風景写真春秋

残日録代わりの風景写真です。
もちろん「日残りて、昏るるに未だ遠し」という意味合いです。

一本足のミユビシギ 胸を衝かれました

2017-03-12 | その他
 ミユビシギなどのシギ類を写していたときのことです。
 ミユビシギは飛ぶ姿はもちろん、すばやいチョコチョコ走りも絵になるので、波打ち際を駆け回るミユビシギをそっと近づきながら写していました。。
 私はねらっていた一団の中の一番最後で走るミユビシギの動きに違和感を持ちました。
 彼をカメラで追って行くと、何と一本足なのです。
 一本足でピョンピョン跳びはねながら、仲間の鳥を追っているのです。
 胸を衝かれました。
 きっと何かに襲われたか事故で片足を失ったのでしょう。
 それ以上彼の姿をカメラで追うことは出来ませんでした。
 砂浜に両膝をついて、しばらく思っていました。
 ミユビシギはほかの鳥と違って、波打ち際で走り回って、波の進退に合わせて甲殻類などのエサを漁るので、片足だと大きなハンディキャップになるはずです。
 彼はいつ、どこで、どのようにして片足をなくすようなアクシデントに出会ったのだろうか。
 あの一本足で疲れないのだろうか、エサは十分に取れるのだろうか、波にさらわれないのだろうか、果たしてあの身体で遠く、カムチャッカやアリューシャンまで仲間といっしょに帰って行けるのだろうか。
 ピョンピョン跳びはねて走り去った、彼の後ろ姿に私はショックを受けていました。
 カメラで追い回したりしてすまなかった・・。
 どうか元気で生きていてくれよ。
 これ以上ミユビシギを写すことはやめ、カメラを納めました。

①ミユビシギは休んでいるときは、真ん中の鳥たちのように、一本足でいることがよくあります。
 ところが歩くときは、当然左端の鳥のように二本足歩行になります。


②逆光のミユビシギの一団を写していました。
 右から二番目が一本足のミユビシギですが、このときは全体の動きを追っていて気がつきませんでした。


③反対方向へ走るとき、この一羽が遅れてしまいましたが、ファインダー越しということもあり私はまだ気がついていません。


④この段階で走り方が変だと思いました。


⑤ここではっきり、一本足だと確認しました。
 一本足で一生懸命仲間の後を追って走る彼を、これ以上カメラで追うことは出来ませんでした。

 

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2 コメント

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一本足がんばれ (タートル山のザリガニ)
2017-03-12 09:37:48
優しいカメラマンの心遣いに一本足のミユビシギも勇気づけられ、無事に飛び立つと思います。波打ち際の動きでは他の仲間より一歩遅れとっているかもしれませんが、その姿は丸々太り、十分な体力をつけ、仲間と見劣りがしないように見えます。波頭の前に立つ姿には風格すら感じます。きっと、思うよりは強く生きていくような気がします。
励ましのことばありがとうございます (いせえび)
2017-03-12 11:44:37
タートルさん、こんにちは。
海鳥の世界でも、生存競争というかエサの争奪戦を頻繁に目にします。
その頂点に立つのがカラスで、最下位にいるのがミユビシギだと思います。
彼らは異種間はもちろん同種間でもエサの奪い合いで、つつき合ったり、かみ合ったりすることもあり、思わぬけがをすることもあるでしょう。
そういうことは承知ですが、あの一本足でピョンピョン走るミユビシギの後ろ姿は衝撃的でした。
駆け回ってエサを漁る彼らにとって、一本足はあまりにもダメージが大きくでしょう。
その彼を、知らなかったとはいえ、カメラで追いかけたのは悪いことをしたと思いました。
おっしゃるように、見た目の体つきはほかの鳥と変わらないため、仲間に混じって十分にエサを取っているように思います。
秋口には体力をつけて、無事北国へ旅立って行けるでしょうね。
温かいコメントをいただきありがとうございました。

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