大人に負けるな!

弱者のままで、世界を変えることはできない

一文無しから大富豪になる方法 前編

2011-05-13 09:49:43 | 奇跡の人々(人物辞典)
 彼は、実家の没落のため、中学さえ卒業できず、12歳から絹織物工場に勤めていた。このときの月給は、5ドル足らずだった。客観的に見て、彼はこのまま、その他大勢の労働者と同様、貧しい一生を送る運命にあった。

 が、彼はわずか16歳にして30ドルもの月給を得るようになり、実家の借金を完済したばかりか、両親に家をプレゼントしている。
 さらに、24歳でペンシルベニア鉄道の管理局長に昇進、株式投資にも成功して、後は鉄鋼事業に専念。最終的には、当時のアメリカ国防費を上回る5億ドルもの資産を築いた。これは、世界史上2位の所有資産額とされる。

 もちろん、彼の名は、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーに他ならない。

 一代で巨万の富を築きたい。そんな野心を抱く人はいくらでもいる。しかし、実現できる人は稀だ。競争社会である以上、やむを得ないことかも知れない。
 が、カーネギーは、誰もが自分のように一文無しから巨万の富を築ける「法則」があると主張していた。
 その法則を活用したのは、カーネギーだけではないという。当時のアメリカに限っても、



*史上最高の大富豪、石油王ロックフェラー

*世界最大の企業ゼネラル・エレクトリックの創業者にして発明王のエジソン

*『飛行機』を発明したライト兄弟

*自動車王フォード

*タイヤ王ファイアストーン

*コダック創業者イーストマン

*『安全剃刀』を発明したジレット

*『電話』を発明したベル

*米大統領セオドア・ルーズベルトとウッドロー・ウィルスン




 以上のように、日本でさえおなじみの大成功者たちが、そろって同じ法則を利用していたというのだ!しかも、彼らはほとんど学歴も遺産もなかった。
 その法則とは、いったいどんなものだったのか?カーネギーの生い立ちを追いながら、それに迫ってみたい。



   ①先見の明

 カーネギーは、産業革命真っ只中のスコットランドにおいて、伝統的な手織り工の息子として生を受けた。大量生産の流れに押され、父親はせっかくの職人技を活かせず、没落とアメリカ移住の運命をたどることになる。

 長年の経験を活かせる仕事がない。この父の哀れな姿を見ていたカーネギーは、稼ぐためには、「産業の将来性を見極める」ことがいかに大事なことなのかを、幼心に痛感した。後年、当時絶頂を極めていた鉄道会社での出世コースを退き、鉄鋼事業に専念した理由も、そこにあった。

 ハードを制するものは市場を制す。石油を制したロックフェラーしかり、電気を制したエジソンしかり、OSを制したビル・ゲイツしかり。若き日のカーネギーは、「これからの時代は鉄鋼だ」と、いち早く悟る。実際、鉄のない生活など、現代ではとうてい考えられない。

 後年カーネギーは、「これからは自動車の時代だ」と予言し、その覇者を、当時まだ無名だったヘンリー・フォードと目していた。この予想はピタリと的中している。予知能力があったわけではない。クールに時代の流れを観察していたに過ぎない。いつの時代に生まれても、カーネギーは巨万の富を築いたはずだ。
 いまさら石炭事業の未来に期待する人もいないだろう。ホリエモンが10年たらずで数百億を稼いだのも、いち早くインターネットの可能性に着目したからだった。

 仕事を選ぶ上では、まず、その産業の将来性を見極めることだ。過去の実績はもちろん、現状を見ているだけでも足りない。今からインターネット事業に乗り出すのでは、もう遅いくらいである。1歩2歩先を読まねばならない。特に、若い人は人生が長いのだから、少なくとも半世紀先くらいまでのおおまかな見通しは持っている必要があるだろう。



   ②特殊技能に秀でる

 カーネギー少年は、独自にモールス信号を耳で直接聞き分ける技能をマスターした。これができたのは、当時のアメリカに数人しかいなかった。それが、わずか16歳なのに、高給で電信会社にスカウトされるきっかけとなった。
 ありふれた技能では、武器にならない。若いころのエジソンも、全米1の電信早打ち名人として知られていた。若くして落ちこぼれから成り上がるには、まず自分だけの武器を身につけるのが一番早い。スポーツしかり、芸能しかり。
 もちろん、それはその時代に求められている技能でなくてはならない。たとえば語学なら、英語ではなく、もっと日本でマイナーな言語をマスターしたほうが、社会で重宝されるだろう。



   ③平素からチャンスに備える

 カーネギー少年は、働きながら勉強を続けていた。機会があればあらゆる資格や技術を身につけようとした。
 簿記の夜学にも通ったし、鉄鋼の知識も図書館で学んだものだった。後年、カーネギーは3000近い公共図書館を全世界に寄贈するが、それも、「図書館こそ労働者にとって最高の教育機関」だという確信があったからだった。

 カーネギーは、少しでも給料が上がりそうなら、未経験の仕事にも迷わず転職した。18歳までに、4度も転職している。
 自分の有能ぶりを証明するために、独断で職権を越える仕事をすることも、しばしばあった。
 初めて株を買ったときも、家を担保に入れてまで購入している。
 鉄鋼業の未来を確信すると、出世コースを蹴って独立している。

 こうしてみると、思いつきでリスクの高い生き方のように思われるが、決してそうではない。全ては計画の範囲内だった。
 カーネギーは、成り上がるにはどうしたらいいかを少年時代から考え抜き、そのためのシミュレーション(詳しくは後述)を怠らなかった。だからこそ、チャンスが訪れたとき、すぐ行動に移ることができた。降って湧いたように見えるチャンスも、彼には全て予想の範囲内で、とうに準備はできていた。事実、ことごとくチャンスをものにしている。

「重要な決断を1分以内に下せない人間は、成功しない」



   ④祈りの習慣

 カーネギーの父親は、特定の教会に属しているわけではなかったが、非常に信心深い人だった。これが、カーネギーの人生に決定的な影響を与えている。
 父親は毎朝、神に祈りを捧げていた。カーネギーは、「祈る」という行為が日常的な環境において育っていった。もっとも、これは欧米においては、カーネギー家に限ったことではないが。そしてこれこそ、日本と世界との、最大のギャップのひとつでもある。
 人類全体では、自分の宗教を持ち、1日に何度も祈ることは当たり前。特に、アメリカはピューリタン国家であり、宗教の人々への影響力には絶大なものがある。初詣ででしか祈らない日本人のほうが、むしろ特殊であろう。祈りが日常に組み込まれている環境にあったからこそ、富に至るための法則が育まれていったのだった。



   ⑤祈りを「言葉」と「イメージ」で具体化する

 カーネギーは、いつしか父親の習慣を受け継いでいた。しかし、もともと信仰にはあまり興味のないカーネギーにとって、大切なのは魂の救済ではなかった。一家の目の前にある貧困からの脱出こそ、何よりも切実な願いだった。祈り方も、神に捧げるというより、自力本願、自己暗示のようなスタイルになった。

 心優しいカーネギーは、「自分が稼いで、苦労続きの両親を少しでも楽にさせてあげたい」と切望した。その思いが、いつしかカーネギーに独特の祈り方を確立させていた。そのポイントは、大きく6つに分けられる。



1.目標を鮮明にする。例えば、漠然と「お金が欲しい」ではなく、「○○ドル貯める。そのために、週給○○ドル稼げる仕事に就く」というように。

2.目標達成のために支払う代償を明確にする。独立すれば、安定したサラリーを諦めねばならない。リスクなしで得られるものなど、この世に存在しない。

3.目標達成の最終リミットを決める。もちろん、明日までに100億ドル稼ぐとかではなく、現実に有りうる範囲で。

4.目標達成のためのステップを、できるだけ細かく、具体的に定める。2階に飛び上がって登るのは難しいが、階段を作ればずっと容易に登れる。大きな問題ほど、細分化してステップをひとつひとつクリアしていくのが、解決の近道。
 プランが決定したら、すぐ実行に移す。

5.上の4つを、できるだけ詳しく書き出す。

6.この誓いを、毎日朝晩2回、できるだけ大きな声で読み上げる。同時に、目標がすでに達成されていると信じ、そのイメージを描く。



 まずは、ひとつでも試してみてほしい。しばらく続けていれば、その絶大な効果が実感できるはずだ。
 この6点こそが、カーネギーが後に学生のナポレオン・ヒルに伝授し、その完成を託した、いわゆる「成功哲学」の原形だった。

 カーネギーは、この6つを実行したか否かが、自分たち成功者とそうでない人々との違いだと断言する。言い換えれば、祈りの習慣はアメリカ人にとって珍しいものではないが、成功者ほどそれが具体的で、徹底しているという。誰よりも切実に成功を求めたからこそ、彼らは皆同じような方法に落ち着いたのだ。



 にわかには信じがたいかも知れないが、イメージは、物質化する。あなたの描くイメージは、良くも悪くも、あなたの人生を物理的に形成する。

 スポーツのイメージトレーニングなどは、典型的にこの法則を活用したものである。
 マーク・マグワイヤがスランプを脱してホームラン王となったきっかけは、イメージトレーニングを取り入れたことだった。前夜に、明日対決する予定のピッチャーの映像を見ながら、ホームランをかっ飛ばすイメージをありありと描く。本番では、それを物質化することに専念するだけ。それだけで、ベーブ・ルース以上の偉大な記録を樹立したのだった。

「僕らのレベルでは、フィジカルやテクニックに大きな差はない。結果の違いは、99%メンタルの差なんだ」

「ボールをよく見て、打つ。それだけさ。それ以上複雑に考えたくないんだ」

 理屈で考えるのではない。できるだけ具体的なイメージを描き、実行する。これ以上無いシンプルなやり方が、マグワイヤに奇跡の超復活をもたらしたのだった。

 また、犯罪者に共通する特徴が、「犯罪を実行するイメージを描く習慣」にあることも、最近分かってきた。
 彼らは、頭では「こんなことをしちゃいけない」と分かっているのだが、潜在意識に刷り込まれたイメージの影響力は「強制的」なものなので、いつのまにか忌まわしいイメージを自らの手で物質化してしまうのだ。
 この場合、言葉によるコントロールが足りず、イメージの暴走を許しているケースがほとんどである。



「人間は、理屈ではなく、イメージに従って行動する」



 この法則は、世界中のあらゆる宗教やおまじないの共通原理でもある。この原理を否定すれば、あらゆる呪文や本尊の価値は失われることになる。

 仏経では、



 「身業」 あらゆる行い(特に、戒律を守ること)

 「口業」 あらゆる言葉(特に、経文を読むこと)

 「意業」 あらゆるイメージ(特に、本尊を拝すること)



 この3つのトータルが、その人のカルマとなり、運命を決めるとしている。特に「意業」こそ、あらゆる業の直接的な源だという。基本的には、どの宗教でも考え方は同じだろう。
 運などというものは存在しない。全ては、自らが招いた結果に他ならない。


 祈りがなかなか実現しないのは、ただ頭に力を入れて、

「こうなりたいけど、どうせ無理ですよね、神様」

 そう祈っているからだ。神様は、ちゃんとその祈りを叶えてくださっている。

 右脳だけで漠然と祈ると、どうしても弱気になる。いわゆる瞑想では、左脳が働かないので、どんどん悲観的になっていく。
 それを打ち破るのが、明確な「言葉」と、それにコントロールされた「イメージ」の力なのだ。お経を読んだり、本尊を拝したりしながら祈るのは、本来はそのための工夫。宗教には、本当に人間を、人生を変える力がある。

 誰でも、人生の中で願望のひとつやふたつは実現できているものだ。ただ繰り返しイメージを描くだけでも、何%かはそれだけで物質化してしまう。ただ、左脳によるサポートが低いと、実現率は著しく下がる。

 僕はとりあえず目標を片っ端から書き出しているが、それだけでも7割方は実現している。自分でチェックしてみて驚くくらいだ。集中して自己暗示をかければ、実現率はさらに上がる。よほど無茶な目標でない限り、祈りは必ず実現に向かう(最初に空を飛ぼうと思った人は、かなり無茶だが。でも、今では実現している)。
 もちろん、競争相手がいる場合、むこうの祈りが勝っていれば、勝てないときもある。勝利を祈っているのは、自分だけではない。それだけに、より具体的、徹底的に、「正しく」祈ることが必要なのだ。いくら熱心でも、漠然と弱気に祈っていたら効果がない。

 この法則はどの宗派にも応用可能なので、信仰を持っている人は、それに組み合わせればよい。もちろん、特定の宗派がなければ、そのまま実行すればいい。
 具体的に欲しい品物がある場合、品物の写真やイラストを見つめるのも、手に入れたときのイメージを描く助けになるだろう。もちろんウィンドショッピングでもいい。旅行に行きたければ、現地の写真やガイドブックを手に入れ、計画を立ててしまうのもいい方法。例は悪いが、丑の刻参りでワラ人形に釘を打つのも、呪いたい相手が傷つき、苦しむイメージを描くためなのだ。

 まずスローガンを中央に掲げ、(場所にゆとりがあれば)周囲に偶像を配置するというのが、望ましいやり方だと思う。この延長線上に、宗教の祭壇がある。
 祭壇の中央にある本尊は、偶像ではなく、スローガンのほうが望ましいのだ。古来、多くの宗教で偶像崇拝が禁じられてきたが、これはユングも警告しているように、偶像が臆病な右脳の働きばかりを活性化させてしまうためである。

 イメージは、環境の全てから影響を受ける。いわば、物質とイメージは往復し合っている。それだけに、望ましくない環境は可能な限り遠ざけなければならない。
 イメージを支配する最強の環境は、「言葉」である。もし、あなたを支配する言葉が悲観的な内容であれば、それは最悪の事態である。しかも、あなたに右脳主導の傾向があると、簡単にそうした状態に陥る。

 要するに、これはあなたが左右の脳をどういうバランスで使っているかという習慣の問題なのだ。あなたが右脳のエネルギーを左脳でコントロールしていれば、望ましい人生が訪れる。右脳の臆病さは慎重さに、左脳の無謀さは勇敢さに転じる。
 もちろん、右脳の働きが低いと物質化のレベルも下がるから、左脳だけ働けばいいというものでもない。「行動力はあるが結果は出せない」という人は、このパターン。もっと、具体的なイメージを描く癖をつけていきたい。

 脳の働きを最も活発にさせるのは、「音読」だという。特に、左脳を活性化させるので、イメージをコントロール通りに物質化させるには、最良の方法。それも、日常的な言葉より、やや理解しづらい言語のほうがいいという。お経を現代文に訳さず、漢文のまま読むのにも、それなりの意味がある。

 大事なのは、右脳でも左脳でもなく、活用のバランスなのだ。右脳がエンジン、左脳がハンドル。どちらも、お互いにとってなくてはならない存在。これだけ分かっていれば、成功法則のこまごましたことまで覚える必要はない。















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