続・足がつる（こむら返り）

　さて、寝ている間に起こる「こむら返り」は、年に数回程度なら心配ないが、頻繁に起きる場合は病院へ行ったほうがよさそうです。ふくらはぎだけでなく体の別の部位にまで痙攣が起こるものは、やはり医療機関を受診するのが先でしょう。

　異常のサインだというのは、次のような理由からです。

　たとえば、筋肉の痙攣は、筋肉疲労や体内の水分が不足して血流量が低下、筋肉の収縮と弛緩に必要なマグネシウムやカリウム、カルシウムなどの電解質のバランスが崩れたときなどに起こります。

　神経が病的に興奮してしまうなどの原因で、筋肉が収縮したまま戻らなくなり、痛みが出るのです。

　筋肉疲労のほかにも、妊娠や脱水状態、糖尿病や肝硬変、甲状腺の機能低下、神経・筋肉の病気、動脈硬化や静脈瘤など血管の病気、脊椎の圧迫など多くの原因が考えられます。薬の副作用でも起きる可能性があるそうです。

　原因は何か、基礎的な病気が潜んでいないか見極める必要があります。


　東洋医学では「肝主筋（肝は筋をつかさどる）」、ごく簡単に言えば、肝の働きが落ちると筋肉に異常が現れるといいます。

　同様に「肝蔵血（肝は血を蔵す）」でもあるので血の状態によっても筋の異常が引き起こされる場合があります。

　「足がつる」と訴える方が、じつは、先述のような肝疾患や糖尿病だったという例は私共の治療室でも少なくありません。

　やはり、症状が度重なる場合や、既往症がある場合は、かかりつけの医師に相談したり、神経内科を受診することをお勧めします。