blog.mcnj

花、蝶、ペット、旅行など。
韓国文化の紹介。

韓国の散歩道、民話で知る韓国、ホラギがコッカム

2021-09-09 08:00:00 | 日記
長雨で、取材にいけません。

ネタ切れです。

日本列島には、虎はいませんが、朝鮮半島には、昔からいました。

民話には、しばしば、登場します。

虎は、怖い動物ですが、民話では、少々、間の抜けた、面白味のある動物として、しばしば

登場してきます。

日本の民話で、昔々、おじいさんが、山に芝刈りに、おばあさんは、川に洗濯に行きました。

で、始まりますが、朝鮮半島では、

イェンナル、イェンナレ(昔々)、ホラギ(虎)が、タバコを吸っていた頃で始まります。

ーーー

イェンナレ、イェンナル、ホラインがタバコを吸っていた頃、ある村に、小さな子供と、お母さ

んが暮らしていた。

夕方になると、子供は、おやつが欲しいと言って、よく泣いていた。

「ホラインが来るよ。もう泣くのはおよし。」

お母さんが、怒鳴っても、子供は泣き止まない。

丁度その時、山に住むホラインが、この親子の住む里に下りてきた。

家の外で、親子の会話を聞いていた、ホラインは、腹が立つった。

「俺様が来ると言っても、なきやまない。けしからん子だ。」

その時、お母さんが、

「ほらコッカム(干し柿)だよ。」

と言って、コッカムを渡した。

すると、子供は、ピタッと泣き止んだ。

「コッカムと言う奴は、俺より怖いんだ。」

ホラインは、突然、コッカムが怖くなった。

「コッカムは、俺より怖いんだ。早く逃げなくては。」

ホラインは、焦った。

「コッカムには、歯が立たない。奴に見つかる前に逃げなくては。」

「でも、折角いたのだから、牛ぐらい食べて帰ろう。」

と、牛小屋へ向かった時、何かが動いた気配がした。

「こりゃ、コッカムだ。」

ホラインは、とっさに、牛小屋に逃げ込んだ。

すると、何かが牛小屋に入ってきた。

そして、ホラインの背中をなでると、またがった。

「アイゴ(しまった)、もうお終いだ。」

ホラインは、コッカムに乗られたと思ったのだ。

ホラインは、必死で逃げた。

コッカムを背中に乗せていると思うと、恐ろしくて仕方が無い。

ホラインが、コッカムだと思ったのは、実は、牛泥棒だった。

どれ程走ったのだろうか。

「アイゴ、ホラインだ」

牛泥棒も、ようやく、気付いて、背中から飛び降りた。

ホラインは、背中に乗っていたものがいなくなって、ほっとした。

ようやく、立ち止まって一息つくと、

「コッカムと言う奴は、本当に、恐ろしい奴だ。」

と、呟いたとさ。

  出典

     民話で知る韓国     

     チョン ヒョンシル

     NHK出版 


日本にも、これによく似た民話は、地方にありますね。

この民話以外にも、日本朝鮮半島に共通した民話は、沢山あります。