ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

世襲議員

2009年06月21日 | 政治関連

小泉政権功罪に関しては、以前にも何度か記した。どういう形で在れ、多くの国民が「政治」に関心を寄せる様になったのは確かだろうし、それは功の部分と言えよう。又、歴代の首相達が何等手を打てなかった(打たなかった?)「拉致問題」に関して、北朝鮮に乗り込み、拉致被害者5人を取り返した功績は素直に認めなければいけないと思っている。

 

そういった功の面が在る一方で、小泉政権には罪の面が多かった様に自分は思う。具体的な例は過去の記事で挙げて来ているので今回は差し控えるが、端的に言えば旧弊を排除し、より良き社会を構築する為、国民に痛みを背負って貰う。』と散々口にし乍ら、結局は政治家や官僚といった“身内”には殆ど痛みを背負わせる事無く、その他の一般国民ばかりに半端で無い痛みを背負わせたという欺瞞性。に在ったと。

 

当ブログではこれ迄、様々な“予想”をして来た。その多くは当たっていないと思うが、ブログを立ち上げて間も無い頃に「あれだけ旧弊を排除すると言っている小泉首相だが、その欺瞞性を考えると“旧弊の象徴”とも言える政治家の世襲を平然と行うだろう。恐らくは次男の進次郎氏に世襲させ、その事で非難の声が上がったら、御得意の『それがどうした?何が悪い!』という開き直りを見せるのではないか?」という予想は、ドンピシャ当たった稀有な例と言える。当時は「長男の小泉孝太郎氏が将来は芸能界を引退し、後継者になるのではないか?」という噂はチラホラ在ったが、進次郎氏に関してはその存在すらも余り取り上げられていなかった中での予想だった。

 

進次郎氏が正式に後継者として紹介された際、当ブログでも書いた事だが、彼の事はその能力も含めて殆ど知らないに等しいので、彼自身の事をどうこう書くのは控える。故に今回記す「世襲議員」の件に関しては、彼を念頭に置いた記事で無い事を、先ずは明言させて貰う。

 

さて与野党揃って侃々諤々と論じられている「世襲問題」。以前にも書いたと思うが、私見を言わせて貰えば「世襲議員だから全て駄目。」とは思わない。与党で言えば石破茂氏や野田聖子さんなんぞは所謂世襲議員(又は七光議員)とされているが、評価出来る部分は少なくない。(全面的にその主張を支持出来る訳では無い。と言うか、実際に交流が在る訳でも無い人間に対して、「私はXXさんを全面的に信じています!」みたいな事を口にしたり書いたりしている人が居るが、そういうのが自分には不思議。どれだけ近しい人間で在っても、100%信を置くなんて事は、普通滅多に無いと思うし。逆に「XXさんを全面的に信じない。」というのも同様だけれど。)要は「高い志や具体的なヴィジョンを持つ、遣る気溢れる人を選んだら、それが“たまたま”世襲議員だった。」のか、将又「世襲候補という理由“だけ”で議員になってしまった。」のかの違いに懸かっていると思う。

 

「勿論、例外は在るが。」という前置き付きで書くが、与野党を問わず世襲議員の多くに感じるのは「他者の意見に耳目を閉ざし、自らの主張を一方的に捲し立てる。」や「深い思慮無しに、事を進めたがる。」、「堪え性が無い。」、「他者には厳しく、自分や身内には甘い。」といった点。ステレオタイプな言い方を敢えてするならば、後継ぎとして大事に育てられて来た事でのデメリットではないかと。まあこれは世襲議員に限らないが、そういった気質の人間が「国益司る」国会議員になるというのは、決して好ましい事とは言えないだろう。

 

上記した様に、好ましくない気質云々は別段世襲議員に限った事では無いが、では具体的に「世襲議員のどういった部分が好ましくないか?」となると、『高い志や具体的なヴィジョンを持ち、遣る気も溢れているけれど、知名度や金銭面で劣る候補。』は、世襲候補との闘いとなると、当選し難い状況に在る。という点ではなかろうか。

 

そもそも世襲候補は、知名度という点で他の候補に先んじている。でも、これは仕方が無い。問題なのは、“概して”世襲候補が莫大な資金力を抱えており、それを背景にして大々的な“宣伝”を打てる事。無名候補がどれだけ声高に叫ぼうが、大々的な宣伝を打てる世襲候補の前には、蟷螂の斧といった感も在る。知名度で劣り、その上で自身の声も有権者に届き辛いというので在れば、その勝算大凡目に見えている。くどい様だが「高い志や具体的なヴィジョンを持つ、遣る気溢れる人を選んだら、それが“たまたま”世襲議員だった。」というので在れば良いけれど、「世襲候補という理由“だけ”で議員になってしまった。」ので在れば、その選挙区に有能な他の候補が居て落選した場合、それは国民にとって大きな損失と言えるだろう。

 

概して世襲候補が莫大な資金力を抱えている理由に付いては昨今の週刊誌記事等(此方とか。)で報じられている様に、世襲させる側と世襲する側との間で、その政治資金管理団体を事実上、無税で相続出来る。事に尽きる。国会議員には国会議員の特権が在っても良いとは思うが、世の中の多くの民が相続問題で苦しんでいる中、実質的に丸々相続出来るというのは認められる特権と言えるのだろうか?その事で「有能だけれど無名な人材」が国政を担う機会を阻んでいるとしたら、それは大きな問題だと思う。

 

「結局、誰に投票するかは有権者な訳で、有権者が見識を高めなければ駄目。」という意見、それはごもっとも。*1でもどれだけ見識を高めようとも、知名度の無さに加えて声が届き難いとなると、必ずしも有権者の見識だけを問う訳にもいかないと考える。

 

先ずは世襲間での相続の実質無税化を無くす。「○親等の世襲候補は、同じ選挙区から立候補出来ない。」という縛りよりも、こちらの方が遥かに効果的だと思うが。

 

*1 以前の記事「個々人で検証を」でも記した様に、少なくとも自身が投票して当選した議員に関しては、その任期を終えた後には個々人できちんと政治活動を検証するのは責務だと思う。


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7 コメント

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選挙 (雫石鉄也)
2009-06-21 08:05:13
要は、この国の選挙のあり方ではないでしょうか。
自分の選挙区は「畑」と考えている議員が多いのではないでしょうか。
せっせと、「畑」に肥料をやり、雑草をかり、手を加えて、「票」という収穫物が収穫できる「畑」に育てる。そうして、手間かけて育てた「畑」だから、自分の血縁者に譲ろうと考えるのは自然でしょう。「畑」の方も議員を利用しているのでしょう。
高い理想を掲げ、高邁な志で国のために働く議員よりも、オラの村のドブ川に板一枚かけてくれる議員を選ぶのでしょう。
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おはようです。^±^ノ (てくっぺ)
2009-06-21 08:24:21
おはようです。^±^
小泉さんは、痛みを分け合うといいながら、痛みを味わったのは国民・・・。
確かにいえますよね。^±^
それと、チルドレンの一人にはまったく役に立たず使えない議員もいるし。そうです。フリーターからなったあの人。
「議員になってよかったことは?」の質問に「いい車に乗れたこと」とか言っていた人。税金を彼に納めてると思うと情けないです。
さて七光り議員。
長所は場慣れしてることでしょうね。^±^
だから躊躇なく、迷いなくということが非属性議員よりはできやすいです。
短所はそれがゆえに身内主義から枠を超えられない(超えにくい)のがどうしようもない所なんでしょうか?
ややもするとノミのサーカスにもなりがちで。
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>てくっぺ様 (giants-55)
2009-06-21 12:25:27
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

「小泉劇場」は国民の多くが政治に関心を持たせる要因にはなったものの、「イメージだけでどっと世論が動く事に拍車を掛けた。」という罪の部分も在ったと思っています。野党にも「何とか姫」だ「何とかパパ」といった糞の役にも経たない様な政治家が居りますが、郵政選挙で生み出された所謂小泉チルドレンの中には同様の政治家が余りにも多い。

てくっぺ様の書かれている政治家も、「私は議員として立派な仕事をしています。選挙演説を数多く熟していますから!」といったコメントを自信満々に以前口にしていました。「選挙演説だけが政治家の仕事と思っているんじゃないか?」と唖然とした次第ですが、今回の不出馬会見でも「自民党の為。」ばかりを口にしていたし、「この人は結局国民では無く、私利だけで党しか見ていない。」と思わざるを得ませんでした。当選当初からその思いは在りましたが、「所謂世襲政治家では無いし、政治を一寸でも良い方に変えてくれれば。」という淡水の如き期待も無くは無かったのですが、やはり単なる勘違い君だった様です。
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Unknown (マヌケ)
2009-06-21 14:17:28
歴史などで世襲制という言葉を知った時、よいイメージを持って受け止める人はあまりいなかったと思います。 いちばん最初の世代が切り開いたものを次の世代が難なく引き継ぐようなイメージや血筋の違う者がいくら努力してもそこに入り込む余地がないというような悪弊なんだという認識を持ったと思います。 日本の国の政治がそうやって引き継がれて行って、いつまでたっても変わらない、諸悪の根源のようにも考えた学生もいたと思います。 産まれたときからの血筋によって人生が決まってよいのかと憤った学生もいたかと思うと、手のシワとか血液とか星なんかで人生が決まっているかのようなことをマジで考える者もいて、本当におかしな国だなと、見てくれによっては世襲でも寛容だし。 小泉の息子がイケメンなことの方が取りざたされたり、世襲そのものの弊害などを大して問題視していない空気も結構あるように思います。 おばちゃんたちがキャーキャー言って手を振って写メなんかして、大切な一票を投じて、結果、外で苦労している旦那さん達がさらに苦労を背負って、どうしてこんなにがんばってるのに、世の中は改革されたはずなのに給料は前よりグンとへっちゃったのかしらってなにも考えてないあなたたちの責任も大きいのですよ。って、だれかズバリ言ってくれませんかね。 投票にも行かない人なんかも未だ結構いるというのが、世の中投票結果に納得いかず、激しいことになってる国もあるにはあるけれど、まあ、あの群衆も誰かの言葉を借りればデモの意味を本当に理解しているのは先頭から三列目くらいまで。というのかもしれませんね。 世の中改革と叫んだところでそんな簡単に変わるものじゃないと身を持って知った。 そんなここ何年間ということでしょうか。
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>マヌケ様 (giants-55)
2009-06-21 20:36:05
書き込み有難う御座いました。


民主党が自民党の大物候補者にイケメン候補や美人候補をぶつけている選挙区が在り、結構善戦しているとか。こういうのは与野党を問わず、本当に情けなく感じます。「有能な候補者が“たまたま”イケメンや美人だった。」のと、「イケメンや美人だから候補者に据えた。」というのでは全く意味合いが違うし、見た目“だけ”で票を投じてしまうという国民というのも如何なものかと。

ルックスやネーム・ヴァリューだけで候補者を選ぶといういうのは、政党が「所詮、国民はそんなレベル。」と侮っていると判らなければ。剣道の有段者で在る事をずっと口にしつつ、実際には有段者で無かった事が判明した某知事。ハッキリ言って「有段者だろうが、そうで無かろうが、個人的にはどうでも良い話だし、『嘘言っててごめんなさい!』の一言で済む話だと思う。」けれど、それを「有段者の恩師が『君は筋が良いから、X段と認定しよう。』と言ったので、それを信じて(有段者と)名乗っていただけ。これからもそのスタンスを変えるつもりは無い。」と実に見苦しい言い訳に終始していましたよね。くどい様ですが、有段者だろうが、そうで無かろうが、そんなのはどうでも良い事。問題なのは、こういう子供でも言わない様な見苦しい言い訳を平然と言えるという事ではないかと。こんな言い訳が通るのなら、どんな悪事に手を染めようとも「私はそんなつもりでは無かった。だから問題無い。」という言い訳を平然とし兼ねないのではないかと。
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嫌われ者の役人や政治家に対して (智太郎)
2011-09-21 13:28:21
役人連中は、諸悪の根源みたいに言われて来ているが、親の地盤や看板を引くついで殿様気取りでいる政治家の二世、三世どもよりは、多少ましかなとも思う。国会議員の過半数以上は世襲議員という。
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>智太郎様 (giants-55)
2011-09-21 16:22:03
初めまして。書き込み有り難う御座いました。


世襲議員の全てが駄目とは言わないけれど、其の少なからずが糞の役にも立たない連中だと思っています。“さくらパパ”やら“ぶってぶって姫”の様に「政治家としての言動」が全く見えない連中に比べたら、きちんと発言出来る小泉進次郎氏は“其の点に関しては”評価出来る。でも「自民党は原発推進に関して反省する点が在る。」といった趣旨の発言をし乍ら、“其の事に対する次のアクション”が見えない等、父親と同じで「言いっ放しなだけ」の様な所は評価出来ない。


民間勤めの身からすれば余りに大甘な待遇の役人連中もどうかと思っているけれど、我々国民の生殺与奪件を握っている国会議員の質の悪さは目に余る物が在りますね。


今後とも何卒宜しく御願い致します。
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