月刊ボンジョルノ

ほとんどツイートの転載です。

明日はわが身

2008-12-09 | Weblog
このところ人に会うたびになぜか「それにしても病んでる人が多いね」という話になる。もちろん心のことである。
誰も彼もが口を揃えて言い出すところをみると、この国の社会にはよほど異常なことが起こっているのだろう。
いかにも景気のよさそうな大企業の人と話をしても
「会社に出て来られなくなる人が多くてね」
「それも失敗したとかいじめられたとか明確な理由があるわけじゃなくて、ふつうーに仕事してて、日常的にちょっとずつ蓄積したストレスがある日限界に達するらしいんだな」
とおっしゃる。
サラリーマンに限らない。大学の先生と話をしても
「いやーほんとに精神的に参っちゃってる学生が多いんだよ」
「昔も大学院に変わったヤツは多かったけど、こんなに病気になるヤツはいなかったように思うがねえ」
とおっしゃる。
かく申す私の周囲でも、心を病んで配属が変わったり仕事を休んだり辞めてしまったりした人がそうさな、この10年で8人は名を挙げることができる。
まあ経済的な問題は大きいものの、仕事を投げ出すことで健康が取り戻せるのならどんどん投げ出せばいい、死ぬよりはマシだ、自分より大切な仕事なんかこの世にない、お天道様に米の飯はついてまわる、と私などは甘い考えをもっているのだけれど、本人の身になればなかなかそうアッサリ色んなものをあきらめるわけにもいかず、結局病気になって取り返しがつかなくなるまでがんばってしまうのだろう。
上司を含め周囲の認識だって、昔に比べれば多少は進んだとはいえ、「同じ環境で他のみんなはがんばってるのに困ったやつだ」あたりが本音に違いない。そういう繊細さに乏しい帝国軍人みたいなやつは決して心を病んだりしないのである。