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犯行告発ep6・サファイア・アキュゼイション6
筆者-初出●Townmemory -(2010/04/24(Sat) 00:58:39)
http://naderika.com/Cgi/mxisxi_index/link.cgi?bbs=u_No&mode=red&namber=45379&no=0 (ミラー)
[Ep6当時に執筆されました]
●再掲にあたっての筆者注
「うみねこのなく頃に」公式掲示板にて、「サファイア・アキュゼイション」(蒼き告発)シリーズという企画が行われています。
これは、各エピソードの各殺人現場で、いったい誰が殺人をし、誰がその共犯者なのか、考えうるパターンを最大3個まで挙げて、その結果を集計し、
「いったい誰がどのくらい怪しまれているのか」
を、数値化してみよう、という企画です。
わたしが提出した答えを、以下に再掲します。今回はep6です。
ep6の殺人は、古戸ヱリカが自分の犯行であると自分で言っていますので、焦点を「誰がやったか」ではなく「どのようにやったか」に合わせて回答することにしました。
出題文はここからの引用です。
初出に入っていた雑談部分を削除しました。
過去のの「サファイア・アキュゼイション」をご覧になりたい方はこちらへ。
以下が本文です。
☆
> 【EP6】第1の晩 夏妃の部屋・貴賓室・蔵臼の部屋
> 〔被害者〕右代宮夏妃・右代宮絵羽・右代宮霧江
パターン1(のみ):古戸ヱリカ(殺害)
サファイア開催を強力リクエストした身としては、ひとつ奇抜な回答でもして皆さんのご機嫌を伺いたいところなのですが、何の奇もてらわない回答です。
殺害犯古戸ヱリカによる他殺。タイミングは、見取り図を片手に検死と現場検証に駆け回っていたとき。殺害方法は厨房から拝借した包丁とビニール袋。
作中で語られたとおりのことが起こったという素直な受け取り方です。頭部を切断したので、赤文字レベルで死を確定できる、という論理を、そのまま納得します。
(でも、「頭部を切断された死体を誰も確認していない」ことはひとつのポイントではあると思う。ヱリカがそう主張しただけかもしれないし、「ヱリカは、殺してもいないのに殺したかのように思いこんだ」のかもしれない。このへん検討している人、いないかな)
個人的に、重要だと思うのは、
「古戸ヱリカは、自分の推理を美しく完遂させるためには、殺人も辞さない」
という行動式を持っている人物であることが、ここで示された。
という点です。
わたしは「Ep5古戸ヱリカ犯人説」というのを持っていますので、おおっとお、やっぱそうですかあ、的なことを思ったりしたわけです。
古戸ヱリカは、
「連続殺人事件が発生し、その犯人は右代宮夏妃である」
というEp5の論理を美しく完成させるためには、自ら殺人を犯すことも辞さない。
そういうことを充分にやりかねない人物であることが示された……というのが、自分の推理にひきつけた言い分です。
ビニール袋をかぶって返り血を避けた、というのも面白いところで、Ep5の殺人犯が古戸ヱリカであるなら、「秀吉殺し」のときに同じ方法をとった可能性があります。
秀吉は客室で殺人犯に直面したとき、
「誰やあんた!」
と叫んでいます。たぶん、86年当時のゴミ用ビニール袋は真っ黒色でしょう。そんなものを頭からひっかぶっている人物がバスルームあたりからふらっと現れたら、それはもう、「誰やあんた」の世界なのです。
> 【EP6】第1の晩 客間
> 〔被害者〕右代宮楼座・右代宮真里亞
パターン1(のみ):古戸ヱリカ(殺害)
夏妃・絵羽・霧江の各部屋で起こったことと、まったく同じと考えてさしつかえないと思います。
★勝手にエクストラ問題★
【EP6】第?の晩 いとこ部屋
〔被害者〕嘉音
パターン1(のみ):犯人なし(嘉音は最初から存在しなかった)
機会があるたびにわりあい同じことをなんども書いていますが、嘉音という人物は最初から存在せず、Ep1の最初の登場シーンからすべて、「嘉音が存在する」という描写は全部幻想描写であるという解釈です。
嘉音は、煉獄の七姉妹やさくたろうやロノウェなどとまったく同じ扱いのキャラクターであり、幻想描写がなされなくなったら消えてしまうという考え方です。ルチーア学園で煉獄の七姉妹が砕け散ったのとほぼ同じ現象が、いとこ部屋で嘉音に起こっている、くらいの受け取り方です。
例えば「さくたろう」は、真里亞がオリジネーターで、ベアトリーチェがそれを共有していました。さくたろうという幻想を生み出したのは真里亞でしたが、ベアトリーチェもさくたろうという幻想を認めていて、ベアトリーチェはさくたろうとお話ができたのです。
同様に、「嘉音」は紗音がオリジネーターで、朱志香がそれを共有しているという考え方をします。
「弟のような男の子がいて、自分に助言してくれたらいいな」と思う気持ちが、紗音の中で「嘉音」という幻想キャラクターになった。その幻想キャラクターの存在を朱志香が知り、朱志香も嘉音という存在を認めていて、話ができた。
そんな感じで見ることにします。
さて、「いとこ部屋で嘉音が消滅する」、という現象が発生するには、どういう条件があればいいのかな……。
以下、細部がところどころ合わないのですが、「だいたいこんな感じ」というところを語ります。
嘉音の存在とは、紗音と朱志香による一種の「お人形遊び」である、といった理解で考えます。
例えば、「朱志香が嘉音とお話したい」ときには、「紗音が嘉音のロールプレイをする」。
「紗音が嘉音とお話したい」ときには、「朱志香が嘉音のロールプレイをする」。
そういうお人形さん遊びの関係性があったと仮定してみるわけです。
このへん、詳しくはこちら→ ep6初期推理1・紗音嘉音問題/八城十八と「ふたつの真実」
Ep6のフェザリーヌの解説に、
「真里亞がぬいぐるみ遊びへの興味を失えば、さくたろうは死ぬ」
といった話がありました。
ということは、この推理に基づけば、
「紗音がお人形遊びへの興味を失えば、嘉音は死ぬ」
ということになります。これはとりあえずOKとします。「決闘」のシークエンスとも合致しますものね。
隣部屋で、紗音は、譲治と将来のこととかをいろいろ深刻に話し合った結果、
「あ、やっべ。もう嘉音ごっこでジェシーと疑似恋愛なんかしてる場合じゃねーヨ」
みたいなことに、ハタと気づいてしまった、くらいのことで良いと思います。
(まあこんな口調でこんなミモフタもない言い方はしないとは思いますけどもー)
さて、紗音の中の嘉音はこれで死んでくれますが、「朱志香の中の嘉音」はどうなのか。
「朱志香が嘉音とお話したい」ときには、「紗音が嘉音のロールプレイをする」
という関係性があったとした場合、
朱志香にとって、紗音は、「嘉音の依り代」である。
みたいなことが言えそうです。
だとすると、紗音が「嘉音ごっこでジェシーと疑似恋愛」をやめるということは、
「紗音は、“嘉音の依り代”ではなくなる」
みたいな言い方ができそうです。
「依り代が壊れたらさくたろうは死んじゃって蘇りませんよ」という話は、Ep4でも、Ep6のフェザリーヌの解説でも、何度も出てきます。
ですので、例えばもし、紗音が内線電話で隣部屋から電話をかけてきて、
「申し訳ありませんお嬢様。嘉音くん終了のお知らせです」
みたいなことを言ったら、朱志香の目の前で、ちょうどEp6のあんな感じで、嘉音くんは消滅するかもしれません。
もちろん、朱志香は自分の心の中だけで、いくらでも嘉音を存在させ続けることは、できるんだとは思います。ベアトリーチェが、「真里亞には見えないさくたろう」をいくらでも作り出せたのと同じように。
けれども、その嘉音は、「朱志香の想定内のことしか言わない、味気ない嘉音」なのかもしれないですね。
メタ世界の書斎で、戦人が、自分好みのベアトリーチェを幻想したのはいいけれど、自分が許可したセリフしか言わなくて、だめじゃーんと思って幻滅する。「それはやっぱり私が会いたい嘉音くんじゃないんだよ……」みたいなことなのかもしれない。
おおざっぱに、そんなようなことを、今考えてみました。
■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■
■関連記事
犯行告発ep1・サファイア・アキュゼイション1
犯行告発ep2・サファイア・アキュゼイション2
犯行告発ep3・サファイア・アキュゼイション3
犯行告発ep4・サファイア・アキュゼイション4
犯行告発ep5・サファイア・アキュゼイション5(上)
犯行告発ep5・サファイア・アキュゼイション5(下)
犯行告発ep6・サファイア・アキュゼイション6
筆者-初出●Townmemory -(2010/04/24(Sat) 00:58:39)
http://naderika.com/Cgi/mxisxi_index/link.cgi?bbs=u_No&mode=red&namber=45379&no=0 (ミラー)
[Ep6当時に執筆されました]
●再掲にあたっての筆者注
「うみねこのなく頃に」公式掲示板にて、「サファイア・アキュゼイション」(蒼き告発)シリーズという企画が行われています。
これは、各エピソードの各殺人現場で、いったい誰が殺人をし、誰がその共犯者なのか、考えうるパターンを最大3個まで挙げて、その結果を集計し、
「いったい誰がどのくらい怪しまれているのか」
を、数値化してみよう、という企画です。
わたしが提出した答えを、以下に再掲します。今回はep6です。
ep6の殺人は、古戸ヱリカが自分の犯行であると自分で言っていますので、焦点を「誰がやったか」ではなく「どのようにやったか」に合わせて回答することにしました。
出題文はここからの引用です。
初出に入っていた雑談部分を削除しました。
過去のの「サファイア・アキュゼイション」をご覧になりたい方はこちらへ。
以下が本文です。
☆
> 【EP6】第1の晩 夏妃の部屋・貴賓室・蔵臼の部屋
> 〔被害者〕右代宮夏妃・右代宮絵羽・右代宮霧江
パターン1(のみ):古戸ヱリカ(殺害)
サファイア開催を強力リクエストした身としては、ひとつ奇抜な回答でもして皆さんのご機嫌を伺いたいところなのですが、何の奇もてらわない回答です。
殺害犯古戸ヱリカによる他殺。タイミングは、見取り図を片手に検死と現場検証に駆け回っていたとき。殺害方法は厨房から拝借した包丁とビニール袋。
作中で語られたとおりのことが起こったという素直な受け取り方です。頭部を切断したので、赤文字レベルで死を確定できる、という論理を、そのまま納得します。
(でも、「頭部を切断された死体を誰も確認していない」ことはひとつのポイントではあると思う。ヱリカがそう主張しただけかもしれないし、「ヱリカは、殺してもいないのに殺したかのように思いこんだ」のかもしれない。このへん検討している人、いないかな)
個人的に、重要だと思うのは、
「古戸ヱリカは、自分の推理を美しく完遂させるためには、殺人も辞さない」
という行動式を持っている人物であることが、ここで示された。
という点です。
わたしは「Ep5古戸ヱリカ犯人説」というのを持っていますので、おおっとお、やっぱそうですかあ、的なことを思ったりしたわけです。
古戸ヱリカは、
「連続殺人事件が発生し、その犯人は右代宮夏妃である」
というEp5の論理を美しく完成させるためには、自ら殺人を犯すことも辞さない。
そういうことを充分にやりかねない人物であることが示された……というのが、自分の推理にひきつけた言い分です。
ビニール袋をかぶって返り血を避けた、というのも面白いところで、Ep5の殺人犯が古戸ヱリカであるなら、「秀吉殺し」のときに同じ方法をとった可能性があります。
秀吉は客室で殺人犯に直面したとき、
「誰やあんた!」
と叫んでいます。たぶん、86年当時のゴミ用ビニール袋は真っ黒色でしょう。そんなものを頭からひっかぶっている人物がバスルームあたりからふらっと現れたら、それはもう、「誰やあんた」の世界なのです。
> 【EP6】第1の晩 客間
> 〔被害者〕右代宮楼座・右代宮真里亞
パターン1(のみ):古戸ヱリカ(殺害)
夏妃・絵羽・霧江の各部屋で起こったことと、まったく同じと考えてさしつかえないと思います。
★勝手にエクストラ問題★
【EP6】第?の晩 いとこ部屋
〔被害者〕嘉音
パターン1(のみ):犯人なし(嘉音は最初から存在しなかった)
機会があるたびにわりあい同じことをなんども書いていますが、嘉音という人物は最初から存在せず、Ep1の最初の登場シーンからすべて、「嘉音が存在する」という描写は全部幻想描写であるという解釈です。
嘉音は、煉獄の七姉妹やさくたろうやロノウェなどとまったく同じ扱いのキャラクターであり、幻想描写がなされなくなったら消えてしまうという考え方です。ルチーア学園で煉獄の七姉妹が砕け散ったのとほぼ同じ現象が、いとこ部屋で嘉音に起こっている、くらいの受け取り方です。
例えば「さくたろう」は、真里亞がオリジネーターで、ベアトリーチェがそれを共有していました。さくたろうという幻想を生み出したのは真里亞でしたが、ベアトリーチェもさくたろうという幻想を認めていて、ベアトリーチェはさくたろうとお話ができたのです。
同様に、「嘉音」は紗音がオリジネーターで、朱志香がそれを共有しているという考え方をします。
「弟のような男の子がいて、自分に助言してくれたらいいな」と思う気持ちが、紗音の中で「嘉音」という幻想キャラクターになった。その幻想キャラクターの存在を朱志香が知り、朱志香も嘉音という存在を認めていて、話ができた。
そんな感じで見ることにします。
さて、「いとこ部屋で嘉音が消滅する」、という現象が発生するには、どういう条件があればいいのかな……。
以下、細部がところどころ合わないのですが、「だいたいこんな感じ」というところを語ります。
嘉音の存在とは、紗音と朱志香による一種の「お人形遊び」である、といった理解で考えます。
例えば、「朱志香が嘉音とお話したい」ときには、「紗音が嘉音のロールプレイをする」。
「紗音が嘉音とお話したい」ときには、「朱志香が嘉音のロールプレイをする」。
そういうお人形さん遊びの関係性があったと仮定してみるわけです。
このへん、詳しくはこちら→ ep6初期推理1・紗音嘉音問題/八城十八と「ふたつの真実」
Ep6のフェザリーヌの解説に、
「真里亞がぬいぐるみ遊びへの興味を失えば、さくたろうは死ぬ」
といった話がありました。
ということは、この推理に基づけば、
「紗音がお人形遊びへの興味を失えば、嘉音は死ぬ」
ということになります。これはとりあえずOKとします。「決闘」のシークエンスとも合致しますものね。
隣部屋で、紗音は、譲治と将来のこととかをいろいろ深刻に話し合った結果、
「あ、やっべ。もう嘉音ごっこでジェシーと疑似恋愛なんかしてる場合じゃねーヨ」
みたいなことに、ハタと気づいてしまった、くらいのことで良いと思います。
(まあこんな口調でこんなミモフタもない言い方はしないとは思いますけどもー)
さて、紗音の中の嘉音はこれで死んでくれますが、「朱志香の中の嘉音」はどうなのか。
「朱志香が嘉音とお話したい」ときには、「紗音が嘉音のロールプレイをする」
という関係性があったとした場合、
朱志香にとって、紗音は、「嘉音の依り代」である。
みたいなことが言えそうです。
だとすると、紗音が「嘉音ごっこでジェシーと疑似恋愛」をやめるということは、
「紗音は、“嘉音の依り代”ではなくなる」
みたいな言い方ができそうです。
「依り代が壊れたらさくたろうは死んじゃって蘇りませんよ」という話は、Ep4でも、Ep6のフェザリーヌの解説でも、何度も出てきます。
ですので、例えばもし、紗音が内線電話で隣部屋から電話をかけてきて、
「申し訳ありませんお嬢様。嘉音くん終了のお知らせです」
みたいなことを言ったら、朱志香の目の前で、ちょうどEp6のあんな感じで、嘉音くんは消滅するかもしれません。
もちろん、朱志香は自分の心の中だけで、いくらでも嘉音を存在させ続けることは、できるんだとは思います。ベアトリーチェが、「真里亞には見えないさくたろう」をいくらでも作り出せたのと同じように。
けれども、その嘉音は、「朱志香の想定内のことしか言わない、味気ない嘉音」なのかもしれないですね。
メタ世界の書斎で、戦人が、自分好みのベアトリーチェを幻想したのはいいけれど、自分が許可したセリフしか言わなくて、だめじゃーんと思って幻滅する。「それはやっぱり私が会いたい嘉音くんじゃないんだよ……」みたいなことなのかもしれない。
おおざっぱに、そんなようなことを、今考えてみました。
■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■
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