マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

坐薬(その2)

2010年01月19日 | 診療
ひきつけの途中ではありますが、ちょっと坐薬で追加を。

むかしむかしのこと。。。
当直をしていると、夜中に「1歳男の子、40度の熱、けいれん」の救急要請が。
救急隊到着時には既にけいれんは止まっているとの連絡があり、
まあ熱性けいれんだろうねとのんびりと言ってはなんですが病院到着を待っていたわけです。

さて救急車が到着し、男の子とその子のおばあちゃんも救急室に。
やはりけいれんはおさまってますし、状態もよさそう。
でも。。。ついさっき40度と連絡のあった体温が既に37度台。
このタイミングで下がりすぎやなと。
坐薬でも使ったのかなとおばあちゃんにたずねると、
「ひきつけの時は浣腸しないとと思って私の坐薬をさしました」とやや意味不明なことをおっしゃいます。

看護師に何を使ったのか確認させつつ、男の子の対応を先にと指示出していたところ、
看護師の悲鳴?が!
「先生!大変!おばあちゃん自分のボルサポ50を使ったって!」

こっちの体温まで下がりそうでしたよ。。。
10kgしか体重ない子に大人用の一番でかい坐薬(T-T)

殺す気かぃ!とはさすがに言えないわけで、大急ぎで電気毛布でぐるぐる巻きにして加温。
でもどんどん体温下がります。
誰か助けて!ですよ。。。
熱い風呂にほりこんだらあかんのかなとかこっちも錯乱しそうになります。
結局なんとか35度台で下げ止まり。
その後、幸い肝機能障害とか余計な副作用もなく元気に退院していきましたよ。

だいたいお年寄りでも場合によってはかなり量が多いはずの坐薬。。。
誰ぢゃおばあちゃんに処方した医者はとやり場のない怒りもまあ元気に帰ったから忘れることに。
用法・用量を守って正しくお使いください。。。
そういえばひきつけに浣腸も謎のままでしたね。

というわけで、上のお子さんの坐薬を下の子に使う時はちょっとだけ気をつけてくださいね。
アルピニー(もしくはアンヒバなど)100mgがおおよそ10kgの子。
200mgだと20kg前後の子ですよ。
でも小さい子は少なめに使うよう指示しています。
10kgでも2/3個とかね。
あと、乳児期早期は下がりすぎも怖いので使わないように伝えています。
いつから使ってもいいかの基準は聞いたことないのですが、
生後半年以降でその子の体格を見ながら判断することにしています。
めったにないですが、生後半年までに一応渡す場合はほんとにお守り代わりですね。


坐薬(その3)
http://blog.goo.ne.jp/gto8513/e/bf7c3a5aad87d6b9e93974cef23fa666
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