ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「ラプラスの魔女」

2017年03月26日 | 書籍関連

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羽原円華(うはら まどか)という若い女性のボディーガードを依頼された元警官の武尾徹(たけお とおる)は、行動を共にするに連れ、彼女には不思議な“力”が備わっているのではと、疑い始める。

 

同じ頃、遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きていた。検証赴い地球化学の研究者・青江修介(あおえ しゅうすけ)は、双方の現場で謎の娘・円華を目撃する。

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東野圭吾氏の小説ラプラスの魔女」を読了。東野作品の大ファンなので、一昨年5月、刊行された日に購入していたのだが、他にも読みたい作品が一杯在り、ずっと未読だった。(実は、同様の理由から、未読の東野作品が他に2つ在る。)

 

「ラプラスの魔女」は、不思議な力を有する人間を題材にした作品。典型的な文系人間の自分にとって、理系の東野氏が紡ぐ作品は、記述面でも魅力を感じている。此の作品も又、医学や地球化学等の“理系エッセンス”が溢れていて、其れは其れで読み応えが在った。

 

然し肝心なストーリーという点では、今一つという感が否めない登場人物達の内面が深く描かれていないし、「〇〇という体験をしたから、XXという決断をした。」という設定が余りに短絡的に感じるから。一部ネタバレになってしまうけれど、「相模原障害者施設殺傷事件」の犯人を思い浮かばせるキャラクターが登場するのも、作品自体に後味の悪さが残る。

 

近年の東野作品には、「魔球」や「手紙」等で受けた“凄い衝撃”を超える物が無く、非常に残念に思っている。大好きな作家なので、今後を期待したい。

 

総合評価は、星3つとする。


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