マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

ポッサムの知恵

2007-05-26 16:28:49 | 


このところ、ご近所の友だちに韓国の薬念(やんにょん)を頂き、製法まで教えてもらい、蒸したキャベツに塗ってキムチやらくぎ煮やら何でも乗せて、ご飯をちょい乗せてクルリ巻いて食べる機会が増えている。
この食べ方が“ポッサム”。ポッは風呂敷、サムは包むの意味。
美味しいし、葉野菜が摂れ、それでいてご飯が進みすぎず満腹感も得られる、といいことづくめ。なのに、なぜ今まで日本で広がってこなかったのかをちょいと考えた。そいつは日本人のご飯に対する特別の思いがあったからではないのかな。豊葦原の瑞穂の国の米に対する信仰心が、ご飯はご飯として味わうものだという気持ちを過剰に育ててきたのではないか。
それが世界一美味しい米を生み出したりもするのだがね。でも食べ方の多様化も大いに認めようではないか。その方が楽しいやん。

ここは天神橋筋六丁目という、やたら長ったらしい名前の駅近く。
「ほうば」は特に野菜がたくさん味わえる店だ。ほうばとは、韓国のかぼちゃ、ほうばっくという、ズッキーニに似たカボチャのこと。
上の葉野菜は、かつぎの運び屋さんが韓国から持ってくる。

ナムルとは熟菜と書き、茹で・蒸し・炒めなどで熱を加えた野菜のこと。この店には定番の大根・もやし・ぜんまい・ほうれん草に留まらず、様々な種類がある。15種類など来ると、思わず女性客のため息が洩れる。
上からクレソン、ホウバ、ピーナツもやし、ナス、島らっきょう、加賀太きゅうり、カタクリ…見事な前菜になっている。

マッコリは1週間、3ヶ月、その上澄み。美味いッ!
ケジャン(渡り蟹のキムチ)はぴくぴく…動いてるではないかいな。
お命頂きまするッ!これ、もうちっと身離れがいいと嬉しいんだけど。

チャプチェも野菜がいっぱい。

蒸し豚は見事に脂が落ちて、あっさり、しっとりとして、コラーゲン充実の三枚肉になっている。
こいつをキムチと一緒にご飯も乗せて、ポッサム。これ美味い。

チヂミの中でもちょいと格上になるパジョン。ネギのチヂミ。グジ、イカ、海老などが入った豪華版。

オモニ、新井美佐子さん。石焼プルコギを手で焼き始め、びっくり。
沖縄でてぃーあんだーというが如く、愛情あふれるおかんの手から味が染み出すのである。

卵がポン。こいつを引っ掻き回して、やっぱりポッサムで食べる。
こんな野菜の多いプルコギ初めて。
因みに韓国は世界一野菜を食べる国といわれていて(韓国人はそういって胸を張る)日本人の5倍なんだとか。

但し、葉っぱと一緒にご飯を食ってると、酒の方があんまり進まない。特にエゴマの葉なんて個性が強いから酒も選びそう。

ガシラの煮魚アクアパッツァ風。息子、正彦さんはイタリアン修業の経験もあり、イタリアン・コリアンのコラボ作ともいえる。こういうのもポッサムしちゃう。

この店で最高に高価なのがこの一品。烏骨鶏の参鶏湯。時価(8000円前後)。でかい朝鮮人参も共に。もちろんお腹の中にはナツメ、ニンニク、人参、もち米などが入る。この烏骨鶏もポッサム…できるかッ!

薬膳の高級素材として知られる烏骨鶏。骨まで黒いんだなぁ。
こりゃ元気になりそう。これは撮らせてもらっただけ、さすがにお腹いっぱいで入らなかった。疲労困憊の時はこの奥の手を覚えとこう!

   韓菜酒家 ほうば   大阪市北区天神橋5-3-10

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大阪・堺・FUZZにて

2007-05-22 18:49:31 | カントリー

まもなく、堺・三国ヶ丘のライブハウス「FUZZ」でライブ。
ウェスタン・スイングというジャンルです。
こんな物好きな音楽やってる連中、全国探しても、そうはいません。

こういう音楽が好きで、でも誰もやってくれないんで
自分でやってるわけです。
本当は酒かっくらって、聞いていたいわけで。

ここでフィドルとエレクトリック・マンドリンを弾いてます。
フィドルっていうのはバイオリンのこと。
上人様のことを、坊主というが如し。俗称です。

ちょいと出ました、中年10人バンド
よければ、お運び下さい!


HFB Live in FUZZ May. '07

 で、でかい!    

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自家製オムライス 吾妻風

2007-05-21 12:33:11 | 

今から25年前ぐらい前に、東京墨田区本所(親爺の生まれ故郷だ)にある洋食の老舗「レストラン吾妻」に食べに行ったのが、このトロトロオムライスとの出会いだった。当時、裏巻きのオムライスがあると聞いて行ったのだった。
小さな前菜がついて3千円ぐらいもして驚いたが、とてつもなく旨かった。その後、日本橋「たいめいけん」が伊丹十三の「たんぽぽ」で取材協力し、それからたんぽぽオムライスとして収まっているが、吾妻がずっと先だったと思う。大阪では西天満「キュイジーヌ」がこのタイプのオムライスを出し、繁昌している。

まずはチキンライスを作っておく。中身調査をしたことがあるが、「鶏が不味くなったから」という理由で、中身をビーフライスやハムライスにしている店がすごく多かった。だが、ここはチキンライスに卵をまいて一種の親子状態でなきゃいけないと思うのだ。
鶏卵は3個使う。丼の場合は白身の強さが必要なので、さっくりと。オムレツの場合はよく掻き混ぜておく。

フライパンに油を熱し、玉子をザ~ッとあけ、大急ぎでかきまぜる。
全体に火が回るように。

せいぜいこの程度。これ以上火が通ると、美味しくなくなる。
端から巻いてオムレツの形、紡錘形に整え、皿のチキンライスの上へ。
中は半熟なので、ブヨブヨとして乗せにくい。

ここで吾妻のコックは勿体つけて、「さぁここからよく見ててくださいよ…」といってオムレツにナイフを入れた。あるいはオムレツの継ぎ目を上にして、手で割ったかもしれん。これが面白かった。

まるで土石流のように、ドドドド…と半熟の卵はチキンライスの山を駆け下りていった。マジックのようだった。
おっと、穴が開いたるは、ご愛嬌。

料理番組でキュイジーヌの長谷川さんが教えていたのを忠実に再現。
穴はトマトケチャップでカモフラージュ。
「キュイジーヌ」や福島「洋食泉」ではドミグラスソースをかけている。あれもそそられる。
子どもっぽいと言われようが、なんと言われようが、おっさんはなぜかオムライスが好きなのである。

あ、玉子とりすぎた・・・。

コメント (4)
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アバ・モツ・ホルモン

2007-05-20 02:28:29 | 

カップルで来る女性も多い、ホルモン焼き屋。女性客がコブクロなんて食ってるのを見ると、時代は変わったと思える。
さる編集者と、肉で一番キツいのは何だという話になり、サシの入った特選カルビ・ロースなどはキツく、比較的ラクなのがホルモンという結論になった。いい肉の脂はこちらの食道から胃壁にまとまりつき、もたれて「もう当分、肉の顔見たくない」ということになる。その点、ホルモンはアッサリしていて、ルックスも食感もちがうのが面白い

上本町の和牛ホルモン注目店へ。
まずは「本日の刺身盛り合わせ」 ¥1500
生センマイ、ユッケ(もも肉)、レバ刺し、ココロ、シモフリ牛刺し

ビワハラミ ¥1000 2種類あるハラミのうち、サガリといわれる方。
ビワの形に似ている

日替わりホルモン (テッチャン・アカセン・アゴ)¥1600

コブクロ(子宮)¥450 韓国済州島系のホルモン焼きでは豚のコブクロが使われることが多いが、ここは牛。両面に隠し包丁が入る

脂っこいホルモンが平気なら、マルチョウ(小腸)¥450、ミノサンド(脂の多い第1胃)¥800

しっかり炙って脂を落とし、表面をカリッ、中身がジュワッ。これだ。
だし醤油に原了郭の黒七味をパラリと加えて食べるとあっさりして美味。

ナムル盛り合わせ ¥600

マニアックなグレンス(すい臓)は、炙って山葵醤油で食べるとトロのよう。¥800  ビオワインを合わせてもいい。


シメに、油かすラーメン¥400も美味い。


場所は上六からまっすぐ南下。上七の南西。


   焼肉 萬野ホルモン舗   大阪市天王寺区上本町7-2-30

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1個なら小肌か

2007-05-17 11:42:35 | 

しばらく写真だけアップしての放置プレイにしてました。

ウツボのタタキに始まり、コチの薄造りは鴨頭葱に巻いて。
シマアジ造り、タコの桜煮、白海老串焼き・・・と続いた。
延々つまみでも構わないが、それは寿司屋で無作法ときたもんだ。

それではと、にぎりの部へ。

アマガレイ、縁側の欠片をのせて。
ハリイカ
小肌  

かつて何度も通った、下北沢「小笹寿し」には山口瞳の色紙が一枚飾ってあった。盟友柳原良平のイラストがついて「一個なら小肌」と書いてあった。この店に来るまで、小肌とはこんな美味いもんだとは知らなんだ。翻って自分は一個なら何を選ぶか・・・小肌ではちょっといきがり過ぎのきらいがある。ストレートだが、天ぷらは海老、寿司は鮪ではないだろうか。ボクなら、たぶんこれ・・・赤身のづけ。

づけ づけ汁は酒と醤油を煮切って、あとは各店によって配合が異なる。サクのままだと数時間、切り身にしてから15~20分。それ以上漬けると醤油の味ばかりが勝ってしまう。煮切り醤油をひかないが、浸けることで鮪の香りと鉄、ミネラル分が際立つ。



かまとろ 本日の鮪は、宮崎県油津産。



大とろ ひきずりという腹身の部分 身が離れてしまうのが特徴。



中とろ  10日間寝かせたという。少し色は悪いが、キメの細かい繊維にアミノ酸がまわり、玄妙な味わいがある。



活けの車海老 内側にも上にも乗せてあるのは芝海老のおぼろ。
すべて職人が刷毛で煮切り醤油をさっとひいて出す。


小さなうに・いくら丼



蒸あわび  ご飯との相性は絶対こちらが勝る。煮つめを塗って出す



煮はまぐり ちょっと形が決まらない



ふわふわの煮穴子 江戸前の技法だが、色を白くするために淡口醤油を使うという。煮詰めはなし。実に蕩ける。



一番食べて欲しいという、玉子。白身のすり身が入る。これを1時間仕込んで、1時間かけて焼き上げる。固く締まったきめの細かい玉子焼きもある中、ここのはふんわりとしたスフレのよう。


主人は堂々としているが、まだ33歳。この先、どんな職人になっていくのだろう。
   
  すし貫  北区曽根崎新地1-6-4 3階

コメント (3)
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