場末の雑文置き場

好きなことを、好きなときに、好き勝手に書いている自己満ブログ。

体操全日本種目別選手権&日本代表決定

2015年06月24日 | スポーツ

全日本体操種目別選手権を、予選・決勝と二日続けて観に行った。

トランポリンの試合を生で観られる機会は滅多にないので、予選はトランポリンの前の席で観た。鉄棒はかなり見にくかったけど、トランポリンを観るには最高の場所だった。
今回出場したトランポリンの選手で知ってるのは男子では上山選手、女子では岸選手くらいだったけど、やっぱり二人はすごかった。実力が頭ひとつ抜けている感じだった。

決勝の日は床の近くの席で観た。
男子床の最近のレベルの上がりようはすごい。2012年のロンドンオリンピックのとき、ロシアのアブリャジン選手がD7.1の構成を実施してきて度肝を抜かれたものだったけど、今は7点台がゴロゴロいる。白井に至ってはD7.6。いやすごいわ。
以前、白井選手の演技には二回宙返り系の技が入っていなくて物足りなさを感じていたりしたんだけど、今はリ・ジョンソンを入れたりしてさらにパワーアップしている。素直に素晴らしいと思う。これだけできれば、世界選手権でもほぼ確実に金メダルだね。

男子跳馬もものすごく見応えがあった。特に上位二人。D6.4を実施してくる選手が二人って。世界選手権じゃなく国内選手権でなんて。ものすごいレベル。世界選手権でもこれができたら確実にメダルが取れるね。優勝した小倉選手も代表には選ばれなかったけど。

鞍馬では萱選手が優勝。亀山選手、悔しいだろうな。あれだけ入れ込んできた鞍馬で勝てないなんて。萱選手には総合力では敵わないわけだし。

野々村選手も残念だったな。ロンドン前から加藤選手以上に期待されていた気がするけど、世界選手権の代表に選ばれたのは一度だけ。怪我が多い選手みたいだね。見た目は頑丈そうなのに。

種目別選手権が終わった時点での私の代表メンバー予想は、
男子 白井・山室・萱
女子 美濃部

だった。実際に選ばれたのは男子が白井選手・萱選手・長谷川選手、女子が宮川選手だった。
長谷川選手が選ばれたことは意外に思ったんだけど、調べたらNHK杯で7位だったんだね。
長谷川選手の鉄棒の演技構成は鄒凱に似ていて日本では珍しいタイプ。それにキャラクターも面白いから最近ちょっと好きになってきていた。だから代表に選ばれて嬉しい。

男子のメンバーをみて、まず思ったのは吊り輪がヤバそうだなってこと。吊り輪が得意な選手、田中しかいないじゃん。鞍馬はものすごく強そうだけどね。鉄棒も。

団体戦で内村選手を使わずに済む種目、あるかな。6種目全部で内村選手に頼るのはちょっとね。もういい年なんだからあんまり酷使しないほうがいい。休めるとしたら、鞍馬か平行棒かな。内村選手がでたほうが強そうだけど。内村が吊り輪をやらなくてすむのが理想だけど、今回のメンバーじゃ無理そうだしな。


映画「アレキサンダー」感想

2015年06月14日 | 映画・ドラマ

この映画、ものすごく評判悪くてラジー賞に何部門もノミネートされたみたい。
で、さほど期待せずに観たけど、悪くないじゃない。かなり史実に忠実に作られてる気がするし、そんなボロクソ言われるほどひどい映画じゃないよ。

かなりはっきりとした同性愛描写があるから、そこが酷評された原因みたい。映画の出来そのものよりも。アテネの弁護士グループには公開中止を求めれ、アメリカでも叩かれ。同性愛描写が気に入らないから、その他の部分にもいろいろ難癖付けられてたって可能性は大いにある。

アレクサンドロスがバイセクシャルだったのは史実で、あの映画はそれに忠実だっただけなんだけどね。そんなことで批判するのは全くお門違い。
それに、同性愛ってそこまで不名誉なこと? ものすごい差別意識だな。宗教的な問題も絡んでいるんだろうけど。

同性愛が盛んだった古代ギリシアや日本の戦国時代を舞台にした作品でも、特に映像作品ではヘテロセクシャルしか存在しなかったように描くのが一般的だ。こういうのって、差別的な上に歴史修正主義的だと思う。だから、その点をごまかさずにはっきり描いたことを私は評価する。

この映画に文句がないかといえば、それはある。例えば、親父の暗殺シーンを後ろの方に持ってきたこととか。ナレーションベースで親父が死んで、アレクサンドロスがいきなり王様になってしまったことで唐突感が出て、観客置いてけぼり。暗殺シーンは後でアレクサンドロスの回想という形でちゃんと描かれるんだけど、この手法が効果を発揮しているかといえばあんまりそうでもないような。素直に時系列通りでよかったんじゃないかな。

キャストにも不満はある。主役のアレクサンドロス大王がなんであんな冴えないおっさんお兄さんなんだ。子役は可愛らしかったのに。母親役のアンジェリーナ・ジョリーと親子に見えないよ。
アレクサンドロスは美男子だったと言われていたはずだけどな。まあこの手の話は当然ある程度美化されてるから、実際はあんなもんだったかもね。

この映画のアレクサンドロスはいつも泣きそうな顔をしていて、なんだか情けない感じ。カリスマ性はない。阿刀田高の小説「獅子王アレクサンドロス」に描かれたアレクサンドロスはもっと自信に満ちたキャラクターだったな。こんなんでよくみんながついてくるな、と思わなくもないけど、この映画のアレクサンドロスのほうが阿刀田高のアレクサンドロスよりも人間臭くて好き(ただ、もう少しイケメンだったらなおよかった)。
どちらのアレクサンドロスも、ギリシアとアジアの融和を望んでいるが部下たちに理解されないこと、少しずつ支持を失っていくことは共通している。この辺は記録通りなのかも。

情けなくてかっこ悪いアレクサンドロスでもいい、と思えるのは、そもそも自分がアレクサンドロスのことを英雄だなんて思っていないからかもしれない。アレクサンドロスはアジアにとっては残酷な侵略者だ。早く死んでくれて良かったと正直思う。こんな映画を観といて言うのもアレだけど、侵略者を英雄扱いして祭り上げるのは好きじゃない。今とは全く価値観の違う時代に生きていた人だってことは十分承知してるけど、それでも。


ゴールデンタイムに2時間かけてヘイト番組を流す美しい国

2015年06月07日 | 政治・社会

6月5日の金曜日に、フジテレビで「池上彰緊急スペシャル『反日』韓国の謎とは」という番組が放送されていた。

新聞のラテ欄には強烈な煽り文句が並んでいた。韓国の憲法前文は反日だとか、その他もろもろ。これだけで気分悪くなって番組本編は見なかったけど、twitterで確認したところ、想像通りの内容だったらしい。

この番組のコピーは「韓国が『反日』になった本当の理由、あなたは知っていますか?」。理由なんて考えるまでもない。植民地支配して、その精算がきちんと済んでないからに決まってる。
河野談話のようなものが出ても、それを必死に撤回したがったり、日本は悪くないんだって擁護する連中がいる。ネットでクダ巻いてるだけの一般人だけならともかく、それなりの地位にある政治家がそういう主張をしたりするから。

これとは別の番組で、以前池上彰が慰安婦問題について解説していたのを思い出した。アジア女性基金の話を出して、韓国側がこの基金の受け取りを拒否した、そして今でも問題がこじれていると。
日本側は精一杯の誠意を示した、それを拒否した韓国側に問題がある、という方向に持っていきたいのは見え見えだった。
慰安婦側には、お金が貰えればそれでいいんじゃない、政府にきちんと補償してほしいんだという気持ちがあったこと。一民間団体であるアジア女性基金がこの役割を担うことになったのは、政府が補償しようとしないからであること。こういった、拒否に至った背景や相手側の事情などについては一切説明されず。
このとき、池上彰は自分の意見を明確には述べなかった。「皆さん自身で考えて結論を出してください」と。明らかに一定の方向に誘導しておきながら、そういうことを言う。
これが、この人のやり方。自分の感情らしきものは出さず、中立風に見せるのが上手い。

池上彰のわかりやすい解説が好きだった時期もあった。この人が書いた本も何冊か読んだことがある。でも今はもう無理だ。

韓国sageに徹した番組が作られて、国士様たちは大喜びしている……かとおもいきや、これでも韓国に媚びすぎとお怒りのご様子。そして自称中立派の方々は「ウヨもサヨも文句言ってるw」とバカにしている。
自称中立派って実に厄介な存在だと思う。自分が中立だと称する人間は大概レイシストかセクシストだ。差別を煽る人間と差別を批判する人間を「どっちもどっち」だと評するのが、彼らにとっての「中立」。でもこういう人が平均的な日本人なのかもしれない。

韓国の人たちが日本を嫌うのと日本人が韓国を嫌うのだって、どっちもどっちじゃないよ。日本は加害者側なんだから。被害を受けた人で、まだ生きている人もいる。妙に韓国に対する被害者意識の強い日本人がネット上には少なくないけど、本当に不思議だ。

その翌日、6月7日の土曜日にも、池上彰は似たような煽り番組を別の局でやっていた。本当にどうしようもないな。