現代日本人文芸：呉原百合蔵小説：次に総理の椅子に座る者は誰だ：第７５回：フィクション

「Nさん、今からの日本を救うにはどうすればいいのだ」

　Nの仲間が心配そうにこう言う。

「うん、農協改革の第一歩をつくった小泉進次郎先生、国際舞台が映える稲田朋美先生、将来の総理候補石原伸晃先生をスターにするのだ」

　このNの言葉に仲間が、

「今からの日本の国会議員はスター性がないとな」

　こう相槌を打つ。

「昔の池田勇人先生はスター性があったよ。子どもたちにも人気があった」

「へえ、意外だ」

「特に現代社会は十代の人達に人気がないと国会議員ももたないよ」

　Nは仲間を見渡す。

「石破茂先生と岸田文雄先生はどうなの」

「十代の人達が神輿を担いでくれたら、総理の椅子が近づいてくると思うよ」

「今安倍総理も十代の人達に人気があるもんなあ」

　土曜の夜の会話は終わらない。