ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「レオ~!!」

2006年11月26日 | TV番組関連
憤りを禁じ得ない様な事件&事柄が余りにも多い。現実逃避という訳では無いが、こういった時は自身の心が浮き立つ記事を書きたいと思う。こう書くと「ああ又か。」と思われる方も居られるだろうが、御察しの通り昨日放送された「ウルトラマンメビウス」の感想で在る。

*****************************
地球に突如現れた”光波宇宙人”リフレクト星人に対し、敢然と戦いを挑むメビウス。しかし光線技が全く効かず、無残にも敗れてしまう。余りにも不甲斐ないメビウスに対し、「次の戦いで止めを刺す!」と勝ち誇った宣言を口にして、リフレクト星人は姿を消す。

完膚無き迄の敗北を喫し、自信を喪失したミライ(メビウスの人間体)の耳に、何者かが自分を呼ぶ声が聞こえて来る。GUYSの仲間達と共に声の聞こえる方向に向かうミライが辿り着いたのは、伊豆諸島の南端に位置する黒潮島。此処は”怪獣頻出期”に在った今から32年前、”双子怪獣”のレッドギラスとブラックギラスによって沈められ、島民の殆どが全滅した悲劇の島だった。

上陸したミライ達が丘の上で見たものは、「島民魂碑」と書かれた石碑の前に花を手向け、座して祈る一人の僧侶の姿だった。僧侶に近付くミライ達だったが、彼は背を向けたままで、その上菅笠目深に被っている為にその表情を窺う事は全く出来ない。訝るミライ達に対し、その僧侶は唐突に語り始める。

僧侶: 「俺は・・・地球での最初の戦いで、沈むこの島を・・・守れなかった。」
リュウ隊員: 「最初の・・・戦い?」
僧侶: 「その為に多くの人達が犠牲になった。此処は俺が絶対に忘れてはならない場所だ。」

(そう言いながらスッと立ち上がる僧侶。その左手薬指には、金色の獅子にルビー色の瞳が輝くリングが嵌っている。それを見て、ハッとした表情を浮かべるミライ。)

ミライ: 「貴方だったんですか、僕を呼んでいたのは!」
僧侶: 「メビウス。」

(「何故この僧侶がミライの正体を知っているか?」と身構えるミライ以外の隊員達。そして、そんな彼等を前にしてやっと振り向き、菅笠を外して顔を見せる僧侶。その顔は非常に険しい。)

僧侶: 「光の国以来だな。」
ミライ: 「どうして・・・地球に?」
僧侶: 「御前と戦う為だ。」

(冷たく言い放つ僧侶。)

ミライ: 「え・・・僕は貴方と・・・戦う事等出来ません。」
僧侶: 「リフレクト星人に負けた様に、俺にも勝てないからか?」

(押し黙るミライに冷笑を浮かべる僧侶。)

リュウ隊員: 「黙って聞いてりゃ好き放題言いやがって!」
ジョージ隊員: 「ミライ、こいつ何者だ?」

(僧侶に詰め寄る2人。)

ミライ: 「この人の名は・・・。」

(突如、両手を前方で交差して空手のポーズを取り、最後に左を突き出し[今回使用した画像]、叫ぶ僧侶。)

僧侶: レオ~!!

(リングから眩い光が放出され、ミライ達は思わず目を閉じる。そして光が消えると、大きな地響きと共に彼等の後ろに降り立ったの巨大な影はウルトラマンレオだった。)
*****************************

幼少時、ウルトラ・シリーズの中で特に夢中になって見ていたのは「ウルトラマンA」と「ウルトラマンタロウ」だった。この2作品と共にリアル・タイムで見ていた「ウルトラマンレオ」だが、この作品は恐らく半ば辺り迄しか真剣に見ていなかったと思われ、自分の中では思い入れの然程無い”ウルトラマン”という認識というか自覚が在った。

だがしかし、破壊王子様を始めとした、ウルトラ・シリーズに対して同様に強い思い入れを持っておられる方々のブログにて以前、第34話の「故郷のない男」、即ち昨日の放送分という事になるが、にはウルトラマンレオのみならず、レオの人間体のおゝとりゲン迄もが登場すると知らされて以降は早く見たいという思いが抑え切れず、レオへの思い入れの深さが決してAやタロウに劣るものでは無かったと実感させられたのだった。

それ迄のウルトラ兄弟とは異なり、光線技等の派手な攻撃が影を潜め、代わりに空手技といった身体を用いた攻撃が多かったレオ。「当時、オイル・ショックという未曾有の経済的ダメージを食らっていた我が日本に在って、多くのドラマは大幅な経費削減を求められており、この『ウルトラマンレオ』もその例外では無く、経費の掛かる派手な演出を断念する代わりに苦肉の策として生み出されたのが、レオの戦闘スタイルだった。」と知ったのは自分が良い歳になっての事。

32年前におゝとりゲンを演じていた真夏竜氏*1が、今回も同役を演じている。当時は濃い顔に感じたが、32年の歳月を経た顔は渋さを増していた。(「牧伸二師匠の顔を精悍にした感じ。」と言う事勿れ)「ウルトラマン」が終了して以降、一時期は俳優業を休業されていたが、12年程前から再び俳優業に戻られている。時代劇、それも悪役を主に演じておられたという事で、道理であの当時とは異なる渋さ含有した格好良さを感じさせると共に、やや時代劇がかった口調なのかと納得も。

”おゝとりゲン”の顔を見た瞬間に涙腺がヒクヒクとし出し、懐かしの変身ポーズ(空手ポーズ)を繰り出してレオと化し、懐かしのOP曲がBGMとして流れ出した段階で第一回目の涙腺の”決壊”が。

レオの姿を眼前にしたGUYSのメンバー達。以前タロウが登場した際に、目をキラキラと輝かせ興奮した口調で「ウルトラマンタロウだ!!」と叫んでいたテッペイ隊員。今回も同様に「ウルトラマンレオだ!!」と大興奮で叫んでくれていたのだが、「あの姿は正に嘗ての自分で在り、今の自分でも在る。」と今回ハッキリ自覚した。それ程自分も大興奮していたし、テッペイ隊員とは異なって「なーんだか判んねーけど、やる気満々みたいだぜ。」、「相手してやりな。」と冷めた口調で語るリュウ隊員&ジョージ隊員に対しては、「御前等、もっと感動しろよ!」と毒づきながら展開を見守っていたのだった。

レオはウルトラ兄弟の中で、最も重いモノを背負ってきたウルトラマンだと思う。生まれ故郷で在る獅子座L77星を”サーベル暴君”マグマ星人によって滅ぼされたばかりか、おゝとりゲンとして所属していた地球防衛チーム「MAC」は、作品終盤に彼以外の隊員が全滅(この9月に公開された映画「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」のパンフレット内で、死んだと思われていたモロボシ・ダン隊長はウルトラの母によって救出されていた事実が判明。)する等、ウルトラ・シリーズ史上類を見ない悲惨さをレオは経験して来たからだ。

「故郷のない男」というタイトルは、そんなレオの哀しみを表しているとも言える。生まれ故郷を失ってしまったからこそ、育った故郷で在る地球を心から愛している。それ故に、完膚無き迄にリフレクト星人に叩きのめされてしまったメビウスへの歯痒さ、そして彼に代わって自分地球を守るのだという熱い思いが重なり、ミライに対して冷たく突き放した物言いになってしまったレオ(おゝとりゲン)。

繰り出されたレオキック、そしておゝとりゲンとして口にした言葉の数々に感動に次ぐ感動。ミライを守ろうと銃を向けて来たリュウ隊員達に対し言い放った言葉が、特に印象的だった。

武器に頼れば・・・隙が生じる。最後に頼る可きは・・・自分自身だ。

幼稚と言われるのを覚悟で書くが、「ウルトラ・シリーズや仮面ライダー・シリーズ*2といった特撮ヒーロー物には、人間として体得す可き徳目が盛り込まれている。」と思う。日常会話として用いるには赤面してしまう程の臭い台詞かもしれないが、こういった番組として見ているとスッとその言葉が無意識の内に体内に取り入れられている。子供達にとって特撮ヒーロー物とは、非常に重要な存在の様に自身の経験則から感じる。

最後にメビウスと共にリフレクト星人と戦うべく、ゲンが二度目の変身ポーズを決めてくれる。其処で涙腺が二度目の決壊。

再生→バック→再生→バック→再生→バック→・・・。ゲンの変身ポーズを何度昨日は見直した事か。メビウス終了迄にはウルトラ兄弟、そしてその人間体が勢揃いするシーンを是非盛り込んで貰いたい。

*1 最後に笑顔を見せてくれた真夏竜氏。その笑顔は32年前と全く同じだった。映画に登場したウルトラ兄弟達(人間体)もそうだったが、真夏氏もウルトラ・シリーズの新作を自らも楽しみながら、ノリノリで演じているのがこちらにもビシビシ伝わって来てファンとしては嬉しい限り。番組の最後におまけとして、美川憲一氏そっくりの歌声(こちらで聞く事が出来る。)を聞かせて貰えれば最高だったが。

*2 和歌山ポルトヨーロッパで行われた仮面ライダー・ショーが好評を博したそうだ。昭和の歴代ライダー達が戦いでピンチに陥ると、後輩の”平成ライダー”達(カブト等)が助けに登場するという、親子揃って楽しめる展開。これはショーならではの内容で、TV番組として二世代のライダー達が競演するのは難しいという。(ウルトラ・シリーズとは異なり)昭和と平成のライダーでは、作品毎の世界観が違う。東映)からだとか。

破壊王子様から紹介して戴いた漫画「仮面ライダーSPIRITS」は、歴代のライダー達が現在の世界で戦うストーリーとなっている。”時代”にフィットした面白い作品で、こういう形ならば二世代のライダー達の競演(融合)は充分可能と考える。「不可能だ。」として諦めるのでは無く、郷秀樹の台詞ではないが「やれば良いんです!」(映画を実際に見られた方ならば、何の台詞をパクったか御判りになられるだろうが。)の心意気で、ライダー達の競演作品を作って欲しい。

コメント (10)    この記事についてブログを書く
« 指揮官 | トップ | 紅白の出場歌手 »

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございました (KITAKO)
2006-11-26 07:40:07
やっぱり熱いものがありますね~、レオ。
仮面ライダーもできるはずです、感動の全員集合。しかし、ライダー制作のスタッフに熱いものがない。今のカブトをみればわかるはずです。特に脚本家が小手先に走って、ライダーのライダーたる魂を理解していません。
悲しいことですが、あと10年ぐらいは「仮面ライダー記念作品」をみることはできないのかもしれません。
返信する
TBありがとうございました (破壊王子)
2006-11-26 09:10:25
脚本、演出、音楽、とにかくツボにハマリました。真夏氏のインタビュー記事によると、僧形に疑問があったそうですが、現れる場所が黒潮島であるなら、ゲンが犠牲者の供養をしないはずがない、と納得されたそうです。

当時のギラギラした表情は、ジープで追いかけられて本気で怒っていたからだとか。

今度は隊長役がやってみたいそうですが、「滝を切れ!」などの理不尽な要求を部下するんでしょうか(笑)

返信する
そうそうレオの話でしたね (KITAKO)
2006-11-26 09:28:16
仮面ライダーの話はおいといて、
今回のレオはタロウよりも燃えました!
タロウとメビウスの共闘もこれぐらいすかっとやってほしかった!
番組見て娘達(小学一年生と3歳)も、いきなりレオのファンになりました!それほど良かったですよ~。真夏さんも貫禄十分、僧の姿でなくてもよかったでしょうが、なにかインパクトがあって僧姿でよかったような気がします。昔のウルトラマンが強かった・・というのはイイですね。燃えました~
80(エイティ)が来客の時はどんなストーリーになるのでしょう?やはり子供の教育に関係した怪獣でしょうか?金パ★先生のような展開か?!これも楽しみです。
返信する
星空のバラード♪ (まなぶ)
2006-11-26 10:23:13
giants-55さん、こんにちは♪

カッコいいですネ、この真夏さんっ!
「ウルトラマンマックス」での駐在さんがイマイチだったので観たかったです!

昨日はスカイシアターに出掛けていたので観られませんでした(泣)
友人と幼いチビッコファンの息子と楽しいひと時でした♪

「ウルトラマンレオ」
音楽と瑳川哲朗さんのナレーションもスリリングでしたが、
私が心底から恐ろしいと感じていたのは、侵略宇宙人です。

“東京D地区に星人出現ですっ!”

女性隊員の通信でМACが現場に駆けつけると、
等身大の宇宙人が夜の通行人に襲いかかっていました(怖)
腕が刃物になった宇宙人がバサバサと人間に切りつける姿は無差別殺人でした。
子ども心にも恐怖を感じてしまいました。
立ち向かうМAC隊員も基本的に素手で、空手のような技でしたネ。
巨大な怪獣がビルを破壊するのとは違う、直接肌に触れられるような恐怖感でした。

記事の内容にそぐわないコメントでスミマセン。
DVD化されたら観ようと思いますが、giants-55さんの記事から本編以上の情熱を感じていますので、
期待以上の面白さだと確信しています。

KITAKOさまも仰っておられますが、平成ライダーは面白さとは別に、原点のテーマ性を見失いがちなのかも知れません。
メビウススタッフの原点への拘りは特筆に価すると思います。

昨日の「ボウケンジャーショー」満足して帰って参りました(笑)
返信する
みんな熱い!よね! (KITAKO)
2006-11-26 20:16:49
まなぶさん、コメントにコメントありがとうございます!
それから、giants-55さんも再び当方のBlogに来て頂いて感謝です!
タイガーさんやてれすどん2号さんの熱いBlogや、いろいろな人に出会えてBlogっていいなぁと思っています。
ほんと、劇場版メビウスのときは劇場が暗くて良かったと思いました。涙がなぜかでるんですよね~。また、皆で熱く語りましょう!次は父だぁ!
返信する
Unknown (ユカサナ(Sango-Q))
2006-11-27 00:01:08
34話はいきなり戦闘シーンから始まったので、一瞬「あれ、先週の録画見てなかったっけ?」と思ってしまいました。
真夏竜さん、とっても渋かったですね。
レオのDVD発売を記念しての登場、という気もしましたがメビウスの成長に必要なエピソードという気もしたり、まあ細かいことはいいかと思ったり(^^)。
しかしレオが登場するからには、二人でとんでもない技を大特訓するのだとばかり思っていました。
そこだけがちょっぴり残念でしたが、あとはわたしも感涙にむせっていました。
別れ際の「レオ兄さん」にはもうホロホロ鳥状態。
日常生活では決して言えない、でも正鵠を得た台詞の数々・・・。
でもどの台詞も長年生きてきた今だからわかる、という気もしました。
子供の頃は特撮やアニメのどのへんを見ていたかなあと。
製作側が伝えようとしたメッセージの一割も理解していなかったかもしれません。
返信する
メビウス (tak_123)
2006-11-27 00:11:34
メビウスは上手に歴代ウルトラマンを登場させていますね。
この辺は親子で楽しめるように考えてのことでしょうか。
というアタシも今レインボーマンのDVDを観ています。。。
この物語って歴史背景が印パ戦争があって相当暗い異端のヒーローですね。
返信する
Unknown (ぐらんどばん)
2006-11-27 00:17:00
こんばんは。コメントでは初めましてでしょうか。
ウルトラ兄弟が登場することになった第3クール。
こうして見ていくと、話数がぜんぜん足りませんね(笑)。
ミライ役の五十嵐君のインタビューでメビウスの撮影も大詰めに入ったことを言ってましたので延長はないようですが、兄弟ごとにこのようなエピソードをもっと前半から作って欲しかったですね。
特にボガール編はちょっと冗長なくらいひっぱりすぎたかも。
前半に帰ってきたウルトラマンから「流星キック」を伝授されるようなエピの1つでもあればよかったのになぁ。
返信する
40年 (imapon)
2006-11-27 22:15:23
TBありがとうございます。
帰ってきたウルトラマンの半ばで卒業してしまっていましたが、平成ウルトラマンシリーズで復活しておりました。
今年40周年という事で子供と一緒にいろいろ調べていくうちに、ウルトラマン・シリーズはどれにもそれぞれの良さがある事を認識できました。
特にレオには興味深々、早くDVDを見たいと思っとります。

「牧伸二師匠を精悍に・・・」って、精悍にしすぎでしょ。(笑)獅子の瞳を輝かせ「バ~ゲンだよ~」なんて言ったらズッコケますわ。
返信する
レオ (ウルトラアイNO.6)
2006-12-02 23:57:41
こんばんは ご無沙汰しておりました。

まだテレビ放送で観ていないのですが先日某所でフライングチェックしました。
タロウファンな私ですが、やっぱり昭和のウルトラヒーロー客演は嬉しい!気になります。
しかも私の生まれた年にレオの放送が始まったので。

真夏さん、渋いですね。
こんなステキなオジサマになられてるのかと感心。
悔しいことに先日のタロウ客演時よりも演出もスーツもレオの方が良い。
他の方も書かれてますが、うちの子供もレオを観て
いまちょっとしたレオブームが来てるようです。


返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。