高校生のみなさん、(^◇^)ノ お~ぃ~ゲンキか!
みなさん、下記に紹介する図書は、歴史的視野で、今の世界経済を十分に見渡しており、21世紀を背負って立つみなさんに是非読んで欲しいのです。
≪世界経済の大潮流ー経済学の常識をくつがえす資本主義の大転換ー≫
著者:水野和夫 出版社:太田出版 価格:¥ 1,680
著者略歴
埼玉大学大学院経済科学研究科客員教授。
1953生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
同大学大学院経済学研究科修士課程修了。
八千代証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)入社。
金融市場調査部長、執行役員、理事チーフエコノミストなど歴任。
第1章 資本主義の大転換
ケインズの予言と利子率革命ーなぜ、利子生活者は安楽死しなかったのか?
ポスト近代の「リヴァイアサン」のためにー「長い21世紀」に進行する4つの革命と脱近代の条件
第2章 解体する中産階級とグローバリゼーション
グローバル・インバランスとドル
不可逆的なグローバル化と二極化構造ー日本「輸出株式会社」の危機と知識の組み替え
「バブル崩壊の物語」の25年間
第3章 歴史の大転換にどう立ち向かうか
「歴史における危機」とは何かー9/11、9/15、3/11をつらぬくもの
水野和夫氏は「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」という2007年の名著があり、数百年の世界史を紐解く経済史は、ロマンがあって、HageOyajiの好きなエコノミストの一人です。
著者は歴史を大きなスケールで捉え、世の中の風潮に流されない独創的な理論に魅力があります。
「世界経済の大潮流ー経済学の常識をくつがえす資本主義の大転換ー」の主旨は、
◆ 金利が上がらない。
◆ 資本家は投資してリターンを望む。
◆ 対象は国債や、金融商品や、工場の設備投資だ。
◆ しかし、投資しても、リターンがないとなると、資本は投下されない。
◆ かくして資本主義は行き詰まった。
◆ 行き場を失った金融資本、開拓すべきフロンティアを失った資本主義。
◆ 実に当たり前の動きだが、これを、アメリカはごまかし続けている。
◆ グローバリゼーションという耳障りのよい言葉で。
水野和夫氏の理論の大きなポイントは「利子率革命」です。現在の経済状況を、400年ぶりの断絶と捉え、16世紀のイタリアの低金利になぞらえ、現在の低金利は、400年かけて先進国での投資が一巡化した影響というものです。
この「利子率革命」は2%以下の超低金利が長期間続くことを意味し、これが続けば、経済覇権は高金利国に移ると。
歴史的低金利で有名なイタリア・ジェノヴァで経験したのは11年間でしたが、日本は1997年に10年もの国債が2%を下回って、今年(2012年)で16年目に突入しています。即ち、歴史に残る低金利を更新中であります。
更に、現在のアメリカもドイツも2%以下の水準になっており、「日本化」が進行中です。
これだけ金利が低いと、資本家は10年のリスクをとって実物投資をしても、リターンは1%以下にしかならないと考えたときに、企業は最低限の資本蓄積すらもできない。
国民全体の資産が豊かになった結果、資本の希少性がなくなり、「資本家の終わり」の時代に突入し、資本主義の成熟とはつまり、資本家や投資家が儲けることのできない時代の到来であると。
しかし、資本家たちは儲けたい一心で国家を利用する。バブルを中途半端に弾けさせずに、国家に救済してもらわねばならない水準にまで膨らませる。あるいは、資源価格高騰の下で、徹底的な賃金カットでもって収益を確保する。資本家たちは利潤率の低下に直面して暴走し始めた、というのが本書の時代診断です。
そして、海と陸の戦い、即ち海洋国と大陸国の戦い。イギリス・米国という海を支配する国から、ユーラシア(EU、中国、ロシア、インドなど)の陸の国へと支配が戻る過程とも述べています。
日本の超低金利と並行して、この十数年間にアメリカは、世界の金融資産増加分の約4割をかき集め、金融工学の発達によって経済を活性化してきたがリーマンショック以降、外国の資本は逃避し、ドル基軸通貨の時代は終焉を迎えていると。
そして、第2章では、「グロバリゼーションはいつまで続くのか?」の中で、著者はグローバリゼーションはまだ中間地点で、まだ数十年は続くといいます。グローバリゼーションによって、国家間の貧富の差が縮まり、国家の中で貧富の差が広がっていく、ということも主張されています。
資本は今後分散して、世界的な超低金利の下で新興諸国の経済が成熟するまでの約20年間、グローバル化傾向が続くだろう。日本社会では現在、大企業と中小企業のあいだの賃金格差が広がっているが、この格差を是正するためには、なによりも中小企業のグローバル化が課題であると著者は考えています。
下からのグローバル化を促すためには「東アジア共同体」の構想が必要で、国民国家の枠組みで考える発想は行き詰まり、超低金利時代を覚悟し、国家を超える経済共同体の取り組みが求められている、というのが著者の見立てのようです。
みなさん、下記に紹介する図書は、歴史的視野で、今の世界経済を十分に見渡しており、21世紀を背負って立つみなさんに是非読んで欲しいのです。
≪世界経済の大潮流ー経済学の常識をくつがえす資本主義の大転換ー≫
著者:水野和夫 出版社:太田出版 価格:¥ 1,680
著者略歴
埼玉大学大学院経済科学研究科客員教授。
1953生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。
同大学大学院経済学研究科修士課程修了。
八千代証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)入社。
金融市場調査部長、執行役員、理事チーフエコノミストなど歴任。
第1章 資本主義の大転換
ケインズの予言と利子率革命ーなぜ、利子生活者は安楽死しなかったのか?
ポスト近代の「リヴァイアサン」のためにー「長い21世紀」に進行する4つの革命と脱近代の条件
第2章 解体する中産階級とグローバリゼーション
グローバル・インバランスとドル
不可逆的なグローバル化と二極化構造ー日本「輸出株式会社」の危機と知識の組み替え
「バブル崩壊の物語」の25年間
第3章 歴史の大転換にどう立ち向かうか
「歴史における危機」とは何かー9/11、9/15、3/11をつらぬくもの
水野和夫氏は「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」という2007年の名著があり、数百年の世界史を紐解く経済史は、ロマンがあって、HageOyajiの好きなエコノミストの一人です。
著者は歴史を大きなスケールで捉え、世の中の風潮に流されない独創的な理論に魅力があります。
「世界経済の大潮流ー経済学の常識をくつがえす資本主義の大転換ー」の主旨は、
◆ 金利が上がらない。
◆ 資本家は投資してリターンを望む。
◆ 対象は国債や、金融商品や、工場の設備投資だ。
◆ しかし、投資しても、リターンがないとなると、資本は投下されない。
◆ かくして資本主義は行き詰まった。
◆ 行き場を失った金融資本、開拓すべきフロンティアを失った資本主義。
◆ 実に当たり前の動きだが、これを、アメリカはごまかし続けている。
◆ グローバリゼーションという耳障りのよい言葉で。
水野和夫氏の理論の大きなポイントは「利子率革命」です。現在の経済状況を、400年ぶりの断絶と捉え、16世紀のイタリアの低金利になぞらえ、現在の低金利は、400年かけて先進国での投資が一巡化した影響というものです。
この「利子率革命」は2%以下の超低金利が長期間続くことを意味し、これが続けば、経済覇権は高金利国に移ると。
歴史的低金利で有名なイタリア・ジェノヴァで経験したのは11年間でしたが、日本は1997年に10年もの国債が2%を下回って、今年(2012年)で16年目に突入しています。即ち、歴史に残る低金利を更新中であります。
更に、現在のアメリカもドイツも2%以下の水準になっており、「日本化」が進行中です。
これだけ金利が低いと、資本家は10年のリスクをとって実物投資をしても、リターンは1%以下にしかならないと考えたときに、企業は最低限の資本蓄積すらもできない。
国民全体の資産が豊かになった結果、資本の希少性がなくなり、「資本家の終わり」の時代に突入し、資本主義の成熟とはつまり、資本家や投資家が儲けることのできない時代の到来であると。
しかし、資本家たちは儲けたい一心で国家を利用する。バブルを中途半端に弾けさせずに、国家に救済してもらわねばならない水準にまで膨らませる。あるいは、資源価格高騰の下で、徹底的な賃金カットでもって収益を確保する。資本家たちは利潤率の低下に直面して暴走し始めた、というのが本書の時代診断です。
そして、海と陸の戦い、即ち海洋国と大陸国の戦い。イギリス・米国という海を支配する国から、ユーラシア(EU、中国、ロシア、インドなど)の陸の国へと支配が戻る過程とも述べています。
日本の超低金利と並行して、この十数年間にアメリカは、世界の金融資産増加分の約4割をかき集め、金融工学の発達によって経済を活性化してきたがリーマンショック以降、外国の資本は逃避し、ドル基軸通貨の時代は終焉を迎えていると。
そして、第2章では、「グロバリゼーションはいつまで続くのか?」の中で、著者はグローバリゼーションはまだ中間地点で、まだ数十年は続くといいます。グローバリゼーションによって、国家間の貧富の差が縮まり、国家の中で貧富の差が広がっていく、ということも主張されています。
資本は今後分散して、世界的な超低金利の下で新興諸国の経済が成熟するまでの約20年間、グローバル化傾向が続くだろう。日本社会では現在、大企業と中小企業のあいだの賃金格差が広がっているが、この格差を是正するためには、なによりも中小企業のグローバル化が課題であると著者は考えています。
下からのグローバル化を促すためには「東アジア共同体」の構想が必要で、国民国家の枠組みで考える発想は行き詰まり、超低金利時代を覚悟し、国家を超える経済共同体の取り組みが求められている、というのが著者の見立てのようです。