現代日本人文芸：呉原百合蔵小説：次に総理の椅子に座る者は誰だ：第８０回：フィクション

「全国の若者が農業に関心を持ってくれると日本創生が一気に進む」

　Nは自分に言い聞かすようにこう言う。

「近代的な農業で生産性をあげ、低価格で国民に販売するんだよね」

「そう言う事」

「そうなったら今まで貧乏県と言われていた県が一気に蘇るよね」

「そう言う事」

「今からは日本のどの地方が脚光を浴びるか分からない」

　みんなの顔は輝いている。

「JA（農協）がどこまで本気で組織を改革するかにかかっている」

　Nはみんなの顔を見た。

「小池百合子氏が小池党をつくって総理の座を狙ったりして」

「ありうるなあ・・・・・・・」

　暫しの沈黙の後Nが、

「経済成長ありきだ。石原伸晃先生が総理になるようにがんばろう」

　こう言った。