マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

月休会  北上!

2009-09-27 19:33:44 | 



大阪から2時間、北琵琶湖の余呉に到着。
メンバーが来る1時間前に来たのは、余呉湖を一周歩くつもり。
去年、歩いてみて、メチャ気持ちよかった。



蕎麦屋のKさんと雑談しながらのウォーキング。
30分ほどで湖の南の端。駅の周辺が小さく見える。
天候に恵まれ、9月とはいえ、まだ暑い。
サングラス、帽子、水は欠かせない。



ほとんど車に出会うことがない、快適な周回コース。
戦乱の世、この辺で賤ヶ岳の合戦というのがあったそうな。
緑の甘い匂いを嗅ぎながらの散歩は実に爽快。
体が清浄になるような気がしてくる。


ほぼ1時間歩いて住宅地へ出る。店を行き過ぎてロスした。
Kさんはチョイへばり気味。僕はまだ歩きたい気分だった。



もうほとんどのメンバーは着いて、雑談などしていた。
大急ぎで顔など洗って、着替えて食卓へ。
いざ20数名相揃い、白昼堂々酒宴のはじまり~~!



鮎一夜干し、余呉の手長海老、唐墨、鰻の肝煮



鰆の熟れ鮓  もちろん自家製。

「徳山鮓」亭主、徳山浩明さんは京都の割烹河繁で修業、地元余呉に帰り、伝統の技法、近江の鮒鮓を全面に料理屋を営む。何でも食っちゃう発酵学の泰斗、小泉武夫氏が熱烈応援する店だ。

うひょひょひょ…早くも酒は、木之本富田酒造の七本槍に。



天然鯛、つばす、鰻の湯引き

本日は北近江の珍味と、瀬戸内海の海の幸のコラボ企画。
淡路の鮮魚商、Mさん肝入りだったがご本人、参加叶わず、若い衆が氷詰めのトロ箱持って、電車に揺られて来てくれた。


余呉の天然鰻  春に山で採っておいた山椒と一緒に。



地産地消とか声高に言うまでもない。
季節ごとに北琵琶湖の自然の味覚がいただける。



目の前に余呉湖。夜になるとヨッシーという怪獣が暴れまわる。
(…れば楽しい)



徳山さんのスペシャリテ、鮒鮓。美しい。
オレンジ色の卵が値打ち。背骨のMRIのようだ。



それほどあちこち食べつけた訳ではないが、ここの鮒鮓は品がある。クセも抑えられている。
ねっとりした飯もまさにチーズのよう。
ワインによし日本酒によし。



子持ち鮎の焚き合わせ

ベランダに場所を移して。



第2ラウンド。北の新地にワイン食堂を開店したMさんが持ち込んでくれた牛肉。Mさん、バーベキューするものと思ったらしい。



特設されたお好み焼き鉄板。フレンチのNさんが肉を切りだし焼き始めると、見かねて大阪のYさん登場。美味い焼肉を食べさせると人後におちない人物。脇で皿を持ってサービスに周って下さったのは銀閣寺の日本料理Nさん。



魚介もいいが、この肉のインパクトもすごいねー。
この脂のノリならアタシにゃ一切れで十分。
肉も美味いにゃ違いないが、そんな贅沢なコラボで味覚倍増、胸もいっぱいになる。



出た!電車に揺られてきたハモ。みごとな包丁仕事。
こいつを鱧しゃぶで。鍋の写真がない。ホントに食ったのか・・・
かなり、酒きてます。



若い衆にシラサ海老も豪快に鉄板で焼いてもらう。
これはこのまんまで美味だわ。



これは何だったっけ、マスと言われたかもしんないぞ。



シメは鰻か鮒鮓の茶漬け。迷わず後者。



細かい上質の脂が浮く。
これを食べておくと二日酔いないとのこと。



銀閣寺のNさんの店でも最後に出てくる、アイスコーヒー。
素晴らしいシメを持参下さった。



3部屋すべて貸切。和室なんか小さい子供同伴のワイン屋さんもいて、なんだかお盆に親戚が集まったような気がした。



余呉湖を渡る風がやさしく、なによりの食後酒。

          徳山鮓   滋賀県伊香郡余呉町川並


コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

普段酒の聖地~阿倍野

2009-09-27 11:54:46 | 



阿倍野橋の上から天王寺公園をのぞむ。
左のビルはかつてホテルエコーという名前で、最上階に「シャイアン」というウエスタンパブがあり、学生時代そこで演奏して稼がせてもらった。

ここから南に向かって、今、一大再開発が行われている。
昔、旭通り商店街があり、古いホルモン焼きや路地裏洋食や銭湯や小さなスタンド飲み屋も肩を寄せ合ってあった。誰が住むのかギシギシ言うような木造アパートがひしめき、奥に共同炊事場が残っていたりした。

そんな煤けた街の色を一掃して、真新しいペンキで塗り替えようとする作業が進む。現場の人間にはまったく恨みなどないが、街の歴史も匂いも何もかも変えてしまおうという、街殺しである。



そんな再開発にポツネンと取り残された店。



昼間っから飲める日本のパブ、バールである。
目の前をちん電が行き過ぎるのも得も言えぬ風情がある。



街と共に店も老いて行く。また客も。
早い時間に行くと、リタイアした客ばかりである。



この店を教えてくれたのは映画評論の滝澤 一氏。京都の時代劇を専門とし、名匠伊藤大輔門下でもあった。
「ワシは読み捨て書き捨てでええねん」と言ってた師だったが、晩年、お得意の俳句を配して映画を語った『映画歳時記』という本を出した。



末席の弟子として教わったのは少々の酒場。伊丹万作の本。
この店はそれだけで私にはかけがえのない一軒だ。

知人がここを称し、旨いの旨くねぇの、高いの高くねぇのなどと言うが私は与しない。私にはそういう店ではないからである。

もっというと普段使いの酒場ってのは大して美味くなくていい。料理屋ではないんだ、酒をいかに美味く飲ませるかを考え、適当に肴をみつくろっていればいい。日常使いなんだから余り美味くてハラハラ感動させられたりするのもうっとおしいではないか。やはり、程のよさ・・・これに尽きる。



ビール小瓶と冷や奴。
もう間もなく湯豆腐に切り替わる頃だ。

若い時分、豆腐なんてどこが旨いか分からなかった。
豆腐やそばの味をうんぬんし出すと、もう老い先長くないなんて言われるが、うるせぇや。



定番のきずし、焼売(も食った)。
まったりした甘めの燗酒に、三杯酢の酸が心地よい。


 明治屋の燗付け器の燗懐かしく


来年一年で移転することが決まったと聞いた。
この佇まいの中で飲めるのも、あと何回あるのだろう。



          明治屋   大阪市阿倍野区阿倍野筋2


コメント (1)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南町奉行所鮪調べ

2009-09-23 20:45:42 | 

大阪ミナミというところ、特に三ツ寺、八幡筋あの界隈を歩くと、バブルの名残りのような紳士が歩いていて、懐かしい思いで見ることがある。メタボな体をスーツに押し込み、仕立てのいいワイシャツを着て、片手にブランド物ポシェット、片手の携帯では大きな声で大阪弁。ナニワ金融道っぽい何を生業にしてるか分からない人。この手の人、北新地では余り見ない。


しょっぱなに出てきた鮪のしぐれ煮。牛肉ようだが鮪。
ぬくごはんがほしくなる。



この店もいかにも大阪、いかにもミナミの雰囲気があり。
なんとなくバブリーだった名残りが偲ばれる一軒。



壁の有名人との2ショット写真を飾るセンスも、昭和を彩ったあの時代の空気。


厚岸の秋刀魚でしたか。

おとなしく焼酎のお湯割りなんぞを舐めていた。




カウンターにぞろぞろと入って来たグループは、
製薬会社と医師。 ほら・・・ね?

いか美味。
だが、洗練へ向かう江戸前寿司とは全く異なものである。
形も不揃いだったりする。そんなもの気にしていない。



あわび、ほたて
江戸前の煮鮑、蒸し鮑もいいが、このコリコリッとした食感もまたよき時代(景気の)をホーフツさせる。



うなぎ  これもまたミナミらしい。

東京の寿司屋に鰻なんかないよ、というとえっと驚く大阪人が多い。鰻は鰻屋で食べるもの、寿司なんかぞっとしないというところだろう。統制の時代、穴子がうまく入らず、統制外の鰻を使ったのがその発祥らしい。



これが、この店の名物。とろの食べ比べ。
青森大間、ケープタウン、油津、メキシコ…産地忘れた。

いかにもミナミでしょ、バブルでしょうが。
ふぞろいの鮪たち(山田太一作)って感じ。
何故、あえてこういう切り方をするのか、理由は分からない。
この年齢になると、ここまで脂ものは食べられない。
食ったけどね。

マスコミ的にはネタに詰まったらお願いしてた時期があったように思う。濃い味好きならば、文句なしに喜ぶだろう。


帰りに目についたので、買ってしまった・・・



宮崎名産の肉まきおにぎり。
食わなくてもいいのに、駅までの間に1個食う。

寿司食った後に、こんなものを、とも思うが、そこら辺が自由なのが、
まぁ大阪ミナミなんぢゃないのかねぇ・・・。



           新明石鮓    中央区東心斎橋2


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いか焼き下げて、ロックな夜

2009-09-18 11:15:40 | 音楽

過日、横浜の甥が関西三都市ライブツアーをするというので、その大阪ナイトに行った。
関西に住む叔父は京阪神ツアーもまだようせんというのに…。
場所は寺田町。シブイなぁ。駅近くにいか焼きがある。こいつを差し入れにすることに。



いか焼き器は昔ながらのスタイル。ギュッと鉄板で挟み込んでから、上下を反転して焼く。縦長のいか焼き用鉄板、今ではめったにお目にかかれない。



有名な阪○神のいか焼き?そんなの目ぢゃない。第一、イカがちがわい。ムラサキイカではこのスルメイカの味は出ない。
歩いて見つけたこの店。先代のおやじさんは数年前に亡くなっていた。



大判でしょう?中に甘辛のソースを塗ってクルリと畳んである。
卵抜きにすればよかった。卵が勝ってしまい味がぼやける。

こいつをば紙袋に提げて、高架下のライブハウスへ。



若いのばかりが集まっている。一杯引っかけてきてよかった。
シラフぢゃ到底この中に加われない。



さっそく甥を見つけて手渡す。同じグループのやつに
「いか焼き、ごちそうさまでした」と言われた。
ロックだけど、礼儀正しいのは気分がいいや。

バンド名はFling Egg、ドラムを叩いているのが甥のアキラ。
ふむふむ…なかなかいんぢゃないの。
よく分からないので、近くにいた女子に感想を求めていると、
アキラが来て「何してんの?」ナンパと間違われた・・・



終わってから転換中、立ち話をして別れた。

すぐ近くに気配を発する焼き鳥屋、発見。ここか。
南国は寺田町ではなかなか有名な店。サクッと行くかぁ。



店内はいい感じに燻されている。

まずは芋セット(勝手に命名)。芋水割りにポテサラ。
茹で卵が入っているところがうれし。



ほんじゃま、ねぎ身から。



タレもなかなかいいんでねぇの。
名物合鴨三角。脂の乗ったぼんじりだな。
ちょっと辛子をつけるのもオツでげすな。



ライブハウスから近いので、抜け出せそうなら来たら?と
甥をよぶ。いっぺんには入れないから、順番に入れ替わりで来りゃいいぢゃん。あれ、オレまで東京弁になってる・・・

つくねチーズ。



キャベツを合いの手でつまむ。
鳥皮せんべい  文句なく美味。



ギターの子も来た。 なんか頼め



れんこん肉詰め 日本語の歌詞がもう少し聞こえた方が
いいんぢゃないの、とボクなりの感想。



から揚げ  食え食え・・・



手羽先  かなり美味。

したい音楽を思い切りできるのは結構なことだ。
運動部とちがって自分の限界を知るのはなかなか大変なので、
しっかり向き合うことだ。音楽的には知らない境地に行っている。

なんかね、最近焼き鳥ってのが捨てがたくなってきた。
無論カタルシスとしては焼き肉やステーキに負けるけども、
年を重ねると、日常的に一杯やるのにそうもハラハラしたくない。
焼き鳥の平常心みたいな立ち位置がなかなかいい。
程よい美味さがあれば文句はないわけで。
東京新橋烏森辺りのサラリーマンが寄りたがるの分かるわ。


        いか焼き「剣吉」  生野区生野西2

        焼き鳥「南風」    環状線JR寺田町 高架下



コメント (3)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワルツ王

2009-09-14 14:04:07 | 音楽

ヨハン・シュトラウス二世、神楽坂はん子(?)など、世にワルツ王と呼ばれる方は多いが、ボビー大西こと大西一由さんは八尾のワルツ王と呼ばれる局地的大音楽家である。
彼歌う、Kentucky Waltzが本家ビル・モンローに絶賛されたとかで、やはり良い。ちょっとバックがヨレったが、ジム&ジェシーのVirginia Waltzも懐かしかった。



高校時代に彼のイッツ・ア・クライングタイムというバンドのレコードを聴いた。ナカイ楽器の社長がバンジョー。テナーの美声が耳に残っている。この時代、ブルーグラス人口も少なかったので、東西の交流もさかんだったようだ。



20年以上ぶりで大西さんの歌を聴いたが、いや変わっていない。かえって良くなっている気がした。ブルーグラスという音楽、年輪を経て良くなる音楽なのではあるまいか。若い連中ではどうも日本酒でいうあらばしり的な未熟成感がつきまとってしまう。
なんとなくクネクネしながら歌うお姿も昔のまんま。ああいう方と一緒にバンドをしたら、さぞ緊張しないのだろうなぁ。



ボビーさんの愛器がこれだ。ギブソン・フラットマンドリンF5 
1926年製 名匠ロイドロアーの作品。
下世話な話だが、時価3000万以上。はぁ~(ためいき)

家一軒分を首からひっかけていることになる。
ストラップがプツン、と切れて床にドンと落ちた日にゃ、
オレなら気も狂わんばかりになるだろう。


フラットマンドリンの最高峰というなら、やはりビル・モンローのロイドロアー。その音が頭にあり、それに比べると80年もたったような音ではない気がした。まだ乾ききってないのかな…と隣り合った楽器屋さんに尋ねると、十分乾いた板の音がしてるという。
あたしゃ、どんな耳してるんだろう。
でもモンローの枯れた感じとは違うのは確か。


押し戴くように少し触らせていただいたら、繊細な音ながら弦高が低く設定されていて、なかなか弾きにくい。
以前、ジョン・ライシュマンのロイドロア(誰が言ったか世界一鳴るといわれる)を触らせてもらった時は、弦高が高くて弾きづらかった。高価なお道具=弾きやすいという仮説は成立しないことが判明。ともすれば自分の技量の方を楽器の方に合わせなければならんのであるまいか。


ボクのジャンボ(これとて借り物だけども)のAタイプなら、ざっと600本は買える計算だ。弾きやすいけど、なんぼなんでもこんなにいらんし、ロイドロアだって丁重にご遠慮申し上げたい。
自分が金を作ってようようオーナーになったのに、死後どなたかにバトンタッチするなんてのはたまらん話ではないか。
所詮は小作人根性よ、フン!

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする