おしゃべりな庭、静かな庭

「今日はどんな日?」  季節や日々の暮らしの中で・・・

「雨ニモマケズ」は、恩師の教え

2011-04-12 15:30:03 | 心の風景

昨日、今日と、大きな余震がずっと続いています。

せっかく復興に向けて動き出した、希望が挫けませんように。

大地が静まることを、ただただ祈っています。

               

 

岩手で生まれ育った詩人で、童話作家の宮沢賢治の「雨ニモマケズ」が、

大震災の惨禍に打ちひしがれる人達へのメッセージとして、国内や海外に広がっているという。

ネット動画、「kizuna311」で、俳優の渡辺謙さんも、静かに朗読しているのを聞いた。

中学時代の恩師が、思春期の生意気盛りの私たちに、半ば強制的に暗唱させた詩だった。

久しぶりに、じっくり声に出してみた。

 

  雨ニモマケズ

雨ニモマケズ

風ニモマケズ

雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ

丈夫ナカラダヲモチ

欲ハナク

決シテ瞋ラズ

イツモシヅカニワラッテヰル

一日ニ玄米四合ト

味噌ト少シノ野菜ヲタベ

アラユルコトヲ

ジブンヲカンジョウニ入レズニ

ヨクミキキシワカリ

ソシテワスレズ

野原ノ松ノ林ノ蔭ノ

小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ

東ニ病気ノコドモアレバ

行ッテ看病シテヤリ

西ニツカレタ母アレバ

行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ

南ニ死ニサウナ人アレバ

行ッテコハガラナクテモイイトイヒ

北ニケンクヮヤソショウガアレバ

ツマラナイカラヤメロトイヒ

ヒドリノトキハナミダヲナガシ

サムサノナツハオロオロアルキ

ミンナニデクノボートヨバレ

ホメラレモセズ

クニモサレズ

サウイフモノニ

ワタシハナリタイ

 

中学時代の幼い私には、「賢治、立派過ぎだし、頑張り過ぎだよ~。」と思えた言葉が、

今、この時に静かに染みてきます。

この詩は、賢治が亡くなる2年前に、病床で、手帳に鉛筆でしたためたもの。

実は、ほんとの題名は、「十一月三日」なんですね。

3.11を逆からよんで11.3、何か運命的な絆を感じます。

私も、賢治ほどは出来ないけれど、

東に不安がる娘が居れば、支援物資を送り、

西に死と老いに苦しむ父あれば、行って大丈夫だと言い、

近くに就活に苦心する子あれば、諦めずに少しずつと励まし・・・

日々の暮らしの中で、サウイウモノニナレルように気持ちを強く持って、みんなで助け合っていきたい。

恩師は、不思議なバイタリティーに溢れた国語の先生でした。

一度社会人として苦労されて、教師になり、民話の再話をライフワークにされていました。

かなり若くして、賢治のように駆け抜けて、今はこの世にはいません。

今は亡き先生の教えが、今この時、強く心に響きます。

                 




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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
心にしみます (ウサギ)
2011-04-13 19:56:06
お久しぶりです。
宮沢賢治の詩は心にしみますね。
中学生の頃の恩師の教えが、今でもはっぱさんの記憶によみがえって・・・教師という職業の重さを改めて思います。
私も新学期、ぴかぴかの一年生を迎え、心機一転頑張ろうというパワーが沸いてきています。
自分はどれほどの人間か?と悩む事も多いけれど、精一杯生きるひとりの人でありたいと、この頃思っています。希望に満ちた一年生と、夢を語りたいなとも・・・
Unknown (はと)
2011-04-15 12:22:34
宮沢賢治の詩、久しぶりに読みました。
水仙月の四日が大好きで、時々拾い読みしています。
はっぱさんは 恩師の先生はじめ、大勢の方といい出会いをされているのですね。
最近、過去の記憶がほの明るいうす闇の中に埋もれていくような気がします。
なんとなくぼーっと用事をこなす毎日です。
夭折 (わさび)
2011-04-21 16:19:27
恩師も若くして亡くなったとか、
心の美しい人は、若くして向こうの世界へ
逝ってしまうようです
賢治さんも、未来が見えていた人だったですね
たくさんの心にしみる詩や童話を残して
去ってゆかれました
ウサギさんへ (はっぱ)
2011-04-24 19:28:06
お久しぶりです。
新学期、張り切っていて何よりですね
被災地でも、桜が咲いて無事だった子供達は、新学期が始まって嬉しそうな笑顔に、救われますね。
今起きている地震、津波、放射能汚染の、歴史的事件に立ち会う日々を、自分たちの言葉で子供たちに伝えて行く使命を、学校の先生が語っておられました。
このブログに書いたK先生は、最初ほんとに破天荒で、めちゃくちゃで、訳もなく叱られたけど、私の書いた創作童話を、手放しで褒めてくれて、それが今でもとても嬉しかったのを覚えています。
やたらとちやほやする先生ではなく、厳しくても、真実に近い先生を、子供って嗅ぎわけるよね
はとさんへ (はっぱ)
2011-04-24 19:42:26
こんばんは、水仙月の四日いいですね~
人生での出会い、私の頑固さゆえに、そんなに大勢ではないですね。
でも素直なときこそ、いい出会いがある気がします。今後の人生は、なるべく素直に人の言葉に耳を傾けたいです。
>過去の記憶がほの明るいうす闇の中に埋もれていく・・・何となく分かります。ぼーっとするのも必要な時あるけど、転倒に気をつけましょう
わさびさんへ (はっぱ)
2011-04-24 19:49:21
こんばんは、賢治の詩、久しぶりに読み返してみると、ほんとに未来を見通していたのでは・・・みたいな一節にたくさん出会います。
命をかけて、人々や、文学のため突き進んだ人・・太く短く駆け抜けて行ってしまうんでしょうか?!でも、当の本人には、悔いは少ないかも。
わさびさんのブログで、読んだことのない賢治の世界にいつも触れさせていただき、感謝しております。

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