメリカ人女性お二人の茶名披露茶会での手伝いに、色無地を着てまいりました。本来ならば、6月はまだ単衣の季節でロサンゼルスでもそれは同様なのですが、真夏並みの暑い日々が続いていることもあり、了解を得て袖を通しました。単衣の色無地をスーツケースに入れ忘れたことから始まった一連の騒動の結果、いろいろと深く悔やむことがありつつも、先生からお借りしたとても締めやすい絽の袋帯に若葉色のような帯揚、撫子色に似た帯締を合わせてみました。Tea Houseのテラスで日陰目の一葉です。
お席には単衣の方もいらっしゃれば、絽をお召しの方もいらっしゃり、さまざま。日本人のお客さま、お手伝いの方々はもちろんのこと、主役のお二人含めアメリカ人の三分の一ほどの方たちも皆さんきちんと夏着物をお召しになって壮観でした。男性も紋付の絽、持っていらっしゃることからして驚きでした。
独特の衣装ということでいうと、隣町からいらしたという仏僧たちは緋とも深緋ともつかぬ僧衣をまとっておられました。ネパール系の方々かと推測しておりましたら、随分お年を召した高僧らしき方から、腰につけていた朱のふくさについて、「この色は私たちの色ですよ」とお声掛けいただきました。時間の余裕もなく、あまりお話を伺えなかったことが、心残りです。またの機会がありましたら是非レポートいたします。

浴衣で花月の稽古

2006年06月15日 | ひとえ
今月の花月は皆さん浴衣をお召しになると聞きましたので、ほぼ二年ぶりに袖を通しました。7-8年前に呉服屋さんに勤めるEちゃんに浴衣が欲しいとお願いした品。帯は、学生の頃、ゑり善さんにて求めたものでしょうか。以前はからし色のような帯でよしとしていたのが、今回はこれくらいの色を効かせないと~、と思っている自分。ロサンゼルスに来てから、何となく色に対する感覚が変わったような気がします。
この浴衣を選ぶとき、一緒に持ってきてくれた反物に確か麻のものがありました。長じゅばんを着て半襟・足袋を合わせることができるというもので、当時の私にとっては随分大人っぽく思えましたし、お値段もそれなりでしたので、最初に持っていた浴衣のイメージに近い反物を仕立ててもらったのです。しかし、その後、何度となく選ばなかった反物のことも頭に浮かんだものです。akeさまにも勉強させていただきました、昼着にもなるという竺仙さんの絹紅梅などにも憧れを抱きます。

塩沢でちょっとそこまで

2006年06月12日 | ひとえ
京都滞在の実質的最後の日に、ちょっと買い物の町歩きということで、これもJ祖母からの塩沢と母の臙脂八寸名古屋帯で出かけました。akeさまのところで、塩沢と言っても塩沢紬とお召しの一種である本塩沢がある、と紹介されていましたが、これは明らかに織物ですので塩沢紬ということになるのでしょうね。
ちょっと遊びのある帯締はMi伯母からのもの。デジタルカメラが苦手な母にお願いして、頑張って撮ってもらいました。

黒地の着物を帯で若々しく

2006年06月11日 | ひとえ
友人Maちゃん&Shiちゃん夫妻の長男Yuくんに初御目文字しました。四月下旬に産まれたばかりで首もすわっていない新生児を抱くのは久しぶり、その柔らかさにドキドキしました。着物を着て抱っこするのは何だかばあやの気分です。Yuちゃん、元気に大きくなるんですよ。
このJ祖母からの黒い織の着物は、織とはいっても手触りがとても柔らかく着心地も楽。若々しくなるよう母の娘時代の帯と帯締を、合わせてみました。立ち姿は重森三玲邸庭園の茶室から枯山水庭園をのぞんで、I嬢に撮ってもらった写真です。


久しぶりの柔らかもの

2006年06月10日 | ひとえ
若草色に萌黄色のぼかしが入った菊花地紋の単衣を着て、下鴨神社蛍火の茶会へ参りました。久しぶりに袖を通す柔らかもの、文字どおり本当に柔らかく感じられ、うまいこといったものだなあ、と思います。白地に橙色で花を表した帯、帯揚はかつて妹弟と母に差し上げたものを借り、帯締は午前中にいらした知り合いの呉服屋さんに分けていただいたものを早速使ってみました。

追記:境内を歩く人の中には、みどり会の方でしょうか、一見して外国の方と知れる着物姿もありました。同行のアメリカから出張中のKiに、もし着物を着たければいつでもどうぞ、と言ったらば、彼女からの回答は、それは自分のするべきことでないように思う、とのことで少し驚きました。日本人だって、大体においては今や西洋様式の洋服を着ているわよ、とも言ってみましたが、意見は変わることなく、帰って夫に話しますと一年前の披露宴参列のときにも同様の問答がなされたのだとか。先日、L.A.でアンティークの帳場箪笥を手に入れたほどの親日派の彼女、その独特の感性を興味深く思いました。先日のゑり善さんでは、ぴしっと隙ない着こなしで来店していた格好良い外国の方も拝見しましたし、いろいろな考えがあるなあ、と思ったことでした。

真美さまに会いに芦屋へ

2006年06月09日 | ひとえ
真美さまでした。写真で拝見していたとおりのお美しい方で、サバサバ度が素敵。連れてくださったakeさまとの会話もテンポよく、いろんな話題が興味深かったです。
真美さまのお着物は団扇の柄の小紋、撫子の絽の染帯に小物までオール志ま亀でさすが~、でした。やはり独特の雰囲気が漂いますね。先日、銀座の本店に行ったばかりなので、お店の様子を思い出しながら拝見したことでした。akeさまは二年間待って機が熟した本塩沢をお召しで、こちらも素敵なこと!生地がよくお体にそうておられると思っていましたら、本塩沢とはお召しの一種なのですね。飛び絞りの帯揚で甘さをプラスされていました。私はJ祖母の織の単衣に帯、帯揚は母の桔梗柄のを借りて、帯締はK祖母のものを。

ファンシーなレストランでご一緒に美味しいランチをいただけて、本当に幸せなひとときでした。akeさま、真美さま、いろいろとありがとうございました。

バンコクで買ったかばん

2006年06月07日 | こもの
今回の帰国中、かたものを着るときはほぼ必ず持ち歩いているこの木製の手提げかばん。よく注目していただいて、いろいろなところでお声掛けいただきます。三年前のバンコク出張の折、自由時間で出かけた青空マーケットで見つけたもの。何ということはなく着物にも合いそう、と思ったのです。高価なものではないですが、使いやすいお利口さんです。今日も神楽坂の割烹の女将さんと芸者さんがお目に留めてくださり、お世辞よね~、と思いながらも嬉しいことでした。
同席した某大学の教授も前回に続きお着物でいらして、私の着物姿を嬉しそうにご覧になっていました。着物を着る人が少なくなっていることを憂いているそうで、企画中の着物イベントについて教えてくださいました。秋に北陸でおもしろそうなものがありそうですよ。男性着物の先輩、しかも相当な巧者と見て、夫用お薦めの履物屋さんもしっかりと教えていただきました。

紫陽花の帯でいしのすけさんと

2006年06月06日 | ひとえ
いしのすけさんと銀座デート! SNSで出会い、ブログにコメント交換するようになり、今日初めてお目にかかったわけです。待ち合わせのコーヒーショップで、テンポよく会話をリードしてくださるいしのすけさんは、二年のフランス暮らし以外は東京生れ東京育ちのお方。ほどなく打ち解けて、回った呉服屋さんにも驚かれるほどの自然さで午後の時間をご一緒いただきました。
まずは二軒のもとじさん、ゑり善さんとむらたさんはウィンドーだけ堪能し、大トリは志ま亀さん、とそれぞれ個性ある品揃えの充実したコース。今まであまり呉服屋さんを見てまわる、ということをしたことがなかったので、とても新鮮でした。
写真は二軒目の織のもとじさんで撮っていただいたものです。背景からもお察しいただけるように、とてもモダンなお店の設えに、独特のこだわりを感じられるお着物や小物のお店でした。一軒目の男着物関係のお話も大変ためになって、いつか夫と一緒に訪ねてみたいものです。
季節物の紫陽花の帯はMi伯母からのいただきもの。今はこういう作りの帯は見ない、とお店の方にいわれました。北関東で手配したものらしく、生地と帯芯などの仕立てもそれが反映されているようにも思えます。着物はこの日と同じJ祖母のもので、何かの縮ではないかとのこと(後日註:改めて知合いの呉服屋さんに尋ねますと、塩沢とのことでした)。
いしのすけさんもご親族のお着物と帯を着用してこられ、なきご祖母さま方へのお気持ちの深さに共感したことでした。本当にお着物がお好きなんだなあ、と伝わってくる勉強熱心さで、お店の方と掛け合いでお話になっている様子には脱帽。どうも時間が足りなかったようで、再びご一緒いただける機会を楽しみにしております。本当にいろいろのお心遣いをありがとうございました。

義母の琉球絣

2006年06月04日 | ひとえ
義母の琉球絣をお借りしました。しゃきっとした感触でありつつ体に沿うこの琉球絣は、何か単衣ものを、と義母にお願いしましたら、洗いに出してくださり昨日あがってきたものです。もともと亡義父が鹿児島あたりの方にいただいたという反物を、義母のお母さまがお仕立てなさったのだとか。一尺三寸よりも少し短めの袖に合うクレープ地の長襦袢も一緒に仕立てられたものでしょうか。袖口に施されたレースも可愛く、さらっとした肌触りでとても軽い着心地。臙脂の紬帯、薄色の帯揚、薄緑・水色・白色の細紐三本の帯締、草履も義母のものです。
これを着て、幼い夫を抱いたこともあると聞き、義母の着姿もここに登場させたいとねだりお手を煩わせたのですが、見当たらないとのこと。残念でした。