New Vinyls!ニュー・ヴァイナルズ

「アートなジャケット」記事と超個人的主観による「アートなジャケット」年度表彰を行うブログです。長期休暇より復活!

Nana Vasconcelos / Nana Nelson Angelo Novelli / Africadeus

2016-12-31 | アートなジャケット(CD&Vinyl)読み物
●年末も押し迫った26日、ジョージ・マイケル死亡のニュースが。「まさか?!まだ若い・・・。」このところロック・アーティストの訃報が多くないか。60~80年を彩った花形歌手たちもそんな年齢に達したということか。それにしてもまだ若い・・・。いつも逝去の報を伝えるのは悲しい。以下が今年亡くなったポピュラー界の著名人たち(本当はまだまだおられるとは思いますが・・・)。【( )内は享年】

ジョージ・マイケル / ・ワム 12月25日 (53)
グレッグ・レイク / ・EL&P 12月7日 (69)
シャロン・ジョーンズ / ・ファンクの女王 11月18日 (60)
ホッド・オブライエン / ・ジャズ・ピアニスト 11月22日 (80)
モーズ・アリソン / ・ジャズ&ブルースピアニスト 11月15日 (89)
レオン・ラッセル / ・ヴォーカリスト 11月13日 (74)
レナード・コーエン / ・SSW 11月10日 (82)
ボビー・ヴィー / ・POPヴォーカリスト 10月24日 (73)
ピート・バーンズ / ・デッド・オア・アライヴ 10月23日 (57)
ロッド・テンパートン / ・スリラー作曲者 10月10日 (66)
ダニエラ・デッシー / ・イタリアオペラ歌手 8月20日 (59)
中村紘子 / ・ピアニスト 7月26日 (72)
バーニー・ウォーレル / ・ファンカデリック、パーラメント 6月24日 (72)
クリスティーナ・グリミー / ・ザ・ヴォイス出身SSW 6月10日 (22)
ニック・メンザ / ・メガデスのドラマー 5月21日 (51)
冨田勲 / ・シンセサイザー奏者 5月5日 (85)
ヤドランカ・ストヤコビッチ / ・旧ユーゴ歌手、サラエボテーマ 5月3日 (65)
ビリー・ポール / ・「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」R&B 4月24日 (81)
プリンス / ・ヴォーカリスト 4月21日 (57)
マール・ハガード / ・カントリー 4月6日 (79)
キース・エマーソン / ・EL&P 3月12日 (71)
ナナ・ヴァスコンセロス / ・ジャズ・パーカッショニスト 3月9日 (71)
モーリス・ホワイト / ・EW&F 1月3日 (74)
グレン・フライ / ・イーグルス 1月18日 (67)
デヴィッド・ボウイ / ・ロック 1月10日 (69)
ポール・カントナー / ・ジェファーソン・エアプレイン他 1月28日 (74)
ナタリー・コール / ・ソウルヴォーカリスト 昨年12月31日 (65)

 さて、上表の亡くなられた方たち全員には共通点がある。何か分かりますか?!
それは「音楽と云う芸術作品を死亡後も後世に残せる」という点!。
未来永劫歌われ続ける歌もあるだろう。それは極めて特殊で、選ばれた者だけに与えらえる勲章なのだ!
 ところが、何を思ったか、そんな特権を麻薬で簡単に棒に振るアーティストが後を絶たない。自分の命より未来に残るかも知れない作品の命まで奪ってどうするのか。
ジョージ・マイケルの死因もまだ正式に公表されていないが、麻薬が死因であって欲しくはない。


●「熱しやすく冷めやすい」日本人・・・。訃報があれば騒ぐのだけれど、しばらく経つと忘却の彼方。CDでさえ1週間を経ると売れなくなると聞いた。せめてこの表を見ていただき、もう一度この1年を振り返ろうではありませんか。
ご逝去された方々の沢山の作品の中から、今回はこのアルバム・ジャケットを選びたい。
ナナ・ヴァスコンセロスの歴史的名盤2枚をカップリングした作品。(ECM時代やパット・メセニーとの共演作も捨てがたいが)
絵本チックなジャケットが内容と比較するとやや落差を感じないでもないが、単純に人物写真やアフリカを想起させるような安易なもので無くて良かった!このジャケットから、ジリジリと照り付ける太陽や砂漠、そして熱帯雨林が、またグレゴリオ聖歌のような崇高な雄たけびが聞こえてくるだろうか?誰一人としてこの境地に辿り着いたものはいないかも知れない。安らかに眠り給え。


Jitka Hosprová & Kateřina Englichová / Píseň noci

2016-12-30 | アートなジャケット(CD&Vinyl)読み物
●関西でも「住みたい街ランキング」で4年連続の1位を獲得しているのが西宮。2位の梅田や神戸三宮などの商業地域は論外として、住宅地である西宮に人気が集まっているのは個人的には不思議に思う。あまりにも阪神淡路大震災での被災状況が凄かったので、今でも西宮には住んでみたいとは思わない。ところが住宅メーカーや不動産業者の話によると震災はもう500年は来ないので逆に安心だという理由で人気が上がっているのだとか・・・。誰が一体「地震はもう来ない」などと確信を持って言えるのか。特に地盤の緩い地域では今後発生の可能性のある東南海地震で被害が出ないとは限らない。「喉元過ぎれば熱さ忘れる」それが人間かも知れない。

●もちろん梅田の都心部から10分ほどで行けてしまう便利さや大型の商業施設が駅前にあるもの人気の理由なのだが、駅前には更に度肝を抜かれる施設が建っている。なんと震災からわずか10年後に建設された兵庫県立芸術文化センターである(ちなみにこの3年後には件の商業施設がオープン)。これはもう震災の記憶を芸術や文化で無くしてしまいたいと思えるような勢いである。確かに阪神間の被災物件はいち早く取り除かれ、一見して復興しているかのように見せかけるのは上手だったと記憶する。
 今更ながらではあるが、県立の美術館といい、この芸術文化センターといい、県のやることはスケールがデカイ!美術館はあの安藤建築であるし、芸術文化センターは指揮者佐渡 裕氏が芸術監修を務めた威圧感満載の超豪華な佇まいである。

●とにかく音楽好きや観劇好きにはこの施設は堪らない。ホールを3つも有し、中でも大ホールの中身はすさまじい!館内すべてに無垢材を使用した全面木材作り。まるでオペラ座のような中世風4階建て。木の感触は圧巻!使用機材はあのブーニンが選定したというオマケ付き!更には有名飲食店が運営するレストランまで入店!何んともこれは住みたくなる街だわ・・。駅から屋根付きの陸続きになっているが、左の商業施設への人波は多いものの、右へのセンターへの陸橋は人通りが少ない。コンサートには老人ばかりが目立つのも気になる。商業施設で食べてしゃべるだけも良いが、同じような値段ですばらしいコンサートを観れるのはなんともリーズナブル。お薦めである。西宮恐るべし・・・。そして心の復興もたやすくは無いが、人気ランキングで上昇したこと自体「癒しの街」になってきた証なのだろう。


●この時期、全国でクリスマスコンサートや年末第九コンサートなどが行われるが、ステージではなぜか普段目の行かないティンパニーやハープにも目が行きがち。今回はそのハープ&ビオラ奏者のホスプロヴァー&エングリホヴァーによる小品集。アルバム・ジャケットは、ありがちな楽器そのものをデザインしたものではなく、色合いやクラシック作品には無い妖艶で異色感が満載なところが面白い!国内向けにタイトルも洒落ていて『夜のシャンソン~ヴィオラとハープによる小品集』である。年末にはちっぴりライトなこんな小品集がいいかも!

Faces / Ooh-la-la

2016-12-11 | アートなジャケット(CD&Vinyl)読み物
●子供たちに大ウケする遊びがある。
「モンタージュお絵かきゲーム」だ!(勝手に命名したが)
簡単なルールがあるので説明しておこう!

(用意するもの)
・大きめの紙(スケッチブックがあれば最適!)
・筆記用具(できればカラフルなものがあると面白さも倍増)
 以上!

(ルール)
・書き手と言い手に分かれる。(ほとんどの場合、大人がまず書き手になるが)
・書き手は警察の様に、体の部位を言い手からひとつづつ聞いてスケッチブックに描いていく。
 「顔はどんな形?」→聞いて描く。「目はどんな形?」→描く・・・とこんな感じ。
 部位については、動物や物で例えてもらっても良い。体全体を描ければ完成!
 ※もちろん人間に無い羽根を描いたり、乗り物に乗ってもらってもok(自由な発想で)。
・この際、書いている絵(モンタージュ)は絶対に相手に見せたり
 見られてはいけない。※なぜか子供は途中で必ず見ようとしてくるので。
・最後に描かれたモンタージュの人物(ほとんどバケもの)の名を命名してもらい
 紙の下にデカデカと記入!これで出来上がり!
・完成した絵を最後はカウントダウンして言い手に公開するのだが
 この際、その絵を見て言い手が笑ったら負けとなる。
 これを交代して繰り返す。(非常に単純なゲーム)
・言い手が笑ったかどうかの判断は、歯が見えたか見えないかで判断。

(こつ)
・「笑ったら負け」とヒアリングしている最中から何度も言う。
 (この時点で子供は相当笑っているが)
 すかさず「歯が見えたら負けだよ」と言うとなぜか笑いをこらえて
 直立不動で震えてくる。
・書き手には若干絵心が必要だが、大方デフォルメして書いてやると
 面白さが倍増する。
・何しろ書き手は警察官なので誘導尋問が肝心。
 「像の足でもいいよ」とか「髪の毛は針金にする?」とか言って
 子供の想像力を最大限お助けしてあげて笑いを増長させる!
・子供の発想力はすごいので、出来上がった絵を見て、書いた自分が
 笑ってしまうこともある。
・見せた瞬間、「ブハー」と噴き出して大笑い。となる。
 子供は単純なので「次は僕が書く」となるが、子供が書いたモンタージュ
 はさほど面白くない(笑)でも笑ってやると喜ぶ!お試しあれ!


●散々笑った絵を必ず「持って帰る」と云う子供たち。
アナログ盤もそれと同じような楽しさがあるんじゃないかと思う。
コメンテーターのモーリー・ロバートソンさんはアナログ盤はデジタルへのカウンターだというけれど、それはあくまでハード面で便利か不便かという比較においてはカウンター・カルチャーなのかもしれないけれど、実際はこのお絵かき遊びの様に、聞いた後にジャケットを眺めたり飾ったり、見たりすることで、視覚と聴覚が同次元で融合され、デジタルでは味わえない充実感がある。何も「音が良い、悪い」「便利、不便」と云った現象面だけでは感じられない楽しさが存在する。それこそが「ヴァイナル回帰」の実態だと思うのだ。

●おふざけのアルバム・ジャケットもこのフェイセスの「ウーララ」以降あまり見かけなくなった。インパクトが強い分、後で作った作品は「ものまね」感が出てしまうからだろう。このアルバムはCDでも再現されたが、ジャケットの操作で口と目が可変する。「おもしろジャケット」は敬遠すると自身のブログ・ルールで決めたが、これ以降の比較例が少ないことで選出を決めた。このアルバム「 Ooh-la-la 」はご存知のようにロッド・スチュワートがソロワークへの転向のきっかけとなったアルバムだ!

●以前のメジャーメーカーは小売店の店頭演奏用に配るサンプル盤にもこだわっていた!これは90年キャピトル・レコードが作った変わり種サンプルで、ピザの宅配用の外ジャケにCD本体にはピザが印刷されていた。相当な販促費が使われていたのだと想像できるが業界にもそれほど余裕があったのだろう。













Hippo Campus /Landmark

2016-12-10 | アートなジャケット(CD&Vinyl)読み物
●先日イケヤに行ってみた。
日本人向けに少し変化してきたのかな?そんな印象だった。
組み立て式の木製大型ベットはちょっとしたワゴン車にも積めないようなシロモノだったけれど、今ではちゃんと配達も有料で請け負ってくれるようになった。
 ふらふら歩いてるとアナログ盤のディスプレイ用フレームを発見した!嬉しさのあまり2枚ほど購入。なかなか流行にも敏感に反応しているではないか!
 さっそく帰ると、山下達郎さんの「for you」のピクチャー仕様アナログ盤をジャケットから取り出して、裸でレコードを入れてみた。思いのほか良かった!もちろんジャケットは鈴木英人さんの傑作イラストだ!82年作のこれは、曲もジャケットもいう事なしの100点満点!さっそく額縁コレクションの1枚に追加した(ポール・スミスの展覧会で額縁の私的コレクションを見て以来、部屋に額縁を飾るのがやたら好きになった私)



●最近のアナログ新作ジャケットでちょっと気になったのが、こちら!
高校生のガキンチョ・インディバンド、ヒッポ・キャンパスのメジャー・デビュー盤。これはテイストがまるでトーマス・マックナイトかサルボ、はたまたジョルジュ・メイスのイラストみたいに綺麗だ!お笑い芸人ではないが「ゴッホより普通にラッセンが好き!」と叫びたくもなるが、これはかなり質が良い。(誰の筆によるものかも確認せねばなるまい)音の方も確認したが、しっかりとpopしていて好感度大である。ぜひ、もう1枚残しておいたフレームに入れて壁面に飾りたいものだ!早く入手しなくては!↓



Emerson, Lake & Palmer /Tarkus

2016-12-10 | アートなジャケット(CD&Vinyl)読み物
●今年3月にキース・エマーソンの訃報をお伝えしたばかりなのに、今度はヴォーカル&ベースのグレッグ・レイクが亡くなってしまいました・・・。なんとも悲しい知らせが続きます。
 キング・クリムゾンからEL&Pへと正統派プログレシヴ・ロックを代表する「ミスター・プログレ・ヴォイス」グレッグのご冥福をお祈りします。「ムーン・チャイルド」「フロム・ザ・ビギンニング」など琴線に触れる声で魅了した我らがアイドル・・・晩年のちょっぴり太った姿はやっぱり今は消え去り、70年代の溌剌とした姿だけが思い出されます。

※以下は3月キース逝去の際に記載した記事です。


●キース・エマーソンが3/11急逝。ご冥福をお祈り致します。
自殺ということですが、とにかく残念です。このところ亡くなるミュージシャンが多すぎます・・・。
ロックというジャンルの終焉でしょうか。

※こちらは2015-02-11に掲載されたブログ記事ですが、追悼の意をこめて再掲載させていただきます。


●プログレが多いですが、たまたまです。こちらはあの某国営放送局の大河ドラマで引用されて話題になったなったELPの「タルカス」です。そもそもオーケストレーションをロックの最小単位であるトリオでやったらどうなるかを意図して作られたアルバムなので、いま又それを通常のオーケストレーションに戻してしまってどうすんの?蛮行です。
 男の子が喜びそうな想像上のアルマジロ機械動物「タルカス」の一生が描かれた見開きジャケットは絵本感覚。しかし音の方はジャングルをかき分けて現れる機械動物たちの雄たけびまでもが聞こえてきそうなある種独特な完成された世界観。これはCDや、ましてやYOU TUBEでは全く味わえない感覚なのでご注意を。(ぜひ、アナログ盤でお聞きください!)


https://www.youtube.com/watch?v=WKNOlDtZluU