私のガルパン戦車模型の第七作目は、カメさんチームの38(t)戦車にしました。第一作目の三式中戦車チヌがファインモールド、第二作目のⅣ号戦車D型がタミヤ、第三作目のⅢ号突撃砲F型がプラッツ(ドラゴン)、第四作目のM3中戦車リーがアカデミー、第五作目の八九式中戦車甲型がファインモールド、第六作目のルノーB1bisがタミヤでしたので、次はプラッツ(ドラゴン)のキットにしようと考えていました。
その時点で、未着手のプラッツのキットはⅣ号戦車D型F2仕様、38(t)戦車、ポルシェティーガーの三つがありました。ポルシェティーガーは劇中と同じように大洗チーム戦車のラストに置く予定であり、とりあえずは大洗チームの初期5チームを揃えたいと思ったので、まだ作っていなかったカメさんチームの38(t)戦車に決めました。
上画像は、すでに購入して積んであったプラッツの公式キットです。去年の秋に買いましたが、その頃はキットの評価が散々だったためか、定価4536円の品が2400円で販売されていました。当時の模型仲間にも、プラッツのガルパンキットは買わない方が良い、などと忠告された記憶があります。
というのは、上掲の劇中シーンにて「38(t)戦車 B/C型」と紹介されているにもかかわらず、プラッツの公式キットが形状も仕上がりも異なるE/F型のタイプであったからです。元になるドラゴンのキットにB/C型が存在しなかったためでしょう。実際にはB/C型という分類は存在せず、A/B型と呼ばれる前期型に相当します。
それならば、事情をきちんと説明した上で、補完用のパーツ等を新たに開発して添えてB/C型(実際のA/B型)への作り替えが出来るようにすれば良かった筈です。プラッツはそうしたユーザーへの配慮を一切施さずに、E/F型のキットをそのまま流用したため、モデラーの方々から批判を浴びてしまった形です。
そのプラッツの公式キットは、現在も販売されているようですが、批判された相違点はフォローされないままで、アマゾンでの商品説明でも「生徒会「カメさんチーム」が搭乗する『38 (t) 戦車』を再現。劇中のリアルな車体をサイバーホビー/ドラゴンのキットを使用し細部まで完全再現。」となっています。実際には「完全再現」ではありませんから、ガルパン仕様に作る場合は様々な改造や追加工作が必要です。
なお、カメさんチームの38(t)戦車は、車体色が二種類あり、上図のような聖グロリアーナ女学院との親善試合時の金色塗装の姿のイメージが相当のインパクトを与えたためか、ネット上などで見かける先行作品の多くは金色塗装の姿にて製作されています。
私の制作においては、これまでの作品と同じく、全国大会出場時の姿に仕上げる予定です。上画像は、第三回戦のプラウダ高校との試合時のジャーマングレー塗装の勇姿ですが、この姿になったのは第一回戦の対サンダース校戦からでした。
ただ、ジャーマングレーと言っても、カバさんチームのⅢ号突撃砲F型に用いた色よりもやや青味がかかった色調であるのが劇中シーンでも確認出来ます。塗装時には、おそらく調色が必須となるでしょうが、私なりには、第二次大戦時のアメリカ海軍機の機体色みたいだなあ、と感じていますので、その系列の色たとえばミッドナイトブルーなどが使えるんじゃないか、と思います。
私の制作においては、以前に述べた事情により、プラッツの公式キットではなく、元のドラゴンのキットをメインにして組み立てることにしました。外見上はE/F型でも良いのですが、インテリアがG型以降のタイプであるようなので、上画像のG型のインテリア付きキットを模型仲間に譲っていただき、これでカメさんチームの38(t)戦車を内部まで再現して楽しむという形を選択しました。
ガルパン戦車キットで、内部も再現して楽しめるインテリア付きキットは、他にドラゴンのⅣ号戦車D型などが知られますが、私はウサギさんチームのM3中戦車リーをアカデミーのキットで作ったのが最初で、それがとても作り甲斐があって面白かったです。それで、インテリア付きキットをもう一回楽しみたいな、という気持ちがありました。
でも、ガルパン戦車の内部空間がだいたい分かるシーンは、劇中では一部のチームの戦車に限られます。主役のあんこうチームのⅣ号戦車D型を除けば、ウサギさんチームのM3中戦車リーとカメさんチームの38(t)戦車ぐらいです。あとのチームの戦車は内部の描写も一部にとどまっているので、インテリアをガルパン仕様に仕上げたくても、参考シーンが絶対的に不足しています。
なので、カメさんチームの38(t)戦車をインテリア付きキットで作る、というのは、私にとっても最上の選択肢でありました。
さらに、上画像のタミヤのマーダーⅢのキットも使用することになりました。以前の記事で述べたように、ドラゴンのキットでは履帯を作るのが大変なので、タミヤのマーダーⅢのキットのベルト式履帯を転用する方向で考えていたからです。マーダーⅢは、38(t)戦車の転用型なので、車体は38(t)戦車と同じだからです。
最初は、タミヤにベルト式履帯のパーツだけを請求して購入する積りでしたが、模型仲間にキットを贈っていただきましたので、そのベルト式履帯のパーツが使えることになりました。さらに車輪や他のパーツでも転用出来るものがあるようなので、このキットを頂けたことは有難かったです。
かくして、ドラゴンのキットをメインにして、プラッツの公式キットとタミヤのキットから一部のパーツを転用するという、私にとっては初めての贅沢な製作へと進むことになりました。
製作においては、インテリアも出来るだけ忠実に再現してガルパンのカメさんチームの雰囲気を楽しむ方向でいこうと考えました。使用するキットはドラゴンのG型のキットですが、一部のパーツはプラッツの公式キットにしか入っていないので、それらを転用する必要もありました。それで製作ガイドは、ドラゴンG型キット、プラッツ公式キットの両方を並行して使用しました。外見や外回りの制作ではプラッツ公式キットのガイドを、インテリア部分ではドラゴンG型キットのそれを使用しました。
上図の左がプラッツ公式キットのガイド、右がドラゴンG型キットのガイドです。双方を見比べると、ドラゴンキットのガイドから不要箇所を取り除き、ガルパンイラストで飾っているのがプラッツ公式キットのガイドであると分かりました。工程は、ドラゴンキットのガイドでは25ありますが、プラッツ公式キットのガイドでは21に減っています。あとの4工程はインテリア関連でした。
ただし、ドラゴンキットのガイドから不要箇所を取り除く際に、必要な箇所も誤って削ってしまっているようで、プラッツ公式キットのガイドではジャッキなどの説明が抜けてしまっています。工程番号も8番からずれてくるので、双方の制作ガイドを事前によく読んでチェックする作業が欠かせませんでした。
上画像は、洗浄と乾燥を終えた段階のドラゴンG型キットです。相変わらず細かいパーツ構成ですが、他の型のパーツも混じっているので、全部のパーツを使うわけではありません。
制作していて感じたのですが、ドラゴンのキットは、タミヤやファインモールド等の国産キットに比べてプラスチックがやや軟質のようです。改造や追加工作の際の、削ったり切ったりする作業において、さほどに力を入れなくても簡単に加工出来ました。逆に言えば、あまり力を入れると切り過ぎたり、削り過ぎたりしてしまいます。
ただし、柔らかいためか、ライターの火で炙っただけですぐに溶けてしまい、改造用の伸ばしランナーがうまく作れませんでした。初心者レベルの私にはまだ無い、高度なテクニックが必要のようです。
ドラゴンG型キットには、上図のエッチングパーツもついていますが、大部分はプラスチックパーツとの選択制なので、私の制作においては一部しか使いませんでした。プラッツ公式キットにもエッチングパーツは小さいのがついていますが、これは後部エンジンルームの上部ハッチに使用するものです。通常の組み立てにおいては、接着しても外からは全く見えない位置です。なので、つけてもつけなくても同じですが、後部エンジンルームの上部ハッチを可動状態に仕上げるのであれば、接着する必要があります。 (続く)