薮田(ロ)1勝、西村健(巨)4勝、田中(楽)7勝、山本(オ)4勝女子サッカーW杯参加へ
「20代介護士の悪意なき軽率行為、虐待ではないが…」
◆介護や医療の現場での不適切行為の事例
80歳代女性が自分で首に紙おむつを巻いていた姿を携帯電話で撮影…「かわいかったから」
衣服を脱ぎながら廊下にはい出てきた80歳代男性の姿を携帯電話で撮影…「何度も出てくるのでイライラして」
80歳代女性の顔に水性ペンで渦巻きを書き、入所者と一緒に職員それぞれの携帯電話で撮影…「入所者を元気付けようとして」
90歳代の女性患者の入れ歯がずれている様子を携帯電話で撮影…「変な顔をしていたので」
◆相次ぎ発覚
栃木県内の介護老人保健施設や病院で、20~30歳代の若い職員が高齢者を携帯電話のカメラで撮影する不適切な行為が相次いで発覚した。
職員は行政や施設側の調査に、撮影した理由を「かわいかったから」などと説明しており、調査を行った関係者は「まるで記念撮影の感覚で理解できない」と首をひねる。カメラ付き携帯電話の普及で、日常の風景を気軽に撮影してしまう若者特有の感覚が、高い職業倫理が求められる介護や医療の現場での軽率な行為に結びついているとの指摘もある。
◆改善勧告や指導
不適切な行為があったのは、宇都宮市の介護老人保健施設「宇都宮シルバーホーム」と真岡市の真岡病院。20歳代の介護福祉士4人が入所者3人を、30歳代の女性准看護師が女性患者を、いずれも職務中に携帯電話のカメラで撮影していた。
職員らは、宇都宮市や県の立ち入り調査に対し「かわいかったから」「変な顔をしていたから」などと説明した。宇都宮市の担当者は「職員は元気付けるために悪気はないまま撮影するなどし、虐待とは言い難い。だが職場で患者の写真を撮るという感覚が理解できない」と疑問を口にする。
県外でも、3月に三重県内の施設で女性介護士が女性入所者の動画を撮影し、問題化した。この介護士も「親しみを込めてやった」と話しているという。
宇都宮市や県は、これらの撮影を虐待とは判断しなかったが、高齢者の人権上不適切な行為として、施設や病院に対して改善の勧告や指導を行った。
◆若者「軽い気持ちで」
こうした問題の背景には、様々な物を「かわいい」ととらえる若者特有の感覚があると、指摘する専門家もいる。宇都宮大学教育学部の小原一馬准教授は、「高齢者に対し『かわいい』と感じることは、共感や尊敬の念が込められていることがある」と分析。「外から見れば一見、敬意を欠くように見える行為でも、親密な証しとして行う場合もある」と解説する。
情報法に詳しい白鴎大法学部の石村耕治教授は、「携帯電話を使い慣れた若い人たちは公衆の面前で写真を撮ることに慣れ、軽い気持ちで撮影している」と話した上で、「入所者や患者の人権、職務意識についての指導を徹底しなければ、このような問題は今後も起こりうる。施設などは職員に対し、職業倫理について教育し、再発防止に努める必要がある」と指摘する。(2010年5月25日 読売新聞)
真相が明らかになるに伴い、残念な、沈痛な気持になる。
過去にも、他県で、高齢者や障がい者など弱い立場の人達に対して、本来、守るべき施設の職員が嘲笑、蔑視、差別、体罰を・・・といったこともあった。
しかし、「高齢者虐待の禁止」、「利用者の権利擁護」の意識啓発がすすんで、いくらか、新聞記事のような事件は一掃されるものと期待されたが、白昼堂々、繰り返されていたと聞いて驚く。しかも、全く悪気なく、罪の意識もないような、反省の言葉も聞かれないような真相である。残念だ。
「サービスの質の向上」や「職員の資質向上」のスローガンが虚しい。いったい、何処に要因があるのだろうか?
福祉・介護・医療にかかわる人間性や職員個々の問題なのだろうか?
人の採用や育成も含めた運営面での組織的な体質が改善されないのだろうか?
とても重大な原因が潜んでいるような気がする。これからの福祉・介護の未来のためも、真実を明らかにし、解決策を示してほしい。
多くの施設・事業所などで抱えている問題点が浮き彫りになるかも知れない。
「20代介護士の悪意なき軽率行為、虐待ではないが…」
◆介護や医療の現場での不適切行為の事例
80歳代女性が自分で首に紙おむつを巻いていた姿を携帯電話で撮影…「かわいかったから」
衣服を脱ぎながら廊下にはい出てきた80歳代男性の姿を携帯電話で撮影…「何度も出てくるのでイライラして」
80歳代女性の顔に水性ペンで渦巻きを書き、入所者と一緒に職員それぞれの携帯電話で撮影…「入所者を元気付けようとして」
90歳代の女性患者の入れ歯がずれている様子を携帯電話で撮影…「変な顔をしていたので」
◆相次ぎ発覚
栃木県内の介護老人保健施設や病院で、20~30歳代の若い職員が高齢者を携帯電話のカメラで撮影する不適切な行為が相次いで発覚した。
職員は行政や施設側の調査に、撮影した理由を「かわいかったから」などと説明しており、調査を行った関係者は「まるで記念撮影の感覚で理解できない」と首をひねる。カメラ付き携帯電話の普及で、日常の風景を気軽に撮影してしまう若者特有の感覚が、高い職業倫理が求められる介護や医療の現場での軽率な行為に結びついているとの指摘もある。
◆改善勧告や指導
不適切な行為があったのは、宇都宮市の介護老人保健施設「宇都宮シルバーホーム」と真岡市の真岡病院。20歳代の介護福祉士4人が入所者3人を、30歳代の女性准看護師が女性患者を、いずれも職務中に携帯電話のカメラで撮影していた。
職員らは、宇都宮市や県の立ち入り調査に対し「かわいかったから」「変な顔をしていたから」などと説明した。宇都宮市の担当者は「職員は元気付けるために悪気はないまま撮影するなどし、虐待とは言い難い。だが職場で患者の写真を撮るという感覚が理解できない」と疑問を口にする。
県外でも、3月に三重県内の施設で女性介護士が女性入所者の動画を撮影し、問題化した。この介護士も「親しみを込めてやった」と話しているという。
宇都宮市や県は、これらの撮影を虐待とは判断しなかったが、高齢者の人権上不適切な行為として、施設や病院に対して改善の勧告や指導を行った。
◆若者「軽い気持ちで」
こうした問題の背景には、様々な物を「かわいい」ととらえる若者特有の感覚があると、指摘する専門家もいる。宇都宮大学教育学部の小原一馬准教授は、「高齢者に対し『かわいい』と感じることは、共感や尊敬の念が込められていることがある」と分析。「外から見れば一見、敬意を欠くように見える行為でも、親密な証しとして行う場合もある」と解説する。
情報法に詳しい白鴎大法学部の石村耕治教授は、「携帯電話を使い慣れた若い人たちは公衆の面前で写真を撮ることに慣れ、軽い気持ちで撮影している」と話した上で、「入所者や患者の人権、職務意識についての指導を徹底しなければ、このような問題は今後も起こりうる。施設などは職員に対し、職業倫理について教育し、再発防止に努める必要がある」と指摘する。(2010年5月25日 読売新聞)
真相が明らかになるに伴い、残念な、沈痛な気持になる。
過去にも、他県で、高齢者や障がい者など弱い立場の人達に対して、本来、守るべき施設の職員が嘲笑、蔑視、差別、体罰を・・・といったこともあった。
しかし、「高齢者虐待の禁止」、「利用者の権利擁護」の意識啓発がすすんで、いくらか、新聞記事のような事件は一掃されるものと期待されたが、白昼堂々、繰り返されていたと聞いて驚く。しかも、全く悪気なく、罪の意識もないような、反省の言葉も聞かれないような真相である。残念だ。
「サービスの質の向上」や「職員の資質向上」のスローガンが虚しい。いったい、何処に要因があるのだろうか?
福祉・介護・医療にかかわる人間性や職員個々の問題なのだろうか?
人の採用や育成も含めた運営面での組織的な体質が改善されないのだろうか?
とても重大な原因が潜んでいるような気がする。これからの福祉・介護の未来のためも、真実を明らかにし、解決策を示してほしい。
多くの施設・事業所などで抱えている問題点が浮き彫りになるかも知れない。