小説『雪花』全章

心身ともに、健康を目指す私流生活!!
食事や食材、ダイエット、美容などの豆知識がたくさんあります。

〝兎と牛″の順差

2012-07-24 15:00:59 | Weblog
 うさぎとうしのじゅんさ
テツ子 もともと十二干支は中国のものでしょう。
凌 そうですね。十二干支には中国の民俗文化として、歴代の学者達がさまざな伝説があるのよ。大昔、原始時代に、農先民たちの生産力がとても低くて、まだ抽象的な数詞の区別がなかなかつかないため、数詞を動物に置き換え記年、記月(年代を記す)したことで、十二支の概念が自然の内に、次第にと広まっていったそうなのよ。馬や羊、牛や鶏、犬などの身近な動物に例えたり、あるいは又、身を守るために、怖い動物の虎や蛇などを崇拝したりしていったそうよ。  
テツ子 え~、そうなんだ。
凌 十二支について、故事がたくさんあるのよ。
テツ子 本当に!興味が湧くわ、聞かせて。
凌 じゃあ、テツ子さんは兎年だから、〝兎と牛″の話をしましょうか。
テツ子 いいね!牛はまじめで、よく働くものですね。
凌 大昔のこと、牛と兎が近所同士で暮していた。牛はよく働き、兎はすばしっこく、気転もきくので、お互いにいつも協力し合ってとても仲が好かったの。ある日、牛が兎に〝速く走れる秘訣を教えて欲しい″と頼んだところ、兎は〝それは、私の生まれつきだから……″と牛に返事をしたの。しかし、牛は負けずに、走る練習をし始めていた。雨の日も、風の日も、毎日休まずに走り続けていた……その結果、牛のひずめ(足)が鉄のように強くなり、しかも風のように速く走れるようになったの。そして、玉皇大帝(天の最高神)が干支の選抜をする日がやって来た。当日、自信満々な虎や龍、速く走れると自慢げな兎や鼠がまだ寝ているうちに、牛だけが早く起きて出発した。しかし、途中で鼠が牛を追っかけてきて、体が小さいのに乗じて、ついと牛の背中に乗って行っちゃったのよ。目的地へ着いた途端すぐ、鼠が勢いよく前へ跳ねた結果、牛より一歩速かったので、干支の順で一番となったわけなのよ。
テツ子 兎は、どうして四番だったなの?
凌 兎は寝るのが大好きだったので、虎より遅く起きたせいで、虎の次になったそうよ。そして、龍は〝自分が誰よりも速い、一番の位は自分だ″と承服しない性格だと見抜かれて、大帝にいっときの間山に封じ込められてしまい遅れをとって、五番になってしまったわけなのよ。犬は兎の尾をかじったために、大帝を怒らせて、最後から二番目にさせられたのよ。
テツ子 じゃ、ほかの干支は?
凌 走れた順番で決めたそうよ。
テツ子 それが、十二支の由来なのね。
凌 そうなの。
テツ子 私たち人間は、十二支の年に生まれ、一人一人が皆違う、代替のきかない絶対的な存在となったわけなのね。

最新の画像もっと見る