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【Twitterから】「アンチミステリー」って何なのさ?
筆者-初出●Townmemory -(初出後述)
http://twilog.org/TowMemo/date-110109/asc
http://twilog.org/TowMemo/date-110110/asc
●再掲にあたっての筆者注
ツイッターからの再掲、第二弾です。ある方から、「アンチミステリーって何なのか教えて下さい」と言われました。そんなムズカシイこと私には説明できません。笠井潔さんの評論とかを読んで下さい。ただ、アンチミステリーが何なのかを知って、それをモノサシにしてうみねこを読んでも、きっとなんにもわからないだろうと思います。むしろ、「うみねこ」を通してアンチミステリーとは何なのかを考えよう、その可能性と限界を考えよう、というスタンスのほうが有望だと思いました。また、それが意図されているとも思います。
それはそれとして、「アンチミステリーって何なんだろうね」という疑問は、しばらく引っかかり続けています。それに関するツイートを掲示します。これは現時点で、「竜騎士07さんのアンチミステリー」を最もわかりやすく説明していると思うんですが、どうでしょうか。
例によって舌が足りてない部分があります。これはそのうちまとめ直します。
☆
■関連記事
Ep7をほどく(11)・そしてアンチミステリーへ
■目次1(犯人・ルール・世界設定)■
■目次2(碑文・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■
【Twitterから】「アンチミステリー」って何なのさ?
筆者-初出●Townmemory -(初出後述)
http://twilog.org/TowMemo/date-110109/asc
http://twilog.org/TowMemo/date-110110/asc
●再掲にあたっての筆者注
ツイッターからの再掲、第二弾です。ある方から、「アンチミステリーって何なのか教えて下さい」と言われました。そんなムズカシイこと私には説明できません。笠井潔さんの評論とかを読んで下さい。ただ、アンチミステリーが何なのかを知って、それをモノサシにしてうみねこを読んでも、きっとなんにもわからないだろうと思います。むしろ、「うみねこ」を通してアンチミステリーとは何なのかを考えよう、その可能性と限界を考えよう、というスタンスのほうが有望だと思いました。また、それが意図されているとも思います。
それはそれとして、「アンチミステリーって何なんだろうね」という疑問は、しばらく引っかかり続けています。それに関するツイートを掲示します。これは現時点で、「竜騎士07さんのアンチミステリー」を最もわかりやすく説明していると思うんですが、どうでしょうか。
例によって舌が足りてない部分があります。これはそのうちまとめ直します。
☆
2011年01月09日(日)
TowMemo Tow-Memo
いや、もう本当に、「アンチミステリー」って何なのでしょうね。ひとつ言えると思うのは、「真相が伏せられているからこれはアンチミステリー」なのでは「ない」ということ。『どちらかが彼女を殺した』は、べつだんアンチミステリーではない。たぶん。(続く) #umineko
posted at 02:26:31
TowMemo Tow-Memo
(続き)というのは『どちらかが彼女を殺した』では、ミステリーは信じられているからだ(そして読者が信じられていないのだ)。すると「ミステリーというのは、信用のおけない枠組みではないか」ということを「ミステリーの内部から」提起したときアンチミステリーになる?(続く) #umineko
posted at 02:26:44
TowMemo Tow-Memo
(続き)というわけで、うみねこをアンチミステリーと呼ぶためには「真相隠し」以外の何かが必要だと思った。わたしはそれは「赤字システムの崩壊」(うみねこをミステリーたらしめていたものの崩壊)だと予言していた/みなしていたわけなんだが、確かにそう読めはするんだが。 #umineko
posted at 02:26:56
TowMemo Tow-Memo
@valerico ただ、うみねこがアンチミステリ志向の作品だという認識じたいは非常に正しいと思いますよ。明らかにミステリの枠組みが疑われていると思う。「アンチミステリ」という概念が捉えづらいので、各人が「アンチミステリ」と言うとき指すものがまちまちだねぇというのがわたしの観察。
posted at 05:57:35
TowMemo Tow-Memo
読者に知的飢餓を与えておいて、終盤の解明でその飢餓を充足する(まさに「お膳立て」)というのを「ミステリーの枠組み」とする場合、「充足など与えぬ、飢餓だけだ、なぜならミステリーじゃないのだから」というアレは「アンチミステリ宣言」とも取れる。だから意識はされている。 #umineko
posted at 06:29:05
TowMemo Tow-Memo
アフォリズムとして。「作者が作中で言っている」というとき、その作者は、常に「あなたの中の作者」を意味する。これをいったん意識しない限り、鏡と喧嘩することになる。「鏡」?
posted at 07:32:47
TowMemo Tow-Memo
暗黙に示されている構図がズレると、笑いになる。暗黙に示した構図をわざとズラして人をだますと、ミステリーになる。暗黙に示されている構図を意識して疑うと、推理になる。
posted at 09:41:13
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2011年01月10日(月)
TowMemo Tow-Memo
結局のところ、わたしは、「暗黙のうちに示されていることは、本当ですか?」ということを、いろんな言い方で言っているだけなのです。それがミステリーのすべてです。これは決して過言ではない。(続く) #umineko
posted at 05:57:26
TowMemo Tow-Memo
(続き)「何と比べてそう言えるのですか?」は、「暗黙に示されている基準は何ですか?」の意。「描かれたからといって、それが本当だと思う理由は?」もそれ。すべてのトリックは「暗黙のうちに示されていたある枠組みが、実は正しくなかった」という構造で説明可能。(続く) #umineko
posted at 05:57:42
TowMemo Tow-Memo
(続き)そして「暗黙のうちに合意されているミステリーの約束事は、本当に約束ですか?」という疑問の立て方をしたとき、それはアンチミステリーになる。だからアンチミステリーはミステリーの一形態。「ミステリーの内部から立てられた、ミステリーの枠組みへの疑念。(続く) #umineko
posted at 05:57:58
TowMemo Tow-Memo
(続き)だから竜騎士さん用語としてのアンチミステリーの定義「ミステリーがミステリーとして高潔であろうとした結果、自らの存在を否定するに至ったこと」は、非常に正しくアンチミステリーを説明している。ミステリーを純化すると、ミステリー自身が疑問視されるわけだ。(続く) #umineko
posted at 05:58:11
TowMemo Tow-Memo
(続き)ファンタジーは最初から疑われている。でもミステリーが疑われていないのは何故なんだぜ? という発想に立てた者は「アンチファンタジーvs.アンチミステリー」というソレそのもののキーワードを入手する。だが多くのユーザは「ミステリーを疑う」段階に手が届かない。 #umineko
posted at 05:59:02
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動機はともかくとして、殺人には非常なエネルギーを必要とするかと思います。
また、殺人のような「倫理を大きく逸脱する行為」をする環境は、
ある種の、人間の極限状態を試されている、とも言える。
「ひぐらしのなく頃に」という作品は、ミステリーというよりは、
読者を「鬼隠し」と呼ばれる怪奇現象と、
結果として起こる大量殺人事件の狭間で揺り動かすことで、
「他人を疑う」という行為の恐ろしさを描いた伝奇小説でした。
しかし、読者の興味を引きつける手法が「犯人は誰か?」という、
ミステリーで用いられている方向性を取っていたために、
伝奇的な要素が「こんなのミステリーではない」と批判を起こしました。
しかし一方で、作者にもこういう主張があったと思います。
「じゃあ、ミステリーってどういうものを指すのさ?」
ところが、この疑問に答えられる人はだれもいません。
なぜなら、ミステリーの定義を挙げれば、恐らく十人十色だから。
たとえば私なら、
「何かしらの事件があって、その犯人が、文章の描写から導き出せるもの」
とでも定義するでしょうが、
この定義を外れた、ミステリーと言われる作品はたくさんあるだろうし、
これ以外の必要十分な要素があると主張する方がいるでしょう。
それなら、竜騎士07さんは、「ひぐらしをミステリーに含めても良いじゃないか」
と主張できるはずです。
「竜騎士07さんのアンチミステリー」という意味合いで言うならば、
うみねこのなく頃にという作品は、
「ミステリーっぽいもの」を次々に提起していくことで、
逆説的に「ミステリーという言葉で定義されるカテゴリは存在しない」
という主張をする試みだと思います。
背景で言えばクローズドサークル然り、密室殺人然り、
大富豪の遺産を巡る親族間の醜い争い然り、
描写で言えば赤字システム然り(どんな描写なら信じられる?)、
探偵システム然り(見間違わない存在がいればいいのか?)、など。
ファンタジーについても同様ですね。
ひぐらしのなく頃にではカケラ世界という上位世界を導入しましたが、
どんな要素があれば「ファンタジー」と定義されるのかはっきりしない。
一般的には「現実っぽくない要素」があればファンタジーだと見なされるので、
こちらは言葉にするまでもなく受け入れられやすい感はありますが。
私が竜騎士07さんの作品で優れていると思うのは、
間違いなく、新しいジャンルを生み出したという点に尽きます。
従来のカテゴリで説明するには、はみ出る要素があり過ぎる。
そして、ひぐらしにしろ、うみねこにしろ、
これほどまでの論争を巻き起こせる力を持った作品だということです。
というのはちょっと違うかな、と思いました。
「ミステリーとして高潔」であろうとすると、
その設定が純粋なファンタジー(超現実的)になってしまう、と。
つまり、純粋なミステリー=ファンタジーという皮肉ではないかと思います。
ネットはどこでも自由なわけじゃないと自分は思います。
特に悪意のあるカキコミとも思えませんし、変に邪推するのは止めませんか。
って以前もこんなやりとりありませんでしたっけ?
コメントが長すぎることと、貴方に不快を感じさせたことに申し訳なく思います。
今回のエントリですが、Townmemoryさんは
>これは現時点で、「竜騎士07さんのアンチミステリー」を最もわかりやすく説明していると思うんですが、どうでしょうか。
という風に言っていますが、これは読んでいる人にどう思うかと投げかけているようにも読めませんか?
私の考える「それに対する誠実な反応(コメント)」は賛成や反対を表明すること、
そして、それに対して理由をつけることではないかと思っています。
Townmemoryさんは「ミステリーを突き詰めるとどうなるか」という方向で話を展開していますが、
私はその前提が、ミステリーという枠組みにこだわり過ぎていないかと考えます。
私の場合、「物語の形式として、ミステリーとファンタジーの前提は(非現実的だ)という点で一致しないだろうか」という方が、
「アンチファンタジーvs.アンチミステリー」という構図でうみねこを描いた「竜騎士07さんのアンチミステリー」を最もわかりやすく説明していると思いますが、いかがでしょうか?w
Townmemoryさんは以前のコメントで、しばらくコメントはしないつもりですと書かれているので仕方のないことですが、
意見を書いてもリアクションがないのはちょっと寂しいところですね。
誰かの推理・解に影響されて自分の推理を提示するのも、うみねこを楽しむシステムだと思います。管理者townmemory様もちょくちょく意見交換をされています。それはうみねこを読み説きたい、楽しみたいという気持ちからだと思います。