2月の中頃 突然、ソフトボール時代のチームメイトのヒーロー(ニックネーム)・後藤から「表札を作って欲しい」との電話があってね。
聞けば 今まで、奥さんの実家に一緒に住んで居たのが、新しく居を構えることになったと言う。
彼にとっては 人生の好い節目。
おめでたいことなので「よし!」と引き受けたよ。
ボクのウチを建てるときに手づくりした 表札の材料が残ってるのでこれを使うことにした。
あの当時、何か好い材料がないものかと あっちこっち探し回った。
秋田杉の床柱材・・・表皮が美しく 自然の趣が好い。
先ずは 木肌のい~部分を木取りした。
背面にカンナを掛けてから 反り予防にセンターを均し、表札取り付け用のビスに合わせて 吊り孔を彫刻刀で彫った。
型紙の貼り付け。
『後藤』の文字は、数種の書体サンプルの中から ヒーロー夫妻の希望の『古印体』を ボクなりに少しアレンジしてみた。
因みに『古印体』とは、奈良時代の社寺の印章用の書体で、ほど好い“虫喰い”と“墨溜まり”が風雅な趣を醸し出す・・・と ものの本に書かれてる・・・そ~だ。
杉は木目も美しいけど、年輪の部分の固い・柔らかいがハッキリしてるから 仲々彫り難くてね。
そうそう、ウチの表札のときも 手こずったのを思い出したよ。
何とか彫り上げた。
彫りの部分を磨き過ぎると 機械彫りのよ~にツルツルになっちゃうから 敢えて刀痕はそのままに 手彫りの味わいを残したよ。
射した光が 彫刻部の陰影を美しく見せるよ~に白文字にした。
仕上げは オリーブオイルを全体に塗り 一晩寝かせて磨き込んだ。
ど~ぞご家族の 末永いご繁栄を・・・