さいごのかぎ / Quest for grandmaster key

「TYPE-MOON」「うみねこのなく頃に」その他フィクションの読解です。
まずは記事冒頭の目次などからどうぞ。

朱志香=ベアトリーチェの物語・Ep4(下)

2011年06月29日 22時19分08秒 | 犯人特定
※初めていらした方へ:
「目次」から順に読んでいただくと、よりわかりやすくなっています。リンク→ ■目次(全記事)■

朱志香=ベアトリーチェの物語・Ep4(下)
 筆者-初出●Townmemory -(2011/06/29(Wed) 22:16:18)

 http://naderika.com/Cgi/mxisxi_index/link.cgi?bbs=u_No&mode=red&namber=63784&no=0 (ミラー


●番号順に読まれることを想定しています。
 朱志香=ベアトリーチェの物語・Ep1
 朱志香=ベアトリーチェの物語・Ep2
 朱志香=ベアトリーチェの物語・Ep3
 朱志香=ベアトリーチェの物語・Ep4(上)


     ☆


『うみねこ』を、朱志香=ベアトリーチェの物語として創作ふうに読み解いていくというエントリです。順番にお読み下さい。

 Ep4の後編です。


●魔女の発想を持つ霧江

 霧江が密室の中で、朱志香に小一時間尋問されている話の続き。話題その2です。

 留弗夫一家に隠された事情はだいたいわかった。次に聞きたいのは霧江本人のことだ。あんたはいったいどういう人なの? 何を求め、何を守ろうとしている人なの?

 そういうことを聞かれたからって、霧江が素直に全部答えたとも思えませんが、わたしたちはEp8まで見たので、おおむね知っています。

 たとえばEp7の裏お茶会。霧江が大量殺人者になっていくエピソードがあります。霧江は「殺す前に長々としゃべるのは三流悪役」という持論を持っているのですが、絵羽の前で長々と喋って、絵羽に射殺されてしまいます。

 これはもう、ほとんどの人が同様に考えていると思いますが、留弗夫が死んだことを知った霧江は、だったらもう自分も生きててもしょうがないやと思って、わざと絵羽に自分を殺させたのです。そう考えると筋が通ります。

 霧江という人は、留弗夫さんがこの世にいないんだったら、自分もこの世にいたくない。そのくらい留弗夫を愛しているんだ、そういう気持ちを持っていることがわかります。
 そこまで思い詰めた愛のかたちを持っているのは、この物語の中には、たった2人しかいません。1人は霧江、もう1人はベアトリーチェです。

 六軒島事件の犯人は、全員を殺すことに意味を見いだしています。自分を含めた全員が死ねば、全員が相互に観測不能状態に陥るからです。自分がどこにいてどうなったのかわからないし、他の人がどうなったのかもわからない状態になります。なにしろ死んでますからね。
 それは「猫箱」ということに、ひとしいのです。どうなったのか、どうなっているのかわからない。その場合、逆説的に、可能性が増える。というのが、「シュレディンガーの猫箱」です。死んだ人は、観測できないことによって、生きてるかもしれないことになる。
 そのようにして、全員が死んだ結果、全員が生きているという可能性を現出させることができる、それが「黄金郷」であるらしいのです。
(詳しくはこちらを参照のこと→ 「チェックメイト――黄金郷再び・金蔵翁の黄金郷」

 留弗夫さんがいないというのに、そのまま自分ひとり生きて、「留弗夫さんがいない」という現実を観測しつづけるなんて耐え難い。観測者である自分を消滅させることで、「留弗夫さんがいない」という観測現実じたいを消滅させてしまおう。
 そのようなアクションとしてこの自死を見たとき、この発想は「ベアトリーチェの黄金郷」に限りなく近しい。霧江という人は実はほとんど魔女なのです。


 Ep4は、しょっぱな第1の晩で留弗夫が死に、しかし霧江はラスト近くまで生き残るというシナリオです。つまり「留弗夫は死んで、霧江は生きてる」という状況が、Ep7お茶会と同一です。
 よってこのとき霧江は、Ep7お茶会と同様に、もう自分は死んでもいいや、と思っています。

 が、自分は死ぬとしても、ひとつ手当てしておかなければならないことがあります。


●須磨寺送りの阻止

 それは残される縁寿のことです。

 自分が死に、右代宮家もほぼ壊滅状態にある場合、本土に取り残されている縁寿がどうなるかといえば、これはほぼ間違いなく須磨寺家に引き取られます。
 縁寿を須磨寺にやらないために、あらゆる手をつくしてきたのに、そうなっては台無しだ。

 だからEp7などでは、絵羽に向かって、「自分がどんなに縁寿を憎んでいるのか」というストーリーを、迫真の演技で披露する。
 自分が死ぬ場合、右代宮家で生き残るのは絵羽だけです。よって、縁寿を須磨寺にやらないためには、絵羽が縁寿をひきとってくれなければならない。ところが譲治を殺したのは留弗夫・霧江コンビです。ふつうだったらそんな状況にはなりえません。
 けれども、絵羽という人は家族愛のかたまりです。「縁寿ちゃんはひどい霧江の被害者だったんだ、なんてかわいそうな」と思わせることができれば、絵羽が縁寿を引き取る可能性が出てきます。
 だめ押しで、絵羽が自分を射殺するようもっていきます。「縁寿ちゃんから母を奪ったのは自分のこの手だ」というひけめを与えるわけです。


 そんなわけで、霧江の行動式が、だいたい把握されます。
 留弗夫がいなかったら、自分は生きててもしょうがないが、縁寿が須磨寺送りになることだけはうまいこと避けたい。
 そういう、わりかし具体的なガイドラインを霧江は持っています。
(どこまであけすけに朱志香に語ったかというのは、微妙ではありますが)


 さて、そこでEp4の客室の状況に戻ります。
 留弗夫はもうおらず、縁寿は本土に置いてきている。目の前には自分を殺そうとする殺人者がいる……。
 これはEp7お茶会の状況と、ほぼ同じ。
 よって、Ep4のここでも、同様の行動式で動く。そのように把握することにします。

 自分はここで死ぬとして、うまいこと他人に影響を及ぼし、縁寿が須磨寺に引き取られないように手配をしたいものだ……。

 そういう思惑を知ってか知らずか、朱志香は霧江にテスト問題を出します。


●ロジックエラーの二択

「魔女が悪魔を召喚して、島の人々を殺してる」というストーリーを、戦人相手に完遂したい。
 そういう、ちょっとびっくりするような希望を朱志香はのべます。
 戦人が真に受けてくれるように、協力しろ。そんなことを霧江に言うわけです。

 でも、そういうファンタジーなことを、他人に真に受けさせるのはなかなか難しいことです。だいたい、人死にが出ているということだって、なかなか真に受けるものじゃありません。
 Ep3なんかじゃ、第1の晩で6人死んでるのに、生き残った連中は「どうせドッキリなんでしょ」なんていうナメた理解をしていました。家族の生々しい死体がごろごろ転がるようになって、ようやくみんな本気になるのです。

 戦人を本気にさせるには、いろいろ手続きが必要だ。

 たとえば、戦人から見て、知性において最大級に信用がおける人物。霧江のような人物が迫真の演技で深刻なことを言えば、戦人は真に受ける。


 そこで。
「戦人に電話をかけろ。そして《魔女や悪魔が我々を殺しに来るぞ》というストーリーを語れ」
 朱志香はそういう命令をします。
 ちゃんと伏線として、同じ内容の電話を朱志香は戦人にしておいてあります。同じ証言が複数重なることになって、信憑性が出る。

 そして、次のような付帯条件をつけます。
(はっきり条件提示をしたというより、自然にこういうことになります)

 1.命令に従わず、「朱志香から逃げろ」という電話をした場合、霧江を殺す。
 2.命令通りのストーリーで電話をした場合、それによって油断させ、戦人を殺す。

 これは実は子供たちに出題した三択クイズと同じものです。自分・大切な相手・それ以外の全員、のどれかを生贄に捧げよ、ということです。ただ、それ以外の全員はもう死んでしまっている状況ですので、第3の選択肢は無効になっちゃってます。

 この二択は、実際には意味のないものです。それは朱志香にもわかっているし、霧江にもわかっています。
 1の「朱志香から逃げろ」という電話をした場合、朱志香はもちろん霧江を殺し、戦人は朱志香と対決しにくるので、朱志香は戦人を殺します。
 2の選択肢「戦人を殺す」を選ぶような人でなしを、朱志香は許さないので、朱志香は霧江を殺します。そして戦人のところに行って、おそらく朱志香は戦人を殺すことになります。

 どっちみち、バッドエンドしかない選択問題です。いってみれば、窓からも出られないしドアからも出られない「ロジックエラーの密室」のようなものなんです。

 朱志香的には、霧江がどっちを選んでも、べつにさしつかえありません。霧江が「殺人犯は朱志香よ!」と指名しても、大きな問題にはならないのです。
 実際のEp4では、魔女ベアトリーチェの姿で戦人の前に現われて、問題を出したり罪を問い詰めたりしたわけですが、それが朱志香の姿で行なわれるだけです。
 朱志香の姿で同じことをやって、爆弾を爆発させるだけです。戦人が何かを思いだしてくれたからって、べつに彼と2人で島を出て逃避行する気もないですし。

 このような、「ロジックエラーの選択肢」を出すのは、もちろん、
「この設問にどう答えるかにおいて、霧江自身の価値観を露呈せよ」
 という意味です。

 どっちかを選ぶのなら、それで霧江という人物を見切ることができる。
 朱志香が想定しなかった、あっと驚くような別解を出してくるのなら、それはそれで朱志香の糧になる。
 行くも地獄、帰るも地獄。そういう状況で、霧江は何を最適解とするのか?
 そいつは是非とも見てみたい。


●霧江が出した「正解」

 そんな問題を出された霧江です。
 前述のとおり、自分は死んでもいいし、むしろ死にたいくらいのことを思っています。
 が、縁寿が須磨寺送りにならないような方策だけは、何とかとらねばならない。霧江の勝利条件は、自分が生き残ることではなく、縁寿が須磨寺送りにならないように持っていくことです。

 Ep7の場合は、目の前の絵羽を誘導すればよかったし、それは比較的簡単でした。しかし朱志香でそれは難しい。なぜなら、もう見るからに朱志香本人も死ぬ気満々だからです。かりに生き延びても逮捕・服役が待っていて、用をなしません。

 ですから戦人に生き延びてもらうしかありません。戦人が生きていれば、縁寿を保護してくれるでしょう。右代宮グループが戦人の後ろ盾になり、戦人が縁寿の後ろ盾になる。この構図が発生することにカケるしかありません。

 が、単純に朱志香が望むようなファンタジーストーリーを語ったところで、戦人が死ぬのは目に見えています。ただ選択肢1をバカみたいに選んではダメなわけです。

 霧江は電話をかけます。

 霧江は、悪魔が現われてみんなを次々に殺害していったんだ、悪魔や魔女というものは実在するのよ……というストーリーを語り出します。
 朱志香は、あぁ、そっちね……と思い、かるく失望します。
 ところが、その後、霧江はびっくりするようなことを付け加えます。

「………もし。あなたの前に悪魔やら魔女が現れても。」
「あぁ…。」
「その正体を、疑う必要は何もないわ。……そういうものだと、理解して。」
(略)
 だから、……あなただけは信じ、理解して、………私たちに受け止め切れなかった存在を、……受け止めてほしいの。
(Episode4)

 このことについては、「右代宮霧江とシンパシー・フォー・ザ・デビル」を先に読んだほうが、理解がしやすいかもしれません。

 魔女が現われたら、危険だから注意しろ、というのが当然のところです。大勢を殺した存在なんですからね。ですが霧江はすさまじいことを言って、傍聴していた朱志香をぎょっとさせます。

 魔女のことを、そういうものだと理解しなさい。
 魔女のことを信じて理解して、受けとめてあげなさい。


 朱志香は、
「私のことを理解してくれ、私のことを認めてくれ、私の本当を知ってくれ」
「私のことばを聞いてくれよ」

 という強い願いを持っていて、そのせいでこの事件を始めています。
 魔女がどうとかいうことも、「私は本当はこういう存在でありたいんだ」という、理解を求めるメッセージです。

 そしてその願いは、おもに戦人に向けられています。
 私という人間が、こうしてここにいたんだよ。戦人のことを待っていたんだよ。それを知ってほしい。私のことを思いだしてほしい。私のことを認めてほしい。
 そういう内心を持っている。

 霧江はそれを見抜いた。

 戦人がぶじに島を出る可能性があるとすれば、それは、戦人が朱志香をただしく理解し、受けとめ、それによって朱志香の心が満ちたりたときだ。

 だから、
「戦人くん、これからあなたの前に、魔女と称する人物が現われる。その人物のことを理解して受けとめてあげなさい」
 そういうスゴイことを、霧江は言う。

 それはまさに、正解にして最適解だったのです。霧江がぎりぎりで伝えたことばを正しく理解することができれば、戦人はたぶん生還してた……。


●「右代宮戦人の罪」を身にしみて理解する者

 さて。けっこうショックなことをいろいろ霧江からきいてしまった朱志香は、霧江をかたづけたあと、自室に戻って魔女の衣装を着て、戦人を呼びだし、嵐のバルコニーに出現するわけです。

 とりあえず戦人に三択クイズを出します。大切な人の名前は空欄にしてあります。
 その空欄に彼が何を入れるか。それがひとつのポイントです。何かをちゃんと覚えているのかどうか。紗音の名前を入れるかどうか。あるいはひょっとして朱志香の名前を入れたりするかどうか。

 戦人くんときた日には、さっき霧江から「理解して受けとめてあげなさい」と示唆されていたのに、
「愛してるぜベアトリーチェ、そして俺はせっかくだから二番の選択肢を選ぶぜ」
 とかいう、クリティカルにひどいことを言います。
 ベアトリーチェが一番求めてやまない言葉を使ってベアトリーチェを攻撃しているのですからこれはもう最悪です。

 これはどうも反応が悪いな、と思った朱志香は、「どうして6年間も右代宮家から離れたのだ、それをとがめに感じないのか」と、わりと直接的に問いただします。

 戦人は、「そりゃ子供っぽかったかもしれないが、オヤジだって悪いんだからおあいこで相殺ってことでいいだろ、こっちもいろいろ悩んだんだからごちゃごちゃいうなよ」くらいの答えでした。

 朱志香は「もっと他に懺悔すべきことがあるだろう。おまえには罪がある。それを思いだせ」と強要します。具体的には、紗音との約束を思いだすかどうか。あるいは奇跡的に、その陰にいた朱志香のことをおもんばかって悔恨するかどうか。

 戦人は、「わけがわからない」という反応です。そなたの罪でこの島の全員が死ぬ、と言われて逆上したりします。

 無理もない、といえば、無理もない話ですが、戦人くんは「理解し、受けとめる」ということが、ほとんどできませんでした。まあ公平に見て、朱志香が言ってるのは一種の無茶ぶりではありますからね。


 しかし。
 朱志香はここで、単に言葉通りの意味で、「なにがしの約束を思いださない戦人、それを思いだせ」ということを言っているのではないわけです。

 問題は、
「思いだせるか、思いだせないか」
 ではない。
「人の気持ちがわかるか、わからないか」
 です。

 紗音との約束を、忘れっちゃって、さっぱり思い出せないという、表層的な現象が問題なのではありません。
 そういうことをしたら紗音がどんな思いを抱くか、ということをまったく考えた形跡がない。それをとがめているのです。
 紗音がどんな気持ちで待っていたかなんて想像しようともしないし、そのまた陰で朱志香がどんな気持ちでそれを見ていたかなんて考えもしない。

 戦人は留弗夫のことを、「明日夢にひどいしうちをした、悪党」だと思っています。ことここに至ってもその認識が変わっていない。
 どうして親父はそんなことをしたんだろう、そこには何か特別な理由が?
 といったことを想像していこうという態度が、さっぱりない。

 だいたい、
「浮気をして、子供までできたあげく、前妻の喪にも服さないで再婚する」
 という留弗夫の行動を、「明日夢母さんをないがしろにしたな!」として怒ってるわけですが、「紗音と約束しといてそれをコロッと忘れ、6年間まったく放置する」というのは紗音をないがしろにしてるにもほどがあります。留弗夫はとがめに感じていますが戦人はそうじゃないのです。自分の都合しか考えてない、他人を責めるばかりで、自分がやってることに自覚がない。明らかに戦人のほうがろくでなしです。

 それを考えろ、気付け!
 朱志香ベアトリーチェは、そう言っているのです。

 朱志香には、それは人ごとではありません。
 その戦人の考え無しの態度は、
「夏妃が、どんな気持ちで自分を見守ってくれていたか考えもしなかった朱志香」
 という立場と、完全にひびきあっています。

 朱志香ベアトリーチェが、戦人の罪を告発するとき、それは朱志香自身の罪をも告発しているのです。

 これまで見てきたとおり、Ep1~4を通して朱志香は、
「ろくでもない生きる価値のない人間だと思っていた人が、全然そうではなくて、すぐれた心の持ち主だった。自分の目がくさっていただけだった」
 という体験を、いやというほど繰り返しました。
 自分の気持ちしか頭にない、人の気持ちを考えもしない自分だったから、大切なことがまったく見えていなかったのです。

 そして今ここに、自分の気持ちしか頭にない、人の気持ちを考えもしない少年がいます。
 それがどれだけ罪深いことか。
 その罪深さを最も身にしみて理解しているのが、朱志香ベアトリーチェです。


 この物語は、自分の気持ちばかりとりあっていて、人の気持ちがわからない2人の少年少女が、それぞれに何か大事なことをつかみとろうとしてもがく物語です。


「おまえは誰で、どうしてこんなことをしたんだ?」
 そういう疑問を抱き、積極的に身を投げ出して想像していくこと。
 それが霧江のいう、「理解し、受けとめる」です。戦人はそれに失敗してしまいます。失敗してしまいましたから、ベアトの物語は終わっても、戦人の物語はまだまだ続きます。


●朱志香から戦人へ。戦人から縁寿へ

 以上が、朱志香=ベアトリーチェの物語です。

 ひどい人たちが集まる右代宮家、六軒島。
 ここを「死」という永遠の扉で閉ざし、観測不能の時空のはざまに、幻想の黄金郷を築こうというのが、彼女の思惑でした。
 すべての人が美しい心を持ち、みんなが慈しみあう理想郷。黄金郷。そういうまぼろしの世界を量子力学のトリックのはざまに築き上げようと思っていました。

 けれども。

 黄金郷は最初からここにあったのです。それが自分に見えていないだけだったのです。

 それが分かった結果。殺人者である自分は、黄金郷の創造者などではなく、黄金郷の破壊者でした。
 黄金郷を、自分の手で損なうということを、4度、繰り返しました。

 もういい。
 もう充分です。自分の罪が充分にわかりました。

 このうえどれだけ繰り返しても、戦人への愛は成就せず、美しいものを自分の手で壊すことのくりかえしです。

 もうこれ以上、自分の手で黄金郷を壊したくありません。ですから彼女は、ゲームを放置し、永遠に停止しようとします。
 それができなかったので、彼女は、思考ずることをやめ、動作することをやめ、人形のようになることでこの拷問からドロップアウトします。


 そしてゲームには、まだ自分の罪が――人の気持ちがわからないという罪がはっきりと自覚されてはいない、右代宮戦人が取り残されます。彼は、ベアトのいないゲーム盤の中で、それを知っていくことになります。

 右代宮戦人がそれを思い知ったあと――

 12年後の世界に、右代宮家を憎み、六軒島を憎み、そこが実は光輝く黄金郷であることに気付きもしない右代宮縁寿が取り残されています。
 自分が霧江と絵羽にどんなに慈しまれ守られていたかなんて知りもしないで、六軒島の人々がどんなにいい人たちだったか知りもしないで、絵羽を憎み、右代宮家を心のない金持ちだと思っています。

 そうじゃないんだ。
 そうじゃないことを、俺もベアトリーチェも、この島で知ったんだよ。

 戦人はとくべつに、縁寿を六軒島に呼び、そのことを教えてあげるのでした。


●まぼろしよ美しくあれ

 これが、わたしの目には見ることができた、まぼろしの世界です。



■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■
コメント (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 朱志香=ベアトリーチェの物... | トップ | 探偵視点は誤認ができる »

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (なつ)
2011-06-30 11:23:05
こんにちは。素晴らしい考察で興味深く読ませていただきました。

自分がEp1~4を通してようやく理解できたことを
そういった体験をしていない戦人に理解しろと言う朱志香は、
Ep4終了段階でも人の気持ちを考えもしない思い込みの人ではないかと思います。

戦人の経験は(実の父が浮気をして、子供までできたあげく、前妻の喪にも服さないで再婚する)
子供にとってはなかなか越えがたい経験ではないかと思います。

戦人はバカではありません。
きっと朱志香のように各人の心情を聞けば、理解・成長できたのではないでしょうか。

それをせず理解しろという朱志香は無茶ぶりにも程があります。
戦人が失敗して当然です。

この考察の中の朱志香は大切なことに気づき素晴らしい成長をしたと思いますが、
もう少しだけ成長すれば、落胆することもなく幸せになれたのではないでしょうか。
この考察を通してうみねこ全体や朱志香個人を見ると、切なくてたまりません。
返信する
Unknown (Townmemory)
2011-06-30 16:46:11
●なつさん

 こんにちは。そうですね、わたしもこれはやはり一種の無茶振りであろうと思います。

 ただ、わたしはこう思うのですが、「人から言われた正しいこと」って、なかなか身につきにくいのではないでしょうか。多くの場合、心に強く銘記されることって、あるとき自分で「あっ」と気づいたことだと思うのです。また、その逆の例として、正しいことなのに(どんなに正しくても)、それが「人から指摘された」ことであるためにどうしても受けいれることができない、そういう例をわたしはいっぱい見てきています。
 ここで語られている朱志香も、「あなたのお母さんはあなたをすごく心配しているよ」といったことを、事件を経験するまえに誰かが教えてあげたとしても、「はん?」と鼻で笑ったでしょう。経験を通じて、自分の心の内からわきでてきた発見だから、身につくわけです。

 そんな朱志香ベアトリーチェは、自分の罪を発見できる絶好の場としての「このゲーム」を戦人に残してあげています。案内人としてワルギリアもつけてあげています。Ep5以降というのは、ベアトリーチェが恵んでくれた、「自分の裡からわき上がる思いとして、罪を自覚していく」絶好の機会なのだと思います。「結論だけ教えてあげる」のではなく、自分がそれに気づいたときと同じ経験をする機会をあげるのが、恵みなのだと、わたしはそう思っています。

 ベアトリーチェを求める男が、ワルギリア(ウェルギリアス)に導かれて、罪を自覚するための試練を受けていくわけですから、これは『神曲』の煉獄編のようですね。わたしはそんな気持ちでいます。ご参考になりましたでしょうか。
返信する
Unknown (ソイソース)
2011-06-30 20:59:48
EP4を、朱志香から戦人へのメッセージ、霧江という女性がどういう人で何を思ってるのかという見方で読むと、霧江の気持ちを理解できず絵羽を拒絶した縁寿が不幸のどん底で悶え苦しんでいる姿が延々と語られるEP4未来パートが、あまりにやるせなすぎて、たまらないですね。

EP4に限らず、偶数エピソードはあるキャラからあるキャラへのメッセージととれる部分が多いですね。

EP2は、真里亞が、「魔女を信じないなら人間が犯人ってことになるけど、それでいいの?」と、戦人に迫っているように見えます。
EP6は、独自解釈ですけど天草=戦人、八城=真里亞が、縁寿=ヱリカに、「並び立つ真実もある論」を説こうとしているんではないかと思ってます。
あるいは、その論を利用して縁寿を真相から離れるように誘導、あるいは口封じしようとした。

EP8は、EP6の発展版。
縁寿に対し、「真実なんて誰も幸せにしないから一緒に隠蔽しないか」と、共犯を持ちかける、天草=戦人と、八城=真里亞という構図。
魔法エンドが、説得に応じた例。
名前を変えて天草と共に逃亡。
手品エンドが説得に応じなかった例。
ここで隠蔽に協力しなかったら天草=戦人に殺されると思った縁寿が、先手を打って天草=戦人を殺害。
返信する
Unknown (ソイソース)
2011-07-01 01:50:09
連続投稿すいません。

八城=真里亞、ここは紗音じゃないかと突っ込まれる場所だと思いますが、このほうが個人的に好み。

Townmemoryさんの朱志香ベアト説を参考にしつつも、元祖ボトメ作者:紗音、偽書作家:真里亞説、戦人=天草説、真里亞と戦人による真相の隠蔽説と言う、マニアックな独自理論で考察してるもので。

以下理由(強引なうえ、他所でやれ的な内容)
理由1:声優が真里亞=羽入。八城は羽入をモデルにしたキャラ。
理由2:八城の尊大な性格、どこか黒真里亞に似てない? 
理由3:幻想パート。作者が悪魔類に詳しすぎ。悪魔に詳しそうなキャラって真里亞?
理由4:EP2までで真里亞と楼座目立ちすぎ、3以降で真里亞と楼座の存在感がどんどん薄くなる。EP3の優しい楼座、EP6の楼座の語られ方、EP7で真里亞白化(魔女→神の子のクラスチェンジ)、EP8のベルンカステルのゲームにおいて『犯人は第一の晩で実は死んでいない人物だ!留弗夫一家が犯人だ!(戦人・ベアト)いいや、絵羽一家犯人説も成り立ちます!(ヱリカ)』そして言及されない、第一の晩死亡者の右代宮楼座。うみねこWIKIより一部引用してますが、偽書を隠蔽の道具として使った場合を考えると、親子共に徐々に薄く白くフェイドアウトって不自然じゃない?
理由5:EP2、EP4の真里亞、EP6、EP8の八城の行動原理が、どっちも真相から目を背けさせようと誘導してる点で共通。この説の最大の魅力は、重要人物真里亞=八城の行動原理がブレない事。
理由6:偽書とボトメの作風の違い大きすぎ。後期クイーン問題と、猫箱理論を軸に考える。
後出しの嘘の事実を出しまくる事で、真実の塗り替えを図ってるんじゃないの?
理由7:個人的にEP6を最も楽しめる見方。縁寿=ヱリカ、真里亞=八城、天草=戦人が、同室で語り合ってる事を想像するだけで……。あとこの見方で見るとEP8の戦人→縁寿が、EP2の真里亞→戦人の再現に見える。

偽書作者の八城が誰かって事だけを考えたら、真里亞八城説が譲れない。

ただ、顎が発見された問題の解決法(鷹野34の歯型のトリックを使う?)や、六軒島で現実に起きた事件の具体的な内容がさっぱりわからなくなるのがこの説の欠点か。
返信する
Unknown (SS)
2011-07-03 21:42:39
思えばep7で動機を推理しろ!と読者に向かって投げかけていたのかも知れない

(唯、難易度皆無 これは告白なのですをそのまま信じた場合、これ以上考える必要が無いように思えてしまうってのもありますが…)

そして劇中のパズル要素だけでなく人間関係の描写を頼りにハウダニットによって犯人を追いつめた(見つけてあげられた)
Townmemoryさんの推理、大好きです

すげぇ今更ですがep1お茶会で朱志香だけ不自然だった描写がそのまま本作の回答…なのかも
竜騎士さんならやりそうですな
返信する
Unknown (ソイソース)
2011-07-04 10:32:26
上で挙げた、真里亞=八城説なら、ベアトの弟子真里亞が、マリアージュソルシエールの仲間であり、ベアトリーチェ本人である朱志香を守るために戦人とともに奮闘する話になります。
仲間のために、隠す……。
なんか、ひぐらしの罪滅し編みたい。

でも、別解釈もあり。
朱志香=ベアトリーチェ自身が、物語の作者だったとしても話が通るんですよね。
その仮説なら、隠蔽役は朱志香。
真相を病みに隠したい、でもそれとは裏腹に、心の奥底では読んでくれた人に、事件の真相を気づいて感じ取って欲しい朱志香。
この、「知られたくないけど、気づいて欲しい」という感情は、ひぐらし罪滅し編の竜宮レナを思い出します。
竜宮レナは、普段仲間の前では悩みを見せず明るく振舞うものの、その裏では複雑な家庭問題苦しんでいました。
心がボロボロで、本当は、すぐにでも誰かに助けてもらいたい。
でも、誰かに事情を話すという事は、今の不幸な私を認めるという事。
みんなが、私の事を不幸な子だと認識してしまう。
私は、幸せな女の子、レナなんだ。
不幸な礼奈とは違うんだ!
知られてしまうと、今までどおり、お互い何の気も使わずに楽しく過ごす事なんて、できない。
沙都子ちゃんが虐待を受けてた時みたいに、私はみんなに「可哀想」だという同情の目で見られるの?
それは嫌! 幸せな私が、幸せな家族がみんな消えちゃう。
私の今まで作り上げてきた幸せな世界が壊れるのは嫌!
仲間に相談なんて、私にはできないよ!

って、また罪滅し編を例に挙げてしまいました。
竜騎士07の好きそうな展開を考えると必ず罪滅しにたどり着くのは何故w?

これをうみねこの朱志香ベアト説に当てはめると、こうなりますね。

誰かに真相を知られると、私が今まで六軒島や、右代官家で過ごしてきた時間が、悲劇だと思われてしまう。
だから、隠さないといけない。
そうだ、魔女と悪魔が面白おかしく日々を過ごすファンタジーを見せなきゃ。
いつも穏やかにお茶とクッキーを食べつつ、チェスを楽しんだり。
殺人事件も、愛と勇気の物語に変えよう!
その事件の中では、私の家族はみんな仲良しで、お互いを守るために命をかけて戦うんだ!
決して、汚いお金の話なんかで憎みあうことは六軒島では無いんだ!
恐ろしい銃で命のやり取りなんてしない。
ここは、わくわくドキドキの剣と魔法の世界。
私達は、人間同士で殺しあってたんじゃない!
家族一致団結して、共通の敵と戦ってたんだ!
私のパパなんて、悪いヤギ相手に勇敢に戦って……そして死んだんだ。
そういう事で……いいよね。

そんな、優しい嘘を、弱い自分を守るための嘘を書き綴った一冊の本。
これが、私の『幸せノート』。

でも、誰にも自分や家族の悲しみや嘆きの声が聞いてもらえないのは寂しい、悲しい、怖い。
自分の書いた幸せな、嘘の自分のせいで、もう二度と私の苦しみが誰にもわかってもらえないの?
誰かお願い、私の痛みに、誰か気づいて!!
真実は、この激しい痛みとともにあるのだから(EP4エンディングテーマ:アクティブペイン)……

偽書やボトメの作者は、果たして真里亞なのか朱志香なのか……?
どっちをひぐらしの竜宮レナ(自分を幸せだと思って欲しい不幸な少女)に当てはめればいいのか?

誰かに見られたら、観測された途端に消えてしまう、私の『幸せの魔法』。
でも、それでも私は全ての真相に気づいて欲しい。
全ての幻想が消えた後、そこに残った私という少女の存在を受け入れて欲しい。

気づいて…っ!
こんな、「幸せノート」を書かなきゃいけないような、それで自分を慰めなきゃ生きられないような、悲しい女の子が、この島には’い’たんだよ……。

どっちにせよ、作者の動機を考えるという点ではEP6が、面白いですね。
リアルタイムでプレイした時には意味不明だったEP6ですが、朱志香=ベアトリーチェと当てはめてみると、パズルのピースが嵌っていくかのように、作者の本音と建前がわかっていきます。

確かに、作者が日記で自画自賛したのもうなづけます。
考察すればするほど、EP6がやばい!

『幸せノート』という単語を出して思いましたが、朱志香(ボトメや偽書作成)=詩音(幸せノート作成)で、やってる事が似てる件。
返信する
Unknown (ソイソース)
2011-07-04 10:45:55
連投ごめんなさい。

朱志香って、ここのサイトの推理を鵜呑みにするならば、魅音と詩音を合わせたようなキャラですね。

ガサツで男っぽい言葉遣いや、好きな子への反応など、表向きの性格は、どうみても魅音そっくり。

でも、心の暗黒面(EP2の黒すぎベアトが朱志香ならば)、「幸せノート」執筆(朱志香=作者説)と、普段人に隠してる内面に限っては詩音っぽい要素の集まりに見える。

これは、案外、作者が狙ったのかもしれませんね。

ひぐらし時代、作者竜騎士07が昔好きだったらしいゲーム『ダブルキャスト』の二重人格キャラ『赤坂 美月』の光の部分を魅音、影の部分を詩音と分けたように。
うみねこでは、光を朱志香、影をベアトリーチェとして書いていたら……。
返信する
Unknown (ソイソース)
2011-07-04 11:52:56
何度も何度もここに書き込んですいません。
2ちゃんねるの本スレが、アンチだらけになって議論できる環境にないもので、避難所的に利用してしまって。

あと、Townmemoryさんの受け売りが多くてごめんなさい。

さっき、うみねこEP8は、「読者を振るいにかけるために執筆した説」ってのを思いつきました。

読者に喜んでもらう事を優先するならば、普通EP8のような内容の話は書きません。
謎は解けない、キャラの内面がわからないから感動も無い、隠蔽はいいことだと連呼する主人公、それに洗脳される縁中、作者が、推理をしようとする読者を常に罵倒し続けるという、快感原則からあまりにかけ離れた展開。

事実、2ちゃんねるや、感想ブログの反応は、最悪を極めているようです。
EP8は、「作者がうみねこをミステリーとして読んだ読者を罵倒するために書いたエピソードだ」と憤慨している推理人もいました。
「実際のところ、どのキャラが何をしたのかわからない。誰1人下位世界の人間のキャラが立たずに終わってしまった」という人もいました。

『作者が何故こんな物語を書いたのか?』

それを、推理する物語だと、EP5と6で散々連呼しまくったのはこのEP8を書くためじゃなかったのかな?
その謎を解き明かす鍵として、上で書いた「気づいてほしいけど、でも気づかれるのが怖い幸せノート説」があります。

ひぐらしのレナ、詩音、沙都子の心情、うみねこの朱志香ベアトの心情、作者の竜騎士07の心情が見事にシンクロするんですよね。

真相に気づいてくれるのは、読者を怒らせるために書いた最後のエピソードを読んでもなお、ついてきてくれる読者だけでいい、むしろ、最後のエピソードに切れるような軽薄な読者に私の本心なんて知ってほしくない。
今までの7つのエピソードで真相は散々語ってるんだ! それでもわからない無能なヤギには、最終章だからと真相なんて与えてやる物か!
感動だって、与えてやる物か!

この幻想だらけの幸せノートから、朱志香ベアトの悲しい心情を見つけ出して欲しい。

作者の竜騎士07、朱志香ベアトリーチェはそう思って、EP8を書いたという説です。

……でも、もしこれが事実なら、作者の竜騎士07さんは、読者を信用しすぎ。

同人ならともかく、お金が絡む商業作品で読者を試すような話を、やっちゃ駄目でしょう。
わざと怒らせたとして、その後始末はどうするか考えてたの?
嘘を見抜いてくれる読者の登場を願った?
文章の読者ってものは、嘘を解き明かすところまで作者にやってもらわないと不安でたまらないもんなんです、特に僕なんてその1人。
キャラの心情を軸に考察して色々理解しかけているのに、それが正解だと保障されることは、努力が報われる事は、もう二度とないんですよ!
考察をするのは、よほどうみねこが好きな人だけ。
それなのに正解を言わない事で、考察してきた人は自分の説が正しい保障が一生得られない。
自分の考察の努力が、正しかったことを確かめる事ができない!
正解じゃなくてもいい、間違いでもいい。
作者に答えを教えて欲しい!
EP5や6をリアルタイムでプレイしてた時に感じていた悲劇の物語像に保証を与えて欲しい。
自分の想像で構築された真相に、本当に感動していいのか教えて欲しい!
それが今の正直な自分の本音です。

EP8の、読者を試すというコンセプトは、やるべきじゃなかった……ですね。
スクエニとアルケミストの中の人を、今
何人食わせているのかを考えれば、無謀すぎ。

するにしても、それはEP7のうちにして、EP8で答え合わせ&祭編ばりにライト読者向けの感動ストーリーするべきでした。
返信する
Unknown (ソイソース)
2011-07-04 12:05:58
作者が、何も考えず、ただ推理物語としてのロジックが破綻しただけなら、こんな思いは抱かないんですが……。

うみねこ散シリーズになってからの大きな流れに1つのちゃんとした意図が感じられて、あるキャラにあるキャラを当てはめれば、それによってEP5~8の出来事にある程度理解ができてしまう。

考察後、作中の出来事が、ちゃんと繋がってるのを理解したからこそ、作者に真相をつづった物語を書いて、ちゃんと出して欲しいんですよね。

それなのに、うみねこ礼が、うみねこ翼のような短編集になる話を聞いて、本当に落ち込みました。

一部の読者は、朱志香(僕の仮説では朱志香+真里亞。魔女朱志香ベアトが書いたボトメを基に、その弟子八城真里亞が偽書を執筆する物語です。)を中心とした物語の趣旨に気づき始めている! 竜騎士07を理解し始めている。
だからこそ、その読者に正解の保証を与える義務が、作者の竜騎士さんにはあると思うんですよね。
返信する
ソイソースさんへ (SS)
2011-07-08 23:31:51
まあ、商業作品ならばそうかもしれませんね

ですが敢えて今更の今更、うみねこの開幕の言葉

「この物語は幻想に決まっています」

これによって竜騎士さんは全ての突っ込み、批判に対しての鎧を纏い終えている…のかも知れません
この台詞があるからこそ、何もかもを優しい嘘で包む結末は、許されてよいのだと私は思います
魔女のep6,7の台詞でこの物語の終わり方は予想を裏切る、上回ると散々予防線を張っていましたし、結末を明かさないことは、赤き真実の結末を語らないのは当然の帰結だと悟るべきだったのかもしれませんね

まあ、1500円(だっけか)にそれでも見合わないと思うならば、竜騎士07さんはどやされてしかるるべきかもしれませんですが
個人的には料金分を遥かに超えて楽しめました

ので、私個人としては同人のように結末を秘める、自分だけの物語を竜騎士さんがやっても許されると、私は思いますね

というか、さいごのかぎで開かれたのかもしれませんが…
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

犯人特定」カテゴリの最新記事