夏だ!ご縁だ!月島だ!

8月26日に月島で開かれる映画「ご縁玉」上映イベントの情報ブログ

皆さまからの感想7

2010-09-03 22:09:10 | 日記
この映画の特色は、何といってもヒロインである故人の生前に撮られたというところだと思います。普通は、山ちゃんの役柄を演じるのは俳優さんなのでしょうが、この映画では本人が出演した。それがこの映画にドキュメンタリーとしての臨場感や迫力を与えたと思います。

個人的には、エリックが山ちゃんの胸部にチェロを置いて、静かに演奏することで音楽セラピーを施すシーンが感激的でした。

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ご縁をありがとうございます。
久々に感動の映画を見せていただきました。
又、エリックマリア氏の生演奏、監督他の皆さんとのトークまで盛り沢山で、行ったかいがありました。特に、彼のチェロはなんとも力強く、それでいて心に染み入る音色でした。蛇足ながら、さぞやいい楽器だろうなあと、それを、惜しげもなく、ああいう会場で弾きこなしてしまうすごさ! 彼の人柄だろうなあとも思いました。すばらしいコンサートでした。彼のCDなど出ているのなら、是非聞いてみたいと思いました。もし、教えていただければありがたい。来日して演奏する機会があれば是非聴きたいです。)

ボランティアの皆さんで支えられている事も大きな驚きでしたし、会場の雰囲気もなんとも温かいというか、うるうるした不思議な感じでした。
時間があれば、もっと色々お聞きしたいと思いましたが、その点はやむを得ませんね。

本当にご盛会でよかったですね。
私はパリ在住の友人からご縁がご縁を呼んで、たまたまこの映画のことを知ったのです。この映画を見ないのはもったいない、とも言われましたが、本当にそのとおりでした。もっと多くの人に見てもらいたい映画です。

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(スタッフより)
エリック・マリアのCDは現在のところ発売されていませんが、計画はあるとのことでした。もし実現したら、またこちらでお知らせできればと思います。

ある女性について

2010-09-03 01:41:32 | 日記

こんにちは。実行委員の原田朱美です。

早いもので、「ご縁玉」上映会からもう1週間ですね。

私は未だに会場の空気を思い出しては、余韻に浸っています。

 

 今日は、私があの日出会った、ある女性について。

7月中旬。

事務局に、こんなメールが届きました。

 

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このイベント、凄く楽しみにしています。

「ご縁玉」の映画が上映された時(注:以前劇場公開された時)、凄く迷いました。

観たいという気持ちは強い。

でも字幕が無いからと諦めていました。

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聴覚障害をお持ちの方だったのです。

メールは続きます。

 

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でも、感動の声を聴くたび、見に行けば良かったと後悔していました。

この機会があることに、本当に感謝しています。

このイベントを知り、早速申込をしました。

映画に、字幕は付きませんが、勘で流れを掴みたいと思っています。

聴覚障害を持っていることもあって、目からの 情報しか得ることができないのですが、勘を掴むのは人一倍強いので、この映画もきっと掴めると信じています。

映画だけじゃなく、 トークショー、ライブ、楽しみにしています。

=====

 

「なんとかならないものか」。

あるスタッフが切り出し、また別のスタッフが「手話通訳を知り合いに紹介してもらえるかも」と動き、幸いすぐに手話通訳さんを見つけることができました。

 ただ、スタッフのほぼ全員は、イベントに関して素人です。

まして、手話通訳は初めて。

どこに立ってもらえばいいのか?

そもそも、上映中は暗いけれど、見えるのか?

不安を抱えたまま、準備をすすめました。

 

当日。会場に現れた女性は、可愛らしい方でした。

小柄で色白で、白いシャツがよく似合う。

「緊張しています」と、はにかむように笑っていました。

 

映画の上映が終わり、エリックの演奏中、私は目の前で響くチェロの音に浸りながら、ふと、女性が気になりました。

彼女に、今この瞬間の空気は、どう届いているのだろう。

映画を見て、どう思ったかな。

ちゃんと通訳が見えたかな。

あの席に案内して良かったのかな・・・。

 

トークに入った時でした。

江口監督がふと、「エリックがなんで頭を刈ったか、わかる方います?」と、会場に質問を投げました。

一瞬の沈黙の後、手を挙げたのは彼女でした。

ぱっとはじかれたように、手話通訳さんは、女性の手話を声に出し始めました。

 

 月並みな言い方しかできませんが、私はあの時、とても嬉しかったです。

楽しんでくれたからこそ、すすんで発言までしてくれたのだろうかと。

 

 イベント終了後、彼女の席に向かいました。

来てもらったお礼を言うためです。

女性は、満面の笑みでした。

最初に会った時の、シャイな笑顔ではなく、花が咲いたような。

興奮さめやらぬ、という感じで小さくぴょんぴょんと弾みながら、「ありがとうございました」と伝えてくれました。

 

本当に本当に、可愛らしく笑う人でした。

 私はなぜか、彼女とハグしてしまいました。

「こちらこそありがとうございました。

そう言ってもらえて嬉しい」と、手話通訳さんの手を借りてようやく言えました。

手話を何も知らない自分をちょっと恥じつつ。

 

でも何か、彼女と同じことを共有できたことも感じつつ。

そして翌日、彼女から、またメールが届きました。

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月島のイベントに関わっていた皆様、昨日の月島のイベントでは、本当に色々とありがとうございました。情報保障、叶ったら良いなと思って書いたとはいえ、無理だろうなと諦めていました

。それだけに、熱心に受け止めてくれ、思いがけないメールを頂いた時は、言葉にならない位、凄く嬉しかったです。

昨日のイベント、受付担当の方、原田さん、手話通訳の方、スタッフの皆さんから、色々と手話で、ゆっくりと声掛けて頂き、凄く嬉しかったです。

映画の内容まで、手話通訳してくださるとは思いもしませんでした。

映画の内容もしっかりと知ることができて本当に良かったです。

映画、ライブ、トークショーと心から最初から最後まで、笑って泣いて、感動して、と過ごすことができました。

今夏の最高の思い出になりました。

本当にありがとうございました。

 

ご縁玉のイベントで頂いた5円玉しっかりと財布の中に入れてあります。

いつか、どこかで、スタッフの皆さんや、原田さんや手話通訳の方と、またご縁があると良いなと思っています。

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ちなみに私は、バタバタオロオロと動き回っただけです。

見事に伝えてくださった手話通訳さんの仕事の素晴らしさは言うまでもなく、山ちゃんの力ってすごいなと、改めて思いました。

この映画とエリックが放つ力も。

 

そう。

あとひとつ書きたいことが。

手話通訳さんのことです。

当日、わずかながら謝礼を準備していました。

イベント終了後、渡そうとすると固辞されました。

「私も楽しかったです。ありがとうございました」と。

 

 今回、私もたくさんのあたたかい「ご縁」をいただきました。

もちろん五円玉は、財布に入れています。


当日の様子

2010-09-01 22:08:53 | 日記
司会担当の今泉です。当日の画像とともに、イベントの様子を簡単にご紹介します。

映画の上映前に、司会と実行委員長でごあいさつ。公開収録の番組では、収録前に会場の皆さんにご挨拶と諸注意などをお伝えします。これを「前説(まえせつ)」といいますが、そんなノリでやってみました。委員長には「イベントの趣旨などを説明してくださいね」と事前にお願いしてありました。



実行委員長はこの大役に結構緊張していて、何度も「今ちゃん無茶ぶりしないでね」と言ったり(するわけないんですけど)当日は長い原稿を書いてきたりとなんだか落ち着きがありません。

書いてきた原稿をそのまま読んでもつまらないので「これそのまま読んじゃダメだからね」と言うと「ええ!?」とさらに緊張。でも本番では、イベントの趣旨や山ちゃんへの想いをしっかりと語ったのでした。

映画の画像はありません(映画ですからね)。

休憩を挟んで、お待ちかね、エリック・マリア=クテュリエと佐原敦子さんの登場です。まずは佐原さんからご挨拶。



ちなみに「出番です」と言われた佐原さんがいきなり黒幕の後ろに向かって歩いていったので、舞台袖のスタッフ爆笑。「なんでこんなに暗いんだろうって思って…」って、そりゃ暗いでしょう、幕の裏なんだから(笑)。

最初はエリック・マリアのソロ。



そして佐原さんのヴァイオリンとともに。



贅沢な時間でした。

演奏後、出演者みずから舞台上に椅子を運んで、短い時間でしたがトークセッション。



左から、進行役の上野創、江口監督、エリック・マリア、観客兼通訳のポール、そして舞台袖にて写真を撮る実行委員長。委員長丸見え(笑)。



ポールさんは、他の人が言っている日本語をエリック・マリアに伝える通訳で、エリック・マリアのフランス語は江口監督が通訳しました。監督いわく「自分の発言とは一応声を変えて言ってみた」そうですが、言われるまで全然わかりませんでした(笑)。

観客の方と質疑応答などしつつ、無事終了。

会場を包んでいたあのあたたかい空気を、私は忘れないと思います。本当にありがとうございました。

皆さまからの感想6

2010-09-01 21:09:59 | 日記
山田さんの話は知人よりちょっと聞いていただけでしたので、思いがけなく、チェロとバイオリンの演奏、それに監督さんを交えてのトーク、とても感動いたしました。言葉は通じなくても、心や音楽などは通じるものがあるのですね。

山田さんの生前の活動、孤児院やホスピスでの活動も知ることができました。自分の痛みを抑えて、最後まで活動されたようですね。自分ももっとできることがあるのではと思いを新たにしました。

またボランティアの方が多いのにも感動いたしました。今まで女性のこんな活動は見ることがありましたが、今回は男性も多く、真心は男女に関係なく通じるものだと改めて感じました。本も買いましたので、もっとたくさんのことを知って、私も周りに伝えて行きたいと思っています

今後もこの活動が発展しますように、願っています。どうもたくさんの感動を有難うございました。

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先日の月島での映画とライブ演奏&トークセッション とてもいい時間を過ごす事ができました。 今回のイベントは友人から誘っていただいて観に行くことができました。

私は、乳がん患者で2005年 39歳で罹患しました。山田さんのことは、TVで拝見していました。自分が、がんになったときに同じ病の人が頑張っている姿を見て、元気というかパワーをもらったりしていました。

私が、がんになったのは、何か意味があるのではないか? 何か私にも出来ることはないだろうか? そんなコトを不思議と考えるようになりました。命の限りを知ったことで今までとは、違う価値観になりました。罹患する前は、「ご縁」なんて深く考えた事も感じたこともなかったのですが、がんになったことで「ご縁」という言葉を深く感じるようになりました。

映画「ご縁玉」はとてもいい映画でした。

チェロの音色がとても切なく暖かく、心の中に余韻がしばらく響いています。あの空気感が良かった。もう1度ゆっくり観てみたいなぁ。エリックさんのチェロをナマで聴けたのも嬉しかったです。チェロの音の魅力を感じました。バイオリンとの音の違いも感じることが出来ました。すべてが終わって出口のところでエリックさんと握手をしていただいたのですが、とても柔らかい手でした。その柔らかい手でステキな音楽を作ってらっしゃるんですね。

私がこの病気にならなければ山田さんをTVで観ても ここまで感心を持つことは、なかったように思います。これも「ご縁」なんですよね。山田さんを知る事によって 映画「ご縁玉」を観る事が出来ました。

あの映画の撮り方、凄く好きです。光の感じが特に。そして エリックさんのステキな演奏、とても興味が湧きました。

山田さんに感謝です。ステキな時間を作ってくださったこと。チェロの魅力を教えてくれたこと。

スタッフの皆様ありがとうございました。
このご縁がずっと続きますように応援いたします。

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2年前、山ちゃんの本を笑いと涙で夢中になって読んでいた私に、娘たち(当時8才と3才)から「なに読んでるの〜?読んで〜。」とせがまれたことがきっかけで毎晩少しずつ読み聞かせておりました。

長女はとても感動したとみえ、山ちゃんの講演会が東京であるようよ、と話すと「行きたい!」と目を輝かせていました。そして2008年7月に東京で行われた山ちゃんの講演会(生と死を考える会主催)に参加させていただき、その時初めて「ご縁玉」の映画を観ました。涙があとからあとから流れてきて、止まりませんでした。

その間、「ご縁」はずっと続いていたのだな、と思わせられることがございます。 2年前に観た映画「ご縁玉」がきっかけとなったのだと思いますが、娘がチェロを習いたいと言い始めました。去年は東京から千葉へ引越したばかりということもあり、新たな場所に慣れることが必要であろうとチェロのことはもう少し先にと思っておりました。

今年に入り、娘が再度チェロのことを口にしたので先生を探し始めました。しかし陸の孤島と呼ばれている田舎に住んでいるので、そう簡単には先生が見つからないだろうと思っていたのですが、先月とても良い先生に巡り合い親子で習い始めました。里山に囲まれた田んぼや畑の真ん中にチェロの教室があり、毎週喜んで通っております。

今回のイベントを企画、運営くださったお一人お一人に、江口監督、エリック=マリア・クチュリエさん、ヴァイオリン奏者の佐原さん、そしてこのすべての人たちを一つに繋げてくれた山ちゃんに深い感謝の意を表したいと思います。どうもありがとうございました。

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人間の関係とは何? 出会いとは何? 命とは? と深く考えさせられた映画でした。
映画の後の対談でのエリック・マリアさんが言った言葉、「山ちゃんは大地の根っこ のように自分とつながっている感じ」が印象的でした。
先日は参加させていただき有難うございました。

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なんだか心温まるお話で、もし私がこの立場だったら、どうなんだろうと考えさせられました。人との出会いやご縁を大切にできなくなってる気がしました。

日常に追われていると、いつの間にか鈍感になっているのかもしれません。そんなことを考えました。

また生演奏最高でした! 本当に有難うございました。

御  礼 (実行委員長より)

2010-08-31 17:32:57 | 日記
実行委員長の大西です。



この度は、お忙しい中ご来場頂きまして、誠にありがとうございました。

また、多くのご感想を頂戴し、山ちゃん先生の思い・江口監督の思い・エリック=マリア・

佐原さんの思い、そして我々サポーターの思いを皆様が、それぞれの角度から感じ取って

下さっている事に、とても感銘しております。


「ご縁」の力は、本当に凄いと感じます。「ご縁」に偶然はなく、すべて必然であると、

今回のプロジェクトを通して改めて感じさせて頂きました。

また、ベクトルの近い・優しく・あったかい「ご縁」が思いをひとつに集うと、月島会場の

ような素敵な”気”に満ち満ちた空間が醸成されるとわかり、今後の活動に向けて大きな

励みとなりました。


今後とも、山ちゃん先生の「ご縁」バトンを、一人でも多くの心ある方々に伝えていける

ように、スタッフ一同精進を重ねて参ります。


本当に、ありがとうございました。


皆さまからの感想5

2010-08-31 00:58:35 | 日記
皆さまからの感想は「個人が特定できないように」というお約束でここに掲載させていただいているのですが、この感想は上野、私(今泉)と同じがんを経験している「がん仲間」で、上野著「がんと向き合って」にも登場する方のものです。「ブログを公開してもいい」ということなので、ブログのアドレスを含めて掲載させていただきます。

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みなさん、本当にお疲れ様でした。

これほどのイベントを、手弁当でできるってことに、本当に驚きました。
それだけ、山ちゃんをはじめとして、エリックさんや江口監督たちの引き寄せる魅力が、多くの方を動かしたのだと思いました。

運営に協力された皆さん、本当に本当にありがとうございます。その暖かい心の一つひとつが、会場で配っていたご縁玉と同じように、参加した一人ひとりの心の中に、スッと入っていったように思います。

スクリーンから学んだこと。
それは、縁を感じる感性を大切にすること。そして、縁を感じたら動くこと。
ひとまず、動の手始めとして、感想をブログに掲載させていただきました。
http://nezucafe.exblog.jp/14479849/

素敵な空間を共有できたことに心から感謝します。

皆さまからの感想4

2010-08-31 00:51:01 | 日記
私は、今回のイベントはもっと「生と死を見つめる!!」、という感じの重たいものかと思っていました。
そのため、実は行く前は少し気が重かったです。
何か自分に突きつけられて、問われるような、刺さってくるような気がして
受け止められないのではないかと思っていました。

でも、予想とは違っていました。
映画は、山ちゃんの話であり、エリックさんの話であり、聖ヨゼフ寮の子供たちの話であり、ホスピスの人たちの話でした。
エリックさんの養父母の話でもあり、住職さんの話でもありました。

観る人によって受け取るものは様々かと思います。
だから、なるべく多くの人に、直接この映画を見てもらいたいと思いました。

このような機会が多くの場所であり、多くの人が観ることがあるようにと願っております。

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先日は「夏だ!ご縁だ!月島だ!」に参加させて頂き有難うございました。
感動と優しさに溢れた素晴らしいイベントでした。

「ご縁玉」の上映会は2度目の参加でしたが、山田泉さんの、葛藤しながらも 自分を生きようとするひたむきな強さと、遠くを見据える切なさと…、そして、今に心を合わせて支えようとするご家族やエリック・マリア氏の愛情は前回にも増してジーンと心に響きました。
ご縁の不思議さと運命の出会いが織りなすドラマがドキュメンタリーとなって、何度見てもその感動は褪せることはないと思いました。

その映画から抜け出してきたかのように、エリック・マリア氏と佐原さんのライブ演奏は幻想的でもあり、力強くて優しい音色は本当に素晴らしく、ただただ感激のひと時でした。

私も乳がん患者になり、命の不思議さや尊さを感じる機会が増えましたが、トークセッションで触れていたエリック・マリア氏の探しているものは、きっと一言では語れない人生のテーマのようにこれからも探し求めて行かれるのではないかと思いました。

けれども、山田泉さんの取り持つご縁で集結されたスタッフのみなさんの熱く温かい心に触れながら、人の世の愛の力も信じていらっしゃると思いました。

これからも「ご縁玉」に秘められた幸せのご縁の輪を広げて頂きたいと願っています。

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映画、コンサート、座談会・・・、26日は貴重な機会をありがとうございました。
それぞれを純粋に楽しませていただいたのはもちろん、
自分自身も何かしたい、何かしなければという気持ちにさせられました。

次の機会は是非、参加するだけではなく、もっと役に立ちたいと考えております。

皆さまからの感想3

2010-08-30 22:47:06 | 日記
昨夜は待望の「ご縁玉」を拝見することができました。
言葉にできないほどの感動を受けました。
エリック=マリアさんの悲しみを、山田泉さんがアジアに引っ張ってきたのですね。

しばらくは東京近郊では上映されないようですが、PTAや教育委員会共催で地元で上映できたらどんなに幸せなことかと思いました。
頑張ります! 多方面に働きかけます!
一人でも多くの方に知っていただきたい名作です!
紹介しまくります!

ありがとうございました!

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いろいろな思いが浮かび、いろいろなことを感じました。

まず、日本はなんと豊かで美しい国なのかということ。
京都の古寺や墓石、街路の佇まいや陰影。大分の霞みたなびく山々。
南に位置しながらも雪が降り積もり、雪合戦に興じることもできる。
そして、昔ながらの商店街の昔ながらのご近所さん。その話し方や接し方がまた昔ながらであたたかい。
成人という節目を振袖で祝い、暖をとるコタツの上では冬の味覚「カニ」を味合うことができる。
映し出される光景が、古きよき日本の一端をにじませ、それに溶け込んでいるエリックマリア。国も生まれも育った文化も関係なく成立するコミュニケーション。
日本人自身が特に都会の人々が失ってしまったものがそこには映し出されているように思いました。

次に感じたのが、チェロの響きはなぜか心に響くということ。
悲しいわけでもないのに、映像から流れるチェロの響きに涙が落ちてきました。
こころにダイレクトに届くような音色なのかもしれません。
映画の中で演奏が終わるたびに、映画の中の人と一緒に拍手をしそうになりました。一体感があったのでしょう。

それから、エリックマリアが頭を丸めているときには、「自分も丸刈りにしようかな」とふと思いました。
おそらく、ホスピスで限られた命を精一杯生きる人たちを目にしたり、施設という環境にあり、両親と離れて生活していながら、明るく生きる子供たちの様子をみて、心が洗われたのかもしれません。頭を丸めて、すっきりと心も新たに日々「しっかりと生きる」ということが大事かなと思いました。
その意味では、毎日頭を丸めることが本当は一番良いのかもしれません。

人は一人では生きていけませんから、誰かとのつながりを持たざるを得ません。
そうしたつながりを前向きに捉え、積極的に人生に生かしていくと「ご縁」となり、後ろ向きに捉え、いやいやつながっていくと「しがらみ」になるように思います。

私も多くの人のご縁にて、自分で思ってもいなかったような楽しい人生を送らせていただいています。自分の思いがかなうこともあればかなわないこともあります。そうかと思えば、自分の思い以上のことがもたらされることもあります。
おそらく、「ご縁」を大切に、その日その日を懸命に、命を燃やして生きていれば、どのような結果であろうとそれは全てすばらしいものなのだと思います。まるで「ご縁」の浪に乗って人生を旅しているようです。これまで受けてきた「ご縁」による「ご恩」は、直接ご本人に返せないこともありますが、映画にもあったように、他の誰かに返していこうと思います。

全ての人が山ちゃんのように最後まで人生を謳歌することができるようになればよいと思います。今回のイベントはおそらくそうした人を少しずつ増やす助けになるでしょう。

では、また「ご縁」があればどこかでお目にかかれると思います。

皆さまからの感想2

2010-08-29 21:16:53 | 日記

(M.Mさんからのメール)
8月27日
昨日はおつかれ様でした。そしてありがとうございました。
映画では泣き、ライブ演奏は全身で聞き、あたたか~いトークセッション、心が温かさで満たされた一日でした。社会も人も経済も強さを求める傾向にある時代だから、山田さんの生き方はまぶしく映り、共感を覚えます。
と同時に、「ご縁玉」の輪が広がっていけば、社会は少しずつ変わっていくかな、という希望も抱きました。

今回のイベントに参加させていただいた「ご縁」を大切にしながら、周りにもつなげていきたいと思っています。

エリック=マリアと佐原敦子さん
                                   の即席デュオ。「実は譜めくり失
                                   敗しちゃったの」と佐原さん。

8月29日

まだ感動の余韻にひたっています。
あの時間のホール全体が心地よい空気に包まれていたのは、スタッフの皆さんをはじめ来場者一人ひとりから醸しだされた雰囲気で充ちていたからなんですね。
28日の土曜日、月一回集まって読書会を開いているメンバーにあの日の感動を話しましたが、あの場の温かい空気はなかなか言葉にできず、状況説明に終わったような気がします。
感動が大きければ大きいほど伝えきれないなーと感じながら話していると、山田泉さんの名前を手帳に控えていた一人が“セラピー”って言ったんですね。
帰り道、この言葉をぐるぐる頭の中でめぐらせていると、ただの感動じゃない感動の正体が分かりました。
感動的な映画、心に染み入るライブ演奏、あたたかいトークセッション、それにスタッフの皆さんや来場者から醸し出されるあたたかい雰囲気、それらがホール全体を包み込んでセラピーを施してくれていたということです。
あの奇跡のような時間は私にとってセラピーだったんですね。
時間がたつとこういう発見があるのも楽しいです。

 


皆さまからの感想1

2010-08-29 18:40:39 | 日記
メールでいただいた感想を随時掲載していきます。

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山ちゃんは、いのちの限り精一杯生きて、「ご縁玉」をバラまいて逝かれた方だったんですね。ぜひお会いしたかったです
映画の中で、エリックさんが最後まで探せなかったという答えは、私にはすぐにわかりました。「答えたくない」という彼の気持ちも、痛いくらいに。
私達在日コリアンも彼と同じく、「ルーツを南北に引き裂かれた存在」だからです。

でも、彼が山ちゃんと出会い、自分探しの旅先で見つけたもの。それは完璧な「答え」なんて本当はどこにも無くて、一生見つからないかも知れないけれど、激しさの中にどこか物哀しさを秘めた、鳥肌が立つようなチェロを奏でながら、山ちゃんから学んだ「ご縁」と「いのちのつながりの大切さ」を、国境を越えて世界中に伝えて行くことなのではないかと、私は思いました。
最後に握手して下さったエリックさんの両手は、とっても温かくて、思ったよりずっと柔らかでした。
私にも彼にとってのチェロが欲しいと、羨ましくさえ思いました。これからも機会があれば、是非チェロを聴かせてくださいね。

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 まず驚いたことは、この映画はドキュメンタリーか映画か、ふと一瞬迷ったことです
。ドキュメンタリーとして淡々と描き出すわけでもなく、映画として女優や俳優が「演
ずる」わけでもない、一種独特な感じを受けました。
 フランス、パリから始まるヨーロッパの風景描写、そして年の瀬と新しい年を迎える
情緒的な日本へと、そのしっくりと溶け合った雰囲気が不思議でした。
 山ちゃんやケンちゃんや他の皆様から溢れる輝いた表情や、偽りのないことばの数々
は、プロの演技を超えた真実や真心で、観るものを圧倒するように感じました。
 一映画ファンとして、近所の映画館の会員としての私は、前評判の高い有名女優の出
演する映画を観て、あの女優がもっと演技が上手ければ、あの映画はもっとよかったの
に・・、と思う時もあります。

 山ちゃんの映画での真実のことばや表情は、出演者に輝きを与え、ケンちゃんのすば
らしいチェロの響きは、それを音楽という芸術で包み込んでいるように思えました。
 何よりも、死という事実と出会いという悲しさとすばらしさは、観るものとの一体感
を抱かせてくれました。
 ケンちゃんのすばらしいチェロの音色に包まれて、山ちゃんの表情や言葉、そして親
のいないこども達との交流は、芸術とドキュメンタリーの不思議な一致を見たように思
いました。

演奏会について

 バッハのプレリュードは、あのようにすばらしい曲だったのですね。ケンちゃんのチ
ェロはそのことを教えてくれました。深く、暖かい、ケンちゃんのチェロの響きは、山
ちゃんやご家族に死を受容し、生きる勇気を与えたことでしょう。
 私もご一緒に頑張る勇気をいただきました。

 チェロの演奏会にはよく参ります。チェロの音色や響きが好きです。いつかパリでケ
ンちゃんの演奏会に行けたらいいな、なんて夢ですね。佐原さんのヴァイオリンも素敵
でした。
 猛暑の夏の終わりに、このようにすばらしい演奏を聴かせていただいてありがとうご
ざいました。

トークセッションについて

 ふとした出会いと絆、体験や事実をもとに、映画を通して生きることのすばらしさに
ついて語ってくださったように思います。
 上野様、監督の江口様、エリック・マリア様、そして通訳の方の、山ちゃんの映画が
できるまでのお話は、私達の日常を、意味深い充実した人生へとお導きいただけるよう
なヒントがたくさん隠されているように思いました。

 お忙しい中を、リーズナブルな参加費で、価値ある有意義な時間を過ごすことができ
ましたことを心から感謝申し上げます。

9月3日には京都でも!

2010-08-28 21:25:37 | 日記

東京・月島会場での「ご縁玉」上映+演奏+トークは、とても盛り上がりました。
ありがとうございました!

当日の模様、そしてご感想は、もう少しでアップしますので、お待ち下さい。
ところで、この作品、何度見ても新しい発見があるのです!18回みた人間が言っていますので、間違いないです。
実は、9月3日(金)の夜には、京都市でも催しがあります。予約制で、まだ少し、空きがあるとのこと。
感動をもう1度、と思う方はいかがでしょうか?
もしくは、関西在住のお友達にお勧めしてみてはどうですか?

場所は新風館ホール(京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町 586-2)
問い合わせ先は、フリーダイヤル(0120-032-585)です。 チラシを添付しておきます。

 

裏面↓文字が読みにくくてすみません。


ありがとうございました(司会より)

2010-08-27 23:16:27 | 日記
今回司会を担当しました、フリーアナウンサーの今泉です。


「夏だ!ご縁だ!月島だ!」は、ご来場いただいた皆さま、運営を手伝っていただいた皆さまのおかげで、無事に終了しました。

会場でもお話ししましたが、今回のイベントは、いろいろなご縁で集まったメンバーが、それぞれやれることをやるという形で、手弁当でやった手作りのものでした。至らぬところは多々あったかと思いますが、温かい空気を、司会をしながらずっと感じることができて、最後の瞬間まで私もとても温かい気持ちでいることができて幸せでした。本当に、ありがとうございました。

会場で皆さまに「ぜひ感想をメールかファックスでお送りください」とお願いしたところ、素敵な、心温まる感想が届いています。どれも素晴らしい感想なので、私たちスタッフだけで読むには惜しいというか、あの会場にいた皆さんで想いを共有できたらという気持ちが、スタッフの中で高まっています。

会場でもちょっとお願いしたのですが、個人名はもちろん、個人が特定できないようにした上で、皆さまの感想をこのブログに掲載させていただけたらと思います。短くても構いませんので、ぜひ感想をお送りください。その際「ブログ掲載可」と書き添えていただけると助かります。

ブログでの公開を希望されない場合は「ブログ掲載不可」とお書き添えいただいたら、掲載はいたしません。スタッフだけでありがたく読ませていただきます。

エリック=マリアと江口監督は、きょう午前九州に向かいました。このあとも各地で「ご縁玉」の輪が広がっていくでしょう。

忘れられない夜になりました。皆さまのおかげです。心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

今泉 清保

「夏だ!ご縁だ!月島だ!」イベントについて

2010-08-27 23:15:40 | 日記

夏だ!ご縁だ!月島だ!

※おかげさまで満席となり、予約申込は締め切りました。

キャンセル待ちの受付も終了しましたので、ご了承くださいませ。

 

 映画「ご縁玉」上映と出演者によるライブ演奏・トークセッション

 ■日時 8月26日(木) 開場 18時30分          

               開演 19時(終了21時30分)

 

■場所 月島社会教育会館 ホール(月島区民センター4階)

 東京都中央区月島4丁目1番1号

http://chuo-shakyo.shopro.co.jp/tsukishima/access.php

都営大江戸線・東京メトロ有楽町線 「月島」駅 10番出口すぐ

(大江戸線改札から徒歩3分、有楽町線改札からは徒歩5分) 

 

 ■料金 2000円

 あらかじめメールでご予約いただき、料金は当日受付にて承ります。

 

■予約について (※予約申込は締め切りました。)

人数限定のイベントにつき、あらかじめメールにて予約をお願い致します。

件名は「イベント」、本文には

 ◎参加する方のお名前(複数の場合はすべての方のお名前

 ◎連絡先メールアドレスをご記入のうえこちらまでメールをお送りください。

 goendama_2010@mail.goo.ne.jp

 

折り返しこちらから確認メールをお送りします。

当日はメールをプリントアウト、もしくは「整理番号とお名前」を控えてお越し下さい。

 一週間経っても届かない場合は、何らかの手違いが考えられますので、お手数ですが「届きません」という件名で再度メールをお送り下さい。

その他のお問い合わせは「問い合わせ」という件名でお送り下さい。

 

 ※場内は自由席です。来場順にお好きな席にお座りいただきますが、上映開始後の入場の際はこちらでご案内する席にお座りいただきます。

 ※場内は禁煙です。

※いただいた個人情報については、イベント関連の告知のみに使用し、 その他の目的には一切使用いたしません。

以上


映画「ご縁玉」の紹介と、出演者の横顔

2010-08-27 23:15:15 | 日記
■第1部 映画「ご縁玉」上映

(映画紹介)
始まりはパリのアパルトマンの一室だった。
大分県の保健室の先生だった山田泉(49)は、乳がんの再発を告げられ、大学生の息子、娘との思い出を作るためにフランスにやってきた。旅の終盤、知人の紹介で訪れたホームパーティーで、チェリストのエリックマリア・クテュリエ(35)と出会う。
育ての母親を乳がんで亡くしたエリックマリアは、山田のためにバッハを奏で、再会の約束の証しに「5円玉」を受け取る。
「ほんまに来るんかいな?」
そう思った山田だったが、5円玉に導かれるように、エリックマリアは大分にやってきて、山田にチェロによるセラピーを施した。山田の目から、混沌とした感情が涙となって流れ出る。一方、山田に誘われるままに児童養護施設やホスピスを巡っていったエリックマリアは、ほうぼうで魂が響きあうような出会いを重ねていく――。

江口方康監督を含め、いくつもの偶然の出会いが産んだ奇跡のようなドキュメンタリー映画。全編に流れるチェロの調べが、観る者を優しく包む作品です。

■第2部 チェロ&バイオリン ライブ

エリックマリア・クテュリエ(チェロ) 1972年ベトナム生まれ。1歳になる前にフランス人夫婦に引き取られて育つ。パリ国立高等音楽院(コンセルヴァトワール)に首席で入学、数々の最高評価を受けて卒業。早くから世界各国の音楽に魅了され、独自の軌跡を辿ることを決意したチェリスト。エリックマリア・クテュリエ(1972生)。クラシック・現代音楽の分野において、それぞれフランスを代表する数々のオーケストラのソリストとして著名指揮者たちとの出会いを重ねるかたわら、個人の音楽活動を意欲的に展開し、分野を限定せずに飽くことなく音楽の可能性を追究しているアーティスト。


佐原敦子(ヴァイオリン) 東京芸術大学大学院在籍中より現代音楽に興味を持ち、2004年より3度、毎夏スイス・ルツェルンで行われている現代音楽祭(ルツェルン・フェスティバル・アカデミー)に参加し、エリック・マリアと知り合う。2004年ウラルスク国際ヴァイオリンコンクールで優勝し、国際的に演奏活動をスタート。QuartzよりデビューCD「Atsuko Sahara Works for Violin & Piano」リリース。2006年より2年間、文化庁芸術家在外研修員としてウィーンに留学、ウィーン国立音大大学院修了。現在は、母校である東京芸術大学室内楽科で後進の指導にあたる傍ら、各地で演奏活動を展開している。
現代音楽が好きな理由は、「”今”を生きていると実感できるため」。でも、「モーツァルトが大好き」。
今回の即席デュオについては、「エリックマリアとはずっと前から、一緒にコンサートやりたいねと言っていて、今回それが叶うのでとっても楽しみです」と話している。


■第3部 トークセッション

江口方康(監督・撮影) 1964年佐賀県牛津(現在の小城市)出身。1996年、パリにInter Bay filmsを設立。2002年、「ロストロポーヴィチ -75歳- 最後のドンキホーテ」をNHKエンタープライズ21と共同制作。2003年、カンヌ映画祭で出会った三池崇史監督に感銘を受け、帰国して同年5月から9月まで三池監督の「交渉人」「ゼブラーマン」で助監督を務める。「ご縁玉 パリから大分へ」は江口の初監督作品。
「トークセッションでは、会場の方々とやりとりしたいです。今回、来て下さる皆様とのご縁を深く味わえればと思っています」(江口)。

映画の主人公 「山ちゃん」こと山田泉さんについて

2010-08-27 21:11:05 | 日記
■山田泉(やまだ・いずみ)さんプロフィル。
(写真は2008年3月、卒業する3年生が自宅を訪ねて尋ねてきたときのもの)

1959年、大分県豊後高田市のお菓子屋の娘として生まれ、育ちました。勉強は苦手でしたが、「保健室の先生になりたい!」という夢を実現するべく、慣れない猛勉強をして1979年、養護教諭となりました。

その後、豊後高田市の小中学校で、保健室の先生を続けます。「子どもたちには、自分をないがしろにしてほしくない」、という思いで、性教育や人権教育にも熱心に取り組みました。規格に収まらない活動的な養護教諭として、県内では有名に。学校では、友達関係、両親の不和など、多くの悩みを抱える思春期の子どもたちに寄り添い続ける日々。
真一さん(真ちゃん)と出会い、息子さん、娘さんに恵まれました。

2000年、41歳で乳がんの告知。ショックから立ち直ると、患者会「オードリーの会」を設立しました。米国の女優「オードリー・ヘップバーン」が、がんで亡くなるまで、病気や飢えに苦しむ人々の支援に力を尽くしたことから、内面の美しさを受け継ぎたいという思いでこの名前にしたそうです。山田家には今も、ヘップバーンさんの大きな写真が飾ってあります。仲間同士で支え合い、励まし合って、楽しい日々を送ろうという活動を続けました。

2002年春に復職。ところが学校は生徒たちの「殺す」「死ね」という言葉が飛び交う殺伐とした空間でした。保健室のベッドから出ようとしない男子生徒がふざけて「オレ、がんじゃもん」と言った瞬間、気持ちが切れる音がしたといます。
仲間と支え合ってきた場所とのあまりの落差。
「もう、ここにはおれん」と職場を去る決断に傾いたその時、1人の女生徒に、「自分の命も、人の命も、同じように大事やと感じる授業しちょくれ」と言われてはっとしました。
「それならば」と、自らの体験をもとに<いのちの授業>を開始。自分の体験談にとどまらず、校外から、さまざまな大人を招いて、その生き方を語ってもらうことで、子どもたちの心を耕していきました。ハンセン病で長く差別された女性、障害を抱えながら世界にいどむアスリート、老舗旅館で人々をもてなしつつ社会に発信を続ける文化人、脳性まひながら足で筆を握る書家、そして大分出身の元首相のあの人まで……。
どの大人も輝いていました。そして、どの人も、悩み、迷った末に今の輝きを手に入れ、なお悩み迷いながら歩いていました。
そんな大人の素の姿に、生徒たちは惹き付けられていきます。
子どもに押しつけない授業は評判となり、メディアでもたびたび取り上げられました。

ところが、2005年、乳がんが再発し休職。
06年秋、職場に戻りましたが、体力の限界を感じて08年3月に退職を決意しました。「保健室のおばちゃん」として、常に子どもたちと共にあった28年間でした。その後も、ゲスト講師としての「いのちの授業」、自宅での「町の保健室」、講演活動などで、メッセージを発信しつづけました。

2007年夏、「思い出を作ろう」と旅したパリでエリックマリアと出会ったことが、映画「ご縁玉 パリから大分へ」に繋がっていきました。
残念ながら病気は進行。大分での先行ロードショー最終日の2008年11月21日、大分市のホスピス「ゆふみ病院」でふらりと戻らない旅に出てしまいました。
旅立つ直前、意識がなかった山ちゃんが突然、はっきりとした口調で、「生きることは、人のために尽くすこと。これで終わります!」。ベッドを囲んでいた医療スタッフも家族も、これにはびっくり。そして、自然に拍手がわき起こったとか。
最期まで授業をしていたようです。子どもが大好きで、ボランティアが大好きだった山ちゃんらしい一言を残してくれました。

映画「ご縁玉」は、亡くなった後に各地で公開され、話題になりました。
人と人が出会い、新たな人生が開かれていくこの映画の物語は、1人ひとりが建前や利害を超えて支え合うことを目指し続けた山ちゃんらしい作品となっています。



最初の著書「いのちの授業をもう一度」(高文研)は、学校での出来事をエッセー風につづった文章をまとめたもの。枠からはみ出しがちな山ちゃんの言葉はパワフルで、読む人を泣かせたり笑わせたりします。
続編は「いのちの恩返し」(高文研)。山ちゃんがどのような気持ちで「いのちの授業」を展開していったのか、たっぷり読むことができます。

(紹介文・上野創)