今日より明日へ

平成20年7月、肺ガンと宣告された父(74歳)。

平成20年10月25日、永眠しました。。。

口内環境(入院54日目)

2008年09月30日 | 入院
父のように飲むことも食べる事もできない患者さんは、口内環境が悪化するようです。

正直な話、父の近くに行くと口臭がクサくて堪りません

たまに看護師さんが、口内洗浄専用の棒(棒の先っぽにスポンジが付いているもの)で
口の中をお掃除をしてくれるのですが、どうしても口臭が取れません。

私も昨日と今日、お茶を使って、見よう見真似でやってみたのですが、なかなか上手くいきません。

多分、棒が入り込まない部分や舌に粘膜などが溜まっているのだと思います。


だったら、自由に折り曲がったり回転させたりできるこの指でやってあげたらどうだろう

病室には、いつも看護師さんが使う使い捨てのゴム手袋が置いてあります。
今日の担当の看護師さんに、それを使っていいか尋ねると、どうぞご自由に使って下さいとの事でした。

早速、病院の帰りにドラッグストアに寄り、滅菌ガーゼを買って来ました。

明日、これを指に巻きつけ、父の口の中を掃除してあげよっと
上手くできるといいな。


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父の愛に気付く

2008年09月29日 | その他
日曜日の運動会のとき主人が、荷物と私を車で学校まで送り届け、主人は一旦家に戻り、息子の自転車で学校まで来る予定でした。

ところが息子の自転車はタイヤの空気があまり入っておらず、娘の自転車でやって来ました。
娘の自転車も、空気が少し抜けていたそうです。

子供達の自転車のメンテナンスは定期的にやってねと、常々主人に話していたのですが、ずぼらなので怠っていたのでしょう。

子供たちが怪我でもしたらどうするんだろう…
そんな事を考えながら、ふと思いました。

(そういえば私が子供の頃、自分の自転車のメンテナンスなんてやった事なかったなぁ。)


私が自分の自転車を初めて買ってもらったのが、小学四年生の頃。
高校では自転車通学だったので、小四から高校卒業までの9年間、一度も自転車の調子が悪かった事はありませんでした。

そっか… 父がずっとメンテナンスしてくれてたんだ。

愛情表現が下手な父の愛を感じた瞬間でした。


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非常識な大人たち

2008年09月27日 | その他
父が四人部屋に移動した時は二人でしたが、翌日隣りに、その翌日(今日)は向かいに入院してこられ(みな男性)満室となりました。

今日は向かいの方のお見舞い客が来られていました。
お向かいさんの娘家族だと思うのですが、そこの末娘(2歳くらい)がキュッキュと音のなるサンダルを履いていました。

病院なのでその音がよく響きます。
それが楽しかったのか、廊下に出て足踏みをしたりジャンプをしたりして、無邪気に遊んでいました。

しかしここは病院。
しかも割と重病人患者がたくさん入院している病棟です。
こういう時は、保護者がしっかりと注意し静かにさせるべきです。

ところがいつまで経っても誰も注意しません。
その子の母親は自分のお母さんとお喋りをし、父親は何をしているのか分かりませんが無反応です。
カーテンの下から覗くと男性の足が見えたので、そこに居るとは思うのですが・・・

10分ほどして病室に戻ってきたその子は、今度は病室でジャンプしながら大きな音をキュッキュと鳴らしています。
それでも誰も注意をしません。

第一、病院にそんな履物を履かせてくること自体非常識ですが、うるさくしているのに注意もしないとは何たる事でしょう。
とっても腹の立つ出来事でした

しかし、こんなとき『斎藤さん』になれない自分にも腹が立った出来事でもありました

看護師さんも注意して欲しかったな・・・


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不満気味な私(入院49日目)

2008年09月25日 | 入院
昨日、父の病室に違う人の名札が掛かっていました。

「○○さんより重篤な患者さんが入院して来られたら移動になるかも知れません」
と聞いていたので驚きもせず、事務の方に確認をし、新しい病室へと移動しました。

できたばかりの新しい病棟なので、どの部屋もキレイです
父の新しい病室は四人部屋で、父を含め二人しか入っていませんでした。

二人だからと言って四人分のスペースを二人で使っている訳でもなく、
一人分のスペースはかなり狭い・・・
今までが、広い広い個室だったので、そのギャップに窮屈さを感じますが、
父より病状の重い患者さんが入院して来られたのだから、仕方がないですね

それにしても狭い。
寝たきりの父は、何をするにもあっちからとこっちからと、人の手を借りないといけない状態。
看護師さんが一人で来られた時には、邪魔にならないように移動したり、一緒に介助したりできますが、
二人来られた時には、部屋から出て行かないといけないような状況です

しかし父より病状の重い患者さんが入院して来られたのだから、仕方がないです・・・

そう自分に言い聞かせていました


しばらくして睡魔に襲われたので病室を出て、1階まで缶コーヒーを買いに行きました。
その帰り、今まで父が入っていた個室のドアとカーテンが開いていたので、通りすがりに何気に見てみました。

すると鼻に大きなガーゼを貼った50代くらいの男の人が、ベッドの背もたれを起こして座っていました。
(ふ~ん、この人が父より重篤な患者さんかぁ・・・)
そんな事を考え、父の病室に戻りました。



昨日の父は寝てばっかりでした
少し目を開けた時声を掛けましたが、ジーっと私の顔を見ながらも無反応。
すぐに目を閉じてしまいます。
大好きな相撲が始まっても、全く起きようとしませんでした。

こうして父の側で座っていても何もする事がありません。
なので、いつもより1時間ほど早く帰宅する事にしました。



帰りにまた、例の病室が開いていたので、また通りすがりに見てみると、ベッドの上であぐらをかいて、
家族だかお見舞い客だか分かりませんが、人と談笑していました。

(んんん??? あれが父より重篤な患者さん!?)
まぁ、病気と言うのは外見だけでは、その程度は判りません。
ひょっとしたら、皮膚ガンか何かの末期患者かも知れません。

しかし父も、余命一ヶ月と言われた末期の肺ガン患者。
全身に転移し、脳の腫瘍は直径4センチ。
現在では意識は朦朧とし、寝たきり状態。
毎日のように便や尿が漏れ、頻繁にベッドシーツまで交換している状況です。

それでも部屋を替わらないといけなかったのかなぁ~・・・



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チンパンフェイスの父(入院47日目)

2008年09月23日 | 入院
今日は、長兄が半日看てくれると言うので、母に一日休んでもらいました

その兄から、こんなメールが来ました。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

三十分程前にYさん(担当看護師さん)が来て、色々してくれている時、
毛布をはぐったら何やら怪しげな臭い

俺「あれ?少し臭いますね」
Yさん「そうですね。便をしているかもしれませんね」
俺「父ちゃん、ウンコが出たね?」
父ちゃん(チンパンフェイスで知らん顔
Yさん「ちょっと準備をしてきますね」

俺は窓と出入口の戸を解放。
換気扇が作動している事も指差し確認。
息を止める覚悟を決め戦闘準備完了

間もなくしてYさんが戻ってきて、いよいよオムツに手が伸びる。き…緊張の瞬間
(もはや、これまでか!?

ベリベリ…(ドックン…ドックン)パラリ

(静寂)

セ…セーフ!!!

セーフじゃないか~


俺達二人の緊張をよそに父ちゃんはチンパンフェイスを貫くのであった。

おそるべし…N・S(父のフルネーム)


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

このメール読んで、思わず声を出して笑ってしまいました

歯のない父は、まるでチンパンジーの赤ちゃんのような顔で、ベッドに寝ています


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ドーナツ枕(入院45日目)

2008年09月21日 | 入院
昨日母が父に、入院してどのくらいだと思うか尋ねると、少し考えたあと「一週間?」と答えたそうです。

40日以上だと教えると、へぇ~というような顔をしてみせたそうです。

時計もカレンダーもない部屋。
時間の感覚がなくなっているようです。
時計やカレンダーがあっても、分からないとは思いますが…


父は左側が麻痺しているせいか、首が自然と右側を向いてしまうようです。

それで右耳が床擦れ状態で、色はドス黒くなり、擦れた部分からは少しの出血があります。

そこで昨日、ドーナツ型座布団を買って来ました。

真ん丸なので、そのままでは真ん中の穴に耳が届きません。
そこで、糸を切り、中身の綿を少し出し、再び縫い付けました。


これはきっと父にとってのヒット商品になる

早速今朝、父の頭の下に置いてあげました。
しかし穴に耳が入らない…

家で私も寝てみたのですが、真横に寝た時に耳が穴にジャストフィットでした。
父の場合、ほぼ真上を向いた状態で首だけ右を向いているので、その分、首から耳までの距離が短くなっていました。

父と同じ条件で試さないといけなかったですね
失敗失敗…

でも今は、穴に後頭部がスッポリはまり、頭を真上にした状態で寝ています。

結果オーライ…かな?


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

今日は埼玉の妹から電話が来ました。

携帯をハンズフリーのスピーカーホンにして、父と会話ができるようにしてあげました。

妹「父ちゃん、毎日退屈やね~」

父「退屈どこいか、地獄じゃ(退屈どころか、地獄だ)」

その後10分ほど喋り、電話を切りました。

快適な入院ライフだと感じているとは思っていませんでしたが、地獄とは…

やるせないです。


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退院するつもりの父(入院44日目)

2008年09月20日 | 入院
夕方、長兄家族が来てくれた。

兄が父に近付くと、しきりに何か言っていました。

よく聞くと「焼き肉…焼き肉…」と言っています。

兄「焼き肉?焼き肉ね?うん!焼き肉をせんないかんね!」

父「おいが戻っくっじ(俺が帰ってくるから)」

兄「じゃいよ!じゃかいはよ元気にならんとね!(そうだよ!だから早く元気にならなくちゃね!)」

ビックリ…
父は元気になって、退院するつもりらしい。

これが父の生命力なのかも知れません。

父、水を飲む(入院43日目)

2008年09月19日 | 入院
昨日今日と、やたら口数の多い父です。

しかし私達に伝わるのは3分の1程度(もっと少ないかも)。
なかなか難しいです


さて、昨日はお風呂に入れてもらったようです。
サッパリして、気持ち良かったそうです


そして今日は、水飲みに挑戦しました。

口の洗浄の際、看護師さんが「水を飲んでみるね?」と父に尋ねました。
大きく頷く父。

早速冷たい水を容器に入れ、持ってきて下さいました。
(主治医が、むせないようであれば、飲ませても良いと許可したそうです)

最初はほんの少し口の中へ。
あまりに少なかったのか、喉がゴクリといいません。

次はさっきより多めに入れてあげました。
すると、一旦口の中に貯め、ゴクッと喉が動きました。
と…次の瞬間、ゴホゴホゴホ

やはりむせてしまいました。

しばらく咳をし、落ち着いた頃「まだ飲むね?」と尋ねると、首を横に振りました。

せっかく、念願の水が飲めると思ったのに…
父はきっとショックだったと思います。

ちょっぴり悲しい出来事でした。

テレビ再開!(入院41日目)

2008年09月17日 | 入院
昨日、私の友達がお見舞いに来てくれました。

その時、父に「またサスケに弟が出ますので、見て下さいね~」と声をかけていました。
(彼女は、サスケ常連・宮崎の漁師さんの実姉です)

友達が帰った後しばらくしてから「父ちゃん、テレビ見たい?」と尋ねると、目を見開いて頷きました。

すぐに申し込みをして、早速テレビを見る事ができるようにしてあげました。


ちょっと前まではテレビを見せていたのですが、オリンピックが終わってしまってからは、イヤホンから音だけを聞き、ずっと目を瞑っていたので、目を開けている事もきつくなったのかと思い、テレビを解約して、ラジカセから音楽(演歌)を聴かせるようにしていました。

最近目を開けている時間も多くなり、意識もはっきりしているので、テレビを再開する事にしました。

テレビは有料なので、見ないテレビを契約しておくのは、勿体ないですもんね。

今は相撲を夢中で見ています


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久しぶりのフリーデー

2008年09月14日 | その他
今日と明日、私が私用で病院へ行けないので、今日は次兄が、明日は長兄が母と交代で病院に行ってくれる事になっています。

8月8日に父が入院して初めて、丸一日以上父の顔を見ないことになります。
しかしやりたい事が山ほどあって、とても二日間では終わりそうにありません

まま、兄達がいなければ、こうして交代もできなかっただろうから、感謝せねば。



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