マンチェスター・ユナイテッド 0-1 アーセナル
得点)アデバイヨール
HOME)マンチェスター・ユナイテッド
サハ
ルーニー
C・ロナウド フレッチャー
スコールズ
オシェイ
シルベストル G・ネビル
ブラウン ファーディナンド
クスチャク
交代)シルベストル → エブラ
ルーニー → スールシャール
スコールズ → キャリック
AWAY)アーセナル
アデバイヨール
リュングベリ
フレブ
ロシツキー
セスク
ジウベルト・シウバ
ギャラス エブーエ
ジュルー トゥーレ
レーマン
交代) フレブ → バチスタ
アデバイヨール → フラミニ
<「勝利」というこの上ない良薬>
試合前、実を言うと、この試合を観戦するのをやめようかと思っていた。
今回対戦する相手は、アーセナルが大の苦手としている「天敵」マンチェスター・ユナイテッド。
アーセナルが今季のこれまでの成績を「3戦2分け1敗(その内、2分けはホームゲーム)」としているのに対し、ユナイテッドは「4戦4勝」と内容はともかく開幕ダッシュに成功した。
アーセナルはCLを含めて「アウェイ2連戦」であるのに対し、ユナイテッドはCLを含めて「ホーム3連戦」と、日程面でも明らかな差がある。
そのアウェイのオールド・トラッフォードで最後に勝ったのは、もう「5年」も前の話。
おまけに、今回は主将のアンリとファン・ペルシーが怪我で欠場。
「どうせ負けるに決まっている。 ユナイテッドにコテンパンにやられる姿を見せられるぐらいなら寝た方がマシ。 それに、ただでさえ風邪気味な自分の体調はさらに悪化してしまう。 今回は、テレビを消して潔くさっさと寝てしまうのが身のためだろう。」
ファンとしてはあるまじきことに、そんな悲観思考に陥っていた。
しかし、この試合の直前に行われた「チェルシー VS リバプール」で両チームのハイレベルなサッカーを見せられると、気持ちが高ぶり、体はやはりスカパーのチューナーが設置されてあるテレビの向きへ。
ただ、いつもなら観戦していて「生涯アドレナリン最高値」を記録することが少なくない「宿敵ユナイテッド」との対戦だが、今回はいざチャンネルを合わせても、「敗北」を9割方覚悟していて観ていたため、驚くほど冷淡な視線で試合を観ている自分がいた。
「まぁ、どうせ今回も負けるよ。」
と。
しかし、試合が始まってみると、大方の予想に反してゲームの主導権を握ったのはアーセナルだった。
昨季のCL決勝トーナメントで見せた「4-1-4-1」システムがアデバイヨールを1トップに置いても機能し、オールド・トラッフォードでの試合では過去に記憶がないほどに前半のうちから多くのチャンスを作った。
そして前半13分、中盤での細かいパス回しを経て出されたラストパスに反応したアデバイヨールが、ペナルティエリア内でGKクスチャクに倒されてPK!!!
このPKを「代行主将」のジウベルトが蹴るが、軸足を滑らせてしまって失敗… 蹴ったコースは水曜のCL・ハンブルガーSV戦と全く同じコース。 相手に完全に読まれた。
「アウェイでこんなチャンスそう来るもんじゃないのに… こういうのを決められないのがダメなんだよ、このチームは…。」
そして案の定、この「(ユナイテッドにとっての)PKのピンチ」が、それまで眠っていたユナイテッドの選手達の目を覚ましてしまい、前半終盤は守備に追われた。
しかし、その前半をなんとか無失点で凌ぎ切ると、後半も立ち上がりからアーセナルのペースになった。
1試合消化が少ないとはいえ、もし負ければ現在首位のユナイテッドとの勝ち点差は「13」になる。 ヴェンゲルも試合後に認めたように、この試合での敗北は同時に「優勝戦線からの脱落」も意味していた。
しかし、主将を欠いて追い込まれたこの絶体絶命の状況に、若い発展途上の選手達は危機感から奮起した。
チームの不振の原因ともなっていた右サイドのフレブ、エブーエの動きが良かった。 集中を欠くことがよく見受けられるエブーエだが、この日はしっかりと集中できていた。
ロシツキー、リュングベリ、セスクは好調さをキープ。ハンブルガーSV戦でも見せた「ロシツキーのミドルシュート」はアーセナルの新たな武器となっていた。 トゥーレは鼠頚部に痛みを抱えながらも必死にボールに食らいついていた。ジュルーも危なっかしい場面を時折見せるもこの日はよく頑張っていた。
選手達全員から、「なんとしても勝つ」という執念が感じられた。
チームを愛するが故に、ファイトをしない選手や軽率なミスを続ける選手に対してつい怒りをぶつけてしまい、このブログを書いていることもあって、ついには試合を通して選手を「評価・批判」する眼で見てしまうことが多くなってしまっていた自分だったが、この日の選手達に向けられた思いは、普段の「なんで勝てないんだよ!?」、「絶対に勝てよ!!」といったものではなく、
「選手達はこれほどまでに頑張って戦っている… なんとかして勝たせてあげたい…。」
という「神頼み」にも似たものだった。 そんな風に思ったのは、試合開始早々にGKレーマンが退場して、「世界最強チーム」のバルセロナを相手に10人で死に物狂いでボールを追い掛けた、昨季のCL決勝以来2度目のことだった。
もし、今回この試合で負けていたとしても、「怒り」ではなく「悲しみ」の感情が沸いてきたに違いない。
「アウェイでこれほどまでの内容を見せて、これほどまで必死に戦って負けてしまうなんて、なんて可哀相なチームなんだ…」と、誰一人として責められなかったと思う。
バチスタの放ったシュートがわずか「ボール1個分」ゴールの枠から外れた時には、もし自分がキリスト教の信者だったら改宗を決断していたであろうほどに、一向にこちらに振り向こうとしてくれない不公平な神を恨んだ。
現在のチーム状況を考えれば、「ユナイテッドにアウェイで引き分け」なら御の字だったが、選手達の奮闘ぶりを見ると今回はどうしても勝たせてあげたかった。
そして、やはり神は選手達のハードワークを裏切らなかった。
後半41分、セスクがC・ロナウドからボールを奪い、そのままドリブルからスルーパス! 抜け出したアデバイヨールが難しい態勢でボールをゴールに流し込み、アーセナルが先制!!!
「ユナイテッドにアウェイで勝利」、
実現まで残り数分、「理解不可能」半分・「夢見心地」半分となっていた自分は、ロスタイムのスールシャールの強烈な左足シュートに目を覚めさせられるが、これをレーマンが右手1本でスーパーセーブ!!!
このセーブで先制点を守りきったアーセナルが、「アウェイのユナイテッド戦」で今季リーグ戦初勝利を挙げた!!!
Manchester United |
Team Statistics |
Arsenal |
0 |
Goals |
1 |
0 |
1st Half Goals |
0 |
5 |
Shots on Target |
6 |
6 |
Shots off Target |
7 |
4 |
Blocked Shots |
3 |
10 |
Corners |
5 |
12 |
Fouls |
13 |
4 |
Offsides |
4 |
2 |
Yellow Cards |
2 |
0 |
Red Cards |
0 |
78.8% |
Passing Success |
80.5% |
33 |
Tackles |
26 |
81.8% |
Tackles Success |
84.6% |
48.5% |
Possession |
51.5% |
49% |
Territorial Advantage |
51% |
http://home.skysports.com/list.aspx?hlid=416582&CPID=8&clid=3&lid=2&title=Gunners+claim+United+scalp より
アデバイヨールのゴール動画は、こちら!!!
試合のハイライト動画①は、こちら!!!(「Match of the Day」より)
試合のハイライト動画②は、こちら!!!(「Match of the Day」より 元アーセナルのリー・ディクソンが詳しく試合を分析!!!)
正直な話、「勝つ可能性」はここ数年で最も低い状況だったと思います。
おそらく多くのアーセナルのファンの方も同じ気持ちで、心底自信を持って「勝てる」と言い切れる人は少なかったのではないかと思います。
そして、期待が小さかったぶんだけ、試合終盤に挙げたアデバイヨールのゴールの「喜び」は大きく、「やっとの思いで掴んだ先制点」と「勝利への希望」を無残なまでに否定されようとしていたスールシャールのシュートが放たれた瞬間の「絶望感」も大きく、それをレーマンが防いだ時の「安堵」の感情も大きかったのです。
その間、およそ5分。 普段の生活では決して経験することのない、短時間での激しい感情の起伏でした。
試合後、選手達の頑張りと宿敵相手からの勝利に、思わず涙しました。
もちろん、この試合は今シーズンこれまでの「ベストゲーム」。 そして、昨季、サンチャゴ・ベルナベウでのレアル・マドリード戦の勝利がそうだったように、今季終了後にシーズンを振り返ってみて、大きな「ターニングポイント」となっていてほしいと思う試合でした。
「オールド・トラッフォードでユナイテッドに勝つこと」が、こんなにも嬉しいことだとは思いませんでしたし、この試合は勝利という「結果」以上に、チームに大きな可能性を感じ取ることができました。 本当に最高です。
風邪??
もちろんこの日に治りましたよ。 「病は気から」ですから。
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