現代日本人文芸：呉原百合蔵小説：次の総理の椅子に座る者は誰だ：第８１回：フィクション

「今日６日の読売新聞は『首相、真珠湾訪問へ』こう伝えているね」

　Nは仲間の顔を見た。

「新しい時代の日米関係の構築だね」

「安倍総理は世界へその存在感を示しているね」

　Nはもう一度みんなを見渡して、

「東京オリンピックまでは安倍総理かな。石破さんは次の総裁選には出馬すると言っているね」

「まあ、安倍総理がロシア外交で失敗しない限り、長期政権だろう」

「消費税の値上げ時までに日本はある程度の経済成長をしていないとな」

「Nさん、とりあえず景気を刺激するにはどうしたらいい」

　仲間は心配そうにNを見る。

「カープ女子効果は広島だけで三百数十億円の経済効果をもたらした。全国だと一千億円は超えているだろう。個人消費の拡大を図る事だ。高齢者の個人消費が落ち込んでいるんで、高齢者向けの大スターが出てくればいいのだが。昔の大川橋蔵や市川雷蔵のような」

「おれたちで大スターをつくるか」

「ほんとだなあ。停滞している経済を何とかしないと」

　Nとその仲間は顔を見渡した。