●LPジャケットをこうして眺めていると、1967年を境にこれまで顔写真の多かったアルバム・ジャケットにイラストやメンバーの顔写真の無い作品が増えてくる。その代表格にこのブログでも紹介したアンディ・ウォーホールの筆になる「バナナ・ジャケット」ことヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコの作品や一連のクリームのサイケデリック・イラスト、同じくエリック・クラプトンの参加したブラインドフェイスの「スーパー・ジャイアンツ」などの傑作が挙げられる。(ジャケット写真は有名すぎるので割愛させていただきます!)
そして、商業的な成功とインパクトを大衆にもたらした究極の作品は70年キング・クリムゾンの「~宮殿」ということになるのかも知れない。キャッチコピーを見ると「あのビートルズのアビーロードを抜いた・・云々」とある。つまり、それまでの作品は「こんな人が歌ってます」的な解説書に於ける補完的な意味合いの強かったジャケット写真から「歌で勝負しています。誰が歌っているかは買ってからのお楽しみ」的なある意味売る側の論理のような芽生えがこの時期にはあったのかも知れない。それもこれも音楽雑誌やラジオ、歌番組などと云ったマスコミの活発な活動に下支えされて成し遂げられたことは見逃せないポイントだと思う。それらすべてがこの時期に音楽文化と云うものを形成して、結果的にアルバム・ジャケットの芸術性の向上につながったとみている。
●この後70年代以降は雨後の筍のようにイメージ・ジャケットは数多く発売されるようになるが、ピンク・フロイドの「原子心母」やマウンテンの「華」シリーズのイラスト・ジャケット、72年のイエス「こわれもの」、そしてウィッシュボーン・アッシュの「百眼の巨人アーガス」が有名なところか。しかしながら、今度はアルバムジャケットからイメージを膨らませた国内盤の独自邦題が付け加えられるようになるのだが、ここまで行くといささか「やりすぎ」感が強い。その代表格は73年のピンクフロイドの「狂気」。これは原題を「THE DARK SIDE OF THE MOON」と云うが、日本人は誰もが「狂気」と云えば「あ~ピンフロね」となるが原題となるとピンと来ない。最近はそうした反省からか、あまりにかけ離れた邦題はキャンセルされる傾向にあるようだ。
●そして70年代もドン詰まりの79年に発売されたスーパートランプの「ブレックファースト・イン・アメリカ」はジャケットの持つインパクトのみを主眼に採用された作品である。70年代の硬派なプログレ・ジャケットや意味深な難解ジャケットに対しのアンチテーゼとして作られたような気がしてならない。そして彼ら自身もこれまでのプログレ的な音造りを排して聴きやすいポップスを前面に打ち出して自分たちが変身したことをこのジャケットを通して高らかに宣言している。その結果、彼らはこのアルバムから3曲ものビッグヒットを放っている。ポリシーを持って「名は体を表した」70年代傑作ジャケットとして位置付けたい。
飛行機の窓から撮影された自由の女神が太ったメイドのおばさんにすり替えられている。もしかしたら太ったアメリカの病巣みたいなものを本当は歌いたかったのかも知れない。そうだとしたら裏の裏をかいた本当のプログレッシヴ・ロックだ!?(いささか深読みがすぎるか・・・)ジャケット、収録曲ともに満点な作品だ!
そして、商業的な成功とインパクトを大衆にもたらした究極の作品は70年キング・クリムゾンの「~宮殿」ということになるのかも知れない。キャッチコピーを見ると「あのビートルズのアビーロードを抜いた・・云々」とある。つまり、それまでの作品は「こんな人が歌ってます」的な解説書に於ける補完的な意味合いの強かったジャケット写真から「歌で勝負しています。誰が歌っているかは買ってからのお楽しみ」的なある意味売る側の論理のような芽生えがこの時期にはあったのかも知れない。それもこれも音楽雑誌やラジオ、歌番組などと云ったマスコミの活発な活動に下支えされて成し遂げられたことは見逃せないポイントだと思う。それらすべてがこの時期に音楽文化と云うものを形成して、結果的にアルバム・ジャケットの芸術性の向上につながったとみている。
●この後70年代以降は雨後の筍のようにイメージ・ジャケットは数多く発売されるようになるが、ピンク・フロイドの「原子心母」やマウンテンの「華」シリーズのイラスト・ジャケット、72年のイエス「こわれもの」、そしてウィッシュボーン・アッシュの「百眼の巨人アーガス」が有名なところか。しかしながら、今度はアルバムジャケットからイメージを膨らませた国内盤の独自邦題が付け加えられるようになるのだが、ここまで行くといささか「やりすぎ」感が強い。その代表格は73年のピンクフロイドの「狂気」。これは原題を「THE DARK SIDE OF THE MOON」と云うが、日本人は誰もが「狂気」と云えば「あ~ピンフロね」となるが原題となるとピンと来ない。最近はそうした反省からか、あまりにかけ離れた邦題はキャンセルされる傾向にあるようだ。
●そして70年代もドン詰まりの79年に発売されたスーパートランプの「ブレックファースト・イン・アメリカ」はジャケットの持つインパクトのみを主眼に採用された作品である。70年代の硬派なプログレ・ジャケットや意味深な難解ジャケットに対しのアンチテーゼとして作られたような気がしてならない。そして彼ら自身もこれまでのプログレ的な音造りを排して聴きやすいポップスを前面に打ち出して自分たちが変身したことをこのジャケットを通して高らかに宣言している。その結果、彼らはこのアルバムから3曲ものビッグヒットを放っている。ポリシーを持って「名は体を表した」70年代傑作ジャケットとして位置付けたい。
飛行機の窓から撮影された自由の女神が太ったメイドのおばさんにすり替えられている。もしかしたら太ったアメリカの病巣みたいなものを本当は歌いたかったのかも知れない。そうだとしたら裏の裏をかいた本当のプログレッシヴ・ロックだ!?(いささか深読みがすぎるか・・・)ジャケット、収録曲ともに満点な作品だ!