kouheiのへそ曲がり日記

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枯木寒巌

2005-05-23 08:35:00 | 日記
一人の清僧がいた。
この僧の持戒堅固ぶりに惚れ込んだ老婆がいて、この僧に庵を与え、以後20年間供養し続けた。
そして、そろそろ良かろうというので、ある乙女を僧のもとへ差し向けた。

乙女は媚態を示し、「私を抱いてください」と僧に迫った。
だが、この僧は冷然と言い放った、

「枯木寒巌によりて、三冬に暖気なし」・・・と。

三冬とは、孟冬・仲冬・季冬のことである。
冬の3ヶ月間のことだと思ってよろしかろう。

つまり、断崖絶壁によりそう枯れ木が冬の3ヶ月間、まったく暖気がないのと同様に、私の心は醒めきっていて冷たい、貴女の誘惑などには惑わされませぬ、と言い放ったわけだ。

乙女は老婆のもとへ帰って報告した、

「たいへん立派なお坊さんです」・・・と。

しかし、これを聞いた老婆は、「やれやれ、私はなんという俗物を世話し続けてきたのだろう」と烈火のごとく怒り、僧を追い出し、庵を汚らわしいとばかりに焼き払ってしまった。

これは禅の公案である。
つまり試験問題みたいなものだ。

「据え膳食わぬは男の恥」とばかりに乙女を抱いたんでは、何のための修行か分からないし、かといって誘惑を拒絶すれば追い出されてしまう。

さて、あなたならどうする?(笑)

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