another Beatle

フリースタイル、且つ、創造的。(これが、理想ですが--)

詩集 「 土間の四十八滝」---萩原朔太郎賞--by 町田康

2009-01-31 13:30:19 | Weblog

 

 現代詩の範疇なんでしょうね。

町田康氏の詩は「現代詩手帖」(思潮社)に

掲載されていたそうですから-------。

「現代詩手帖」は昔からある詩の雑誌で、

権威のある雑誌です。 

  現代詩の視点から

町田氏の詩は以前から捉えられていたことを

思うと、相当、彼の詩は、

芸術に近いところにあったのでしょうね。 

(ネットで調べてみたら、「現代詩手帖」は今も健在でした。)

http://members.jcom.home.ne.jp/anamon/mokuroku-poemo%5Egendaisitetyou.htm

  http://www.amazon.co.jp/b?ie=UTF8&node=49196011                         

   

 

 

 

******************************************

 

 文庫本の表紙です(ハルキ文庫・角川春樹事務所発行)

 

 

少し町田康氏が続いてます。

萩原朔太郎賞受賞の彼の詩集に、

興味がありましたので、

読んでみました。

長いので全部の引用は避けますが、

この詩集の最初に載ってある詩から私は、

すぐに引き込まれました。

何なのでしょうね?この磁力は----. 

「猿ぼんぼん」という詩が

一等最初の詩です。

スピード感のある詩です。

                 

                               猿ぼんぼん

東京でわびしいさびしいおれ

人間以下のけだものにUVケアーを施して遍路

苦労して習得したタイプの技術とか運転術とか

そんなものをすっかり忘れて遍路

でもおれ公務員やら職人やら

いろんな人に助けられたり怒られたりしてデニーズでまたさびしい

おれくたくたになってからおれ遍路だから

だからおれ塩蔵野菜?

歯抜け?

おれ落後者?

畜生?

こんなおれなんて早くぶっ壊れてしまえばいいのに

ってでもまだ遍路

もうこれ以上一歩も歩けねぇけど心は遍路

気持ちは遍路はりきんろって

息ばっかりしゅうしゅう洩れて

                       (一部抜粋)

                      ハルキ文庫・土間の四十八滝より

 

遍路っていう言葉が利いてますよね--。

どこから、

こんな言葉が、

こんな場所にくるんでしょうか。

才能を感じてしまいます。

 

 この詩集「土間の四十八滝」は、

様々のスタイルの詩で

構成されており、

小説のようなスタイルの詩もありました。

この一週間ほど、

こまぎれにこの詩集を読んでいましたが、

一篇だけ取り上げ、

繰り返し読むのも面白いかと思います。

 

もう一つ部分引用です。

「飯屋が再び」という詩からです。

 

 

             飯屋が再び

ちょっと洒落たような気取ったような直訳調の飯屋

銀盆に山盛りの氷

氷の上に海老やら貝やら、はは、大仰な仕掛け

さらにはパン、ワイン、畜肉のソテーその他

そんなものが載ったテーブルを挟んでカップル

愛の言葉を囁いている

思い出のこととか

料理のこととか

今晩の日程のこととか

 

阿呆らしいことは止めろ

 

はっきり言ってあなたがたはダサイのだ

そのペアールック、白地に黒の編み込みのセーターも

そのキュロットスカートも

その銀縁のトンボ眼鏡も

その伸びたパンチパーマも

見ているほうが恥ずかしくなるくらいダサイのだ

カット、NG

中止

あなたがたの恋愛は完全な失敗

敗北と恥辱の中で中止せられたのです

                         (一部抜粋)

                     ハルキ文庫・土間の四十八滝より

町田康氏は色々考えさせられる作家だと思います。(面白いというか--?)

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6 コメント

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私も (yukari)
2009-01-31 19:07:10
ご心配、頂きありがとうござます。ほんとに、耳鳴りに振り回され、腹立たしい日々ですが、なんとか順応して読書も生活も楽しみたいもんです
町田康★なんだか、私もはまりそうです*
今日、何から読み始めよものかとアマゾンとかで、調べていました。
詩にとてもひかれるので、こちらの詩集もよいですねぇ~。
昨夜、テレビで映画「20世紀少年」を見てどうしても、原作を全部読みたくなりました。
なんだか、一機に読みたいものが。。。大人買いするには、ちと高くつきますが、ここは是非読んでおこうかな、と思っております。
とにかく、町田を3冊ほど物色してみます
返信する
ノータイトル (アナザービートル)
2009-01-31 23:28:52
本当にどうしようも出来ない状況の中、心よりお察しします。慰めの言葉も出せないくらいですが、どうか今ある環境の中で精一杯人生を謳歌なさって下さい。
町田氏はひとつ間違ったら、なんだこいつはとなりかねないような危うさを抱えながら生きているところが魅力なんでしょうか、勢いがついて、何を読んでも楽しめそうな存在ですね。
私も最近アマゾン漁りが続いています。お金はかかりますが、本の類であれば、まあいいかなと思っている次第です。又寒くなるはずです。
健康管理には気をつけて読書を楽しんで下さい。
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目に耳に~ (mikoto♪)
2009-02-02 10:54:47
直接入ってくる、町田康氏の詩ですね。
そのままだから、怖いくらいです~
観るほうから、観られている自分に気が付くと言うか・・・・。(また分け判らずすみません)
判らないから、現代詩にすこし学んでみようと思います^^現代詩手帖を注文しました。
御紹介して頂き、ありがとうございます。


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いろんなタイプの詩 (アナザービートル)
2009-02-02 22:53:31
現代詩手帖の詩は、色んなタイプの詩が載っていて、中には、あれっと思うような詩が載っているかもしれませんが、びっくりしないでくださいね。長い間この詩の雑誌は読んでいませんが、現代詩のわがままさを理解してくださいね。mikotoさんのように、オーソドックスな詩の好きな方には、みにくいアヒルの子のような詩に見えるものもあるかもしれませんが、ご理解下さい。長年に渡って執筆されている方も多くて、信頼できる現代詩の雑誌です。けっして亜流ではありませんから---。
それにしても町田氏はストレートですよね、怖いくらいです。yukariさんも言ってましたが、マジ、アナーキーですね。
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この人が・・・。 (cabe)
2009-02-04 09:07:33
この人が布袋とケンカしたのかぁ・・・。
このアナーキーさはピストルズの影響でしょうか。
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何があったのでしょうね。 (アナザービートル)
2009-02-04 22:08:37
何か町田氏が訴えてましたね--。布袋は布袋で町田を責めてました。
ピストルズですかね--。身体全体アナーキーみたいですよね、彼らは。
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