ステップ10および11です。ステップ10では上部車体の前面と右側を組み立て、ステップ11では内部操縦席のインパネと前部連装機銃を組み込みますが、ガルパン仕様では前部連装機銃はありませんので、パーツC12およびC17は不要となります。
ステップ10では、最初に上部車体の前面と右側のパーツを切り出しました。このうち75ミリ主砲の基部にあたるF3を除く全てのパーツでガルパン仕様への改造が必要となります。一体成型のパーツだと苦労する部分なので、このようにパーツが分割式であるのは有難いです。
まずはパーツF2です。前面装甲板の右側、75ミリ主砲基部の左側にある三角の側板に相当します。ウサギさんチームの阪口桂利奈の位置から見ると右側にあたります。パーツには、リベットやモールドがあります。
ですが、劇中のワンシーンを見てみると、該当部分にはリベットが全く無く、下の長方形のモールドもありません。そこでパーツのリベットやモールドは全て削り取ることになります。
パーツF2のリベットやモールドを全て削り取りました。
次のパーツはF7です。右側側板にあたり、ハッチの開口部がつきます。反対側のパーツF6の時と同じように、やや後ろ寄りに縦に並ぶリベットの位置を少し後ろにずらします。
パーツF7の該当するリベットを削り取り、少し後ろに貼り直して再現しました。
前面装甲板にあたるパーツF4です。右下には前部連装機銃の開口部が盛り上がってつけられます。
公式設定資料の画像で確認すると、その部分はフラットになっていて、前部連装機銃が外されていることが分かります。その位置にはウサギさんチームのマークがペイントされています。よって、パーツでも機銃開口部を埋めてフラットに仕上げ、塗装後にウサギさんチームマークのデカールを貼り付けることになります。
パーツF4の前部連装機銃の開口部の盛り上がりを削って平らに均しました。それから開口部の孔にランナーを適当に削ったものを押し込み、接着剤を多めにつけて乾燥させました。
一日置いておき、翌日にもう一度削ってフラットに仕上げました。さらに操縦席のクラッペの左下につけるパーツB12も不要なので、その取り付け穴も埋めました。
パーツ毎の改造が終わりましたので組み立てに移りましたが、その前に、既に左側と背面が組みあがっている車体パーツを下部車体パーツに仮組みして上下の合わせがうまくいくかをチェックしてみました。
アカデミーのキットでは、小さいパーツ同士は問題なく合うのですが、組み合わせたパーツ同士になると微妙に合わなかったりすることが多いとされています。その点を検証してみたのですが、やはり上部車体がカッチリと収まりませんでした。
そこで、前部と背面の装甲板の端を少し削ったり、干渉しそうな突起部分などを削ったりしながら微調整しました。車体の上下を組み合わせる際に注意すべきは、75ミリ主砲の軸部を歪まないようにしっかりとはめ込むことです。それで、上下車体を合わせる位置も、75ミリ主砲の軸部を中心にして調整しました。
その後、斜め前から撮影したのが上画像です。車体内外のディティールがよく分かります。操縦席は前面装甲板のすぐ後ろにあり、阪口桂利奈がそこに座ってレバーを操るわけです。その横におさまる75ミリ主砲の砲手席には、山郷あゆみが着くわけですが、そのスペースが思ったよりも狭い事に気付かされます。
前部装甲板のF4および75ミリ主砲基部のF3を接着しました。上画像では見えませんが、三角形の側板F2もつけました。
右側側板のF7を接着しました。ハッチ開口部の上にパーツB8を取り付け、乾燥後に根元だけ残して切り取り、その取り付け穴を埋めました。反対側のF6で行った追加工作と同じです。
車体上部が完全に組みあがりました。分割式なので、パーツ毎の接着面も綺麗に整えてしっかりと組み立てていかないと歪みやズレが生じやすいです。一つ一つ丁寧に組み立てていきましたが、その甲斐あってか、歪みやズレはありませんでした。さきに調整した箇所とも合うように端などを削ったりヤスったりしていますが、はめ込むと目立たなくなる部分ばかりなので、外見への影響は少ないと思います。
再度、組みあがっている上部車体パーツを下部車体パーツに仮組みして上下の合わせがうまくいくかをチェックしてみました。前面装甲板の端がきっちりとはまらない気がしたので、少しヤスったりしてカチッとはまるようにしました。
キットの制作指示においては、上下の車体を接着することになりますが、インテリアの大部分がそれによって見えなくなります。その点を私の制作ではどうすべきか、少し迷いました。車体の上下を接着せずにいつでも外せるようにして、内部の様子も見て楽しむ、ウサギさんチームのフィギュアセットが発売になったら、それらを乗せて劇中の雰囲気を楽しむ、という選択肢も魅力的だと思うからです。
とりあえず、インテリアの塗装もありますので、組み立て工程においては、上下車体の接着はひとまずしないことにしました。
続いてガルパン仕様への追加工作を行いました。上掲の劇中のワンシーンでも分かるように、後部装甲板は全てフェンダーの高さまでつけられています。アカデミーのキットでは、この部分が短くカットされていますので、追加することになります。
プラ板をカットして上図のように組み付けました。寸法はやや大きめに採りましたので、接着して乾燥させたのち、ヤスリで少しずつ削って整えました。
この追加部分は、車体の上下をはめ合わせる際にも干渉する部分ですので、合わせる際につっかえたりしないように調整する必要がありましたが、側板のサイズをパーツにしっかり合わせておいたことによって、問題なく組み付けが完了しました。
組み付け後に、内側からプラ板を重ね貼りして強度を与え、流し込み接着剤も併用して、簡単に外れたり歪んだりしないようにしました。一日置いて乾燥させておき、それからパテ塗りして整形し、リベットを再現する予定です。
この段階で、ステップ10はほぼ完了しました。ステップ9から続いている後部左右の道具箱は、パテ塗りしてヤスって整形する段階まで進めました。
ステップ11では、操縦席のインパネにあたるパーツC13を接着しますが、これもガルパン仕様とは形状が異なります。パーツでは上にヒレみたいな部分がついていますが、劇中ではありません。
劇中のワンシーンを御覧下さい。パーツに見られる上のヒレみたいな部分がありません。さらに左上の白円内の位置に、キットでは小物入れとみられるパーツC2をつけるのですが、劇中では見当たらないので、C2は不要としました。
パーツC13の上のヒレみたいな部分を切り取りました。
車体内部に接着しました。前部連装機銃の開口部を埋めた跡が雑ですが、車体を合わせると全く見えなくなりますので、問題はありません。
車体内部の視点で撮影してみました。前部のクラッペも小さいので、阪口桂利奈の視線や視界がかなり限られていることがよく分かります。そのためか、劇中では砲塔上から澤梓が指示を出しているほか、左右の山郷あゆみや宇津木優季らがそれぞれのクラッペなどから外の状況を把握して、阪口桂利奈に進路や前方状況などを伝えたりしているシーンがみられますね。
追加工作や改造が多くて大変ですが、作りながらウサギさんチームの動きをリアルに追体験出来るので、とても楽しいです。 (続く)