(前回の続き)
警備業者の中には、現行犯を私人逮捕した社員に、始末書を提出させるところもあります。
この業者では、社員の業務は、犯人の特徴をできるだけ詳しく確認しておいて、警察に通報することだといいます。
社員の安全を考えた場合、至極真っ当な判断だと思います。
保安員が、取り押さえようとした被疑者に暴行され、負傷する事件が後を絶ちません。
考えてみれば、当たり前です。
罪を犯そうという人間は、もともと尋常な精神状態ではありません。
凶器として使用できるものを携帯している可能性もあります。
そんな危険な相手を、私人に逮捕させるマニュアルそのものが、異常です。
万引きや食い逃げを取り押さえるよう、従業員に指導している店なんて、ほとんどないと思います。
もし、それで怪我をしたりさせたりすれば、店の責任になってしまうからです。
僕もいろいろバイトしましたが、せいぜい、カラーボールを投げつけるように指導されただけです。
それが、カタギの仕事というものです。
もちろん、警備員だって、カタギの社会人です。
用心棒では、ありません。
携帯できる護身具も厳しく限定され、万が一殉職したところで、警察官ほど手厚い保障があるわけでもない。
短期間の講習を受けただけで、現場に配属されるケースも、少なくありません。
要は、保安員といっても、一般人とほとんど変わらないのです。
それでいて、警察官よりはるかに大きなリスクを負いながら、現行犯逮捕を遂行しなければならない。
若い男の被疑者の逮捕に、おばさん保安員が当たるケースもあります(スーパーで屈強な私服男性がうろついていたら、不自然です)。
それどころか、監禁や脅迫などの常習犯になることを、業務として強要されている。
もし被疑者に訴えられたら、実行犯である保安員が罪に問われても、文句言えません。
法律は、「あなたが全ての条文を知っている」ことを前提に、運用されています。
「俺は、ただ会社に指導された通りの仕事をしただけだ。違法行為だとは知らなかった」
なんて言っても、法廷には通用しないのです。
真面目に仕事をした挙げ句、監禁や脅迫の常習犯として罪に問われる。
犯罪者を取り締まっていたつもりが、自分こそ犯罪者になっている。
保安員には、常にそんな理不尽なリスクが伴っているのです。
これは、警備員の人権問題ではないでしょうか?
ただでさえ、この業界には、「警備員を使い捨ての駒にしか考えていない」という批判が、草創期からあります。
第一、会社側にも、
「犯罪行為を強要された」
として、警備員から告発されるリスクが、常に伴っているわけです。
そして、そのような悪質業者と契約している店側も、監禁場所を提供している以上、共犯と見なされる可能性があります。
やっていることは、893にいくらか握らせて、チンピラをシメてもらうのと、同じです。
業者の皆さん。現場警備員の皆さん。契約店の皆さん。それでも、今の取り締まり方を続けますか? (次回に続く)
警備業者の中には、現行犯を私人逮捕した社員に、始末書を提出させるところもあります。
この業者では、社員の業務は、犯人の特徴をできるだけ詳しく確認しておいて、警察に通報することだといいます。
社員の安全を考えた場合、至極真っ当な判断だと思います。
保安員が、取り押さえようとした被疑者に暴行され、負傷する事件が後を絶ちません。
考えてみれば、当たり前です。
罪を犯そうという人間は、もともと尋常な精神状態ではありません。
凶器として使用できるものを携帯している可能性もあります。
そんな危険な相手を、私人に逮捕させるマニュアルそのものが、異常です。
万引きや食い逃げを取り押さえるよう、従業員に指導している店なんて、ほとんどないと思います。
もし、それで怪我をしたりさせたりすれば、店の責任になってしまうからです。
僕もいろいろバイトしましたが、せいぜい、カラーボールを投げつけるように指導されただけです。
それが、カタギの仕事というものです。
もちろん、警備員だって、カタギの社会人です。
用心棒では、ありません。
携帯できる護身具も厳しく限定され、万が一殉職したところで、警察官ほど手厚い保障があるわけでもない。
短期間の講習を受けただけで、現場に配属されるケースも、少なくありません。
要は、保安員といっても、一般人とほとんど変わらないのです。
それでいて、警察官よりはるかに大きなリスクを負いながら、現行犯逮捕を遂行しなければならない。
若い男の被疑者の逮捕に、おばさん保安員が当たるケースもあります(スーパーで屈強な私服男性がうろついていたら、不自然です)。
それどころか、監禁や脅迫などの常習犯になることを、業務として強要されている。
もし被疑者に訴えられたら、実行犯である保安員が罪に問われても、文句言えません。
法律は、「あなたが全ての条文を知っている」ことを前提に、運用されています。
「俺は、ただ会社に指導された通りの仕事をしただけだ。違法行為だとは知らなかった」
なんて言っても、法廷には通用しないのです。
真面目に仕事をした挙げ句、監禁や脅迫の常習犯として罪に問われる。
犯罪者を取り締まっていたつもりが、自分こそ犯罪者になっている。
保安員には、常にそんな理不尽なリスクが伴っているのです。
これは、警備員の人権問題ではないでしょうか?
ただでさえ、この業界には、「警備員を使い捨ての駒にしか考えていない」という批判が、草創期からあります。
第一、会社側にも、
「犯罪行為を強要された」
として、警備員から告発されるリスクが、常に伴っているわけです。
そして、そのような悪質業者と契約している店側も、監禁場所を提供している以上、共犯と見なされる可能性があります。
やっていることは、893にいくらか握らせて、チンピラをシメてもらうのと、同じです。
業者の皆さん。現場警備員の皆さん。契約店の皆さん。それでも、今の取り締まり方を続けますか? (次回に続く)
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マキトさんの言うとおり多分私の気持ちバレてます(笑)そのためかわからないけれど、最近余計にメールの回数が増えましたσ('、`)微妙な心境です。。。
業者には業務上過失致死の疑いがかかります